2021-09-01

皇室制度を潰す「女系天皇」/『愛国左派宣言』森口朗


『「悪魔祓い」の戦後史 進歩的文化人の言論と責任』稲垣武
『こんな日本に誰がした 戦後民主主義の代表者・大江健三郎への告発状』谷沢永一
『悪魔の思想 「進歩的文化人」という名の国賊12人』谷沢永一
『誰が国賊か 今、「エリートの罪」を裁くとき』谷沢永一、渡部昇一
『いま沖縄で起きている大変なこと 中国による「沖縄のクリミア化」が始まる』惠隆之介
『北海道が危ない!』砂澤陣
『これでも公共放送かNHK! 君たちに受信料徴収の資格などない』小山和伸
『ちょっと待て!!自治基本条例 まだまだ危険、よく考えよう』村田春樹
『自治労の正体』森口朗
『戦後教育で失われたもの』森口朗
『日教組』森口朗
『左翼老人』森口朗
・『売国保守』森口朗

 ・社会主義国の宣伝要員となった進歩的文化人
 ・陰謀説と陰謀論の違い
 ・満州事変を「関東軍による陰謀」と洗脳する歴史教育
 ・関東軍「陰謀論」こそウソ
 ・新型コロナウイルス陰謀説
 ・皇室制度を潰す「女系天皇」

『世界史で読み解く「天皇ブランド」』宇山卓栄
『〔復刻版〕初等科國史』文部省
『知ってはいけない 金持ち悪の法則』大村大次郎

必読書リスト その四

(2)女系天皇を認めようとする政治家は皇室制度を潰す「陰謀」を企んでいる

 ご存知のように日本の皇室制度は世界に冠たる制度です。18世紀にヨーロッパで王室を守ろうとした人々が「右」、潰そうとした人々を「左」と言い出したのが、政治的「右」「左」の最初だと第1章で説明しましたが、これを21世紀の皇室制度にスライドさせると、建前では共産党以外、全て「右」ですが、「女系天皇」なるものを造ろうとしている政治家の本当の思想は全員「左」です。何故なら、皇室制度は、ヨーロッパ王室制度と異なり延々と続く男系であり、それが途絶えた時は皇室制度の終わる時だからです。
「女系天皇」なるものを造ろうとする人達は「陰謀」を企んでいると考える根拠は、次のとおりです。

・世界一長い伝統のある日本の皇室制度を妬(ねた)む外国人は多い。とりわけウソの歴史教育によって国民に反日感情をもたせ、それを権力の正当化に利用している中国共産党や北朝鮮の金一族、韓国にとって、日本の皇室制度はいち早く潰したい制度である。
・しかし、間接デモクラシーを採用する日本において、親中派や、親北朝鮮派、親韓国派が「皇室制度を潰す」と主張して国会議員に当選するのは共産党を除きほとんど不可能である。社会主義が妄想だとバレる以前には、立憲民主党の辻元清美議員は憲法を改正して皇室制度を潰せと大声で主張していたが、今ではその姿勢を隠している。
・皇室を潰す「陰謀」は、憲法改正よりも「女系天皇」なるものを創る手法の方が、成功しやすい。
・「女系天皇」に良いイメージを抱かせるために、まだお若くて今のところ彼氏がいない愛子内親王の人格を利用し「女系天皇」の現実に目を向けないように国民を騙している。
・「女系天皇」なるものができた時、最もそれに近いのは婚姻問題が生じている真子内親王と小室圭氏の子が天皇になることだ。お二人に子供ができて、天皇が「今上天皇陛下」⇒「秋篠宮」⇒「(女性天皇としての)真子内親王」⇒「(女系天皇なる)小室圭氏の子」と続く可能性が一番高い。
・小室圭氏の子供が天皇になりかねないのが「女系天皇」制度だと、多くの国民が気付けば、それだけで目が覚めて「陰謀」を見抜くが、これを推進する人達は「ヨーロッパの王室が見本だ」と言って国民を騙している。
・ヨーロッパを見本とする「女系天皇」なるものが実現すると、「小室圭氏の子」の比ではない「国民が嫌がりそうな人物」が「天皇」になれる。具体的には、内親王を口説くことに成功した中国人や韓国人、北朝鮮人、在日コリアンなど、外国人の子供である。ヨーロッパの王室では、父の国籍は問題にならず、英語を話せない人が英国王になった歴史まである。それゆえ「女系天皇」に成功すれば、皇室廃止は容易に実現できるだろう。
・男系が続いているので日本の皇室制度は、外国人から見ると「同じ王朝が続いている」と見えるが、「女系天皇」なるものが誕生すると、外国人、特に欧米人からは「王朝が変わった」と映る(戦争もしないのにヨーロッパで王朝が代わるのは女系に移る時です)。
・それゆえ、「女系天皇」に成功したら、皇室制度を廃止できなくても「世界一長い伝統のある王朝の国=日本」という外国人からの羨ましさは消える。
・日本に「女系天皇」なるモノが誕生したら、メンタル面で「巨万の富」を獲得できる国や人は世界中に存在する。

