2021-08-01

たわけ者



たわけ者 - 語源由来辞典

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2021-07-30

踵を踏む/『常歩(なみあし)式スポーツ上達法』常歩研究会編、小田伸午、木寺英史、小山田良治、河原敏男、森田英二


『病気の9割は歩くだけで治る! 歩行が人生を変える29の理由 簡単、無料で医者いらず』長尾和宏
『病気の9割は歩くだけで治る!PART2 体と心の病に効く最強の治療法』長尾和宏
『ウォーキングの科学 10歳若返る、本当に効果的な歩き方』能勢博
『ランニングする前に読む本 最短で結果を出す科学的トレーニング』田中宏暁
『サピエンス異変 新たな時代「人新世」の衝撃』ヴァイバー・クリガン=リード
『脚・ひれ・翼はなぜ進化したのか 生き物の「動き」と「形」の40億年』マット・ウィルキンソン
『アルツハイマー病は治る 早期から始める認知症治療』ミヒャエル・ネールス
『一流の頭脳』アンダース・ハンセン
『ウォークス 歩くことの精神史』レベッカ・ソルニット
『トレイルズ 「道」と歩くことの哲学』ロバート・ムーア
『「体幹」ウォーキング』金哲彦
『高岡英夫の歩き革命』、『高岡英夫のゆるウォーク 自然の力を呼び戻す』高岡英夫:小松美冬構成
『あらゆる不調が解決する 最高の歩き方』園原健弘
『あなたの歩き方が劇的に変わる! 驚異の大転子ウォーキング』みやすのんき
ナンバ歩きと古の歩術
『表の体育・裏の体育』甲野善紀
『「筋肉」よりも「骨」を使え!』甲野善紀、松村卓
『ナンバ走り 古武術の動きを実践する』矢野龍彦、金田伸夫、織田淳太郎
『ナンバの身体論 体が喜ぶ動きを探求する』矢野龍彦、金田伸夫、長谷川智、古谷一郎
『ナンバ式!元気生活 疲れを知らない生活術』矢野龍彦、長谷川智
『本当のナンバ 常歩(なみあし)』木寺英史
『健康で長生きしたけりゃ、膝は伸ばさず歩きなさい。』木寺英史

 ・踵を踏む

『スポーツ選手なら知っておきたい「からだ」のこと』小田伸午
『トップアスリートに伝授した 勝利を呼び込む身体感覚の磨きかた』小山田良治、小田伸午
『間違いだらけのウォーキング 歩き方を変えれば痛みがとれる』木寺英史
『身体構造力 日本人のからだと思考の関係論』伊東義晃
『「疲れない身体」をいっきに手に入れる本 目・耳・口・鼻の使い方を変えるだけで身体の芯から楽になる!』藤本靖

身体革命
必読書リスト その二

 身体が前に出るということは、「踵(かかと)を踏む」ことです。前に出るのに「踵を踏む」と言われても、ピンとこないかもしれません。「つま先で蹴るのでは?」と思った人もいるでしょう。しかし、踵から接地してつま先(拇指球あたり)で蹴る動きは、中心軸感覚による走歩行の典型的な特徴です。実際に、剣道の打突や陸上競技など、スポーツの現場では、何の疑いも持たずに拇指球で蹴っている人が多く見受けられます。しかし、それは「つま先を蹴れば前に行ける」という先入観によるもので、実際はまったく逆の動きによって前に出ているのです。
 では、わかりやすい実験をしてみましょう。立った姿勢から、徐々に身体を前に倒してみてください。もうすぐ倒れるというギリギリの状態まで身体を倒し、そこで止めます。足裏の感覚を確かめてみてください。つま先で踏みとどまっていることがわかるでしょう。
 これは、基本的な人間の姿勢調節に関する話です。バスや電車に乗っていて、前に倒れそうになったら、踵を上げてつま先を踏み、後ろに居直ります。このつま先で踏むという動作は、重心の位置を、つま先より前へ越えないようにするためのものです。そうやって地面を前に蹴り、後ろへの反力をもらって姿勢を調節しているのです。このとき、身体は前傾しているように感じますが、重心点は身体を支える支持点(拇指球)の真上にあり、決してそれより前には出ていません。つまり、「つま先で踏む」ことは、前に行く動きにブレーキをかけているのです。速く走りたいのに、ブレーキをかける人はいないはずです。スピードを殺さずに走るためには、つま先で蹴る動作をなくし、ブレーキを最小限に抑えなければならないのです。

