2021-08-07

カルマの仕組み/『自動的に夢がかなっていく ブレイン・プログラミング』アラン・ピーズ、バーバラ・ピーズ


『「言葉」があなたの人生を決める』苫米地英人
『アファメーション』ルー・タイス
『「原因」と「結果」の法則』ジェームズ・アレン
『「原因」と「結果」の法則2 幸福への道』ジェームズ・アレン
『新板 マーフィー世界一かんたんな自己実現法』ジョセフ・マーフィー
『未来は、えらべる!』バシャール、本田健
『潜在意識をとことん使いこなす』C・ジェームス・ジェンセン
『こうして思考は現実になる』パム・グラウト
『こうして、思考は現実になる 2』パム・グラウト
・『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ、バーバラ・ピーズ

 ・カルマの仕組み

『あなたという習慣を断つ 脳科学が教える新しい自分になる方法』ジョー・ディスペンザ
『ゆだねるということ あなたの人生に奇跡を起こす法』ディーパック・チョプラ
『科学的 本当の望みを叶える「言葉」の使い方』小森圭太
『ソース あなたの人生の源はワクワクすることにある。』マイク・マクナマス
『未処理の感情に気付けば、問題の8割は解決する』城ノ石ゆかり
『ザ・メンタルモデル 痛みの分離から統合へ向かう人の進化のテクノロジー』由佐美加子、天外伺朗
『無意識がわかれば人生が変わる 「現実」は4つのメンタルモデルからつくり出される』前野隆司、由佐美加子
『ザ・メンタルモデル ワークブック 自分を「観る」から始まる生きやすさへのパラダイムシフト』由佐美加子、中村伸也

必読書リスト その五

 いつもジャンクフードを選ぶのもあなたなら、ジャンクフードを口に押しこむ手もあなたの手だ。
 定期的に運動をしないことを選んだのもあなただ。愚かな論理を振りまわして、タバコやお酒、ドラッグに手を出したり、猛スピードで運転したり、暴力を振るうパートナーを選んだりといった自滅的な行為を重ねてきたのも、あなただ。
 やりたくないことをするように言われたとき、「いやだ」と断らなかったのも、あなたを失望させるような人を信じると決めたのも、あなただ。
 自分の人生にひどい悲しみをもたらすような子どもや、親戚や、その他の人たちと距離を置こうとしなかったのも、あなただ。暴力を振るってくる人や、将来性を見込めない人との関係を断たなかったの、あなただ。
 非常識な従業員や顧客、身勝手な友人、自分のことしか話さない人が身のまわりにいるとしても、そんな人たちを自分の人生に引きこんだのは、あなただ。
 周囲の誰かに不幸を持ちこまれても、悪いのはその人ではな、あなただ。そんな人たちがあなたの私生活の場や職場にいるのは、あなたが引きこみ、居つかせたからだ。
 あなたが選んできた人やもの、考え方が、あなたの今の状況をつくったのだ。今なぜ自分が、ここでこんな人生を生きているのかを、自分自身やほかの誰かに言い訳しようとしているのも、あなたである。

【『自動的に夢がかなっていく ブレイン・プログラミング』アラン・ピーズ、バーバラ・ピーズ:市中芳江〈いちかわ・よしえ〉訳(サンマーク出版、2017年)】

「第6章 自分の人生に責任を取る」より。表題ページのイラストに「カルマ」と書かれている。業(ごう)の思想は偶然を認めない。身口意(しんくい)にわたる反応・所作が地層のように積み重なって“現在の自分”を形成している。

 闇雲に努力すればいいというわけではない。まず最初に努力するだけの価値があるかどうかを見極める必要がある。努力が通用しない対象であれば、さっさと逃げることだ。台風や津波を相手にいくら努力をしても空(むな)しい。

 しかも「戦うこと」と「逃げること」は身体的に同じメカニズムなのである(『逃げる力』百田尚樹)

 人は自由である。特に先進国で生を享(う)けた我々の自由は保証されている。その自由は「選択」と「決断」において発揮される。よくよく我が身を振り返ってみよう。あの人は不健康になる自由を満喫している。この人はストレスにまみれる会社で職業を選択しない自由を謳歌している。その人は災害の多い土地で移動しない自由を堪能している。彼は毒親の下(もと)で束縛される自由に浸(ひた)り、彼女は毎年決まった時期にカネを毟(むし)り取る教団で信教の不自由をこれでもかと味わっている。

 何らかの抑圧を感じる環境に身を置いている人は、周囲を恨む前に自分の選択と判断を疑ってかかるべきだろう。

 昨今は自己啓発本も成熟してきた感がある。個人的には「大乗の機能」がストンと理解できた。西洋の説明能力にはやはり端倪(たんげい)すべからざるものがある。

2021-08-04

運動は食後すぐに行うのがいい/『医者が教える食事術 最強の教科書 20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方68』牧田善二