 いかがでしょう。「女系天皇」なるモノは、中国共産党、北朝鮮、韓国はもちろん、世界一長い伝統のある王朝という地位を狙っているヨーロッパ諸国の「陰謀」であり、それを推進する者達のバックにそれらの国がいる可能性も高いと思いませんか。
 新型コロナの「陰謀」が成功した2020年に、それまで愛国者ぶっていた河野太郎氏が急に「女系天皇」の話をしだしたのも、有力な状況証拠だと考えます。

【『愛国左派宣言』森口朗〈もりぐち・あきら〉(青林堂、2021年)】

 万世一系を苦々しく思っている連中は予想以上に多い。女性週刊誌の皇室スキャンダルネタはCIAが流しているという噂があるほどだ。

 先程、真子内親王の年内結婚が報じられた。皇統は日本の魂であり、アイデンティティの根幹を成すものだ。歴史的経緯からいえば天皇が先にあり、日本国の成立は後のことである。民族は血と文化から成る。例外は宗教で結びつくユダヤ人だけだ。もちろん意図的に差異を強調する必要はない。もともと我々の先祖は猿なのだから、それを思えば遺伝子の違いなどあってないようなものだ。

 問題は反日を標榜しない反日勢力が多いことで、中・韓・朝の浸透工作は政官報に及び、学術・法曹・教育は完全に牛耳られた感がある。

 現在の日本において左翼と目されるのは親中・親韓・新北朝鮮派である。その意味において与党である公明党は完全な左翼といってよい。また自民党に巣食う仮面保守を一掃する必要がある。小沢一郎を始めとする旧田中派は小泉政権で自民党を追われたが、中韓の利権を貪る自民党代議士は健在だ。

 天皇陛下の存在が世界の重石(おもし)となっている事実を日本人は知らねばならない。ローマ教皇とイギリス王室が頭を下げるのは天皇陛下だけだろう。皇統が正しく維持される限り、日本は不滅だ。

2021-08-31

レシピ > 炊き込みご飯


レシピ > 炊き込みご飯

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新型コロナウイルス陰謀説/『愛国左派宣言』森口朗


『「悪魔祓い」の戦後史 進歩的文化人の言論と責任』稲垣武
『こんな日本に誰がした 戦後民主主義の代表者・大江健三郎への告発状』谷沢永一
『悪魔の思想 「進歩的文化人」という名の国賊12人』谷沢永一
『誰が国賊か 今、「エリートの罪」を裁くとき』谷沢永一、渡部昇一
『いま沖縄で起きている大変なこと 中国による「沖縄のクリミア化」が始まる』惠隆之介
『北海道が危ない!』砂澤陣
『これでも公共放送かNHK! 君たちに受信料徴収の資格などない』小山和伸
『ちょっと待て!!自治基本条例 まだまだ危険、よく考えよう』村田春樹
『自治労の正体』森口朗
『戦後教育で失われたもの』森口朗
『日教組』森口朗
『左翼老人』森口朗
・『売国保守』森口朗

 ・社会主義国の宣伝要員となった進歩的文化人
 ・陰謀説と陰謀論の違い
 ・満州事変を「関東軍による陰謀」と洗脳する歴史教育
 ・関東軍「陰謀論」こそウソ
 ・新型コロナウイルス陰謀説
 ・皇室制度を潰す「女系天皇」

