2013-10-20

『現代オカルトの根源 霊性進化論の光と闇』大田俊寛(ちくま新書、2013年)

現代オカルトの根源:霊性進化論の光と闇 (ちくま新書)

 ヨハネ黙示録やマヤ暦に基づく終末予言、テレパシーや空中浮揚といった超能力、UFOに乗った宇宙人の来訪、レムリアやアトランティスをめぐる超古代史、爬虫類人陰謀論――。多様な奇想によって社会を驚かせる、現代のオカルティズム。その背景には、新たな人種の創出を目指す「霊性進化論」という思想体系が潜んでいた。ロシアの霊媒ブラヴァツキー夫人に始まる神智学の潮流から、米英のニューエイジを経て、オウム真理教と「幸福の科学」まで、現代オカルトの諸相を通覧する。

神智学協会というコネクター/『仏教と西洋の出会い』フレデリック・ルノワール

2013-10-17

荒牧陽子【ものまね】本人映像合成


2013-10-13

LOGICOOL ステレオスピーカー Z120BW

LOGICOOL ステレオスピーカー Z120BW

 シンプルな接続と操作で、手軽に楽しめる◆パソコンやネットブック上のUSBポートから電源をとります。コンセントは不要です。◆3.5mmステレオミニジャックをもつ携帯音楽プレーヤーを含めた、多くのオーディオ機器・パソコンに接続することができます。◆見苦しいケーブルも収納機能により、すっきりとしたデスク周りを保てます。また、移動も簡単です。◆ボリュームと電源ON/OFFのシンプル操作で、手軽にリッチなサウンドを楽しめます。/※ご使用にはパソコン等のUSBポートからの給電が必要です。

2013-10-12

イラク女性の悲哀、裁判所が命じる「処女検査」


 未婚女性の貞操が重んじられるイラクでは、男性の申し立てに応じて裁判所が女性に「処女検査」を命じることが可能だ。

 中東では新婦が処女でなかった場合、名誉を傷つけられたとして新郎の親族が新婦を殺害することもあるほどで、結婚まで処女でいることは女性にとって文字通り「生死」にかかわる問題だ。

 イラクでは新郎が新婦が処女でないと疑いを持った場合、裁判所に申し立てをすることができる。申し立てを受けた裁判所は、バグダッド(Baghdad)の医療法務機関(Medical Legal Institute、MLI)に検査を命じる。

 検査の結果、女性側に婚前性交渉はなかったと判明する場合がほとんどだ。とはいえ、検査が女性にとってつらい体験であることに変わりはない。

 処女検査の実施機関や医師、弁護士らを、AFPが取材した。

◆検査の背景に誤った「処女」知識

 MLIでは1日平均数件の「処女検査」が行われている。MLIのムンジド・レザリ(Munjid al-Rezali)所長によると、検査要請は初夜の翌日が多い。要請は珍しいことではなく、「よくあることだ」という。

 MLIで検査を担当するサミ・ダウード(Sami Dawood)医師は、「男性たちは、初夜の後、女性は出血するものだと信じている。このため、出血しなかった女性は処女ではないと思ってしまう」と述べ、イラクにおける性教育と性に関する知識の貧しさを嘆く。

 処女検査の所要時間はおよそ15~30分。女性医師1人以上を含む3人の医師が処女膜の検査を行い、別の医師2人が結果を検証する。検査の結果は裁判所に直接送られ、第3者が閲覧することはないという。

 女性だけでなく、男性側の性的不全を検査することもある。というのも、自身の勃起不全を恥じた男性が、これを隠すために女性が処女ではないと主張することがあるからだ。

virginity tests copy

◆殺されるよりまし?「人権侵害」との批判も

「処女検査」について、ダウード医師は「ほとんどの場合、結果は女性側に有利なものだ」としたうえで、「こうした検査自体が不名誉なことだ」と批判的だ。

 それでも、ダウード医師は「昔は初夜のシーツに血が付かなかったことで女性たちが殺されていたことを考えれば、現在の男性たちは裁判所と処女検査を通じて解決を求めるようになったということだ」と、検査に利点があることも認めた。

 だが、弁護士のアリ・アワド・クルディ(Ali Awad Kurdi)氏は、「もしも女性が処女でないことを男性に告げずに結婚しようとした場合、その女性を保護する法律は(イラクには)ない」と指摘する。このような場合は、女性の家族が、贈り物や賠償金、それまでの交際費用などを男性に支払うことになるという。

 国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)の上級政策顧問、マリアンヌ・モルマン(Marianne Mollmann)氏も、処女検査が不当なうえ効果もないと批判する。

 モルマン氏は「処女検査を強要し、いわば裁判所を通じて合法とされた処女検査が問題なのは、非常に多くの人権侵害に当たるからで、断じて正当化できない」と主張。さらに「仮に合法的だとしても、(処女膜を検査する)処女検査では処女性は判断できない。処女膜はさまざまな原因で破れるからだ」と付け加えた。

 一方、イラクの司法当局者は、この問題について誰1人取材に応じていない。

AFP 2013-07-03

「処女検査」、高校入学条件に導入計画で批判続々―インドネシア・プラブムリ市

ヒトラー



わが闘争(上)―民族主義的世界観(角川文庫)わが闘争(下)―国家社会主義運動(角川文庫)続・わが闘争―生存圏と領土問題 (角川文庫)

アドルフ・ヒトラー ナチス党大会終了演説(日本語字幕)


アメリカ経済界はファシズムを支持した/『アメリカはなぜヒトラーを必要としたのか』菅原出

マララさん 銃撃事件の波紋~国連スピーチ


 胸を打つというレベルのスピーチではない。足が震えてくるほどだ。









セヴァン・カリス=スズキ(12歳) 環境サミット1992

2013-10-11

目撃された人々 47

2013-10-09

10月8日、新100ドル紙幣が発行


 個人的にはトリッキーな金融引き締めであると考えている。

New $100 Bill Printing Costs More than 120 Million Dollars





2013-10-08

Tax Dollars At War


 何となく理解できるが翻訳を切望。

ラーシュ・ケプレル


 2冊読了。

 46、47冊目『催眠(上)』『催眠(下)』ラーシュ・ケプレル:ヘレンハルメ美穂訳(ハヤカワ文庫、2010年)/2日で読了。傑作。個人的には『チャイルド44』以来のヒット。ラーシュ・ケプレルは匿名作家のペンネームだってさ。ところが本国スウェーデンで刊行される前に20ヶ国以上に翻訳権を売ったということで話題をさらい、ある新聞が正体を読み解いてしまったらしい。北欧ミステリにはリリシズムがある。たぶん冬から春の変化に敏感なためだろう、と道産子の私は考える。凄惨な一家惨殺事件から始まり、何と前半で犯人がわかる。カットバックを多用することで物語全体が不思議な複層を帯びる。中盤で精神科医である主人公エリックの過去が挿入される。やや長いのだがここが新たな展開の重要な伏線となっている。タイトルの催眠とは催眠療法のこと。夫婦関係の行き詰まりや、子供が特殊な病気であることもリアリズムを深めている。ひとつ難点を挙げると、ヨーナ・リンナ警部とエリックが「ぼく」を使用しているために二人のキャラクター分けが上手くいっていないことだ。時々どっちがどっちだかわからなくなる。ついでにもう一つ書いておくと、二人の犯人が異様に強すぎること。

2013-10-05

ブライアン・グリーン、ジェフリー・ディーヴァー、長崎新聞社「累犯障害者問題取材班」、他


 17冊挫折、4冊読了。

脳の探究 感情・記憶・思考・欲望のしくみ』スーザン・グリーンフィールド:新井康允監訳、中野恵津子訳(無名舎、2011年)/図はよいのだが文章がまるでダメ。「脳の本 紹介・書評」で知った1冊。

覚醒(上)』山本譲司(光文社、2012年)/初の小説作品か。何となく言いわけめいたものを感じたのでやめた。

賭ける仏教 出家の本懐を問う6つの対話』南直哉〈みなみ・じきさい〉(春秋社、2011年)/南は僧衣をまとった哲学者だ。彼が宗教者である必要はないだろう。

ヒトはなぜ神を信じるのか 信仰する本能』ジェシー・ベリング:鈴木光太郎〈すずき・こうたろう〉訳(化学同人、2012年)/冗長。あまりにも冗長すぎる。それだけで説明能力を疑ってしまう。これほどの期待外れも久々。

人生がときめく片づけの魔法』近藤麻理恵(サンマーク出版、2010年)/良書。読み終えていないのだが「必読書」に入れた。このお嬢さんは顔つきがよい。文体にもそれが表れている。

素人が書いた複式簿記』岡部洋一(オーム社、2004年)/時間がないため後回し。

シーシュポスの神話』カミュ:清水徹訳(新潮文庫、1969年)/西洋の哲学は「考え過ぎ」だ。ま、それだけ神の束縛が強いのだろう。最初とシーシュポスの件(くだり)だけ飛ばし読み。

