2020-06-07

警察組織にはびこる薩長閥/『初陣 隠蔽捜査3.5』今野敏


『隠蔽捜査』今野敏
『果断 隠蔽捜査2』今野敏
『疑心 隠蔽捜査3』今野敏

 ・警察組織にはびこる薩長閥

『転迷 隠蔽捜査4』今野敏
『宰領 隠蔽捜査5』今野敏
『自覚 隠蔽捜査5.5』今野敏
『去就 隠蔽捜査6』今野敏
『棲月 隠蔽捜査7』今野敏
・『空席 隠蔽捜査シリーズ/Kindle版』今野敏
『清明 隠蔽捜査8』今野敏
・『選択 隠蔽捜査外伝/Kindle版』今野敏
『探花(たんか) 隠蔽捜査9』今野敏

ミステリ&SF

 理由は明らかだ。
 初代の警視庁大警視は、薩摩(さつま)藩出身の川路利良(かわじとしよし)だった。大警視は後の警視総監だ。
 今とは、警察機構自体が違うのだが、事実上、川路利良は全国の警察のトップだったと言える。
 警視庁は当時から東京府の警察だったが、内務省が統括していた。他の地方警察が知事によって統括されていたことを考えれば、警視庁は国家警察の性質も持ち合わせていたのだ。
 事実、その後は、特別高等警察など、内務省の実務をこなしていくことになる。
 戦後、警察も大きく様変わりした。全国の警察組織である警視庁と、地方警察とに分かれた。
 だが、いまだに警察組織は、薩長閥(さっちょうばつ)がある。一般の人には信じられないかもしれないが事実なのだ。
 警視庁のことを符丁(ふちょう)でサッチョウと呼ぶ。これは警視庁と区別してケイだけを省いたのだと言われているが、それだけではない。実は、薩長とかけてあるのだ。
 会津と薩摩・長州は、その歴史をひもとくまでもなく犬猿の仲だ。
 会津藩最後の筆頭家老だった西郷頼母(さいごうたのも)や白虎隊(びゃっこたい)の悲劇は、いまだに住民の心に深く刻まれている。それが、薩摩・長州への恨みにつながっているのだ。

【『初陣 隠蔽捜査3.5』今野敏〈こんの・びん〉(新潮社、2010年/新潮文庫、2013年)】

 私が道産子のせいか血や土地のつながりを重んじるエトスが全く理解できない。苫米地英人〈とまべち・ひでと〉も「日本における『勝ち組』の正体は薩摩・長州出身者」と指摘している。

 ところで、徳川幕府に取って代わった明治維新の新勢力は、結局どのような人物たちでしょうか。
 もちろん、薩摩と長州の武士たちです。
 脈々と現代に生き続ける、日本の「勝ち組」の正体は、じつはこの薩摩と長州を中心とする勢力だということができます。
 明治維新以来、昭和21年に日本国憲法が施行されるまでの間に任ぜられたのべ45人の内閣総理大臣のうち、薩摩出身者はのべ5人、長州出身者はのべ11人に上っています。倒幕に参加した土佐藩からはのべ1人、肥前藩からはのべ2人、占有率はじつに42パーセントを超えてしまいます。大蔵大臣、外務大臣などの主要ポストも薩長閥がほとんどです。
 中央省庁のなかでも、とくに警察庁と防衛省は、薩長の牙城です。鹿児島県、山口県の出身者が多く、事情を知る関係者の間には「鹿児島県、山口県の出身者でなければ出世できない」という暗黙の了解があるほどです。最後まで新政府軍と戦った会津藩の福島県には、昭和になってからようやく国立大学が創られたというのも有名な話です。

【『洗脳支配 日本人に富を貢がせるマインドコントロールのすべて』苫米地英人〈とまべち・ひでと〉(ビジネス社、2008年)】

 安倍晋三首相も長州から出馬している。東京生まれだが本籍は父親(安倍晋太郎)の故郷である山口県になっている。

 内田樹〈うちだ・たつる〉が「原発があるのは戊辰戦争のときの賊軍側の藩ばかり」と言ったのは強(あなが)ち的外れではない(安易には言えないが、原発が立地しているところは戊辰戦争や西南戦争の敗者が多いのは確かだ | タクミくん二次創作SSブログ(Station後))。

 藩閥、軍閥、閨閥(けいばつ)、学閥などがまかり通っているならば、人事は情に流されていると言ってよい。閥とは利益を共有するつながりである。それが1869年(戊辰戦争が終わった年)から続いているとすれば腐敗の極みに達しているのは確実だ。

