2021-02-19

重商主義は世界商業の覇権をめぐる戦争の時代/『時計の社会史』角山榮


・『超訳「国富論」 経済学の原点を2時間で理解する』大村大次郎
『火縄銃から黒船まで 江戸時代技術史』奥村正二

 ・重商主義は世界商業の覇権をめぐる戦争の時代

『世界システム論講義 ヨーロッパと近代世界』川北稔

世界史の教科書
必読書リスト その四

 こうしてまず16世紀の世界を支配したのは、新大陸を発見したスペイン、および東洋への海上ルートを掌中に収めたポルトガルであった。ところが17世紀になると、世界史の舞台に登場したのはオランダとイギリスである。両者はスペイン・ポルトガルに代わって覇権をめぐって激しく争い、17世紀末にはルイ絶対王権を背景にフランスが一枚加わって、海上の覇権争いはいっそう熾烈となった。
 17世紀初めから18世紀中ごろにいたる時代は、経済史上これを重商主義とよんでいるが、重商主義という表現からくる平和な商業競争のイメージとはまったく異なり、オランダ、イギリス、フランス、スペインを中心に周辺諸国もまきこんで、世界商業の覇権をめぐって戦争につぐ戦争、海戦また海戦といった動乱の時代を迎えた。
 海上制覇を左右した要因はいくつかある。まず決め手になるのは、軍事力としての強力な海軍の保有である。だから各国とも軍艦の数、大きさ、備砲数、大砲の性能、造船技術に力を入れたことはいうまでもない。しかしこうした軍事力とは直接結びつかないまでも、各国とも解決を迫られていた共通の課題があった。しかもその解決が海上制覇にとって、ある意味で決め手になるような重要な課題を抱えていたのである。その難題というのは正確な経度の測定である。というのは、正確な経度が測定できなければ船の位置を知ることができず、いわば眼の不自由な人が勘だけに頼って自動車を運転するようなものだからである。そのためにガリヴァが南洋で座礁したような海難事故は、今日では考えられないくらい頻繁に起こっていた。それがもし軍艦であるなら、敵以上にこわいのは海難による自滅である。その心配されていたことが実際に起こったのである。

【『時計の社会史』角山榮〈つのやま・さかえ〉(中公新書、1984年/吉川弘文館、2014年)】
 私の手元にあるのは新書版で、「ザ・新書」という敬称で呼びたくなるほどの一冊。川勝平太著『日本文明と近代西洋 「鎖国」再考』で本書を知った。このように面白くない本が面白い本につないでくれることがあるので読書には無駄がないと考えてよろしい。しかも、『超訳「国富論」』と併読していたため、上記テキストで理解が深まった。

 更に本テキストが重要なのはワシントン海軍軍縮条約(1922年)をも示唆しているためだ。つまり軍の暴走や五・一五事件にまでつながる話なのだ。

 私は全く時計に興味がないし、腕時計も持っていない。携帯電話すら持ち歩くことが少ないため、今でも道行く人に時間を尋ねることがある。そんな私でも本書の内容には引きずり込まれた。時計と社会を巡る見事な近代史となっている。文章、内容ともに完璧な新書といっていいだろう。

「連想」ではなく「類推」と訳すべき/『規律とトレーダー 相場心理分析入門』マーク・ダグラス


『マーケットの魔術師 米トップトレーダーが語る成功の秘訣』ジャック・D・シュワッガー
『実践 生き残りのディーリング 変わりゆく市場に適応するための100のアプローチ』矢口新
『先物市場のテクニカル分析』ジョン・J・マーフィー
『一目均衡表の研究』佐々木英信
『デイトレード マーケットで勝ち続けるための発想術』オリバー・ベレス、グレッグ・カプラ
『ゾーン 最終章 トレーダーで成功するためのマーク・ダグラスからの最後のアドバイス』マーク・ダグラス、ポーラ・T・ウエッブ

 ・「連想」ではなく「類推」と訳すべき

『ゾーン 「勝つ」相場心理学入門』マーク・ダグラス
『伝説のトレーダー集団 タートル流投資の魔術』カーティス・フェイス
『ワイルダーのアダムセオリー 未来の値動きがわかる究極の再帰理論』J・ウエルズ・ワイルダー・ジュニア
『フルタイムトレーダー完全マニュアル』ジョン・F・カーター
『タープ博士のトレード学校 ポジションサイジング入門 スーパートレーダーになるための自己改造計画』バン・K・タープ
『週末投資家のためのカバード・コール』KAPPA
『なぜ専門家の為替予想は外れるのか プロが教える外国為替市場の不都合な真実』富田公彦
『なぜ投資のプロはサルに負けるのか? あるいは、お金持ちになれるたったひとつのクールなやり方』藤沢数希

必読書リスト その二

連想

 連想とはわれわれの思考方法のひとつで、類似する外部世界の情報が自動的に関連づけられることである。その形態は次の二つに大別される。そのひとつは顕著な特徴を持つ人間や物体などを区別し、それらを類似するグループに分類することを指す。(中略)
 連想のもうひとつの形態は、外部からの知覚情報をある出来事と関連づけることである。