『ファストフードが世界を食いつくす』エリック・シュローサー
『「食べもの神話」の落とし穴 巷にはびこるフードファディズム』高橋久仁子
『給食で死ぬ!! いじめ・非行・暴力が給食を変えたらなくなり、優秀校になった長野・真田町の奇跡!!』大塚貢、西村修、鈴木昭平
『伝統食の復権 栄養素信仰の呪縛を解く』島田彰夫
・『本当は危ない植物油 その毒性と環境ホルモン作用』奥山治美
・『日本人には塩が足りない!』村上譲顕
『果糖中毒 19億人が太り過ぎの世界はどのように生まれたのか?』ロバート・H・ラスティグ
『野菜は小さい方を選びなさい』岡本よりたか
『うつ消しごはん タンパク質と鉄をたっぷり摂れば心と体はみるみる軽くなる!』藤川徳美
『コレステロール値が高いほうがずっと長生きできる』浜崎智仁
『小麦は食べるな!』ウイリアム・デイビス
『シリコンバレー式 自分を変える最強の食事』デイヴ・アスプリー
・『HEAD STRONG シリコンバレー式頭がよくなる全技術』デイヴ・アスプリー
・『運動ゼロ空腹ゼロでもみるみる痩せる ガチ速“脂"ダイエット』金森重樹
・『食べても太らず、免疫力がつく食事法』石黒成治
・『世界のエグゼクティブを変えた超一流の食事術』アイザック・H・ジョーンズ

 ・余ったトウモロコシのために清涼飲料水が発明された
 ・運動は食後すぐに行うのがいい

『医者が教える食事術2 実践バイブル 20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方70』牧田善二
『医学常識はウソだらけ 分子生物学が明かす「生命の法則」』三石巌
『DNA再起動 人生を変える最高の食事法』シャロン・モアレム
『大豆毒が病気をつくる 欧米の最新研究でわかった!』松原秀樹
『免疫力が10割 腸内環境と自律神経を整えれば病気知らず』小林弘幸、玉谷卓也監修
『サピエンス異変 新たな時代「人新世」の衝撃』ヴァイバー・クリガン=リード
『アルツハイマー病は治る 早期から始める認知症治療』ミヒャエル・ネールス
『反穀物の人類史 国家誕生のディープヒストリー』ジェームズ・C・スコット
『あなたの体は9割が細菌 微生物の生態系が崩れはじめた』アランナ・コリン

身体革命
必読書リスト その一

「空腹時の運動で脂肪が燃える」は大いなるウソ

 糖質を食べれば血糖値が上がりますが、【食後すぐに運動すると、その上昇を抑えることができます】。だから、運動は食後に行うのが効率的です。
 かつては、「食後は消化のためにゆっくり休め」というのが常識でした。しかし、そもそも、食後にゆっくり休まなければならないほど一度にたくさん食べるべきではありません。血糖値が大きく上昇しないよう、「腹七分目」を心がけることが重要です。
 また、「空腹時に運動することで脂肪が燃える」とも言われました。しかし、空腹時に運動すれば、その後さらに腹ペコ状態でドカ食いすることになり、血糖値は急上昇します。血糖値が上昇すれば、それだけ太ります。
 もはや、「空腹時に運動」という考えは古いのです。
 糖質を多くとったときには食後すぐに運動し、血糖値の上昇を抑えましょう。それによって確実に肥満が防げます。ウォーキングだけでなく、社内でスクワット、ストレッチなど簡単な体操でも十分です。

【『医者が教える食事術 最強の教科書 20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方68』牧田善二〈まきた・ぜんじ〉(ダイヤモンド社、2017年)】

 魂消(たまげ)た。食後の運動では「食べたものが燃える」と私は信じ込んでいた。藤原正彦・美子〈よしこ〉夫妻が食後に必ず30分ほどの散歩を行うことを知り、嘲笑った覚えがある(『藤原正彦、美子のぶらり歴史散歩』)。穴があったら入りたい。

 ここでいう糖質とは炭水化物やイモ類・菓子類と考えてよい(アルファ30「主な食品のGI値」)。尚、ストレッチは運動と見なせないので、せめて階段の上り下りくらいはした方がいいだろう。腕立て伏せや腹筋も避けた方がよい。飽くまでも主要な筋肉が集まっている下半身の運動と考えるべきだ。汗をかいても平気ならバーピージャンプがおすすめだ。

