・『ロシアンパワー養成法』足立弘成
・『新トレーニング革命 初動負荷理論に基づくトレーニング体系の確立と展開』小山裕史
・ケトルベル入門
・『動ける強いカラダを作る! ケトルベル』花咲拓実
ケトルベルの歴史は古く、16世紀初頭には、ロシアでギラ(Girya)という名称で存在していました。この時代は、日本においては宝永年間(西暦1704~1710年)、あの有名な忠臣蔵事件の直後の時期にあたると言えば、その歴史の古さが実感できます。
【『身体を芯から鍛える! ケトルベルマニュアル』松下タイケイ(日貿出版社、2016年)以下同】
ケトルベルの特長は動的な筋トレが行える点にある。私は予予(かねがね)システマの動画を見る中で静的な筋トレに対して否定的な見解を持つに至った。なぜなら実際の運動において単調な上下運動など存在しないからだ。そこでチューブトレーニングに関心が向いたのだが、これまた負荷が抜けない不自然な動きであることに気づいた。じゃあ、ブルワーカーはどうだ? と考えたのだが、アイソメトリックに道具は必要ないとの結論に至った。
私がケトルベルに注目したのは必然であった。ケトルベルトレーニングは初動負荷理論とも合致している。緩急、強弱、メリハリによって筋繊維は鍛えられ、鍛えられた筋肉が有酸素運動をも可能にする。
ケトルベル・インストラクターコースの合格基準はいろいろあり、全部に合格しなければなりません。
参考までにレベル1の認定コース合格基準の一部を以下に抜粋します。
【50歳未満体重60kg以上の男性の場合】
●ワンアーム・スイング 24kgケトルベル 左右10回ずつ
●ゲットアップ 24kgケトルベル 左右1回ずつ
●ミリタリープレス 24kg左右5回ずつ
●クリーン 24kg左右5回ずつ
●ダブル・フロント・スクワット 24kg×2 5回
●スナッチ 5分以内に24kgで100回
私が持っているのは40ポンド(18.1kg)である。最初はあまりの重さに「失敗したかな」と思ったが直ぐに慣れた。上記の基準はどれ一つとしてクリアできない。ま、58歳だから勘弁してもらおう。現在はスイングを30回できる程度である。クリーンアンドプレスとスナッチは1回だ。いずれにせよ、無理をする必要はない。
スイングのコツはケトルベルを指に引っ掛けるように浅く持ち、なるべく重量を感じないように振ることだ。また、スクワットではないため膝を深く曲げる必要はない。更に腰痛を恐れて上半身を倒さないのも誤りだ。急いで持ち上げ、ゆっくり下ろす意識で行うと、かなり楽にできる。
当院でケトルベルトレーニングを採用した事例としては、90歳女性で路上歩行中に転倒して膝の皿を骨折した方へのリハビリが挙げられます。このケースでは、日常生活の中での上半身の運動性が、極めて少なくなることが予想されたので、ケトルベル・デッドリフトを提案しました。結果として、転倒による負傷以前以上に肩甲骨の可動領域がまして動きが向上し、下肢のリハビリも順調に進みました。(小野卓也:おの整骨院院長、SFGケトルベルインストラクター)
デッドリフトは床からケトルベルを両手で持ち上げるだけの簡単な動きである。はっきり言ってやる気も起きない。だが体力の衰えた老人であれば、それなりに効果があるのだろう。足に落とす危険性も少ない。
入門書としての出来は悪くないのだが、如何せん横書きのため嫌悪感を払拭することができない。尚、若い頃にある程度の運動を経験している男性であれば18.1kgをおすすめする。40代までなら迷うことなく24kgだろう。片手用であれば8~10kgを二つ用意すればいい。女性は6~12kgが目安となる。重ねて注意しておくが足に落とせば骨折は確実である。指なら確実に潰れることだろう。絶対に無理は禁物だ。