 世界にあってもロスチャイルド家は同族の婚姻しか認めないと言われる。また、「アメリカ大統領は1人を除き全て英国史上最低の暗君ジョン王の子孫だった」と12歳の少女が見破ったのは2012年のことだ(世界の真実や報道されないニュースを探る ■地球なんでも鑑定団■)。

 政治家の世襲は政治資金団体を通すことで相続税を回避するのが最大の目的とされる。株式会社もまた同様だ。国家を率いる立場の政治家や企業家が税負担を避けながら、その一方で消費税を増税するとは噴飯物である。

 共産主義が目指した革命にはそれ相応の大義があった。だが実現した社会主義国家には新たな門閥が生まれただけであった。崩壊したソ連から何一つ学ぶことなく共産主義の郷愁に浸っている団塊の世代が多い。

 薩長閥は戦後レジームよりも厚い壁なのだろう。

 尚、本シリーズの「.5」とは短篇集を意味する。

2020-06-04

警視庁無線交信記録 - 東京地下鉄サリン事件


 ・警視庁無線交信記録 - 東京地下鉄サリン事件

地下鉄サリン事件と住友林業

 事件発生から1時間20分の記録だが凄まじい緊迫感に包まれている。「G事案」(ゲリラ〈テロ〉事案)であることも実に早い段階で推定されていて警視庁の優秀さが窺える。私の友人が茅場町付近を通り、現場の混乱した様子を語っていたことをよく覚えている。地下鉄サリン事件(1995年)は死者14名、負傷者6300名に及ぶ日本最大のテロ事件となった。

警視庁通話コード・隠語・略語、及び組織や通信システムに関する解説

2020-06-01

島田洋一「対華21カ条要求――加藤高明の外交指導」


 どういうわけか島田論文がGoogle検索でヒットしない。私が確認しただけでも15ページあるのだが、Googleでは1と2しか表示されない。エキサイト・ブログはブログ内検索もできないようなので、こちらにリンク集を作成した次第である。

「対華21カ条要求――加藤高明の外交指導」(1)
「対華21カ条要求――加藤高明の外交指導」(2)
「対華21カ条要求――加藤高明の外交指導」(3)
「対華21カ条要求――加藤高明の外交指導」(4)
「対華21カ条要求――加藤高明の外交指導」(5)
「対華21カ条要求――加藤高明の外交指導」(6)北岡伸一論文批判(その1)
「対華21カ条要求――加藤高明の外交指導」(7)北岡伸一論文批判(その2)
「対華21カ条要求――加藤高明の外交指導」(8)北岡伸一論文批判(その3)
「対華21カ条要求――加藤高明の外交指導」(9)北岡伸一論文批判(その4)
「対華21カ条要求――加藤高明の外交指導」(10)北岡伸一論文批判(その5)
「対華21カ条要求――加藤高明の外交指導」(11)
「対華21カ条要求――加藤高明の外交指導」(12)
「対華21カ条要求――加藤高明の外交指導」(13)
「対華21カ条要求――加藤高明の外交指導」(14)
【資料】 「対華21カ条要求――加藤高明の外交指導」

北岡君、日本を侵略国家にする気かね 伊藤隆(東京大名誉教授)

 ・加藤高明と対華21ヵ条要求
 ・『日本国紀』読書ノート(145) | こはにわ歴史堂のブログ

シルクジャスミン(月橘)の用土


ゲッキツ - Wikipedia

 シルクジャスミンの種は市販されておらず、株から採取したものを8~10月にまいて育てます。

 1. 赤く熟した実から種を取り、よく水洗いする
 2. 育苗ポットに赤玉土(小粒)かバーミキュライトを入れ、湿らせる
 3. 指で種が埋まる程度の穴を土に開け、種を埋める
 4. 軽く土を被せ、土が乾かないよう水やりをしながら日陰で管理する
 5. 1~2ヶ月で発芽し、本葉が2~3枚になるまで育ったら鉢や地面に植え替える

 水はけのよい土を好みます。鉢植えは、赤玉土(小粒)7:腐葉土3の割合で混ぜあわせた土か、市販の観葉植物用培養土がおすすめです。

シルクジャスミン(ゲッキツ)の育て方!剪定や挿し木、植え替えの方法は? - HORTI 〜ホルティ〜 by GreenSnap

 1~2ケ月ほどで発芽しますので、葉が2~3枚程度になるまでは、その状態のまま大きくして、葉が2~3枚になったら、ひとまわり大き目なポット(鉢)などに植え替えをして育てます。

