2021-08-24

社会主義国の宣伝要員となった進歩的文化人/『愛国左派宣言』森口朗


『「悪魔祓い」の戦後史 進歩的文化人の言論と責任』稲垣武
『こんな日本に誰がした 戦後民主主義の代表者・大江健三郎への告発状』谷沢永一
『悪魔の思想 「進歩的文化人」という名の国賊12人』谷沢永一
『誰が国賊か 今、「エリートの罪」を裁くとき』谷沢永一、渡部昇一
『いま沖縄で起きている大変なこと 中国による「沖縄のクリミア化」が始まる』惠隆之介
『北海道が危ない!』砂澤陣
『これでも公共放送かNHK! 君たちに受信料徴収の資格などない』小山和伸
『ちょっと待て!!自治基本条例 まだまだ危険、よく考えよう』村田春樹
『自治労の正体』森口朗
『戦後教育で失われたもの』森口朗
『日教組』森口朗
『左翼老人』森口朗
・『売国保守』森口朗

 ・社会主義国の宣伝要員となった進歩的文化人
 ・陰謀説と陰謀論の違い
 ・満州事変を「関東軍による陰謀」と洗脳する歴史教育
 ・関東軍「陰謀論」こそウソ
 ・新型コロナウイルス陰謀説
 ・皇室制度を潰す「女系天皇」

『知ってはいけない 金持ち悪の法則』大村大次郎

必読書リスト その四

 米ソが対立すると「社会主義」は各国民の「妄想」を超えて、ソ連を親分とする集団の「陰謀」へと進化します。ソ連及びその手下となった東ヨーロッパ諸国、中華人民共和国、北朝鮮などが、先進国を陥れる「陰謀」の一貫として「社会主義体制の下で人々は幸せに暮らしている」というウソを流し始めたのです。でも、社会主義国が言うだけではウソは先進国の国民に届きません。そこで、先進国に住む政治家、マスコミ関係者、大学教授達が、社会主義国の宣伝員として、そのウソをバラまく役目を担当したのでした。
 ちなみに、日本の大学の少なくない文系学部は、令和時代の今でも、学生時代に民青(日本民主青年同盟)という事実上の共産党の下部組織に入っていたお陰で、学術的能力が劣るのに大学教授になれた人が大勢います。そのせいか少なくない大学の文系学部生の教員は、社会主義諸国の宣伝を信じていました。
 では、何故、昭和時代に日本人は、社会主義宣伝員のウソを信じたのでしょう。今と違って政治家、マスコミ関係者、大学教授などには多少の権威があったのが一要因でした。また、令和時代と違って戦争直後は、敗戦国日本の暮らしが厳しかったからという側面もありました。

【『愛国左派宣言』森口朗〈もりぐち・あきら〉(青林堂、2021年)】

 読書中。記憶力が読書量に追いつかないため、どんどん書いてゆく。「国立大学の反自衛隊イデオロギー/『正論』2021年6月号」関連テキストである。谷沢永一〈たにざわ・えいいち〉の国賊三部作を読めば理解が深まる。グローバリズムに関しては馬渕睦夫著『国難の正体 世界最終戦争へのカウントダウン』を参照せよ。

 最も有名で悪影響が大きかったのは本多勝一〈ほんだ・かついち〉で中国当局の情報を鵜呑みにして書いた『中国の旅』(朝日新聞社出版局、1972年)は日本社会に深刻なダメージを与えた。私の世代でも洗礼を受けた人は多い。1980~1990年代はまだまだ左翼全盛と言ってよい時代であった。日本近代史を見直す端緒を開いたのは新しい歴史教科書をつくる会であり、ネトウヨと蔑まされた人々であった。私は実際のネトウヨを目撃したことはないのだが、今となっては罪(ざい)よりも功(こう)が大きいと信ずる。

 現在にあっても「ネトウヨ」と書くのは左翼であると断定してよい。そこには歴史修正主義、反国際条約といった意味合いが含まれている。彼らはすなわち東京裁判史観絶対主義で「日本=悪」と断ずることで、日本の文化や歴史を黒く塗り潰して、赤く塗り替えようとする手合いだ。

 1970年代に学生運動が行き詰まると左翼は各界に浸透工作を図った。これを侮ってはいけない。官公庁から大企業および学校から宗教団体に至るまで浸透は進んだものと考えるべきだろう。使命や任務に生き甲斐を感じる人は多い。まして共産主義という崇高な理想があれば、孤独な任務にも耐えられる。そして忍耐が大きいほど手に入る果実もまた大きくなると錯覚するのが大脳の癖なのだ。

 高い知能の特徴は何か? それは「他人を騙(だま)すこと」である。残念ながら「思いやりが本能である」事実はフランス・ドゥ・ヴァールが指摘している(『あなたのなかのサル 霊長類学者が明かす「人間らしさ」の起源』)。騙すためには相手の信念を理解する必要がある。他人の頭の中(価値観)を理解した上で巧みな嘘を上書きするのが「騙す」という行為である。