【『常歩(なみあし)式スポーツ上達法』常歩研究会編、小田伸午〈おだ・しんご〉、木寺英史〈きでら・えいし〉、小山田良治〈おやまだ・りょうじ〉、河原敏男〈かわはら・としお〉、森田英二〈もりた・ひでじ〉(スキージャーナル、2007年)】

 小田、木寺、小山田の3人で交わしたメールは7000~8000通にもなるという。それ自体がシナプスの発火や軸索の伸びを示している。人と人とのつながりは本来そうあるべきだろう。脳が活性化するような付き合いでなければ時間の無駄だ。

 踵を踏むことはさほど難しくはない。実際にやってみるとわかるが、拇指球の力を抜くことが難しいのだ。更に踵を残すという一連の行為ができるまでは時間を要する。長年にわたって染み付いた思い込みが体を束縛しているのだ。

 大衆がスポーツに熱狂するのは力と技を純粋に競い合うためだろう。社会は社会性を重んじるあまり実力勝負の場面が乏しい。出自や損得で動くことも決して少なくない。それどころか誰の紹介で入社したかで平然と差別がまかり通る。そのスポーツをも商業主義で地に貶めたのがオリンピックだ。もはやスポーツ選手を利用した金儲けの舞台に過ぎない。

 同じ行為の繰り返しが身体の機能を損なうとすれば、人間の体が不自由になったのは農業社会に移行したのが大きいと考えられる。その上、食生活が一変した(『反穀物の人類史 国家誕生のディープヒストリー』ジェームズ・C・スコット)。

 拇指球で蹴らない効用は直ぐ実感できた。ギョサンで5km以上歩いても足裏が痛むことがなくなった。それまでは滑り止めと思われるゴムの小さな突起で歩くのが厭(いや)になるほど痛くなった。たぶん部分的な負荷が消えたのだろう。

 もう一度常歩(なみあし)を確認しよう。

 腕の動きも外旋となる。上から見た場合、腕は逆ハの字に振る。しかも通常のパワーウォークと異なり、前方向への振りを意識する。ほんの少しボクシングのアッパーカット気味にすると感覚をつかみやすい。

 初めは着地脚の膝を曲げないことだけ意識すればよい。安来節(やすきぶし)の要領で構わない。大袈裟にやった方が動きの違いがわかりやすいだろう。

 常歩(なみあし)は誤った常識に縛られた体を解放してくれる。

2021-07-29

小山田ウォーク/『トップアスリートに伝授した 勝利を呼び込む身体感覚の磨きかた』小山田良治、小田伸午


『病気の9割は歩くだけで治る! 歩行が人生を変える29の理由 簡単、無料で医者いらず』長尾和宏
『病気の9割は歩くだけで治る!PART2 体と心の病に効く最強の治療法』長尾和宏
『ウォーキングの科学 10歳若返る、本当に効果的な歩き方』能勢博
『ランニングする前に読む本 最短で結果を出す科学的トレーニング』田中宏暁
『サピエンス異変 新たな時代「人新世」の衝撃』ヴァイバー・クリガン=リード
『脚・ひれ・翼はなぜ進化したのか 生き物の「動き」と「形」の40億年』マット・ウィルキンソン
『アルツハイマー病は治る 早期から始める認知症治療』ミヒャエル・ネールス
『一流の頭脳』アンダース・ハンセン
『ウォークス 歩くことの精神史』レベッカ・ソルニット
『トレイルズ 「道」と歩くことの哲学』ロバート・ムーア
『「体幹」ウォーキング』金哲彦
『高岡英夫の歩き革命』、『高岡英夫のゆるウォーク 自然の力を呼び戻す』高岡英夫:小松美冬構成
『あらゆる不調が解決する 最高の歩き方』園原健弘
『あなたの歩き方が劇的に変わる! 驚異の大転子ウォーキング』みやすのんき
ナンバ歩きと古の歩術
『表の体育・裏の体育』甲野善紀
『「筋肉」よりも「骨」を使え!』甲野善紀、松村卓
『ナンバ走り 古武術の動きを実践する』矢野龍彦、金田伸夫、織田淳太郎
『ナンバの身体論 体が喜ぶ動きを探求する』矢野龍彦、金田伸夫、長谷川智、古谷一郎
『ナンバ式!元気生活 疲れを知らない生活術』矢野龍彦、長谷川智
『本当のナンバ 常歩(なみあし)』木寺英史
『健康で長生きしたけりゃ、膝は伸ばさず歩きなさい。』木寺英史
『常歩(なみあし)式スポーツ上達法』常歩研究会編、小田伸午、木寺英史、小山田良治、河原敏男、森田英二
『スポーツ選手なら知っておきたい「からだ」のこと』小田伸午

