2021-06-19

ゴキブリ体操改めブルブル体操/『ひざの激痛を一気に治す 自力療法No.1』


『だれでも「達人」になれる! ゆる体操の極意』高岡英夫
『自分で治せる!腰痛改善マニュアル』ロビン・マッケンジー
『自分で治す病気の数々 痔 膝痛 腰痛 肩こり 認知症 椎間板ヘルニア』谷幸照
『3万人のひざ痛を治した! 痛みナビ体操』銅冶英雄
『ひざ痛は99%完治する』酒井慎太郎
『半月板のズレを戻せばひざ痛は治る!』中村昭治

 ・ゴキブリ体操改めブルブル体操
 ・浮き指が進行すると腰が曲がる

『5分間背骨ゆらしで体じゅうの痛みが消える 自然治癒力に火をつけて、首・肩・腰痛・ひざ痛を解消!』上原宏

身体革命

 日本国内での調査では、ひざの痛みに悩んでいる人は約820万人、腰の痛みに悩んでいる人は約1020万人に上り、痛みは、日本社会の深刻な問題となっています。

【『ひざの激痛を一気に治す 自力療法No.1』(マキノ出版、2013年)以下同】

 膝痛の本は20冊ほど読んだと思う。玉石混淆(こんこう)でもちろん玉は少ない。個人的には本書が一番よかった。

 少し前までスロージョギングを行っていたのだが、時折膝痛がぶり返すのでウォーキングに戻した。それでも右膝が痛むことがあった。五十を過ぎたら無理は禁物だ。常歩(なみあし)を学んで知ったのだが着地する際は膝抜きをするのが正しい。格段に歩きやすくなった。

 そんな私が、もう5年以上、毎日続けている健康法があります。それが、ゴキブリ体操です。妙なネーミングですが、ひっくり返ったゴキブリが足をモゾモゾ動かしている姿に似ていることから、こういう名前になったようです。
 ゴキブリ体操は、あおむけに寝た状態で、両手両足をブルブルと震わせるだけ、という簡単なものです。(中略)
 実践、といっても寝ながら手足をブルブルさせるだけです。かかる時間は2~3分。本当にこんなもので痛みが取れるのだろうかと思いながらも、やってみたらびっくり。前日まで気になっていた腰痛や手足のこわばりが、なくなっていたのです。
 そして何より、起き上がったときのすっきり感が最高でした。全身がポカポカして、体が軽くなったような感じです。(加賀田節子〈かがた・せつこ〉)

 いくら何でもネーミングが悪すぎる。「引っくり返ったゴキブリ」は死を連想するから年寄りには悪い影響が出かねない。そこで私は「ブルブル体操」と名づけた。一時期集中的に行っていたのだが、私は体操というよりは手足の末端に溜まった血液を体幹に戻す感覚でやっていた。このように重力や引力を利用する運動が「ナンバ的な動き」なのだ。今日から再びやってみることにする。



動脈指圧/『血管指圧で血流をよくし、身心の疲れをスッと消す! 秘伝!即効のセルフ動脈指圧術』浪越孝

2021-06-18

体幹を平行四辺形に潰す/『ナンバの身体論 体が喜ぶ動きを探求する』矢野龍彦、金田伸夫、長谷川智、古谷一郎


『ウォーキングの科学 10歳若返る、本当に効果的な歩き方』能勢博
ナンバ歩きと古の歩術
『表の体育・裏の体育』甲野善紀
『「筋肉」よりも「骨」を使え!』甲野善紀、松村卓
『ナンバ走り 古武術の動きを実践する』矢野龍彦、金田伸夫、織田淳太郎

 ・「捻(ねじ)らず」「うねらず」「踏ん張らない」
 ・体幹を平行四辺形に潰す

『ナンバ式!元気生活 疲れを知らない生活術』矢野龍彦、長谷川智
『すごい!ナンバ歩き 歩くほど健康になる』矢野龍彦
『本当のナンバ 常歩(なみあし)』木寺英史
『健康で長生きしたけりゃ、膝は伸ばさず歩きなさい。』木寺英史
『常歩(なみあし)式スポーツ上達法』常歩研究会編、小田伸午、木寺英史、小山田良治、河原敏男、森田英二
『スポーツ選手なら知っておきたい「からだ」のこと』小田伸午
『トップアスリートに伝授した 勝利を呼び込む身体感覚の磨きかた』小山田良治、小田伸午
『間違いだらけのウォーキング 歩き方を変えれば痛みがとれる』木寺英史
『脚・ひれ・翼はなぜ進化したのか 生き物の「動き」と「形」の40億年』マット・ウィルキンソン