 宗教や健康食品を見れば一目瞭然だ。マスメディアも同様で、むしろ大衆は騙されたがっているようにすら見える。我々が手品や大どんでん返しのストーリーに魅了されるのは「騙されるのが好きだから」としか言いようがない。

 左翼に騙されるのか、左翼の嘘を見抜くのかが問われる時代となった。ただし愛国心を重んじる保守派が「左翼を騙す」戦略をとることはないだろう。自国を愛する心は他国を尊重せざるを得ないからだ。グローバリズムを掲げるGAFAMが21世紀の左翼支配層である。ヨーロッパで殺され続けてきたユダヤ人の反撃と考えてもよかろう。



左翼絶賛~人気脚本家による労働組合ノススメ/『未明の砦』太田愛

2021-08-23

国立大学の反自衛隊イデオロギー/『正論』2021年6月号


『ビッグデータの正体 情報の産業革命が世界のすべてを変える』ビクター・マイヤー=ショーンベルガー、ケネス・クキエ

 ・経済安全保障 日本の惨状
 ・日本はサイバー後進国
 ・国立大学の反自衛隊イデオロギー

『愛国左派宣言』森口朗

兼原●日本には人材のエコシステムがない。この点、日本の学界の反自衛隊イデオロギーは深刻です。絶対に防衛省と協力しないという強烈なアレルギーがあります。未だに東大とか阪大とか名大とかは研究室に就職するときに「私は軍事研究を絶対やりません」という念書を書くんですよ。

手塚●国立大学はそうだと聞いてます。

兼原●本当にすごい嫌がらせがあるそうです。民間の会社の事業を手伝っていたある国立大学の教授は、その会社が防衛省の協力基金助成をもらいに行った瞬間に、大学を辞めるか、研究を止めるかどっちかにしてくれと言われたとか。こんな話が山ほどあるんです。そういう状況の中で、最先端の一番優秀なIT学者に政府と一緒に国家安全保障のためにデジタルコミュニティーを作りましょうと議論しようとしても、その土壌がない。

【「特集 経済安全保障 日本の惨状」/『正論』2021年6月号】

 2020年10月、防衛省からの資金提供を受けていた北海道大学の奈良林直〈ならばやし・ただし〉名誉教授の研究(船の燃費向上および高速度化)に対して、日本学術会議が圧力をかけたニュースが報じられた。

日本学術会議の闇 北海道大教授の研究めぐり大学に「事実上の圧力」 安全保障技術研究推進制度の応募を辞退させていた(1/3ページ) - イザ!
「学問の自由、侵害は学術会議」北大・奈良林名誉教授 声明…錦の御旗に - 産経ニュース

 日本の戦後史は自民党の不作為の歴史といっても過言ではない。学校現場や文科省を左翼の巣窟にした責任は大きい。左翼が戦時中の憲兵みたいな役割を担っているのだから開いた口が塞がらない。

 スパイ防止法を求める国民の声が高まらない限り、この国が変わることはない。中国との戦争に敗れるようなことがあれば、大東亜戦争敗北の比ではあるまい。

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2021-08-22

日本はサイバー後進国/『正論』2021年6月号


『ビッグデータの正体 情報の産業革命が世界のすべてを変える』ビクター・マイヤー=ショーンベルガー、ケネス・クキエ

 ・経済安全保障 日本の惨状
 ・日本はサイバー後進国
 ・国立大学の反自衛隊イデオロギー

兼原●20年前のことですが、小泉純一郎首相がアフガニスタンでの米軍による「不朽の自由作戦」に対して海上自衛隊の護衛艦などを出しました。首脳間では、人の戦争に自国の軍隊を出すというのはすごい貸しになるんです。喜んだブッシュ大統領は「ジュンは盟友だ!」となった。そこで、日米で情報協力を進めようという話になったんですが、CIA(中央情報局)は反対したらしいんですよ。「そもそも日本政府はデジタル情報の統合が極端に遅れており、サイバーインテリジェンスも知らないし、サイバーセキュリティも恐ろしく甘い」と。この状況は今でも変わりません。

手塚●欧州連合(EU)が始めた「EU一般データ保護規制(GDPR)」の運用は、EUを含む欧州経済領域内で取得した個人データの海外移転を原則禁止しています。それに比べて日本は対応がすごく甘い。データセンターは海外の方が人件費などのコストが安いから、そっちを利用してしまうわけです。

兼原●スパコンは、例えばこの瞬間の日本の全ての電信通話を入れても量的に平気なんですよね。スパコンというのは大体1台回すのに数万世帯分ぐらいの電気を消費しますが、当然日本の電気料金は高いし、日本のスパコンもクラウドも高いわけですよ。