動物農場 おとぎばなし』ジョージ・オーウェル:川端康雄訳(岩波文庫、2009年)/新訳。高畠文夫訳と比較しようと思ったのだが時間がなかった。悪くはないと思う。

チャンピオンたちの朝食』カート・ボネガット・ジュニア:浅倉久志訳(早川書房、1984年/ハヤカワ文庫、1989年)/文章が肌に合わず。ボネガットはまだ1冊も読んでない。

ヒューマン なぜヒトは人間になれたのか』NHKスペシャル取材班(角川書店、2012年)/出だしの文章がよくない。まるでスピード感がない。

人間革命をめざす池田大作』高瀬広居〈たかせ・ひろい〉(有紀書房、1965年)/資料。確認したい文言があったため。

中国英傑伝(上)』海音寺潮五郎(文藝春秋、1971年/文春文庫、1978年)/宮城谷昌光が触れていたので読んでみた。過去に海音寺作品の数冊を手に取ったが読み終えた本は1冊もない。

複式簿記のサイエンス 簿記とは何であり、何でありうるか 簿記学対話』石川純治(税務経理協会、2011年)/知識のない私には難しすぎた。

カネと暴力の系譜学』萱野稔人〈かやの・としひと〉(河出書房新社、2006年)/文章の構成が悪い。萱野にしては雑な仕事だ。

身ぶりと言葉』アンドレ・ルロワ=グーラン:荒木亨訳(新潮社、1973年/ちくま学芸文庫、2012年)/こんなに厚いとは思わなかった。後回し。

「多様な意見」はなぜ正しいのか 衆愚が集合知に変わるとき』スコット・ペイジ:水谷淳〈みずたに・じゅん〉訳(日経BP社、2009年)/著者は集合知と群衆の叡智を混同している。日経らしくタイトルもおかしい。多様な意見が正しいのであれば、世界はとっくに平和になっているはずだ。

宇宙を織りなすもの 時間と空間の正体(下)』ブライアン・グリーン:青木薫訳(草思社、2009年)/詳細は下記に。

 42、43冊目『死の教訓(上)』『死の教訓(下)』ジェフリー・ディーヴァー:越前敏弥〈えちぜん・としや〉訳(講談社文庫、2002年)/佳作だが読む人を選ぶ作品だ。まだ人気がなかった頃の作品である。それでも面白かった。捜査主任のビル・コードが主人公だが本当の主役は娘のセアラだ。驚くべきことに読者が共感できるのは学習障害を抱えたこの少女に限られている。これは学習障害を理解させるために敢えて行った設定であろう。事件後の大学側の対応と比較するとより一層浮き彫りになる。

 44冊目『居場所を探して 累犯障害者たち』長崎新聞社「累犯障害者問題取材班」(長崎新聞社、2012年)/良書。新聞記事のため物足りなく感じるのは仕方あるまい。累犯障害者については本書から入り、次の順番で読むのがよい。『獄窓記』→『続 獄窓記』→『累犯障害者』→『自閉症裁判 レッサーパンダ帽男の「罪と罰」

 45冊目『宇宙を織りなすもの 時間と空間の正体(上)』ブライアン・グリーン:青木薫訳(草思社、2009年)/ブライアン・グリーンにも外れがない。血沸き肉踊る天才本だ。これこそ私が求めていた一書である。今まで知り得た科学知識も本書によって一段と整理された。が、しかしである。下巻で挫けた。チンプンカンプンだった。私の知識ではちょっと追いつけない。ってなわけで、2~3年勉強してから再び取り組む予定だ。こちらも「必読書」入り。

2013-10-02

真のコミュニケーション/『集合知の力、衆愚の罠 人と組織にとって最もすばらしいことは何か』アラン・ブリスキン、シェリル・エリクソン、ジョン・オット、トム・キャラナン


『新・人は皆「自分だけは死なない」と思っている』山村武彦
『人が死なない防災』片田敏孝
『無責任の構造 モラルハザードへの知的戦略』岡本浩一
『最悪の事故が起こるまで人は何をしていたのか』ジェームズ・R・チャイルズ
『生き残る判断 生き残れない行動 大災害・テロの生存者たちの証言で判明』アマンダ・リプリー
『死すべき定め 死にゆく人に何ができるか』アトゥール・ガワンデ
『失敗の科学 失敗から学習する組織、学習できない組織』マシュー・サイド
・『群衆の智慧』ジェームズ・スロウィッキー

 ・集合知は群衆の叡智に非ず
 ・集合知は沈黙の中から生まれる
 ・真のコミュニケーション

『オープンダイアローグとは何か』斎藤環著、訳
『まんが やってみたくなるオープンダイアローグ』斎藤環、水谷緑まんが
『隠れた脳 好み、道徳、市場、集団を操る無意識の科学』シャンカール・ヴェダンタム
『予想どおりに不合理 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」』ダン・アリエリー

必読書リスト その五

 本書を読んでいると人と人とのつながりを考えさせられる。果たして我々の日常に「対話」と呼べる行為があるだろうか? また他人に対しては傾聴を求めがちだが自分は傾聴しているだろうか? そして集合知が求められるのはどのような場面だろうか?

 多くの人は自らの完全性を、自らの宗派の完全性と同じく絶対のものだと確信しています。あるフランス人女性は、ちょっとした姉妹喧嘩で「でも、つねに正しい人など会ったことがないわ。私以外はね」と言いました。(ベンジャミン・フランクリン)

【『集合知の力、衆愚の罠 人と組織にとって最もすばらしいことは何か』アラン・ブリスキン、シェリル・エリクソン、ジョン・オット、トム・キャラナン:上原裕美子〈うえはら・ゆみこ〉訳(英治出版、2010年/原書、2009年)以下同】

 その意味では誰もが何らかの「信仰」を持っていると考えてよい。信者の辞書に「自問自答」は存在しない。もちろん「懐疑」も。

 フランクリンは、(中略)言葉数は少ないながら、宗教の不可謬性と、「自分はつねに正しい」と思いたがる人間ならではの性質を並べて論じてみせた。不可謬性を信じるのは時代遅れであり、民主主義が求めるものとは真っ向から対立すると主張し、個人または少集団がつねに正しい、または唯一の解決策を持っていると考えると、集団は危険な存在となると警告した。

 ただし民主主義も多様性から一気に衆愚へ傾く場合がある。特に不況で国民の間にストレスが蔓延している時は要注意だ。

 民主主義は脆弱な同意だ。集団の力と技術、そして理性を共有する人の力に依存している。だが真の民主主義はパワーになる。他者の意見に耳を傾けることを通じて、互いの差異と団結とを意識することのできる新しい集合体が生まれる。

 マスメディアが正常に機能していない以上、間接民主制(代議制)が集合知を発揮するとは思えない。種としてのヒトのコミュニティはやはりインディアンなどの部族程度が望ましいのではないだろうか。直接「声が届かなければ」集合知には至らないと私は考える。

「真の対話(ダイアログ)とは、ふたり以上の人間が、相手の前で自分の確信を保留できることによって生じる」(デヴィッド・ボーム)

 クリシュナムルティと対談している割にはボームの『ダイアローグ 対立から共生へ、議論から対話へ』は面白くなかった。

 集まっていたごく普通の人たちが、「聞く耳がある」ではなく、「聞く力がある」という態度で、互いの意見に耳を傾けた。

 ここは「聴く力」とすべきである。「聴」の字は「聡」や「徳」に通じているような気がする。それにしても見事な表現だ。

 集団の構成員は、それぞれが独自の目で世界を見ている。それぞれの情報はすべて貴重であり、同時に、全体を構成する一部でもある。場合によっては厄介だ。

 それぞれの情報は「部分情報」なのだ。ゆえに部分を統合させる作業が必要となる。各人が部分に固執してしまえば全体を見失う。「聴く」ことが石段となって高い視点を生み出す。

 そして集合知に欠かせないのは「よい方向への逸脱(ポジティブ・デビアンス)」であるという。逸脱が豊かな幅を形成する。

「どんなコミュニティや組織にも、あるいは社会的集団の中にも、例外的なふるまいや行動をして、よい結果を得ている存在がいる。……こうした“ポジティブ・デビアント(よい方向に逸脱した人たち)”は、自分では意識することなく、集団全体に成功をもたらす道を見つけている。彼らの秘密を分析し、分離し、のちに集合全体で共有すればいいのだ」(デヴィッド・ドーシー)

 一言でいえば「ユニーク」ということだ。多彩な表現力が新たな発見につながる。

 そして、特定のスタンスから一歩下がれば、全体の秩序やパターンも見えてくる。

「下がる」とは「離れる」こと。自分の部分情報から離れて全体の景色を見るのだ。

 エマソンは生の全容を、その矛盾と変則性を、学びに向けた欠かせない道として受け入れていた。神が作ったすべてのものにはヒビがあり、そのせいで人は未完成であると同時に、その裂け目から光が入る、と考えていたことは有名だ。

 エマソンは上手いことを言う。世界は神が造った不良品だ。

「精神は、それぞれに自分の家を建てる」(エマソン著『自然論』)