 ・身体革命
 ・体幹を平行四辺形に潰す

 では体幹部を使うとはどういうことか。それは、鎖骨だけを動かすというような部分的な使い方ではなく、胸郭や骨盤を潰すということである。
 胸郭や骨盤をボックスとしてイメージする。そして、そのボックスを左右・前後・上下に、各面が平行四辺形になるように潰していくのである。また、ボックスを対角線上に引き合って潰していくやり方もある。
 このようにボックス全体を操作できるようになると、偏った部分的緊張や弛緩(しかん)がなくなる。一斉にパランスよく体幹を動かせる。
 また、胸郭や骨盤を潰すことにより、身体内部の動きに敏感になり、動きが洗練されてくる。
 動きが洗練されてくるというのは、無駄がとれてくると同時に、一つの動きに全身が参加するため、必要最小限の動きになるということである。これをリラックスした動きという。

【『ナンバの身体論 身体が喜ぶ動きを探求する』矢野龍彦〈やの・たつひこ〉、金田伸夫〈かねだ・のぶお〉、長谷川智〈はせがわ・さとし〉、古谷一郎〈こや・いちろう〉(光文社新書、2004年)】

 これは理解しにくいと思うが本書の画像を参照せよ。小田伸午の著作と併せて読むと理解が深まる。体の使い方もあるが、視線を水平に保つ意味合いもある。こうした神経系の連関を古(いにしえ)の武術家は直観で見抜いた。スポーツ指導で頭の位置を注意されることは多いが、本質的な問題は頭よりも視線にある。

 自分で強く意識するために覚え書きを残しておく。

2021-06-17

「捻(ねじ)らず」「うねらず」「踏ん張らない」/『ナンバの身体論 体が喜ぶ動きを探求する』矢野龍彦、金田伸夫、長谷川智、古谷一郎


『ウォーキングの科学 10歳若返る、本当に効果的な歩き方』能勢博
ナンバ歩きと古の歩術
『表の体育・裏の体育』甲野善紀
『「筋肉」よりも「骨」を使え!』甲野善紀、松村卓
『ナンバ走り 古武術の動きを実践する』矢野龍彦、金田伸夫、織田淳太郎

 ・「捻(ねじ)らず」「うねらず」「踏ん張らない」
 ・体幹を平行四辺形に潰す

『ナンバ式!元気生活 疲れを知らない生活術』矢野龍彦、長谷川智
『すごい!ナンバ歩き 歩くほど健康になる』矢野龍彦
『本当のナンバ 常歩(なみあし)』木寺英史
『健康で長生きしたけりゃ、膝は伸ばさず歩きなさい。』木寺英史
『常歩(なみあし)式スポーツ上達法』常歩研究会編、小田伸午、木寺英史、小山田良治、河原敏男、森田英二
『スポーツ選手なら知っておきたい「からだ」のこと』小田伸午
『トップアスリートに伝授した 勝利を呼び込む身体感覚の磨きかた』小山田良治、小田伸午
『間違いだらけのウォーキング 歩き方を変えれば痛みがとれる』木寺英史
『脚・ひれ・翼はなぜ進化したのか 生き物の「動き」と「形」の40億年』マット・ウィルキンソン

身体革命

 我々は、ナンバを「難場」と解釈し、それを切り抜けるための身体の動かし方を模索してきた。「難場」とは、外的には足元が不安定であったり暗闇の中にいるような状況、内的には身体に痛みがあったり疲れているような状況のことを指す。
 そんな「難場」を切り抜けるには、できるだけ「捻(ねじ)らず」「うねらず」「踏ん張らない」古武術の身体の動き――西洋式の運動理論とは正反対の動き――が最適である。
 結論から先にいえば、そういう動きを取り入れることで、全身を使って動くことになり、動きの効率性が高まり、動き自体が滑らかになって、身体の局部に負担がかからなくなる。

【『ナンバの身体論 身体が喜ぶ動きを探求する』矢野龍彦〈やの・たつひこ〉、金田伸夫〈かねだ・のぶお〉、長谷川智〈はせがわ・さとし〉、古谷一郎〈こや・いちろう〉(光文社新書、2004年)以下同】

 著者の四人は桐朋(とうほう)高校バスケットボール部のコーチである。試行錯誤しながら前に進む様子が好ましい。我々は手探りの苦労をすることなく一冊の新書でノウハウやメソッドを学べるのだ。

「捻(ねじ)らず」「うねらず」「踏ん張らない」――これが基本である。胴体力の「捻る」は考え直した方がいいかもしれない。

 ナンバで歩くことの一つの利点として、着物が着崩れないということが挙げられる(現代の洋服では、どのような動きをしても気崩れるということはほとんどない。洋服の作りそのものが、そういう構造になっているのだ)。
 また、身体を捻ったり、うねったりすることが少ないので、内蔵の血流が悪くなったり、関節部分に負担がかかることなく長時間労働が可能になる。
 労働の中でも、腰を落としながら行なう農作業などは、このナンバ的動きが不可欠だ。日が出てから暮れるまでの農作業において、一日中局所に負担をかけ続けるのは、即身体を壊すことにつながりかねないからである。