シルクジャスミン 育て方|観葉植物 Dictionary|ブルーミングスケープ

 自分で作る場合は赤玉土(小粒)5、腐葉土3、パーライト2などで植え替えます。シルクジャスミンの植え替えは根鉢をあまり壊さない方がよいと思います。

シルクジャスミン

ポトスの土


 自分で単用土をブレンドして作る場合には、赤玉土と腐葉土、パーライト(砂)を6:3:1の割合で混ぜます。あらかじめ元肥として、緩効性肥料を施しておきましょう。

ポトスの育て方。コツとお手入れ、植え替えや寄せ植えを一挙紹介します | GardenStory (ガーデンストーリー)

 水はけのよい肥沃な用土(例:赤玉土小粒7、腐葉土2、堆肥1の配合土など)で植えつけます。

ポトスの育て方 - みんなの趣味の園芸 NHK出版

 植え替えに適した土を自分で配合する場合は、赤玉土(小粒)6:腐葉土3:川砂1 の割合で配合した土が良いでしょう。あるいは市販の観葉植物用の土に、水はけを良くするために赤玉土を2割ほど足す方法もあります。

ポトスの植え替えをしよう!支柱の使い方から育て方まで/おすすめ7選もご紹介 | ひとはなノート

 観葉植物用に調整された土がホームセンター等で販売されているのでそれを使うのが最も簡単な方法です。自分で土を作る場合は「赤玉土(小粒)5:ピートモス3:パーライト2」の割合でブレンドします。

ポトスの育て方 | 植物ノート

2020-05-31

ハッブル「天文学発展の歴史は地平線後退の歴史である」/『進化する星と銀河 太陽系誕生からクェーサーまで』松田卓也、中沢清


 ・ハッブル「天文学発展の歴史は地平線後退の歴史である」

『時間の逆流する世界 時間・空間と宇宙の秘密』松田卓也、二間瀬敏史
・『人間原理の宇宙論 人間は宇宙の中心か』松田卓也
・『時間の本質をさぐる 宇宙論的展開』松田卓也、二間瀬敏史
『2045年問題 コンピュータが人類を超える日』松田卓也
・『宇宙の謎 暗黒物質と巨大ブラックホール』二間瀬敏史

 天文学の発展の歴史は地平線の後退の歴史である、とはハッブルの言葉です。確かに望遠鏡の発達、大型化により、また60年代以降のX線、γ線、紫外線、赤外線、電波とあらゆる波長帯の望遠鏡の開発、発展により、我々の目のとどく範囲は広がり、宇宙の様々な姿がうきぼりにされてきました。しかし“地平線の後退の歴史”というのは、たんにこあれだけのことではないようです。天文学の発展の歴史が、すなわち我々の自然に対する古い考えの後退、すなわち自然の認識の拡大の歴史である、ということも意味しているようです。

【『進化する星と銀河 太陽系誕生からクェーサーまで』松田卓也〈まつだ・たくや〉、中沢清〈なかざわ・きよし〉(ブルーバックス、1977年)】

 文章にやや問題あり。私は松田卓也を通して二間瀬敏史〈ふたませ・としふみ〉を知った。知識や人脈というのは時に意外なつながりを見せることがあって侮れない。かつて地平線の彼方には海の淵があると考えられていた。


【Kansas - Point Of Know Return、1977年】

 人々は海が飲み込まれる場所を「Point Of Know Return」(帰還不能点)と考えて長い間航海をためらった。この常識を打ち破ったのが「発見の時代」(Age of Discovery/大航海時代)である。確かにハッブルが言うように遠くの地平線は宇宙への入り口にすぎない。

 望遠鏡が発明されたのは16世紀末で、ガリレオ・ガリレイが手製の望遠鏡を作成したのが1609年5月であった。一方、顕微鏡は16世紀後半に原型が生まれたが、17世紀後半にレーウェンフックの単式顕微鏡が作られた。電子顕微鏡が商用開発されたのが1939年のこと。人類は初めて原子を目の当たりにした(顕微鏡の歴史 | 顕微鏡を知る | 顕微鏡入門ガイド | キーエンス)。