 ダイエットに関しては運動よりも食事制限がメインとなる。運動の消費カロリーは知れている。出力よりも入力をコントロールする方が早い。

余ったトウモロコシのために清涼飲料水が発明された/『医者が教える食事術 最強の教科書 20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方68』牧田善二


『ファストフードが世界を食いつくす』エリック・シュローサー
『「食べもの神話」の落とし穴 巷にはびこるフードファディズム』高橋久仁子
『給食で死ぬ!! いじめ・非行・暴力が給食を変えたらなくなり、優秀校になった長野・真田町の奇跡!!』大塚貢、西村修、鈴木昭平
『伝統食の復権 栄養素信仰の呪縛を解く』島田彰夫
・『本当は危ない植物油 その毒性と環境ホルモン作用』奥山治美
『日本人には塩が足りない! ミネラルバランスと心身の健康』村上譲顕
『果糖中毒 19億人が太り過ぎの世界はどのように生まれたのか?』ロバート・H・ラスティグ
『野菜は小さい方を選びなさい』岡本よりたか
『うつ消しごはん タンパク質と鉄をたっぷり摂れば心と体はみるみる軽くなる!』藤川徳美
『コレステロール値が高いほうがずっと長生きできる』浜崎智仁
『小麦は食べるな!』ウイリアム・デイビス
『シリコンバレー式 自分を変える最強の食事』デイヴ・アスプリー
・『HEAD STRONG シリコンバレー式頭がよくなる全技術』デイヴ・アスプリー
・『運動ゼロ空腹ゼロでもみるみる痩せる ガチ速“脂"ダイエット』金森重樹
・『食べても太らず、免疫力がつく食事法』石黒成治
・『世界のエグゼクティブを変えた超一流の食事術』アイザック・H・ジョーンズ

 ・余ったトウモロコシのために清涼飲料水が発明された
 ・運動は食後すぐに行うのがいい

『医者が教える食事術2 実践バイブル 20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方70』牧田善二
『医学常識はウソだらけ 分子生物学が明かす「生命の法則」』三石巌
『DNA再起動 人生を変える最高の食事法』シャロン・モアレム
『大豆毒が病気をつくる 欧米の最新研究でわかった!』松原秀樹
『免疫力が10割 腸内環境と自律神経を整えれば病気知らず』小林弘幸、玉谷卓也監修
『サピエンス異変 新たな時代「人新世」の衝撃』ヴァイバー・クリガン=リード
『アルツハイマー病は治る 早期から始める認知症治療』ミヒャエル・ネールス
『反穀物の人類史 国家誕生のディープヒストリー』ジェームズ・C・スコット
『あなたの体は9割が細菌 微生物の生態系が崩れはじめた』アランナ・コリン

身体革命
必読書リスト その一

 もともと清涼飲料水は、アメリカでトウモロコシが生産過剰に陥ったことがきっかけで生まれたと言われています。余ったトウモロコシを無駄にしないようコーンシロップをつくり、溶かして人々に売りさばくことを考えたのです。
 そのときに、どのくらいの量を入れれば血糖値が上がって至福点に達するかも計算されています。つまり、【企業の利益のためにあえて中毒をつくりだしたわけです】。
 しかし、税金をたくさん納めている企業に対し、国や自治体が本気で規制に乗り出すことはできません。アメリカでは買収された学者が【「肥満を呼ぶのは糖質ではなく脂肪だ」】という説を垂れ流し、いまもそれを信じている人が世界中にいます。

【『医者が教える食事術 最強の教科書 20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方68』牧田善二〈まきた・ぜんじ〉(ダイヤモンド社、2017年)以下同】

 牧田善二は糖尿病の専門医で38年間にわたって20万人以上の患者を診てきたエキスパートだ。自身の経験から「健康格差」が広がっていることに気づいたという。糖尿病予防の肝は血糖値の上昇を抑えることだ。生活習慣病改善のためには血圧よりも血糖値に注意を払うのが正しい。

 上記テキストは映画『あまくない砂糖の話』(デイモン・ガモー監督)を紹介する件(くだり)である。同作品はamazonのprime videoで視聴できる。

 戦後の学校給食がパンになったのも、アメリカの余剰小麦をさばくための戦略だった(『この国の不都合な真実 日本はなぜここまで劣化したのか?』菅沼光弘)。

「肥満の原因は脂肪である」との迷信は砂糖業界がハーバード大学の学者に資金を提供し「低脂肪ダイエット」なる概念を発明した。その後1950年代にミネソタ大学のアンセル・キーズ博士が飽和脂肪酸やコレステロールを槍玉に挙げ、冠動脈性心疾患の原因と指摘した。同博士は『TIME』誌の表紙を飾った。

