2011-06-07

インターネット上に巣食う揶揄・中傷文化~山本弘の場合


 最近、武田邦彦の動画を山ほど観ている。

斧チャン:武田邦彦

 理路整然としていてわかりやすい上、プレゼンテーション能力が高い。それでいて人懐っこくて朗らかだ。東日本大震災以降は、自分が原子力発電に関わってきた責任感から、具体的なメッセージを次々と発信した。

武田邦彦公式サイト

 あまりに面白いので古い動画も探した。武田は「環境問題は幻想であり、何ら科学的根拠がない」とテレビで主張し注目を集めた。これに対してSF作家の山本弘が「武田はデータ捏造をしている」という内容の著作を発行した(山本弘著『“環境問題のウソ”のウソ』楽工社、2007年)。

 そして直接対決となったのが以下の番組である(URLは音声のみ)。


 http://youtu.be/xwS6WZH0NNQ
 http://youtu.be/Jle5Iu5-pvQ
 http://youtu.be/JsN0FWCfkMo
 http://youtu.be/sxX3txksS48
 http://youtu.be/wkFvTeoUBi4
 http://youtu.be/bwTt7DmJrto

 見るからにオタクである。容貌も声も薄気味悪い。細かいデータを持ち出し指を差す仕草に嫌悪感を覚える。こういう輩(やから)は議論するよりも殴ってやった方がいい、とまで思う。

 山本弘が行っているのは単なる「突っ込み」である。武田邦彦は世界に布かれつつあるルールが欺瞞である可能性を指摘しているのだ。山本はそこを問わずに些細な間違い探しに執心している。しかも薄ら笑いを浮かべながら。結果的に権力者を利している自覚もないのだろう。

 山本は「と学会」の一員としても知られるが、結局あいつらのやっていることはこういうことなのだ。趣味としての粗(あら)探し。木を見て森を見ず、枝を見て花を見ず。唐沢俊一なんかも話は面白いが人間として信用できるタイプではない。

 インターネットに巣食う揶揄・中傷文化は、ひょっとしたら彼らのような連中が先導した可能性もある。一般人からするとオタクの胡散臭さは直ぐわかる。東浩紀宮台真司が信用ならないのは、言葉の端々に2ちゃんねる用語が出てくるためだ。小田嶋隆も同様。

 彼らは全てを面白がってしまうために基本的な礼節を欠くところがある。掲示板のノリなのだ。確かにその軽さが魅力でもあるのだが、山本みたいな軽薄さを私は許すことができない。

 昆虫の触覚が反応するかのように彼らは瑣末な知識を集める。そんなものがいくらあったところで、人の心を打つことは不可能だ。

 ツイッターなどでも、ただ印象を垂れ流す連中が多い。相手が著名人であることをいいことに、口汚く罵る姿も珍しくはない。せめて相手の正面に立って言えることだけ書くべきではなかろうか。

 身の丈に応じた言葉づかいができない限り、インターネット上の議論が成熟することはないだろう。

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