 宇宙の輪郭がわかってきた時に、今度は量子論というミクロ宇宙が扉を開けた。地平線はまたぞろ遠ざかって結局元の位置にある(笑)。

2020-05-30

サンセベリアの根腐れ


グラパラリーフとサンセベリア

 ・サンセベリアの根腐れ

サンセベリアの用土はこれで決まり

 もともと乾燥した大地の植物なので、細かい軽石が混ざって、水はけが良い、痩せた土(専用の土があります)を好みます。赤玉土や腐葉土は入れない方が良いと思います。何度も根腐れしてダメにしました。

週末ガーデナー(^-^)の投稿画像 by dodoさん|サンセベリアの葉と小さな庭❀と赤ちゃん株 (2018月9月23日)|🍀GreenSnap(グリーンスナップ)

 サンスベリアが根腐れを起こす最も多い原因として水のやりすぎがあげられます。サンスベリアの原産地は、アフリカや中東などの非常に乾燥が激しい暑い国々です。現地では雨がほとんど降らない厳しい環境下でも、サンスベリアは元気に生長することができます。自生地となるべく同じ環境で育ててあげないと、サンスベリアは根腐れを起こしてしまいます。

【保存版】サンスベリアの根腐れの対処と葉挿しの方法! | ひとはなノート

 原因は水遣りです。水遣りは土が乾ききってから鉢の下から水が出るほとたっぷり遣るのですが冬は気温が下がっているので根腐れしやすいです。また、冬に根腐れを起こして春に根腐れが進行する場合もあるみたいです。冬は完全に水を切った方が良いかもしれません。

サンセベリアの根腐れからの再生方法と水挿し | あつラボ

 腐った部分をカットして一旦乾燥させます(1〜2日)。そしてその辺の鉢にぶっ刺す!

⌘サンスベリアの根腐れ幹腐れ からの復活法|🍀GreenSnap(グリーンスナップ)

 切り分けた株は直ぐに植えると切り口から菌が入ることや、切り口から出る水分で腐ってしまう恐れがあるので、切り口を日陰で1日程乾燥させた後、根の部分を用土に植えこんで、風通しの良い明るい日陰で養生します。また切ったばかりのサンスベリアは水を吸い上げることができませんので、2週間ほど水やりは控えてください。しばらくすると新しい根が出てきて、「子株」が生まれます。それを大切に育ててください。

個性的で魅力あふれるサンスベリア40種類と傷んだ場合の復活方法

 サンセベリアの根腐れの原因は主に、水はけの悪い土に植え、さらに水を与え過ぎてしまうことです。水はけ悪い土に水を与え過ぎると、土と土の間にある隙間が埋まり、通気性が悪くなります。すると酸素が行き渡らなくなり、根腐れを起こすのです。根腐れが起きると葉が黄色く変色したり、ひどくなると土の表面に白いカビが生えてくることがあります。

【サンセベリア(トラノオ)のまとめ!】株分けの方法や花言葉など6個のポイント! | 植物の育て方や豆知識をお伝えするサイト

 葉は5~10cmにカットすると本に書いてあったので、10cmにカットしました。ネットで調べたところ、葉の切り口を乾燥させたほうがいいみたいなので、このまま半日置いておきました。

タイショー、元気になる | なき虫タイショーとワクラクな日々 - 楽天ブログ

2020-05-29

岐阜ホームレス殺人 朝日大野球部部員らに少年法に捉われない実名報道と厳罰を求める署名


岐阜ホームレス殺人 朝日大野球部部員らに少年法に捉われない実名報道と厳罰を求める署名 · Change.org




















2020-05-28

ブレトン・ウッズ体制の崩壊~米国債本位性=ドル債務本位制/『超帝国主義国家アメリカの内幕』マイケル・ハドソン


『円高円安でわかる世界のお金の大原則』岩本沙弓
『ボーダレス・ワールド』大前研一
IMF(国際通貨基金)を戯画化するとこうなる

 ・ワシントン・コンセンサスが世界中を破壊
 ・ブレトン・ウッズ体制の崩壊~米国債本位性=ドル債務本位制

世界銀行は米軍の一部門
『ロスチャイルド、通貨強奪の歴史とそのシナリオ 影の支配者たちがアジアを狙う』宋鴻兵
『通貨戦争 影の支配者たちは世界統一通貨をめざす』宋鴻兵
『ペトロダラー戦争 イラク戦争の秘密、そしてドルとエネルギーの未来』ウィリアム・R・クラーク
『ドル消滅 国際通貨制度の崩壊は始まっている!』ジェームズ・リカーズ