 ・小山田ウォーク

『間違いだらけのウォーキング 歩き方を変えれば痛みがとれる』木寺英史
『身体構造力 日本人のからだと思考の関係論』伊東義晃
『「疲れない身体」をいっきに手に入れる本 目・耳・口・鼻の使い方を変えるだけで身体の芯から楽になる!』藤本靖

身体革命
必読書リスト その二

小田●じゃあいこうか。LSD。Long Slow Distance。良ちゃん(小山田)と出会ってもう20年たつけど、昔、小山田ウォークってありましたね。このなかで、やれる人いる? ちょっと小山田ウォークやってみて。ターンオーバーの一番いい練習なんだよ。

小山田●あ、浅井ができます。足関節の動きを抑えて、股関節の伸展と膝関節の伸展を同時にやるヤツ。後ろで膝が伸びて、前方では膝が曲がって着地する。前方は膝伸ばさなくて、後方で膝伸ばす(図166)。
小田●これがLSDの走り?

小山田●ハムストリングを一番効率よく使うトレーニングということで入ったのが小山田ウォークです。

小田●今回の本でハムストリングの話が出てくるけど、20年前にハムストリングから入ってるの。

小山田●はい。あの時から頭にあったことを、今回は細かく書きました。

小田●LSDの Slow に一番意味があるんですね。

小山田●そうです。 Slow に。

小田●何で Slow を考えたの?

小山田●雑に運動するんじゃなくて、一番低速で丁寧な動きをすることで、高速でもその丁寧な動きを維持できるんじゃないかというところが始まりなんです。

小田●浅井さん、山内さん、最初に小山田さんからLSDをどういう言葉で聞いた? 代々変わっていって、人によって聞いた言葉がちょっと違うと思うよ。

浅井●僕は12年前かな。この治療院へ来だした時ですね。まず前脛骨筋にテンションを入れながら、長い距離をゆっくり乗りなさいって言われました。

小田●これこれ。この「ゆっくり」が大事なんだ。

浅井●50kmの距離を3時間、4時間かけて載るぐらいの感じ。ふつうなら1時間半、2時間くらいでいけますよね。

小田●それはかえって難しいことなの?

浅井●難しいっていうか、スタートして10分くらいでもう足がつってきます。当時は脛のあたりと足の裏がつってましたね。

小田●脛骨筋と足底か。この話は、普通わからないよねえ。ゆっくりやる練習が一番楽なのかなって思いますよね。

小山田●ゆっくりやっていますが、その分、力を入れたものが抜けないじゃないですか。抜けない状態を長く続けなきゃいけないから、そこがまずはもう持久力ですよね。

小田●力を入れておくところと、入れておかないところがある。

小山田●そうですそうです。脱力と入力ですよね。

小田●入力は脛骨筋?

小山田●脛骨筋はずっと出力を掛けてなきゃいけないので。

小田●これも世間では珍しい話なんだよね。

【『トップアスリートに伝授した 勝利を呼び込む身体感覚の磨きかた』小山田良治〈おやまだ・りょうじ〉、小田伸午〈おだ・しんご〉(創元社、2019年)】

 競輪選手の山内卓也〈やまうち・たくや〉、浅井康太〈あさい・こうた〉を交えた座談会から。あちこちに火花を放つ言葉が出てくる。プロスポーツ選手の高い意識が高山の冠雪を思わせる。

 3ヶ月ほど要して私の常歩(なみあし)アプローチは、腿に手を置き、右足を前に出すタイミングで右肩甲骨を中央に寄せる(内旋)というやり方に落ち着いた。最初は矢野式ナンバで右胸骨を上げていた。肩甲骨を外旋するやり方もあるのだが、どうも歩きにくかった。

 そしてこのテキストに遭遇した。頭の中で電球が灯(とも)った。思わず「これだよ、これ!」と欣喜雀躍した。実践する前から得心した。疑問を手放さなければ答えは必ず見つかるものだ。