『知ってはいけない 金持ち悪の法則』大村大次郎

必読書リスト その四

正しい可能性の高い「陰謀説」

 戦前の日本軍だけが「陰謀」をした、と信じる人はその見識に問題がある方達です。では、何故、満州事変は関東軍の陰謀だったという「ウソ」がまかり通っているのでしょう。それは、第二次世界大戦の戦勝国にも、戦後に誕生した独裁国家を牛耳る中国共産党にも、日本の左翼にも都合が良いからです。そして昭和時代の日本人はそんなウソを信じるほど「お人よし」だったからです。
 その「お人よし」達が、今度は「陰謀論」という名で、世の名の「陰謀」を全て隠そうとする人達の発言を信じようとしている。私は、これは「あってはならない」事態だと考えます。世の中で大きな事件が起き、大多数の人々が悲惨な目にあった時には、必ず、それによって「巨大な富」を獲得した者はいないか?を考えて欲しいのです。
 事実不明の「陰謀」を真実として学校教育に取り入れて良いのであれば、児童・生徒に教えて欲しいことは山のようにあります。そのいくつかの「陰謀」を挙げてみましょう。

(1)新型コロナの流行は中国共産党による「陰謀」だった

 まずは2020年から流行りだした新型コロナです。これは陰謀です。その証拠は沢山あります。

・風邪やインフルエンザなどの病気は症状が出て初めて検査しますが、新型コロナは症状のない人にもPCR検査を実施している。
・PCR法を開発した功績で1993年にノーベル化学賞を受賞したアメリカの生化学者キャリー・マリス氏は、新型コロナ騒動が起きる直前の2019年8月7日に死亡した。
・PCR検査は新型コロナのRNAを何倍にも増やしてウイルスの有無を見る検査だ。2の何乗というかたちでRNAが増えていくので増やし過ぎると感染していない人も陽性になる。
・それゆえ増幅回数は、当初、37回未満と決まっていたが、それを守っているのは台湾の36回だけで、各国は37回以上増幅させている。ちなみに50回増幅させると36回増幅の1万6384倍もRNAが増えるので、大勢の「陰性」の人が「陽性」扱いされ、その上で「患者」扱いまでされているのが今の日本だ。
・一度感染すると、当分の間、ウイルスの死骸(感染力をなくしたウイルス)のカスが感染した人の体に残るため、日本で行っている増幅回数過剰のPCR検査だと長い間「陽性」になるため、多くの場合1カ月以上「病人」のままとなった(この点は、今は改善され、早く退院できるようになった)。
・緊急事態宣言を推進した尾身茂氏は「症状のない人も人に感染させる」と主張していたが、彼の主張には元々科学的根拠がなかったうえに、最近、それに反する科学データが出てきている。
・PCR検査の原価は3500円くらいだが、日本では1万5000円の検査費用を取れると決まったので当初は公的機関が検査していたが、今では民間企業が参入して大儲けしている。
・ここまでの事実を丁寧に説明したアメリカ「ウィスコンシン医科大」名誉教授の高橋徳氏の映像が最初、You Tubeで流れていたが削除された。
・2020年のGDPは新型コロナによってほとんどの国でマイナス成長だったが、世界にコロナをバラまいた中華人民共和国だけはプラス成長だった。
・日本で真っ先に、自治体レベルの「非常事態宣言」を発したのは、夕張市長時代に中国企業に公共施設を安売りした親中派の鈴木北海道知事だった。
・それを見て首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)知事をまとめて、安倍政権に「国として非常事態宣言を出す」よに要望したのは、これまた親中派の小池都知事だった。
・小池知事は神奈川県黒岩知事から依頼があったというウソをついてまで、首都圏の非常事態宣言を延長させ日本経済の足を引っ張った。
・新型コロナで陽性になった人が亡くなった場合は全員が「新型コロナによる死亡」とカウントされるが、インフルエンザの場合はインフルエンザだけが原因でなくなった場合のみ「インフルエンザによる死亡」とされ、持病が悪化して死んだ場合は死因にカウントしない。
・インフルエンザを新型コロナと同じカウント方法にすると年間1万人の死因が「インフルエンザ」になると推定される。
・新型コロナは味が分からなくなるといった後遺症が大げさに宣伝されているが、インフルエンザの後遺症には脳炎があり、それにより認知症になった子供が毎年発生している。
・インフルエンザで死亡する人はあらゆる年齢層にいるが、新型コロナで死ぬ人はほとんどが高齢者で死亡者の平均年齢は日本人の寿命と数歳しか変わらない。
・中華人民共和国を支配する中国共産党、PCR検査実施企業、ワクチンを開発した欧米企業など、新型コロナが必要以上に騒がれたことで「巨大な富」を獲得した人達が存在する。