必読書リスト その二

 これにより、ドルと金の市場価格とのつながりは断ち切られた。金の価格は二通りになる。公開市場での高騰する価格と、世界の中央銀行が自らの通貨準備を評価するのに用いつづける、1オンス35ドルの“公的”価格である。
 3年後の1971年8月、ニクソン大統領が正式に金輸出禁止を宣言した。ドルの金への交換性に基づいた基軸通貨本位性は死滅したのだ。米国債本位性――すなわち、ドルの非交換性に基づくドル債務本位制――の始まりだった。手持ちのドルをアメリカの金を買うのに使えなくなった諸外国政府は、アメリカの国債(およびずっと少ない範囲でアメリカ企業の株や債券)を買うしかないのに気づいた。
 自国通貨の方を好む輸出業者や商業銀行からドルを受け取る諸外国の中央銀行は、それらのドルをアメリカ政府に貸し付けるしか取る道がなかった。国際収支上でドルの黒字を出すのは、その黒字をアメリカ財務省に貸し付けているのと同義になった。世界で最も豊かな国アメリカは、国際収支を赤字にしさえすれば、自動的に他国の中央銀行から借金できることになったのである。アメリカの赤字が大きくなればなるほど、他国の中央銀行には多量のドルがたまり、中央銀行はそれらを、流動性や市場性のさまざまに異なる米国債に投資することで、アメリカ政府に貸し戻す。
 合衆国連邦予算は、大砲もバターもという経済に対応してますます赤字にい傾いていた。この経済のもとで、さらなる輸入品に費やされる国内の支出も、対外投資も、そして覇権主義的システムを維持するための対外軍事支出もふくれ上がっていったのだ。しかし、アメリカの市民や会社が税をかけられたり、アメリカの資本市場が増えつづける連邦の赤字への資金供給を強いられたりしたわけではない。その代わりに、諸外国が新たに発行された米国債を購入することを余儀なくされた。こうして、アメリカの冷戦の費用は、他国の人々に課せられた税となったのである。東南アジアでの戦争費用を供給したのは、それらの国々の中央銀行だった。

【『超帝国主義国家アメリカの内幕』マイケル・ハドソン:広津倫子〈ひろづ・ともこ〉訳(徳間書店、2002年)】

 二度挫けている本である。今度が三度目の正直。

 基軸通貨は第二次世界大戦後のブレトン・ウッズ協定(1944年)で英ポンドから米ドルに代わった。現在のハードカレンシー(信用が高く交換可能な通貨)は米ドル・ユーロ・日本円で、英ポンドとスイスフランが続く。ニクソン・ショック(ドル・ショックとも。1971年)でゴールドの裏付けを失ってもドルの基軸通貨が揺らぐことはなかった。主要国は金本位制をやめて変動為替相場制に移行した(1973年)。

 ニクソン・ショックから来年で半世紀が経つ。そろそろ米ドルの命運も尽きることだろう。ドル崩壊は以前から叫ばれてきたが、世界がドルを信用している間は価値を下げない。アメリカはIMFや世界銀行を使って発展途上国の自立を妨げてきた。パックス・アメリカーナの名の下(もと)でやりたい放題で自国優位のシステムを構築してきた。

 ヨーロッパからすればアメリカは新興国であり、間もなく有色人種が白人を上回る人口構成となる。トランプ大統領が「アメリカ・ファースト」を宣言して、保護主義政策にシフトした。アメリカが世界から引いた隙(すき)に中国がしゃしゃり出てきた。

 アメリカの中央銀行であるFRB(連邦準備銀行)は名ばかりの政府機関で政府は1株も所有していない。その実態は完全な民間企業であり、FRBの中核を成すニューヨーク連銀は欧米のユダヤ系銀行が株主となっている。つまりアメリカ政府はドルを発行することができないのだ。するってえとドルはどういう意味を持つのだろうか? 政府の借金だ。アメリカ政府はFRBに対して国債の金利を支払わされる。もちろんそれを負担するのはアメリカ国民である。