 その家を外から眺める人の何と少ないことか。皆、家の中から窓の外を眺めている。

 分断と細分化へ向かうのではなく、いつわりの合意、見せかけの団結に向かおうとする。このパターンにおいて、集団の構成員は沈黙と服従を選ぶ。集団内の不一致を明らかにするよりも、団結の幻想を守りたいと考える。

 これこそ集合知を阻む一凶である。知性を眠らせて隷属に向かう同調圧力が働くのだ。太鼓持ちやスネ夫タイプがいると集合知は生まれ得ない。

 ヘウムに住む賢者たちは愚か者だ、と言う者がいます。信じてはいけません。ただ、いつも愚かな出来事が彼らに起きるだけなのです。
  ――ソロモン・シモン『ヘウムの賢者たちと、その楽しいお話』より

 邦訳未完。知の力は内省的なものだ。無知の自覚が知の扉を開く。独善性は世界を歪める。北朝鮮やオウム真理教の正義を参照せよ。

 何かが真実であると確信すると、確証バイアスの呪いのもと、人はそのバイアスを裏付けるデータだけを探そうとする。真実であると思っていることに逆らうかもしれないデータは、すべて否定するか、「意訳」しようとする。

 一を聞いて十を知る人もいれば、一を見て9.9を失う人もいる。人間とは解釈する動物である。もちろん自分の都合に合わせて。認知レベルの誤謬を我々は自覚することができない。

誤った信念は合理性の欠如から生まれる/『人間この信じやすきもの 迷信・誤信はどうして生まれるか』トーマス・ギロビッチ

「わたしは人間だ。人間にかかわることなら何だって、ひとごととは思えない」
 共和制ローマの劇作家テレンティウス(紀元前195?~159年)の戯曲『自虐者』より

「私は人間である。人間のことで私に関係のないものなど何もない」(プビリウス・テレンティウス・アフェル

 テレンティウスはアフリカ人でかつて奴隷だった人物。自分が受けた苦しみを通して人類にまで眼(まなこ)を開いた。他者と関わり合う姿勢の中に集合知の萌芽がめばえる。

 衆愚は引力だ。あらゆる集団に発生し、知と反対の方向へと引きこもうとする。

 衆愚は黒々とした奔流となって暴走する。衆愚は声高に正義を叫びながら人々を邪悪な方向へと導く。大衆は考えることよりも走ることを好む。パンとサーカスがあれば完璧だ。

「思慮深く意欲的な少数の人間の集まりだけが世界を変えられる」マーガレット・ミード

 とすると野次と怒号が飛び交う国会はやはり人数が多過ぎるのだろう。群衆は責任を欠く。人影の後ろから石を投げるようなのばっかりだ。

 ボストン・フィルハーモニーの指揮者ベン・ザンダーは、(中略)「シンフォニー」という言葉はもともと「シン(共に)」と「フォニア(響く)」を組み合わせた言葉だと説明した。

 集合知が機能する人数の参考になりそうだ。

 4人の著者名から成る本書そのものが集合知の結晶と思えてならない。スコット・ペイジ著『「多様な意見」はなぜ正しいのか 衆愚が集合知に変わるとき』も開いたが全くレベルが違う。

 本書はビジネスに活かすような代物ではない。真のコミュニケーションを具体的に示した正真正銘の傑作である。



コミュニケーションの本質は「理解」にある/『自我の終焉 絶対自由への道』J・クリシュナムーティ

目撃された人々 46


2013-09-30

ZOJIRUSHI オーブントースター ET-FM28-RL メタリックレッド

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◆選べる7つの「マイコン自動焼き」(焼き色調節機能つき)マイコンだからトーストや冷凍トーストが、ボタンひとつで上手に焼け、毎日の朝食時に便利です。さらにグラタンやフライ温めなども選択でき、調理のときにも活躍します。◆パン作りが簡単にできる「手作りパンコース」パン作りでむずかしいのが発酵温度の調整。「手作りパンコース」は、イースト菌の活動が盛んな温度・時間で2次発酵(35℃/40分)させ、焼き上げ(160℃・180℃の選択式)まで自動で調理します。ロールパンやチョコパン、フォカッチャなどが簡単に作れ、ご自宅でのパン作りをより身近にします。※1次発酵は常温で行ってください◆焼きムラが少ない「上下遠赤外線ヒーター」上下に2本ずつあるヒーターが、焼きムラを抑えて、スピーディーに焼き上げます。◆メニューが広がる「80℃~高温250℃の温度調節」ふんわり温める80℃から、こんがり焼ける高温250℃まで10℃刻みで細かくセットすることが可能なので、メニューに合わせて温度調節できます。◆30分ロングデジタルタイマー減算式のデジタル表示で、30秒刻みで設定できます。※10分以上は1分刻みになります。◆はずせる扉・焼き網扉、焼き網がはずせてお掃除カンタン! ◆もち焼きネットおもちがたれずに上手に焼ける! ◆広々使える奥デカ27.5cmの「ビッグ&ワイド庫内」◆ハイパワー1300W◆スライド式くず受け皿

ZOJIRUSHI オーブントースター レッド ET-WA22-RA

「神々の沈黙」つながり


 同じ日にこんなツイートがあったとは知らなかった。ま、単なる偶然だ。



 神秘時代のクリシュナムルティは「右脳の季節」を過ごしたのだろう。そして言葉を手繰り寄せ、言葉を突き放し、「ただありのままに見つめる」ことを説いた。ここに中道がある。キリスト教文明はテキスト(聖書)を拠り所としてロジックへと傾く。2000年が経過し、その左脳世界がいよいよ行き詰まっているように感じてならない。

神々の沈黙―意識の誕生と文明の興亡

2013-09-27

ジュリアン・ジェインズ


 1冊読了。

 42冊目『神々の沈黙 意識の誕生と文明の興亡』ジュリアン・ジェインズ:柴田裕之訳(紀伊國屋書店、2005年)/先日書いた通りだ。他の本を全部差し置いて本書に集中した。昂奮醒めやらず。ジュリアン・ジェインズの主張は二分心仮説に基づくため極めて危ういアプローチ法ではある。更に文学・心理学に傾きがちな論拠も一歩誤ると綱渡りのような羽目となりかねない。それでも尚、1960年代にこれほどの知見を示した人物がいた事実に感動を禁じ得ない。原書の元は1976年に刊行。『ユーザーイリュージョン』が出たのは四半世紀後のことだ。この分野はまだまだ泰斗を必要としている。例えば言葉を覚える前の幼児同士のコミュニケーションを観察するという手法も考えられる。尚、「後記」は蛇足であろう。

2013-09-25

コオロギの鳴き声

2013-09-23

ジュリアン・ジェインズ著『神々の沈黙 意識の誕生と文明の興亡』の手引き


『動物感覚 アニマル・マインドを読み解く』テンプル・グランディン
『死と狂気 死者の発見』渡辺哲夫

 ・手引き
 ・唯識における意識
 ・認識と存在
 ・「我々は意識を持つ自動人形である」
 ・『イーリアス』に意識はなかった
 ・右脳に囁きかける神々の声はどこに消えたのか?
 ・意思決定そのものがストレスになる

『新版 分裂病と人類』中井久夫
『ユーザーイリュージョン 意識という幻想』トール・ノーレットランダーシュ
『あなたの知らない脳 意識は傍観者である』デイヴィッド・イーグルマン
『奇跡の脳 脳科学者の脳が壊れたとき』ジル・ボルト・テイラー

 やっと半分読み終えたところだ。568ページの大冊。いきなり取り掛かっても理解に苦しむことと思われるので、併読すべき関連書を示しておく。

■(サイ)の発見/『白川静の世界 漢字のものがたり』別冊太陽




ソマティック・マーカー仮説/『デカルトの誤り 情動、理性、人間の脳』(『生存する脳 心と脳と身体の神秘』改題)アントニオ・R・ダマシオ





「意識の誘引」→「意識への誘因」に訂正



 まずは外堀から埋めてゆこう。

ネオ=ロゴスの妥当性について/『死と狂気 死者の発見』渡辺哲夫

 次に物語の意味を学ぶ。

物語る行為の意味/『物語の哲学』野家啓一

 続いて歴史の本質を知る。

世界史は中国世界と地中海世界から誕生した/『世界史の誕生 モンゴルの発展と伝統』岡田英弘
読書の昂奮極まれり/『歴史とは何か』E・H・カー
歴史の本質と国民国家/『歴史とはなにか』岡田英弘
コロンブスによる「人間」の発見/『聖書vs.世界史 キリスト教的歴史観とは何か』岡崎勝世