 いかがでしょう。これでも「新型コロナの流行」や「新型コロナで大騒ぎ」は「陰謀」というのを全否定するのでしょうか。少なくとも、満州事変が関東軍の陰謀だった可能性よりは、こちらの可能性の方が高いとするのが妥当ではないでしょうか。

【『愛国左派宣言』森口朗〈もりぐち・あきら〉(青林堂、2021年)】

 You Tubeで削除されまくっている高橋徳医師の動画を見つけた。


 マスメディアが公正な情報を流さず、GAFAMが一方的な規制(ワクチンに対する警鐘は削除対象となる)を強いるところを見ると、明らかに民主政を阻む動きと考えてよい。「お前たちはものを考える必要はない」と言われたも同然だ。新型コロナウイルスの危険を煽り、ワクチン接種へ誘導する情報操作が行われている。その有り様は「必死だな」の一言に尽きる。海外では職種によっては接種を義務づけるようにまでなってしまった。

 日本医師会は当初「マスクは有効ではない」としていたが、いつの間にかマスクを奨励するようになった。外出規制は人々の自由を損なう最たるもので、これに唯々諾々と従うのは世界広しといえども日本くらいだろう。私は「21世紀の空襲警報」だと思う。緩やかな防空壕生活を強いられているわけだから。

 国家は国民に命令を下す時、最も生き生きと振る舞う。そして国家は強権を発揮する中で必ず判断を誤る。

 9.11テロはパックス・アメリカーナの終焉を告げた。新型コロナウイルスは中国の台頭を許す可能性がある。親中派の政治家がこれほどのさばっているのがその証拠である。「衆院選は10月17日投開票で調整」と報じられたが、自民党内の混迷ぶりを見ていると、またしても小池百合子が旋風を巻き起こすのではないか。

スリの名人が教える注意をそらすテクニック


 オチが見事。

関東軍「陰謀論」こそウソ/『愛国左派宣言』森口朗


『「悪魔祓い」の戦後史 進歩的文化人の言論と責任』稲垣武
『こんな日本に誰がした 戦後民主主義の代表者・大江健三郎への告発状』谷沢永一
『悪魔の思想 「進歩的文化人」という名の国賊12人』谷沢永一
『誰が国賊か 今、「エリートの罪」を裁くとき』谷沢永一、渡部昇一
『いま沖縄で起きている大変なこと 中国による「沖縄のクリミア化」が始まる』惠隆之介
『北海道が危ない!』砂澤陣
『これでも公共放送かNHK! 君たちに受信料徴収の資格などない』小山和伸
『ちょっと待て!!自治基本条例 まだまだ危険、よく考えよう』村田春樹
『自治労の正体』森口朗
『戦後教育で失われたもの』森口朗
『日教組』森口朗
『左翼老人』森口朗
・『売国保守』森口朗

 ・社会主義国の宣伝要員となった進歩的文化人
 ・陰謀説と陰謀論の違い
 ・満州事変を「関東軍による陰謀」と洗脳する歴史教育
 ・関東軍「陰謀論」こそウソ
 ・新型コロナウイルス陰謀説
 ・皇室制度を潰す「女系天皇」