 江戸時代の侍は帯刀していた。そのため右利きの人は左足が大きいと言われる。また歩行の際に手を振ることがなかったとも言われるが、荷物を持って歩くことが多かった。両手に荷物があれば体幹は正面を向いたままだ。極端に骨盤を振るモデル歩きもできない。

 一番わかりやすいのは坂道である。アップダウンを繰り返し歩けば、妙な歩行法は通用しない。何も考えずに歩けばミッドフット着地になる。正しい歩行を身につけるためには踵クッションの厚い靴は避けた方がよい。理想は地下足袋である。次にルナサンダルや草鞋(わらじ)来るわけだが、前者は高価で後者は入手しにくい。ギョサンは長距離を歩くと足裏が痛くなるし踵がやや厚すぎる。私は履いたことがないのだがベアフットシューズでもいいと思う。ただしビブラムファイブフィンガーズは微妙だ。個人的には5本指よりも鼻緒タイプの方が望ましいと考えている(靴下も)。

 昔を思えば多分ぬかるみが多かったことだろう。特に雨が多く、湿度の高い日本では道路が田んぼ状態になったことは用意に想像できる。砂浜を歩けばわかるが拇指球に力を入れることは無意味である。足全体を地面にしっかりつけて踵を推進力にするのが効率的だ。

 ところがどっこい拇指球の力を抜くことは中々容易ではない。今、様々なトレーニング法を思案しているところである。

武田邦彦「1990年代以降、食品添加物の心配は不要」






2021-06-16

何はさておき歩いてみよう/『病気の9割は歩くだけで治る! 歩行が人生を変える29の理由 簡単、無料で医者いらず』長尾和宏


 ・何はさておき歩いてみよう

『病気の9割は歩くだけで治る!PART2 体と心の病に効く最強の治療法』長尾和宏
『ウォーキングの科学 10歳若返る、本当に効果的な歩き方』能勢博
『ランニングする前に読む本 最短で結果を出す科学的トレーニング』田中宏暁
『サピエンス異変 新たな時代「人新世」の衝撃』ヴァイバー・クリガン=リード
『アルツハイマー病は治る 早期から始める認知症治療』ミヒャエル・ネールス
『一流の頭脳』アンダース・ハンセン
『ウォークス 歩くことの精神史』レベッカ・ソルニット
『トレイルズ 「道」と歩くことの哲学』ロバート・ムーア
『脚・ひれ・翼はなぜ進化したのか 生き物の「動き」と「形」の40億年』マット・ウィルキンソン
『「体幹」ウォーキング』金哲彦
『高岡英夫の歩き革命』、『高岡英夫のゆるウォーク 自然の力を呼び戻す』高岡英夫:小松美冬構成
『あらゆる不調が解決する 最高の歩き方』園原健弘
『あなたの歩き方が劇的に変わる! 驚異の大転子ウォーキング』みやすのんき
ナンバ歩きと古の歩術
『表の体育・裏の体育』甲野善紀
『ナンバ走り 古武術の動きを実践する』矢野龍彦、金田伸夫、織田淳太郎
『ナンバの身体論 体が喜ぶ動きを探求する』矢野龍彦、金田伸夫、長谷川智、古谷一郎
『ナンバ式!元気生活 疲れをしらない生活術』矢野龍彦、長谷川智
『すごい!ナンバ歩き 歩くほど健康になる』矢野龍彦
『本当のナンバ 常歩(なみあし)』木寺英史
『健康で長生きしたけりゃ、膝は伸ばさず歩きなさい。』木寺英史
『常歩(なみあし)式スポーツ上達法』常歩研究会編、小田伸午、木寺英史、小山田良治、河原敏男、森田英二
『スポーツ選手なら知っておきたい「からだ」のこと』小田伸午
『トップアスリートに伝授した 勝利を呼び込む身体感覚の磨きかた』小山田良治、小田伸午
『間違いだらけのウォーキング 歩き方を変えれば痛みがとれる』木寺英史
『足裏を鍛えれば死ぬまで歩ける!』松尾タカシ、前田慶明監修

身体革命

【糖尿病人口は、950万人に。
 高血圧人口は、4000万人に。
 高脂血症人口は、2000万人に。
 認知症人口は460万人、予備軍も加えると900万人に。
 そして、毎年100万人が新たにがんにかかり、年間で37万人が、がんで命を落としている――。】