 で、『ユーザーイリュージョン』へ進みたいところだが、基本的な科学知識がない場合は以下を読む。

太陽系の本当の大きさ/『人類が知っていることすべての短い歴史』ビル・ブライソン

 そして意識を巡る探究においては本書と双璧を成す神本(かみぼん)。

エントロピーを解明したボルツマン/『ユーザーイリュージョン 意識という幻想』トール・ノーレットランダーシュ

 ここまで読めば多くの人々が「自分は天才になってしまった」と錯覚することができるだろう(笑)。だが本気で英知を磨きたいのであれば更に以下へと進む。

『奇跡の脳 脳科学者の脳が壊れたとき』ジル・ボルト・テイラー:竹内薫訳(新潮社、2009年/新潮文庫、2012年)
『宗教を生みだす本能 進化論からみたヒトと信仰』ニコラス・ウェイド:依田卓巳〈よだ・たくみ〉訳(NTT出版、2011年)
『神はなぜいるのか?』パスカル・ボイヤー:鈴木光太郎、中村潔訳(NTT出版、2008年)
脳は神秘を好む/『脳はいかにして〈神〉を見るか 宗教体験のブレイン・サイエンス』アンドリュー・ニューバーグ、ユージーン・ダギリ、ヴィンス・ロース
誤った信念は合理性の欠如から生まれる/『人間この信じやすきもの 迷信・誤信はどうして生まれるか』トーマス・ギロビッチ
『隠れた脳 好み、道徳、市場、集団を操る無意識の科学』シャンカール・ヴェダンタム:渡会圭子〈わたらい・けいこ〉訳(インターシフト、2011年)
宗教の原型は確証バイアス/『動物感覚 アニマル・マインドを読み解く』テンプル・グランディン、キャサリン・ジョンソン
指数関数的な加速度とシンギュラリティ(特異点)/『ポスト・ヒューマン誕生 コンピュータが人類の知性を超えるとき』レイ・カーツワイル

 以上である。「ざまあみやがれ」というほど頭がよくなる。我ながら素晴らしいラインナップだ。「さすが本読み巧者」と褒めてくれ給え。



言語的な存在/『触発する言葉 言語・権力・行為体』ジュディス・バトラー
脳は宇宙であり、宇宙は脳である/『意識は傍観者である 脳の知られざる営み』デイヴィッド・イーグルマン
デカルト劇場と認知科学/『神はなぜいるのか?』パスカル・ボイヤー
高砂族にはフィクションという概念がなかった/『台湾高砂族の音楽』黒沢隆朝
信じることと騙されること/『日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか』内山節
『カミの人類学 不思議の場所をめぐって』岩田慶治
『歴史的意識について』竹山道雄

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2013-09-20

ヨガ~体幹トレーニング


 もう五十になったことだし、今後は体力が落ちる一方だと思われる。そこでヨガから開始して、体幹トレーニングを目指すことを決意した。もちろん固い決意だ。効果の程は追って報告する。

DVDで覚えるシンプルヨーガLesson綿本彰のパワーヨーガ パーフェクト・レッスン [DVD]

ヨーガ本質と実践―新装オールカラービジュアル版 (ガイアブックス)図解YOGAアナトミー:筋骨格編 - 医師が教えるヨガの機能解剖学図解YOGAアナトミー:アーサナ編 - 医師が教えるヨガの機能解剖学

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クリシュナムルティ流「筏の喩え」/『クリシュナムルティ・目覚めの時代』、『クリシュナムルティ・開いた扉』


筏の喩え」に関する思索がまとまっていないのだが、クリシュナムルティが全く同じことを語っていたので紹介しよう。昨日、偶然見つけた。

 まず星の教団を解散する前の発言から。

 あなたがたは、私に言われるからではなく、私に反対してでも、解き放たれた者にならなければなりません。これまでの生を通して、特にここ数か月間は、私は自由になるために格闘してきました――友人たちから、私の本から、私の絆から自由になるために、あなたがたも、同じ自由のために苦闘しなければなりません。内側には絶え間ない動揺があるにちがいありません。自分の前に常に鏡を置きなさい。そして、もしあなたが自らのために創り上げてきた理想に照らして無価値なるものが見えるなら、それを変えなさい。……私をひとつの権威にまつりあげてはなりません。もし私があなたにとって必要欠くべからざるものとなったら、私が去ってしまったときあなたはどうしますか? ……私はあなたがたに、あなたがたを自由にする飲み物を与えることができ、あなたがたを解放する手段を与えることができる、と考えている人がいます――そうではありません。私は扉になることはできます。しかしあなたがたはその扉を通り抜け、その向こうにある解放を見出さなければなりません。……真理は、あなたが最も予期せぬときに盗人のようにやって来ます。新たな言葉を創り出せればよいのですが、それができないので、私はあなたがたの古い文体や概念を破壊したいのです。誰ひとり、あなたを解放することはできません。あなたはそれを自分の中に見つけなくてはならないのです。しかし私は見つけたので、あなたにその道を示しましょう。……解放に到達した人は、私のように〈教師〉となってきました。炎に入り、炎となる力は、われわれ各自の中にあるのです。……私はここにいるので、あなたがたがもし心(ハート)で私をとらえるなら、私は達成する力を与えるでしょう。……解放は、少数の者たち、選ばれた者、選抜された者たちのためのものではありません。それは、カルマを創り出すことをやめたときに、すべての人のものとなります。苦悶と苦痛の輻(スポーク)をもったこの誕生と死の車輪を回しはじめるのは他ならぬあなたであり、止めることができるのも、あなたをおいて他にありません。そのとき、あなたは自由です。ほとんどの人は、この個性、私というこの感覚にしがみついています。それがカルマを生み出すのです。解放は、生と、生の停止です。それは偉大な炎のようなものであり、あなたがそこに入っていけば、あなたがその炎となるのです。そしてそのとき、あなたは火花として、その炎の一部として出て行くのです。

【『クリシュナムルティ・目覚めの時代メアリー・ルティエンス:高橋重敏訳(めるくまーる、1988年)】

「私は扉である」と宣言している。扉とは「通過するもの」に他ならない。クリシュナムルティは依存心から遠く離れた人物であったが、「依存される」ことをも断固として拒んだ。

「おのれ自身を学び、理解するには、すべての権威はおしのけられなくてはならない。明らかに権威はわれわれ自身の一部である。……私も含めて誰からも、学ぶものなど何もない。ことに話し手である私に影響されてはならない。……私があなたに教えるものは何もない。私はたんに、あなたがその中にあなた自身を見ることのできる鏡としての役目を果たしているだけである。だから、あなた自身がはっきり見えるようになったら、鏡は捨て去ることができるのだ」

【『クリシュナムルティ・開いた扉』メアリー・ルティエンス:高橋重敏訳(めるくまーる、1990年)】

 これはインタビューに応じたもの。「私は鏡である」と。人生の大半を鏡の前で過ごす人はいない。鏡とは自分の姿をチェックするものだ。これまた「自らを島とせよ」(依法不依人)というブッダの遺言と完全に一致している。

 自我とは欲望の当体であり、執着を機能とする。その執着から完全に解き放たれるためにはこれほどの厳しさが求められるのだ。ブッダとクリシュナムルティは真の自由を体現していた。

クリシュナムルティ・目覚めの時代

クリシュナムルティ・実践の時代 クリシュナムルティ・開いた扉

クリシュナムルティが放つ光/『クリシュナムルティ・実践の時代』メアリー・ルティエンス

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・お召し上がり方:一日小さじ一杯を目安にお召し上がり下さい。ビタミンC特有の酸っぱさがありますので、ジュース等に溶かしてお召し上がりいただくと美味しくいただけます。ビタミンCは水に溶けると分解を始めるので、お早めにお召し上がり下さい。

・当店のビタミンCは、国内外の医療機関・食品会社等へ供給されているものです。業務用のL-アスコルビン酸原末をそのままパックしました(チャック付きのスタンドタイプアルミ袋に充填しました。そのまま食用としてご利用いただけます。)毎日のビタミンC補給に、美容と健康維持にお役立て下さい。ビタミンCの正式名称はL-アスコルビン酸といい、水溶性のビタミン類で白色から白黄色かかった結晶、または結晶性の粉末です。

・ビタミンCは健康には欠かせません:人間の体にあるコラーゲンという種類のたんぱく質は、体の細胞どうしをくっつける働きをしている重要な物質です。そしてビタミンCは、このコラーゲンを作るのに欠かせません。ビタミンCが不足すると、体が弱くなり、色々な困ったことがおきます。例えば、元気がなくなったりいらいらしたり、体中がだるくなったり、皮膚の色が悪くなったりします。歯ぐきから血が出たりするのも、ビタミンC不足の場合が多くあります。逆にビタミンCをしっかり摂ることで、貧血気味が治ったり、風邪をひきにくくします。ビタミンCは私たちの健康に欠かせない物質なのです。

・人の体ではビタミンCはつくられません:イヌやネコは野菜や果物をほとんど食べません。実はウシやウマも含めて、哺乳類のほとんどは、自分の体の中でビタミンCを合成することが出来ます。それが出来ないのは、ヒトとサルの仲間とモルモットだけだといわれています。ゴリラなとサルの仲間が果物が大好きなのは、必要なビタミンCを補給しているためなのです。

・ビタミンCで残留塩素を除去!:飲料水には浄水器を取り付けたり、ミネラルウォーターを摂取されていますが、お風呂のお湯に浄水器をつけることはなかなか出来ません。残留塩素が残ったままのお湯に入浴剤を入れてませんか?ビタミンCは残留塩素を中和しお湯をやわらかくします。食品添加物として許可されているビタミンCですので、入浴中など万が一小さなお子様のお口にお湯が入っても安心。他の入浴剤と一緒に使用可&残り湯でお洗濯にも使用可!(入浴時に浴槽へスプーンで1杯入れてください)