『知ってはいけない 金持ち悪の法則』大村大次郎

必読書リスト その四

 では、「柳条湖事件」が関東軍の陰謀だったという「陰謀論」の方は、なぜ、学校教育に定着したのでしょう。当時の国際連盟がそのように判断した訳ではありません。むしろ国際連盟から派遣されたリットン調査団は、当時の満州の発展は中華民国ではなく日本の努力によるものだと認め、柳条湖事件が起きた夜の日本側の軍事行動は正当防衛とまでは認め得なかったけれども、将校達が自衛のために考え行動した(つまり誤想防衛をした)のは仕方がないとしたのです。その上で、日本の主張を一部認め、日本軍に今後の満州における匪賊(ひぞく)の討伐権を認めました。
 日本は第二次世界大戦に負けたのですから「関東軍が全面的に正しかった」と教えることは難しいでしょう。でも、せめて国際連盟から派遣されたリットン調査団の調査内容が正しい、つまり「柳条湖事件の真相は不明だが、当時の関東軍は正当防衛と考えて軍事行動を起こした」と教えるのが、正しい歴史教育のはずです。
 ところが、学校で「関東軍の陰謀により満州事変は起こった」と教え、大学でもマスコミでもあらゆるところで、それを前提にして議論しているのです。その根拠は、たった一人、花谷正(はなやただし)が戦後に語った、いかがわしい発言だけです。
 花谷が言うには、昭和6(1931)年に関東軍高級参謀(大佐)板垣征四郎と関東軍作戦参謀(中佐)石原莞爾(いしは〈ママ〉らかんじ)と、少佐だった花谷が中心となって、この陰謀を実行したそうです。全く信用できません。何故なら、板垣征四郎と石原莞爾は極めて有能で、現役時代から「陸軍の巨星」とまで呼ばれた二人でした。これに対して花谷正は、多くの作戦に失敗し部下の命を失わせたことで、また人格面においても問題の多い人物でした。彼が死んだ時には、盛大な葬儀が営まれましたが、部下は誰一人会葬(かいそう)しませんでした。
 そんな男が、両雄である板垣征四郎(昭和23(1948)年12月23日、死刑執行)も石原莞爾(昭和24(1949)年8月15日に病死)も亡くなった後の昭和30(1955)年に『満州事変はこうして計画された』(「別冊知性」昭和30年12月号 河出書房)において秦郁彦氏の取材に答える形で、「あの2人と自分が中心になって、柳条湖事件を起こしました」と発言しただけなのです。彼は、さらに関東軍司令官本庄繁中将(昭和20(1945)年11月19日GHQから戦犯に指名され翌日自決)、朝鮮軍司令官林銑十郎中将(昭和18(1943)年2月4日病死)、参謀本部第1部長建川美次(たてかわよしつぐ)少将(昭和20(1945)年9月9日死去)が、この謀略に賛同していたと言いふらしているようですが、この方々も全員が1955年までには亡くなっていました。
 花谷が「謀略に賛同した」幹部の1人と指名した中で1955年段階で唯一生き残っていたのは橋本欣五郎(当時、参謀本部ロシア班長で中佐)でした。彼は、昭和31(1956)年の第4回参議院議員通常選挙全国区に無所属で立候補し落選しているのですから、彼が「花谷の言うとおり」と発言していない限り、花谷の発言は、自分を大物に見せたいだけの「ウソ」と判断すべきでしょう。もちろん、橋本から「花谷の発言は正しい」といった発言はありません。
 常識で考えれば、花谷の証言こそが「ウソ」なのですが、昭和時代は戦前の日本を悪者にして自分だけが「いい人」ぶる行為が流行っていました。保守言論では「従軍慰安婦」なるものを創った吉田清治が有名ですが、花谷の発言こそ最大のウソではないでしょうか。

【『愛国左派宣言』森口朗〈もりぐち・あきら〉(青林堂、2021年)】

 驚愕の事実である。腰を抜かす人がいてもおかしくないほどだ。あまりにも驚いてしまったので少し調べた。どうやら工藤美代子著『絢爛たる醜聞 岸信介伝』(『絢爛たる悪運 岸信介伝』改題文庫化)に書かれている内容のようだ。同書には「(※板垣、石原の)両者ともその事実を否定したまま故人となった」との記述がある。

 著者が言いたいことは、教科書で教える歴史は事実に基づくべきであり、日本の戦争だけを詳細に取り上げて、わざわざ舞台裏まで記述し、意図的に自国を貶めることに何の意味があるのか? ということだ。「昨今の陰謀論を嘲笑う風潮」に対する批判という文脈の中で書かれているテキストであることを失念してはなるまい。

 つくづく人の脳が物語に支配されやすい事実を思い知らされた。明らかな因果関係を示されると脳は「疑う」ことを忘れる。おばあさんが川で洗濯をしていると、どんぶらこどんぶらこと桃が流れてくることになっている。いじめられている亀は助けなければならないし、わらしべは取り敢えず大事にしておく。神話、昔話、宗教はその物語性によって社会を維持する装置である。

 自虐史観という言葉は既に手垢まみれとなっているが、日本を貶める左翼の行状(ぎょうじょう)を詳(つまび)らかにして、その罪状を一々論(あげつら)うことなくして、正常な歴史を知ることはないだろう。