手塚●土地も高い。建物を置いてサーバーとか置かなきゃいけませんから。ある国がどこかの会社にサーバー管理をやらせて、政府から補助金をもらって「安いですよ」と世界中で売って回って簡単に引っかかるのは多分日本人だけです。

【「特集 経済安全保障 日本の惨状」/『正論』2021年6月号】

 サイバー特区を作る他あるまい。地震の少ない富山自然災害の少ない栃木災害に強い滋賀、佐賀、香川あたりが候補地だろう。個人的には瀬戸内海に面している県が望ましいと思う。

 頭のよいエリートは理論に走り過ぎて現実を見失う傾向がある。すなわち計画経済的な発想では国民が苦しむ結果となる。それゆえ国家のグランドデザインを描くためには様々なタイプの人材を活用することが不可欠だ。特に過去の戦争研究が必要で、なぜ失敗したのか、どこをどうすれば変わったのかを具体的にしなければ、またぞろ同じ轍(てつ)を踏むことになろう。就中(なかんづく)、戦前から引き継がれてきた官僚システムを一新するのが急務である。

 日本の安全保障についてはもはや自民党では無理だろう。新党結成の動きを待つしかない。現在の自民党が親中派に蝕まれているとすれば、袂(たもと)を分かつ政治家が出てきて当然だ。むしろ出ない方がおかしい。

 国防予算はGDPの3%程度、軍需産業を復活させれば景気対策にもなる。その手始めとしてサイバー特区を進めるべきだ。

2021-08-21

経済安全保障 日本の惨状/『正論』2021年6月号


『ビッグデータの正体 情報の産業革命が世界のすべてを変える』ビクター・マイヤー=ショーンベルガー、ケネス・クキエ

 ・経済安全保障 日本の惨状
 ・日本はサイバー後進国
 ・国立大学の反自衛隊イデオロギー

兼原●トランプ政権の時、アメリカは中国系動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の使用を一時止めましたが、なぜTikTokがだめなのか。入力している色んな情報、例えば生年月日、クレジットカードとか、おそらく全部中国のサーバーに抜かれるんです。彼らはそれをスパコンを使ってAIをかけて高度なインテリジェンス情報に加工できる。塵(ちり)の山からダイヤモンドが生まれるんです。
 人工知能は、人間がペーパーで情報分析すれば数年かかる作業を一瞬でやってしまう。例えばミスター何某が著名なテロリストと接触している可能性のある場所と時間、泊まったホテル、乗った飛行機、借りた車、そのときの写真や電話通信の音声記録などを一瞬で割り出してしまう。一見どうでもよい大量のデータ自身が、人工知能のお蔭で非常に価値の高いインテリジェンスを生むのです。宝の山なんです。中国、ロシアには、そもそも「個人情報だから」なんて言う遠慮はないんですよ。
 これが現代のサイバーインテリジェンスです。これが怖い。日本人は抜かれた情報がどうなるのかを誰も考えていない。LINE問題も同じです。

【「特集 経済安全保障 日本の惨状」/『正論』2021年6月号】

 兼原信克〈かねはら・のぶかつ〉(元内閣官房副長官補、同志社大学特別客員教授)と手塚悟〈てづか・さとる〉(慶應義塾大学教授)の対談。聞き手は田北真樹子〈たきた・まきこ〉(月刊正論編集長)。

 こうした鮮度の高い情報はブックレット形式でどんどん出版すべきだろう。インターネットによって読書量が減ったと言われるが、読んでいる活字の量は同程度か、むしろ増えたと考えてよい。読む対象が紙の文字からデジタルのフォントに変わっただけだ。もしもジェネレーションZ(デジタルネイティブ)と呼ばれる世代が本を読まなくなったとすれば、出版社は書籍の体裁を変えるのが当然だろう。版型を小さくしたブックレット形式が望ましいと私は考える。

 私はかつてフェイスブックを使っていたが直ぐにやめた。個人情報の流用を指摘する声が少なからずあったからだ。仕事で使っていたLINEもパソコンで使えなくなったタイミングでやめた。ちょうど女性の延々と続く雑談トークに辟易していたところだった。私の個人情報はとっくにバレバレなのだが、それでも相応の慎重さが求められる。ツイッターの投稿ですらプライバシーに関わる不用意な発言は控えている。

 もちろん私の個人情報にさほど価値があるわけではない。だがあらゆる情報にはデータとしての価値があるのだ。風が吹けば桶屋が儲かるという構図は因果関係を辿ったものだが、ビッグデータは風以外の情報から相関関係をピックアップして桶屋の儲けを導き出す。因果関係だけでは未来予測ができない。

 かつて「歯車」と称された人間は、より卑小な存在に格下げされてアトム化に至る。人々は平均値を目指して平準化せざるを得ない。やがてはビッグデータを支えるべく率先して個人情報を公にし、あるいは自分や他人の個人情報を売買することになるのは時間の問題だろう。