2013-09-19

Korea Sparkling


 このシリーズCMは映像もさることながら音楽が秀逸だ。




韓国観光公社「Korea Sparkling」のCMが凄い

筏の喩え






クリシュナムルティ流「筏の喩え」/『クリシュナムルティ・目覚めの時代』、『クリシュナムルティ・開いた扉』

働かないアリは長生き 琉大・辻教授ら研究チーム発見


 琉球大学農学部の辻和希(本名・辻瑞樹)教授と日本学術振興会の土畑重人特別研究員の研究チームはこのほど、働きアリよりも、働きアリの労働にただ乗りする、働かないアリの生存率の方が高いことを突き止めた。個々が社会の目標より自分の目標を優先してしまうことで社会をつくることができなくなるという、人間社会でもみられる「公共財ジレンマ」の実例を、人間と微生物以外で初めて発見した。研究成果は「米国科学アカデミー紀要(PNAS)」(オンライン版)に掲載される。

 辻教授は「この研究成果は人間がなぜ助け合うのかを理解するのにも役立つ」と強調した。

「公共財ジレンマ」とは、協力して社会をつくれば最終的な利益が大きいにもかかわらず、他者よりも大きな利益を得るために、他者の働きにただ乗りするという事態が起こり、社会をつくることができないことを指す。

 研究チームがアミメアリを使い実験したところ、労働せずに産卵ばかり行うアリが交じっていることを発見し、それらは働きアリとは遺伝的に異なる系統に属することを確認した。働かないアリは、働きアリによる助け合いの利益にただ乗りしている。

Pristomyrmex punctatus

 研究によると、働きアリは働かないアリの分まで巣の外に出て労働するため「過労死」し、生存率が下がる。働かないアリは働きアリよりも多く子どもを産むが、その子どもは親と同様に働かない。だが、働かないアリのみの社会では、子孫を残すことはできないという。

 自由競争の下では相手からの助けにただ乗りし利益を得た方が得であるにもかかわらず、助け合いの社会が発生することについて辻教授は、自然科学と社会科学の両分野で重要なテーマと指摘。「アリ社会において助け合いがなぜ生じるかを理解することが、ヒト社会の助け合いをより深く理解することにつながる」と研究の意義を強調した。

琉球新報 2013年9月18日

怠惰理論/『働かない 「怠けもの」と呼ばれた人たち』トム・ルッツ

目撃された人々 45

目撃された人々 44

2013-09-17

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【動画】浜松日体高校男子バレー部の体罰


2013-09-15

集合知は沈黙の中から生まれる/『集合知の力、衆愚の罠 人と組織にとって最もすばらしいことは何か』アラン・ブリスキン、シェリル・エリクソン、ジョン・オット、トム・キャラナン


『新・人は皆「自分だけは死なない」と思っている』山村武彦
『人が死なない防災』片田敏孝
『無責任の構造 モラルハザードへの知的戦略』岡本浩一
『最悪の事故が起こるまで人は何をしていたのか』ジェームズ・R・チャイルズ
『生き残る判断 生き残れない行動 大災害・テロの生存者たちの証言で判明』アマンダ・リプリー
『死すべき定め 死にゆく人に何ができるか』アトゥール・ガワンデ
『失敗の科学 失敗から学習する組織、学習できない組織』マシュー・サイド
・『群衆の智慧』ジェームズ・スロウィッキー

 ・集合知は群衆の叡智に非ず
 ・集合知は沈黙の中から生まれる
 ・真のコミュニケーション

『オープンダイアローグとは何か』斎藤環著、訳
『まんが やってみたくなるオープンダイアローグ』斎藤環、水谷緑まんが
『隠れた脳 好み、道徳、市場、集団を操る無意識の科学』シャンカール・ヴェダンタム
『予想どおりに不合理 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」』ダン・アリエリー

必読書リスト その五

 それでは集合知が生まれる場面を見てみよう。

 踏み込んだ質問が、踏み込んだ答えを引き出した。

【『集合知の力、衆愚の罠 人と組織にとって最もすばらしいことは何か』アラン・ブリスキン、シェリル・エリクソン、ジョン・オット、トム・キャラナン:上原裕美子〈うえはら・ゆみこ〉訳(英治出版、2010年/原書、2009年)以下同】

 議論が深まるのは皆に共通する疑問を探り当てた瞬間だ。問題は常に氷山の一角として現前する。表面化していない海中に実体を隠しながら。大切なのは「問い」の質である。

 筆者であるクレイグ・ハミルトンから取材を受けた別の女性は、自分が体験した集団体験についてこう語っている。
「誰かが喋ると、それはまるで自分が喋ったかのように感じられました。私が喋ると、そこには自分がまったく感じられませんでした。まるで、ほんとうは私じゃないみたいに。まるで、私よりも大きな何かが、私を通して喋っているかのように。室内の空気は、川の中にいるような感じでした。……私たちは、それまで考えたこともなかったことを喋り始めました……何かが開かれ、それがまた別の何かを開いていくようでした」
 こうした理解は、急に皆が次の行動を察せられるようになる、という形で表面化する場合がある。少ない言葉でも意思疎通ができ、連帯感や共通の目的意識が増幅されるのだ。
 この現象は「わからない」という状態から生じることが少なくない。わからないことがあれば、人はそれぞれ心の内で考えを深め、多様な視点に耳を傾ける。専門家たろうとするのをやめ、心を開こうとする。認知科学者のフランシスコ・ヴァレラは、これを、「断絶が起きる瞬間、すなわち、私たちが“知る者”ではなくなるとき……私たちは入門者のようになり、目の前の作業に馴染もうとする」からだと説明した。言い換えれば、世界が馴染みの薄いものとなる瞬間に、人は新たなる道を探し、新たな行動を起こすチャンスを手にするのだ。
 集団が進んでリスクを負い、「わからない」という事実を認めるとき、深い洞察力が生じやすいというのは、集合知のパラドックスのひとつである。

 共感から連帯感が生まれ、連帯感が洞察に至る。発言と傾聴それ自体が一体となる様はまるで音楽のようだ。私も幾度か経験しているが、人とのつながりがシナプスのつながりに直接通じるような実感を覚えた。

「わからない」という自覚があるからこそ新たな視点が生まれる。

 人が心を開き、なおかつ自分の思うままにしようとせず、進んでその一分になろうとするとき、集合知は出現する。その成果は、たいていは予想外のものだ。当初は想像もしていなかったものが出てくる場合もある。(中略)「わかる」と「わからない」の狭間、新たな意味と視点が生じる小さな隙間に、知がたちのぼってくるのである。

「わかっている人」は傾聴することができない。他人を値踏みし、自分の発言の効果だけ考えている。

 集合知は会話によって導かれるが、それがもっとも強く意識されるのは、会話と会話のあいだに生じる沈黙においてである。

 ここ、アンダーライン。沈黙の中から集合知は生まれ、余韻から智慧が生じる。これはもう議論ではない。個々の存在を融合させる祈りの世界だ。

 集合知が生じるのは、自分たちが単なる外面的部品の総和ではないと理解したときだ。そこには個々の、集団の、そして大きな集合体としての内面的領域がある。傾聴するというのは、その人の中で、その集団の中で、大きな集合体の中で、何がほんとうに起きているのか好奇心を持つ行為だ。

 次から次へと閃(ひらめ)きはとどまることを知らない。傾聴は責任と好奇心に支えられていたのだ。

 皆で何かを生み出せるかどうかは、個人または小集団の「自分(自分たち)はつねに正しい」という意識を保留できるかどうかにかかっているのだ。確信を意識的に保留することで、その集団から新しいもの、たいていは予想外のものが出現する。

 これは正義感というよりも「行動の正しさ」を意味する。ライト・スタッフ(正しい資質)と言い換えてもよかろう。その雰囲気の中から「正しい声」が上がる。

 イロコイ族の言葉には「我らがひとつの心であるように」という表現があります。ひとつの心にならなければ、合意にはならないのです。
「あらゆる決断は、七世代あとに与える影響を考えて決めなければならない」という言葉は、ご存じの方も多いでしょう。
 リーダーには、民衆の心(ハート)と魂(スピリット)に糧を与える責任があります。きちんとした情報という糧です。
 部族の母には、冬を越せるように、そして仮に翌年が凶作となっても3年ぶんの冬を越せるように、とうもろこしの数を数えておく責任があります。それと同じように、心と魂を育む責任があるのです。(※ポール・アンダーウッド)