 毎年、毎年、そんなニュースが次から次へと耳に飛び込んできます。「こんなに病気が増えました。10年後にはもっと増えるでしょう。大変です」と、大騒ぎしています。しかし、その大半は、歩かなくなったことが原因だと思います。

【『病気の9割は歩くだけで治る! 歩行が人生を変える29の理由 簡単、無料で医者いらず』長尾和宏〈ながお・かずひろ〉(山と渓谷社、2015年)】

 長尾和宏はもはやベストセラー作家といってよい。ウォーキング本の刊行順は以下の通りである。

・本書、2015年
・『認知症は歩くだけで良くなる 認知症予防と改善に最良の方法は「ながら歩き」! 』2016年
・『歩き方で人生が変わる。 幸せになる10の歩き方』2017年
・『病気の9割は歩くだけで治る!PART2 体と心の病に効く最強の治療法』2018年
・『歩くだけでウイルス感染に勝てる! 歩行で、新型コロナやインフルエンザを克服しよう!』2020年
・『「生活習慣病」は歩くだけで9割治る!+食生活編』2020年

 やや粗製乱造気味と思われるので、興味が湧くタイトルを選べばいいだろう。

 尚、上記書評リストは道標(みちしるべ)として網羅を試みた。ま、古本屋の心意気みたいなものだ。心密かに「俺って天才?」と思っていることは敢えて書かない。

 特に、80歳以上では、4人に1人が認知症といわれています。

 認知症とは「私が私でなくなる病気」である。娘の顔を見て「どちら様ですか?」と言う瞬間の衝撃は筆舌に尽くし難いものがある。それまでの関係性を見失い、断ち切る深刻な病だ。当人に自覚はないが「世界から切り離された状態」に追いやられる。自我の喪失は形を変えた死といってよい。

 まず、認知症を予防するには、認知症予備軍といわれる「軽度認知障害(MCI)」の段階で注目することが一つです。MCIというのは、そのまま何もしなければ5割の人が認知症に進むけれども、気をつければまだ後戻りできるという段階。この段階で気がつけば、自力で認知症を予防することができます。
 それは現実的に可能になってきているのです。何も症状のない段階から、MCIを早期発見する「MCIスクリーニング検査」が実際に可能になりました。
 これは、アルツハイマー病の原因である「アミロイドβ」が脳内にたまっていくときにかかわっている3種類のたんぱく質を調べることで、MCIのリスクをA~Dの4段階で評価するというもの。検査は採血のみで、2万~3万円程度で受けることができるそうです。

 これは知らなかった。親が70代になったら必ず受けさせよう。認知症は静かに緩慢な進行を続け、ある日突然表面化する。氷山の一角にたじろいでからでは遅い。時間をかけて進行する病気は治すのも時間を要する。歩くことで認知症から距離を置ける。否、いっそのこと認知症から逃げるつもりで歩いた方がいいだろう。

 うつの人は、歩けば治ります。【うつ病は、脳内の「セロトニン」や「ノルアドレナリン」というホルモンが不足した状態ですが、歩けばこれらが脳内で増えるからです。】だから、1日5分でいいので、とにかく歩いてほしい。

 科学的根拠は示していないが、臨床的な実体験から述べられた言葉である。善は急げである。とにかく歩け。

 もう一つ。朝日を浴びることもとても大事です。
 朝日を浴びることが大事な理由は二つあります。一つは、朝日を浴びると、体内時計がリセットされるということ。
 体内時計は24時間よりもちょっと長い周期で働いています。ところが1日は24時間周期なので、そのままにしていると少しずつ狂ってしまう。それをリセットしてくれるのが朝日を浴びることなのです。
 また、朝日を浴びると、夜間に「メラトニン」が分泌されるようになります。メラトニンとは、睡眠ホルモンと呼ばれるもの。メラトニンが脳の松果体から分泌され、夜になると脈拍、体温、血圧が下がって自然な眠りに入っていくのです。このメラトニンは、朝、光を浴びてから14~16時間後に分泌されるといわれています。

 本書を読んでから直ぐに実行している。生活の中で自然と接触することが大切だ。人工物は死んでいる。便利な乗り物や家電製品を使うことで我々は体力を失い、風雨にさらされることを拒んで五官の感覚が衰えてゆく。安全に馴染みすぎた体はブクブクと太り、背骨は曲がり、慢性的な肩凝りや腰痛に悩まされる。我々は楽な生活を選択することで自ら生活習慣病を招き寄せているのだ。

 私は50代になってから、ウォーキング~自転車~筋トレ~スロージョギングと進み、今再びウォーキングに回帰したところである。ゆくゆくは自転車で走った宮ヶ瀬湖や相模湖まで歩いてゆくつもりだ。

 最後に重要な指摘を。長尾和宏が書いている具体的な歩行法は無視せよ。これに関しては私の方がずっと詳しい。