現実の虚構化/『コレステロール 嘘とプロパガンダ』ミッシェル・ド・ロルジュリル

 半世紀を経ても尚、迷信は生きている。

 いまから45年も前の1972年に『日本の長寿村短命村』(サンロード刊)という本が刊行されました。著者は、東北大学名誉教授の近藤正二医学博士です。
 博士は、1935(昭和10)年から36年間にわたり、日本中を歩き、長寿者が多い村、逆に短命者が多い村を探して訪ね、その生活様式を調査しました。
 博士がこの調査を始めたとき、「短命の原因は酒ではないか」「いや、重労働がいけないのだ」などという俗説が流布されていました。そこで博士は、「それらの俗説が正しいのかどうか、実際に自分の目で見てくる」ことを決意し、20キロを超えるリュックサックを背負い、ときに険しい山を登りながら僻地まで足を運び、長いときには1つの地域に2か月も滞在し、合計で990の町村を調べ上げたのです。(中略)
 私の手元に残る『日本の長寿村短命村』は、表紙が少し黄ばんでしまいましたが、内容は少しも色あせていません。むしろ、現代を生きる私たちに非常に重要な示唆を与えてくれています。
 私なりに、博士の研究結果をまとめてみると、以下のようなことが言えます。

1.健康・長寿の決め手は食生活である
2.酒飲みは短命ではない
3.重労働をしている人のほうが長寿
4.ごはんの食べすぎは短命
5.魚ばかりで野菜が少ない村は短命
6.大豆製品を多く食べている村は長寿
7.大量の野菜を食べている村は長寿
8.果物を多くとる村は短命
9.海藻を多くとっている村は長寿
10.肉の食べすぎは短命
11.塩分をとりすぎている村は短命
12.ゆっくり楽しんで食べることが大事

 これはフィールドワークのため尊い仕事だと思うが、もっと広い範囲のデータが必要だろう。また相関関係と因果関係が異なることを理解する必要もある。食事だけに注目すれば疑似相関となりかねない。

 平均寿命はずっと伸び続けている。問題は健康寿命だ。人は必ず死ぬ。長生きを望むよりは、いつ死んでもいいように生きておくのが求められる流儀ではあるまいか。



2021-08-03

創作された存在/『レディ・ジョーカー』高村薫


・『黄金を抱いて翔べ』高村薫
・『神の火』高村薫
・『わが手に拳銃を』高村薫
・『リヴィエラを撃て』高村薫
・『マークスの山』高村薫
・『地を這う虫』高村薫
・『照柿』高村薫

 ・鑑とは
 ・創作された存在

・『李歐』高村薫
・『半眼訥訥』高村薫
『あなたに不利な証拠として』ローリー・リン・ドラモンド

ミステリ&SF

《ところで、半田さんから聞いた。仲間に入れてほしい》
「理由は何だ」
《理由が要るのか》
「そういうわけではないが、君もいろいろ考えていることがあるだろう」
《人生に踏ん切りをつけたいだけだ》
「何のための踏ん切りだ」
《俺の人生を見たら、分かるだろう》
「君の人生か。腕のいいドライバーで、月に六、七十万の稼ぎがあって、嫁さんが病気で、娘が障害児だ。それがどうした。そんな人生は世間にごまんとある」
 物井は、布川が気分を害して電話を切ってしまうだろうと思ったが、電話は切れなかった。代わりに、全身から噴き出したような、ほとんど悲鳴のような《ああ――》というため息が聞こえ、また沈黙になった。野球のボールを打つカーンという音、走れ、走れと叫ぶ子どもの笑い声が電話の向こうで響いた。
 理屈ではなく、幸不幸でもなく、弱い人生が一つあるというだけのことだった。

【『レディ・ジョーカー』高村薫〈たかむら・かおる〉(毎日新聞社、1997年/新潮文庫、2010年)】

 冒頭の怪文書を読んでいて不思議な気分に浸(ひた)った。創作された存在が目の前に立ち上がってきたのだ。存在は目撃される。しかし、それを誰かに伝える時、存在は言葉と化す。死者を語る行為は新たな生を吹き込む営みでもある。旧字体で綴られた文書を通して私の中に岡村清二という男を立ち上がらせる。本来、不在のはずの人間が存在する不思議に目眩(まめい)がした。

 それにしても文章がいい。澱(よど)みなく流れる速度の心地よさを感じる。野球に興じる子供たちが障碍を持つ娘の姿を際立たせる。「踏ん切り」と「弱い人生」というキーワードの重みがまた心地よい。

 ビッグネームなので敢えて必読書には入れなかった。尚、相変わらずの同性愛傾向が腐女子っぷりを示しているようで感心しない。もう一つ、合田・半田・倉田と田がつく苗字が多いのも瑕疵(かし)と言える。