 この辺りに人間の適切なコミュニティの大きさを量るヒントがありそうだ。国家は大きすぎるし、議員の数も多すぎる。

(※ポール・アンダーウッドは5歳から、来客の話を繰り返す訓練を課せられた)
 すると父はこう言いました。
「とても上手になったな。あの方の心は聞けたかな?」
 どいういうこと?――と私は思いました。そこで数日ほど、いろんな人の胸に耳をくっつけてまわり、心臓の音を聞こうとしてみました。
 すると父は、私のためにもうひとつ学びの場を作りました。母に言って、新聞の記事を読みあげてもらうのです。そしてこう言いました。
「今の記事を理解したかっったら、行間を読まなくてはならないよ」
 なるほど、と私は思いました。行間、つまり、言葉と言葉のあいだに耳を澄ますのです。次にトンプソンさんの話を聞く機会がめぐってきたとき、私は彼の言葉と言葉のあいだに耳を傾けるようにしました。
 父が「お話はわかったかね。心は聞けたかな?」と言うと、私は「聞けた」と答えました。トンプソンさんは寂しかったのです。自分の思い出を共有してほしくて、何度も何度も話しに来るのです。それは、私の内側からごく自然に出てきた気づきでした。言い換えるならば、私の心がトンプソンさんの心と響き合ったのです。そのレベルで耳を傾けることができれば、聞こえてくるのは人々の声だけではありません。ほんとうに心から聞こうとすれば、森羅万象の声が耳に入ってくるのです。

 傾聴とは「言葉と言葉のあいだに耳を澄ます」ことなのだ。言葉尻を捉えて非難するところに集合知など生じるはずがない。心と心が響き合う様子が美しい音色の谺(こだま)を思わせる。

 集合知の出現を促すには、個人として、そして集団として、論理的な思考と象徴形式的(シンボル・メイキング)な思考の両方を持たなければならない。「象徴(シンボル)は扉です。その扉を通って、より大きな理解へと進むのです」とアンダーウッドは話している。順を追ったロジックと、自然に生まれる洞察、段階的な展開と、直感的な飛躍。箇条書きの説明と、詩的な描写。それらを包含し、より洗練された理解を生むための素地を作らなくてはならない。複数の知性が合わさり、しれにもとづいた健全な判断が生じるとき、集合知が形成されやすいのである。

 何ということか。集合知は瞑想とマンダラ的要素(シンボル)をも含んでいたのだ。共感的な沈黙の中から突如として智慧の稲妻が光る。あたかも人類が進化する瞬間を見ているようだ。

 いくつか参考リンクを示す。

チンパンジーの利益分配/『共感の時代へ 動物行動学が教えてくれること』フランス・ドゥ・ヴァール

 共感は智慧を生むが、時に単なる同調へと傾く場合もある。

アッシュの同調実験/『服従の心理』スタンレー・ミルグラム

コミュニケーションの本質は「理解」にある/『自我の終焉 絶対自由への道』J・クリシュナムーティ
比較が分断を生む/『学校への手紙』J・クリシュナムルティ
あなたは人類全体に対して責任がある/『学校への手紙』J・クリシュナムルティ

 あと一回書く予定である。



政党が藩閥から奪った権力を今度は軍に奪われてしまった/『重光・東郷とその時代』岡崎久彦

Bob Marley - Babylon by bus



Babylon By Bus

2013-09-13

Tito Paris






集合知は群衆の叡智に非ず/『集合知の力、衆愚の罠 人と組織にとって最もすばらしいことは何か』アラン・ブリスキン、シェリル・エリクソン、ジョン・オット、トム・キャラナン


『新・人は皆「自分だけは死なない」と思っている』山村武彦
『人が死なない防災』片田敏孝
『無責任の構造 モラルハザードへの知的戦略』岡本浩一
『最悪の事故が起こるまで人は何をしていたのか』ジェームズ・R・チャイルズ
『生き残る判断 生き残れない行動 大災害・テロの生存者たちの証言で判明』アマンダ・リプリー
『死すべき定め 死にゆく人に何ができるか』アトゥール・ガワンデ
『失敗の科学 失敗から学習する組織、学習できない組織』マシュー・サイド
・『群衆の智慧』ジェームズ・スロウィッキー

 ・集合知は群衆の叡智に非ず
 ・集合知は沈黙の中から生まれる
 ・真のコミュニケーション

『オープンダイアローグとは何か』斎藤環著、訳
『まんが やってみたくなるオープンダイアローグ』斎藤環、水谷緑まんが
『隠れた脳 好み、道徳、市場、集団を操る無意識の科学』シャンカール・ヴェダンタム
『予想どおりに不合理 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」』ダン・アリエリー

必読書リスト その五

 批判するべく本書を開いた。パラダイムシフトを促してきたのは抜きん出た人物の傑出した視点であり、集団から導かれるのは所詮平均値のみである、と。最初の章で目論見は潰(つい)えた。いつの間にか私は集合知を群衆の叡智と勘違いしていたのだ。

「群衆の叡智」の理論によれば、多様な人々の集団にみられる異なる意見を集めれば、ひとりの専門家に意見を聞く場合より、最良の結論に達する可能性がはるかに高い。たとえば、ある牛の体重を多様な集団に推測させれば、その平均値は実際の体重に非常に近くなる。多様なギャンブラーの集団に、たとえば大統領選挙の結果を予測させれば、その予測の平均が実際の結果になる可能性が高い。「群衆の叡智」がはたらかないのは、群衆を構成する人々がそれほど多様ではないときだ。

【『「ジャパン」はなぜ負けるのか 経済学が解明するサッカーの不条理』サイモン・クーパー、ステファン・シマンスキー:森田浩之訳(NHK出版、2010年)】

 その意味で以下の記事も誤っていると言わざるを得ない。

集合知から考える、これからの情報社会のかたち
「個人」と「集合知」
予測市場が「集合知」を生み出す驚異の仕組み

 集合知は群衆の叡智ではない。またビッグデータを意味しない。

 Wikipediaによれば「多くの個人の協力と競争の中から、その集団自体に知能、精神が存在するかのように見える知性である」と定義されているが、本書で競争という指摘はない。多分(既に読んでから2年が経過している)。

 知とは、人間の共同体が賢明な選択をし、未来は決して他人事ではないと実感し、それを軸に軌道修正していくことのできる力を意味する。知とは連帯のことだ。人と人、あるいは人と総体との結びつきのことだ。知は本質として相関的な概念であり、それを特定の人物と同一視しすぎれば沈下するものなのだ。(ピーター・センゲ

【『集合知の力、衆愚の罠 人と組織にとって最もすばらしいことは何か』アラン・ブリスキン、シェリル・エリクソン、ジョン・オット、トム・キャラナン:上原裕美子〈うえはら・ゆみこ〉訳(英治出版、2010年/原書、2009年)以下同】

 いきなりこれだよ。カウンター気味のフックだ。わかるとは「分ける」ことだ。ゆえに行き過ぎた分析を要素還元主義と批判したのではなかったか(その後量子論の台頭によって引っ込めたわけだが)。

「わかる」とは/『「分ける」こと「わかる」こと』坂本賢三

 しかし「知とは連帯のことだ」という指摘も頷ける。そもそも科学の発達自体が連帯を示している。先人の英知は確かに受け継がれている。

 開発援助の業界では今も、貧困や、いわゆる発展途上地域の課題を解決するため、大々的で機械的、中央集権的なアプローチがとられている。発展という名目の下、村や地域の人々は、共同体的な関係性を損なうような方法への適応を迫られる。(外部の人間によって)問題が解決されてしまうのだ――その地域の人々自身が発展の主体性を担うことの必要性は考慮されない。(マリアンヌ・クヌース)

 もちろんそうだ。開発は金を出す側の都合で決められる。事実上、発展途上国の要人に対する賄賂と化しているケースも目立つ。IMFや世界銀行の仕事は途上国を債務漬けにすることだ。

経済侵略の尖兵/『エコノミック・ヒットマン 途上国を食い物にするアメリカ』ジョン・パーキンス
世界銀行とIMFの手口

 こうして貧しい国々は強制的に「依存」させられるのだ。資源や労働力は先進国に奪われ疲弊の一途を辿る。

 検索してわかったのだが、ピーター・センゲとマリアンヌ・クヌースは「ALiA」という団体のメンバーらしい。

オーセンティック・リーダーシップ探求の旅|僕達はどうしたらもっと良く話し合えるだろう?