【『規律とトレーダー 相場心理分析入門』マーク・ダグラス:関本博英〈せきもと・ひろひで〉訳(パンローリング、2007年)】

 たとえ原書が「association」であったとしても、ここは「類推」と訳すべきだ。致命的なミスといってよい。

アナロジーは死の象徴化から始まった/『カミとヒトの解剖学』養老孟司

 マーク・ダグラスの科学的視点が「連想」だとぼやけてしまう。小さなことではあるが見逃せない瑕疵(かし)だ。

2021-02-18

フランス人マダムに教えてもらった、世界一おいしいアイスティーの作り方


金森式紅茶ゼリー

 ・フランス人マダムに教えてもらった、世界一おいしいアイスティーの作り方

教えてもらった、マダム式氷を使わないアイスティーの作り方

(1)できればやかんではなく、鍋に2リットルの水を入れ、沸かす。
(2)沸騰したら火を止め、ティーバッグを3包入れてふたをし、21分蒸らす。
(3)ふたをはずし、菜箸などでそっとティーバッグを取り出す。
(4)粗熱が取れるまで放っておき、粗熱が取れたらピッチャーやジャグなどに移し変え、冷蔵庫でひと晩冷やす。

フランス人マダムに教えてもらった、世界一おいしいアイスティーの作り方 (2/3) 〈dot.〉|AERA dot.

「アホみたいに美味い」10分もかからずに出来るその辺のよりも5000兆倍おいしい勝利のミルクティーの作り方 - Togetter

2021-02-17

外国為替は資産ではない/『なぜ専門家の為替予想は外れるのか プロが教える外国為替市場の不都合な真実』富田公彦


『マーケットの魔術師 米トップトレーダーが語る成功の秘訣』ジャック・D・シュワッガー
『実践 生き残りのディーリング 変わりゆく市場に適応するための100のアプローチ』矢口新
『先物市場のテクニカル分析』ジョン・J・マーフィー
『一目均衡表の研究』佐々木英信
『デイトレード マーケットで勝ち続けるための発想術』オリバー・ベレス、グレッグ・カプラ
・『規律とトレーダー 相場心理分析入門』マーク・ダグラス
『ゾーン 「勝つ」相場心理学入門』マーク・ダグラス
・『ゾーン 最終章 トレーダーで成功するためのマーク・ダグラスからの最後のアドバイス』マーク・ダグラス、ポーラ・T・ウエッブ
『伝説のトレーダー集団 タートル流投資の魔術』カーティス・フェイス
『ワイルダーのアダムセオリー 未来の値動きがわかる究極の再帰理論』J・ウエルズ・ワイルダー・ジュニア
『フルタイムトレーダー完全マニュアル』ジョン・F・カーター
『タープ博士のトレード学校 ポジションサイジング入門 スーパートレーダーになるための自己改造計画』バン・K・タープ
『週末投資家のためのカバード・コール』KAPPA

 ・外国為替市場でテクニカル分析は絶滅した
 ・外国為替は資産ではない

『なぜ投資のプロはサルに負けるのか? あるいは、お金持ちになれるたったひとつのクールなやり方』藤沢数希

【FXつまり外国為替市場は、資産運用の場ではありません。
 外国為替は、株式や債券、不動産などといった資産ではない】からです。資産ではないものを対象として、どうやって「資産運用をする」というのでしょう? まったく違う世界のものだからこそ、株式や不動産などの「資産」との価格の連動性が低いのです。

【『なぜ専門家の為替予想は外れるのか プロが教える外国為替市場の不都合な真実』富田公彦〈とみた・きみひこ〉(ぱる出版、2015年)以下同】

 ドルとダウは連動性が低いが、円と日経平均には連動性がある。ただし「外為が資産ではない」との指摘に眼を開かれる。その価値は金利差分でしかなく、価格の上下動によってあっさりと吹き飛ぶ範疇に収まる。しかも経済政策は緩やかなインフレを目指すため通貨の価値は常に押し下げられる。

 為替取引の優位性はその流動性と24時間可能な取引時間にある。株式相場は9:00~15:00(昼休み1時間を含む)までだからザラ場を見ることが難しいサラリーマンも多いことだろう。その上株式の場合、売買が白熱すると値がつかないことも多い。FX会社はそこに目をつけたのだろう。「外国為替市場は、資産運用の場ではありません」。しかし利殖の機会ではある。

 ひとこで言えば、外国為替市場とは「【通貨と通貨との交換比率に賭ける鉄火場】」です。世界中のプロが、壮絶な闘いの末に瀕死の重症を負ったり、あえなく討ち死にしたりしている場所です。素人が、用もないのに近づくところではありません。

 プロの本音といえば聞こえはいいが、ではなぜプロが通貨の取引をするのか? それは圧倒的な流動性があるからだ。よもや実需筋の外貨調達だけで仕事をしているわけではあるまい。

 最後に味わいのあるテキストをいくつか紹介しよう。

 相場の世界で「もし」などと言ったら、「お前はもう死んでいる」と言われるのが関の山です。

 外資系の世界は、徹頭徹尾「【性悪説の世界】」です。

【他人の相場観に頼る人は、プロではありません】。

 したがって、【「ヘッジファンドが動いた」という情報は、すべて作り話】ということになります。

 マネーと欲望で描くのがマーケットという物語である。全プレイヤーの合意が価格として示され、上昇と下降を繰り返す。真実は値動きのみ。乗るのも降りるのも自由なだけに規律を欠けば、いつでも破滅が待っている。

読み始める