 BABジャパンで「小山田ウォーク」の本を企画してもらいたい。

 慣れるまでは少し難しく感じるが、実は当たり前のように行っていることに気づいた。我々は坂道の上り下りや、砂浜を歩く時、自然に小山田ウォークとなっているのだ。それゆえ平坦な道では膝抜きを大袈裟にやるくらいでいい。実際は階段を下りる時の足使いなのだが、腰を落として歩く意識で行えば感覚がつかめる。

 少し時間ができたので駆け足で紹介してきた。今となっては金哲彦~みやすのんきは読まなくてもいいように思うが、ナンバや常歩(なみあし)を理解するためには通っておくべき必要な道である。上記リンクで紹介した書籍は、ウォーキングを勧める医師ですら知らない情報である。政府が社会保障費の抑制を本気で考えているのであれば、常歩研究会に多額の助成金を出し、彼らが活躍できる場を用意するのが一番の近道である。

動きの「細分化」/『月刊「秘伝」特別編集 天才・伊藤昇と伊藤式胴体トレーニング「胴体力」入門』月刊「秘伝」編集部編


『究極の身体(からだ)』高岡英夫
『フェルデンクライス身体訓練法 からだからこころをひらく』モーシェ・フェルデンクライス
『心をひらく体のレッスン フェルデンクライスの自己開発法』モーシェ・フェルデンクライス
『運動能力は筋肉ではなく骨が9割 THE内発動』川嶋佑
『ウィリアム・フォーサイス、武道家・日野晃に出会う』日野晃、押切伸一
『大野一雄 稽古の言葉』大野一雄著、大野一雄舞踏研究所編
『武学入門 武術は身体を脳化する』日野晃
『ことばが劈(ひら)かれるとき』竹内敏晴
『スーパーボディを読む ジョーダン、ウッズ、玉三郎の「胴体力」』伊藤昇
『気分爽快!身体革命 だれもが身体のプロフェッショナルになれる!』伊藤昇、飛龍会編
『棗田式 胴体トレーニング』棗田三奈子

 ・柔軟性よりも胴体力
 ・動きの「細分化」
 ・骨盤の細分化

『火の呼吸!』小山一夫、安田拡了構成
『身体構造力 日本人のからだと思考の関係論』伊東義晃
『ストレス、パニックを消す! 最強の呼吸法システマ・ブリージング』北川貴英
・『新正体法入門 一瞬でゆがみが取れる矯正の方程式』佐々木繁光監修、橋本馨
・『仙骨姿勢講座 仙骨の“コツ”はすべてに通ず』吉田始史
『誰にでもわかる操体法』稲田稔、加藤平八郎、舘秀典、細川雅美、渡邉勝久

身体革命
必読書リスト その二

伊藤●胴体の三つの動きの質がよくなると、身体の動きが、全く変わります。それは、力が出るようになるとか、元気になるとか、動きが速くなる等、ただ動けるようになるだけではありません。胴体が動くようになると、肩、胸、骨盤が更に動くようになり、動きの「細分化」が生まれます。そこまでゆくことがひとつのポイントなのです。
 骨盤や肋骨をどう動かすか、鎖骨と肩甲骨はどうするのか、といったことが分かってくると、身体の軸が分かってくるようになります。軸が分かるようになると、身体の緊張がスーッととれて、人との距離関係がハッキリしてくるので、気配や間合いなどが簡単に感じられるようになります。逆にこの感覚がなければ、格闘技としても、護身術としても不完全なわけですから。

【『月刊「秘伝」特別編集 天才・伊藤昇と伊藤式胴体トレーニング「胴体力」入門』月刊「秘伝」編集部編(BABジャパン出版局、2006年/新装改訂版、2021年)】

 朗報である。明日(7月30日)、新装改訂版が出る。しかも1760円と価格も据え置き。伊藤昇は55歳で逝去した。努力の果てに才を花開かせた人物だ。少林寺拳法と沖ヨガを通して独創的な運動理論に辿り着いた。アスリートが体幹トレーニングに注目する遥か以前から胴体力を解明した。

 意識するのは筋肉ではなく骨である。細分化とは骨を動かすことだ。すると全身は鞭のようにしなりが出る。我々の意識は手足という抹消に向かいがちだが、胴体から力を伝えることで筋肉に負荷をかけない動きが実現する。

 丹田を中心に骨盤・胸骨・肩甲骨を自在に動かすことができれば水中を泳ぐ魚のようにしなやかな体を手に入れることができる。