 人との出会いから始まるのです。……どのように人と出会うかがすべてを決めるのです。相手のために最善を尽くそう、という前提で、人と出会っているでしょうか。人と人が結びつくという奇跡に関心を持って、それぞれに出会っているでしょうか。それとも、助けなければならないかわいそうな人間として、出会っているのでしょうか。(マリアンヌ・クヌース)

 同じ視線に立たなければ連帯することはできない。すなわち上下関係から集合知が生まれることはない。人と人とが対等に向き合う中から本物の英知が湧き起こる。

 紛争処理ファシリテーター、リーダーシップ・トレーナーの第一人者であり、『対立を通じたリーダーシップ』の著者マーク・ガーゾンは、次のような見解を寄せた。
「人間は知を求める。思いやり(コンパッション)ではない、愛でもない、平和でもない、優しさでもない――私の耳に何より入ってくるのは、知を求める声だ。それ以外の言葉には、いずれも深い意味があり、独特のパワーがある。だが、世界中の千差万別の領域で人の心をつかむのは、ほかでもない知であるらしい。私自身、この言葉に心を惹かれる。私は多種多様な環境を経験しているが、その多くにおいて、知こそが横断的なテーマであるからだ」

 これまた目から鱗が落ちる指摘だ。人は慰めを求める動物ではあるが、問題解決の過程では知を求めるのだろう。徳だけでは集団を救うことができない。

 では具体的に集合知が発揮された場面を見てみよう。

(※ホームランを打った選手が膝に痛みを感じて走塁中に倒れる。コーチが言った。「私がさわればアウトになる」。そしてチームメイトが支えた場合はホームランではなくヒットとなる)
 すると、セントラル・ワシントン大の一塁手で、他のチームからもっとも恐れられている選手、マロリー・ホルトマンが口をはさんだ。彼女はシンプルな解決策を提案した。サラがベースを回るのをチームメイトが助けられないなら、セントラル・ワシントン大の選手が助けたらどうか。審判は、敵の補助を禁じるルールはないと判断した。
(※ホームベースに達すると、ウエスタン・オレゴン大のチーム全員が泣いていた)

 集合知は敵味方の区別をも軽々と超越するのだ。真の英知は人々を結びつける。

「モンタナ州に、窓辺にメノーラー〔7本のろうそくを立てる燭台。ユダヤ教の祝日ハヌカの装飾に使われる〕を立てていたユダヤ人の家族がありました。あるとき、その家族の家が徹底的に荒らされてしまいました。すると翌朝には話が伝わり、その日の夕方までには、地域のすべての家で窓にメノーラーが飾られたのです。集合体で暴力が食い止められた例であり、団結行動によって暴力を食い止めた例でもありました」(アンジェレス・アライエン、文化人類学者)

 これぞ集合知の成せる業(わざ)。連帯は強くそして美しい。

 集合知は、本質的に言えば、「連帯」(コネクション)の体験を引き出すものである。大きな目的を感じ、正しい行動を皆で認識する。それは単なる知識でもなく、ひとりの理解だけにもとづいた認識でもない。ひとりの知識が集合知の形成に貢献することは多いが、連帯こそが知を集合させるのである。
 集合知は、人間の品性や社会的正義、精神的気づきを示す集団行動として表面化する。こうした行動が驚くべき影響をもたらしたり、単一の原因に帰すことのできない成果につながったりする例も少なくない。ときにはきわめて当たり前で、ときにはきわめて深い意味を持つ状況で、新たな視点と高い志が生じるとき、集合知は生まれる。多くの場合は、これまでと違う形で瞬間の即時性、すなわち「今」に注意が払われた際に、ふっと出現するのだ。

 即時性とは現在性+共時性と言い換えてもよかろう。つまり集合知とは一種の悟りなのだ。それは一つのテーマに即して人と人との脳がつながった瞬間でもある。何ということだろう。集合知は本当の意味で人類が一つになれることを示唆しているのだ。

 あと2回書く予定であるが、アマンダ・リプリー著『生き残る判断 生き残れない行動 大災害・テロの生存者たちの証言で判明』を先に読んでおくと本書の理解がより一層深まる。



脳神経科学本の傑作/『確信する脳 「知っている」とはどういうことか』ロバート・A・バートン
戦後民主主義は民主主義に非ず/『悪の民主主義 民主主義原論』小室直樹

イエメンで8歳の「花嫁」が初夜に死亡、子宮破裂で


 中東イエメンで、わずか8歳で結婚させられた少女が、新婚初夜に内出血で死亡するという惨事があった。人権活動家らが明らかにした。

 人権活動家のArwa Othman氏によると、同国北西部のハッジャ県で、ラワンという名の少女が、自分の年齢の5倍にあたる40歳の男性と結婚式を挙げた。その夜、2人は性行為におよび、ラワンは子宮破裂による出血で死亡したという。

 Othman氏によれば、現地当局は、ラワンの「夫」や家族に対して事情聴取などは一切行わなかった。

 また、地元の治安当局者はそのような事件があったことを否定している。しかし、ロイターの取材に応じた2人の住民によると、この悲劇が報道で伝えられると、部族長らは事件の隠ぺいを図ったという。

 イエメンでは貧しい家族が生活費を浮かせるため、もしくは夫から支払われる金銭目当てに幼い女児を嫁がせることがある。人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチが国連などのデータをもとに明かしたところによると、同国の少女の約52%が18歳までに結婚するという。

ロイター 2013年9月12日

2013-09-09

機能の廃物化、品質の廃物化、欲望の廃物化/『浪費をつくり出す人々 パッカード著作集3』ヴァンス・パッカード


 ・消費を強制される社会
 ・機能の廃物化、品質の廃物化、欲望の廃物化

『依存症ビジネス 「廃人」製造社会の真実』デイミアン・トンプソン

 日本の高度経済成長は1954~1973年である。アメリカと比較すれば10~15年遅れと考えていいだろう。経済的なテコとなったのは朝鮮特需(1950~55年)とベトナム戦争(1960~75年)であった。敗戦から高度経済成長の復興は「東洋の奇跡」と世界が絶賛したが何のことはない、「アメリカの需要」に応じて経済成長しただけの話。日本経済はアメリカの戦争とセットになっている。ま、アメリカの飼い犬みたいなものだ。

 来るべき世界についての陽気な予言として、1960年5月6日に『セールス・マネジメント』誌の編集者は次のように断言した。
「もしわれわれアメリカ人が、オートメーション化した工場、販売促進、それに広告の一斉射撃が押しつけるものを全部買って消費するとしたら、われわれは皆、よぶんの収入だけではなく、よぶんな耳と目と、その他の感覚器官を持たなければならない。実際すべての要求に応ずる唯一の確実な方法は、スーパー消費者とでもいった、まったく新しい人種をつくり出す以外にないだろう。」
 消費は上昇しなければならない。そうしてその上昇が続かなければならない。マーケティングの新しい専門家たちは、平均的な市民が、これからの十何年間に、いまよりも5割近く購買をふやさなければ、経済はだめになるだろうと言ってきた。わずか10年のあいだに、アメリカ市民は、消費のレベルを彼らの先祖たちが、植民地時代やら1939年までの200年間に行なってきたと同じ分量まで上げなければならないというのが、宣伝マンの言い分なのである。

【『浪費をつくり出す人々 パッカード著作集3』ヴァンス・パッカード:南博、石川弘義訳(ダイヤモンド社、1961年/原書、1960年)以下同】

 で、「よぶんな感覚器官」として電話~携帯電話、パソコン~タブレットに至ったわけだ。ウェブを見よ。どのページも広告に支配されているではないか。

 1991年2月、バブル景気が崩壊した日本は世界に先駆けてデフレへ突入した。通貨収縮≒供給過剰。日銀の無策が「失われた10年」を20年にまで拡大した。GDPと人口が増え続けなければ経済が頭打ちになるのは明らかだ。

 その頃、「持続可能な開発」という理念が登場した(1980年)。ま、こんなものを俺は信用しないけどね。誰も反対できないものには疑う価値がある。彼らが本気で考えているなら、まず南北問題を解消すべきだ。発展途上国の人口増加を抑制しない限り、「持続可能な開発」などあり得ない。

 アメリカ経済への刺激という点で、さらに大規模で決定的なのは、国防予算である。それは年間500億ドル近くになっている。国民の総生産高の10分の1に達して、アメリカ上院議員の多数は、彼らの州にある軍事基地、大きな航空機とミサイル製造の契約事業、海軍兵器廠を保護するようにと、強い圧力をかけられて、少しでも予算が削られると、議員のなかには、地位を失ない、その地方の産業が損失をこうむるということも出てくる。

 アメリカの基幹産業は軍産複合体である。戦争こそ最大の消費なり、ってわけだよ。スクラップ&ビルド。アメリカが行う第二次世界大戦以降の戦争は経済政策として推進されている。

 アイゼンハワー大統領は、記者会見で、後退を防ぐために、国民はなにをすべきかを質問されたことがあったが、そのときの会話のやりとりは次のようである。
 答「買うことだ」問「なにを買うのですか」答「どんなものでも」

 天才的な回答だ。政治家の本音が全開。国民はねずみ車をひた走るハムスターのように買い物をするべきなのだ。酒池肉林に行き着くまで。欲望を無限に増殖させることでしか発展は維持できない。何という経済の欺瞞か。

 飽和状態が強まってくるさなかで、売上高をさらに高める方法を探しているマーケティングの専門家たちは、消費者の一人一人が、いままで買ってきた製品をもっと多量に買わせなければならないということに、まず気がついた。

 前回紹介した「電通の戦略十訓」の件(くだり)だ。

 多くのペースト入れには、蓋の内側にブラシがついている。そうしてそのブラシは、底に届くには半インチほど足りない。つまり、どんなに苦心しても、底のほうに残っているペーストには届かないというわけである。こうした何百万という「空になった」ペースト入れが、まだスプーン何杯分か残っていながら、捨てられてしまうのである。同様に口紅は、全部使えないようにできているので、チューブに半インチくらい残ったまま、何百万の「使ってしまった」チューブが捨てられることになる。

 メーカーが意図的に生み出す無駄の数々。消費者の無駄は企業の利益だ。資本主義の本質がねずみ講である事実が理解できよう。連鎖商法の犠牲者を減らすべく広告代理店は一生懸命仕事をしている。彼らは消費者の満足感を創作・捏造する。

「計画的な廃物化」ということに、近ごろ多くの実業家が、魅力を感ずるということは、戦後の大きな動きの一つである。製品の形や、消費者の態度に影響を与える戦略の一つとして使われる、この計画的な廃物化は、投げ捨て精神のエッセンスである。

 俺たちはゴミを買わされているわけだ。

 ここでわれわれは現代のマーケティングの実際を検討するという見地から、この状況をよく精密に分析するために、製品が廃物にされる、三つのやり方を区別することにしたい。
 機能の廃物化――よりよい機能をもった、新しい製品が導入されて、現在の製品が流行おくれになる場合。
 品質の廃物化――比較的短い時期に、ある時点で、製品がこわれるか、あるいは消耗してしまうように計画する。
 欲望の廃物化――品質、あるいは機能の点で、まだ健全な製品が、スタイルその他の変化のために、心理的にそれ以上望まれないものとして「古くなる」。

 これだよ、これ。で、最終的に「人間の廃物化」が進行するのだ。流行らせ、廃(すた)らせ、捨てさせるのが電通の仕事だ。物を大切に扱わない人が人間を大事にするわけがない。

もったいない/『落語的学問のすゝめ』桂文珍

 物は者に通じる。物惜しみをしない人は「事」まで軽んずるようになるだろう。このようにして人生までもが消費されてゆくのだ。

「すべてのファッションは極端に終る」というポアレーの法則(後略)

 とすると全ての商品はオートクチュール化を目指すのだろうか? リミテッド、オプションによる差別化。いずれにしてもわずかな付加価値で高く売りつけようとしている魂胆が明白。

 経済格差の拡大は富の集中を意味する。つまり貧困はこれからも拡大してゆくのだろう。経済規模は縮小し、賃金は下がり続ける。国内で持たざる者が飽和点に達した時、国家は必ず戦争に向かう。経済は戦争でしか精算できないからだ。その時、広告代理店の売り上げは急速に伸びることだろう。

2013-09-08

野口健、宮城谷昌光、アルボムッレ・スマナサーラ、南直哉、岸田秀、他


 10冊挫折、4冊読了。

性と呪殺の密教 怪僧ドルジェタクの闇と光』正木晃(講談社選書メチエ、2002年)/前置きが長すぎる。

偶然とは何か その積極的意味』竹内啓〈たけうち・けい〉(岩波新書、2010年)/まどろっこしい。

確率と統計のパラドックス 生と死のサイコロ』スティーヴン・セン:松浦俊輔訳(青土社、2004年)/冗長。無駄話が多すぎる。

なぜ少数派に政治が動かされるのか?』平智之〈たいら・ともゆき〉(ディスカヴァー携書、2013年)/これも安冨歩〈やすとみ・あゆむ〉のオススメ。TPP参加に賛成している件(くだり)を読んでやめた。

100年予測 世界最強のインテリジェンス企業が示す未来覇権地図』ジョージ・フリードマン:櫻井祐子訳(早川書房、2009年)/文章がよくない。本書でも日本が戦争を行うことを予測している。

続 獄窓記』山本譲司(ポプラ社、2008年)/文章はいいのだが、メンタル面が弱すぎる。

2円で刑務所、5億で執行猶予』浜井浩一(光文社新書、2009年)/良書。ただし著者の性格が悪い。読者の無知を指摘し続けて辟易させられる。

徒然草』島内裕子校訂・訳(ちくま学芸文庫、2010年)/時間のある時に読み直す。『徒然草』は本書が一番よい。

唯幻論大全 岸田精神分析40年の集大成』岸田秀〈きしだ・しゅう〉(飛鳥新社、2013年)/「第三部 セックス論」を除いて読了。ストックホルム症候群で一つ閃きを得た。

出家の覚悟 日本を救う仏教からのアプローチ』アルボムッレ・スマナサーラ、南直哉〈みなみ・じきさい〉(サンガ、2009年)/やはりスマナサーラ長老は声聞であるとの確信を強めた。南のことを「先生」とは呼んでいるものの、常に上から目線で語っている。一方、南は南で遠慮しながら自らの疑問を投げかけている。議論が擦れ違う理由は南の仏教アプローチにある。知に傾きすぎているのだ。今のままだと宮崎哲弥の僧侶版となりかねない。

 38冊目『写真集 野口健が見た世界 INTO the WORLD』野口健(集英社インターナショナル、2013年)/これはオススメ。素晴らしい写真集だ。しかも廉価(2100円)。構成がまとまりを欠いているのは仕方がない。本書は野口の眼を紹介するところに重きを置いたのだろう。小中学生にも読ませたい作品だ。

 39、40、41冊目『太公望(上)』『太公望(中)』『太公望(下)』宮城谷昌光(文藝春秋、1998年/文春文庫、2001年)/3日で読了。殷の紂王周の文王武王周公旦、そしてほんのわずかながら伯夷〈はくい〉と叔斉〈しゅくせい〉まで登場する。彼らの名は鎌倉時代の日本にまで及び日蓮も遺文で紹介している。壮大な復讐譚(ふくしゅうたん)。唯一の瑕疵は幼少の太公望が既に天才として描かれており、由来が示されていないところ。紀元前11世紀において軍に戦略を用いたというのだが凄い。

内村剛介の石原吉郎批判/『失語と断念 石原吉郎論』内村剛介


 ゴリゴリの文体が嫌な臭いを放っていた。イデオロギーや教条(ドグマ)から見つめて人間を裁断するような印象を受けた。内村剛介もまたシベリア抑留者であった。そんな彼が同じ苦しみを生き抜いた石原吉郎を徹底的に批判している。

 感性の磨耗ということに石原ほどに抵抗した者も少なかろう。

【『失語と断念 石原吉郎論』内村剛介〈うちむら・ごうすけ〉(思潮社、1979年)以下同】

 それは石原が詩人であったためではない。死んでしまった鹿野武一〈かの・ぶいち〉と共に生き、彼に恥じない生き様を貫こうとしたゆえであった。私にはそう思えてならない。

究極のペシミスト・鹿野武一/『石原吉郎詩文集』~「ペシミストの勇気について」

 希望が一切持てないにもかかわらず、なお他の精神をいたずらにそこなうようなことだけはさしひかえようとして沈黙する者がある。雄々しくみずから耐えることを強いるのである。彼は沈黙し耐えることによって絶望を拒否する。この沈黙は屈従ではない。迎合という名の屈従を拒むものが彼のうちにあって、それを支えとして沈黙し、絶望と格闘するのである。希望がないというだけではまだ絶望ではない。耐える力を、みずからのうちのこの支柱を失ったときはじめて絶望が訪れる。それまでは、その瞬間までは、私たちは耐えなければならない。むろん他に対してでなく自分自身に対して耐えるのである。

 私は猛烈な違和感を覚えた。石原の沈黙は能動的なものではあるまい。かといって強いられたものでもない。彼はただ「沈黙せざるを得なかった」のだ。なぜなら語るべき言葉を失ってしまったからだ。

ことばを回復して行く過程のなかに失語の体験がある
詩は、「書くまい」とする衝動なのだ/『石原吉郎詩文集』石原吉郎

 一方、鹿野武一〈かの・ぶいち〉は「絶望と格闘」したわけではない。鹿野は絶望を生きた。ロシア人の優しさに接した時、彼は自ら絶望に寄り添い、生きることを拒んだ。それ以降、誰に言うこともなく食を絶(た)ち、苛酷な強制労働に従事した。

ナット・ターナーと鹿野武一の共通点/『ナット・ターナーの告白』ウィリアム・スタイロン




 我々が通常考える幸不幸とは快不快でしかない。乙女の温かな人間性が多くの抑留者に希望を与えたことは疑う余地がない。しかし快は不快の裏返しでしかなかった。たちどころにそれを悟った鹿野は【希望を拒んだ】のだ。彼は人間の実存が特定の情況に左右されることを許さなかった。この瞬間において「世界から拒まれた者」は「世界を拒む者」へと変貌を遂げたのだろう。

 鹿野武一〈かの・ぶいち〉の沈黙は深海を想起させる。それに対して内村剛介は押し寄せる波のようにうるさい。

 人間を深く見つめる眼差しがなければ、我々は繰り返される革命や改革の歯車となってゆく。

失語と断念―石原吉郎論 (1979年)
内村 剛介
思潮社
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香月泰男が見たもの/『シベリア鎮魂歌 香月泰男の世界』立花隆

2013-09-05

自転車・オートバイ空気入れ(フットポンプ式) 大橋産業 ツインシリンダー

BAL [大橋産業] ツインシリンダー [品番] 1920

・ペダルが踏みやすい。踏みやすい角度でらくらく空気入れ。
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【仕様】最高圧力:1000kPa外形寸法(収納時):(幅)138×(高さ)83×(奥行き)310mm質量:1.95kgホース長:700mm

【付属品】自転車用英式アダプター、各種アダプター(小型レジャー用〈細・太〉、ボール用ニードルアダプター)