 原始経済が物々交換から始まったとするのは現代人の勝手な妄想で、かなり古くから信用経済が成立していた事実が判明している。金融資本主義の問題は利子である。貨幣経済が環境を破壊するのも利子のせいだ(『エンデの遺言 「根源からお金を問うこと」』河邑厚徳、グループ現代)。余剰マネーは投資され、インカムゲイン(配当)とキャピタルゲイン(売買差益)を押し上げる。資本主義は「発見の時代」(Age of Discovery/大航海時代)に産声を上げた(『投機学入門 市場経済の「偶然」と「必然」を計算する』山崎和邦)。とすると弱者から資源を奪う植民地システムこそ資本主義の母と呼べるかもしれない。

 米ドル信用の裏付けはアメリカという国家の繁栄である。トランプ政権がアメリカ・ファーストを唱え経済のブロック化に進む以上、米ドルの相対的評価は当然下がる。本当であれば暗号通貨が基軸通貨システムを追いやってもおかしくなかったが(『デジタル・ゴールド ビットコイン、その知られざる物語』ナサニエル・ポッパー)、利権を握る連中がそれを許すはずもない。ビットコインはやや持ち直してきてはいるが、国家がブロックチェーン(分散型台帳技術)を導入すれば並み居る暗号通貨は吹き飛ばされる。現在、中国が世界に先駆けてデジタル人民元を開始しようとしている(ついに実験開始「デジタル人民元」は何を目指すのか)。

 米ドル崩壊後の有力な説としては部分的金本位制とSDR(特別引出権)の二つがある。

堀江貴文×立花孝志


 いやあ、びっくりするほど面白かった。関連動画も併せて紹介する。









2020-05-26

小野寺まさる:北海道が日本で無くなる日~中国の土地爆買いとアイヌ新法の罠[R2/5/4]


『北海道が危ない!』砂澤陣
『ちょっと待て!!自治基本条例 まだまだ危険、よく考えよう』村田春樹

 ・小野寺まさる:北海道が日本で無くなる日~中国の土地爆買いとアイヌ新法の罠[R2/5/4]

茂木誠:アイヌは樺太から避難してきた渡来人


・多くの国際機関が中国の水はあと20~30年でなくなると推測している。

・世界的にも水不足が深刻となり水を巡って戦争が起こることが予想されている。

・アイヌ政策と日本分断活動の歴史。

北海道庁爆破事件(死者2名、1976年)で犯人グループはアイヌ革命論を唱えた。

・北海道旧土人保護法はアイヌ人が国会にまで陳情してできた法律。アイヌ保護を目的としており「差別法」という考えは誤っている。

・1970年、北海道ウタリ協会は土人保護法廃止の動きに対して反対した。

・アイヌと中国共産党の繋がり。

・日中国交正常化の前年(1971年)にアイヌが中国の新聞記者を平取町(びらとりちょう)に案内。1974年以降はアイヌが中国に頻繁に招待される。

・1986年まで外務省は国連で「日本には少数民族は存在しない」というスタンスを堅持してきた。「アイヌも少数民族ではない」と明言していた。

・1991年、外務省は唐突に「アイヌは少数民族といっても差し支えないかもしれない」と国連で言い始める。

中山成彬国交大臣が単一民族発言で辞任。

・いつの間にかアイヌは少数民族から先住民族になっていた。

シャクシャインの戦い(1669年)も元々はアイヌ同士の部族間闘争が発端で、アイヌの誤情報から357人の和人が殺害された。

2020-05-25

ペストは中世キリスト教会の権威も打ち負かした/『飛行機に乗ってくる病原体 空港検疫官の見た感染症の現実』響堂新


『コロンブスが持ち帰った病気 海を越えるウイルス、細菌、寄生虫』ロバート・S・デソウィッツ
『感染症の時代 エイズ、O157、結核から麻薬まで』井上栄

 ・ペストは中世キリスト教会の権威も打ち負かした

『感染症と文明 共生への道』山本太郎
『人類と感染症の歴史 未知なる恐怖を超えて』加藤茂孝
『続・人類と感染症の歴史 新たな恐怖に備える』加藤茂孝
『感染症の世界史』石弘之
『人類史のなかの定住革命』西田正規
『環境と文明の世界史 人類史20万年の興亡を環境史から学ぶ』石弘之、安田喜憲、湯浅赳男

 かつて“黒死病”の悪名で恐れられたペストは、記録に残っているだけでも、これまでに三度の大流行を起こしている。最初の大流行は、6世紀半ばの東ローマ帝国(ビザンチン帝国)で起きた。ユスティニアヌス皇帝統治下の541年にエジプトで始まったペストの流行は、またたく間に北アフリカ、ヨーロッパ、中央アジア、アラビア半島へと広がっていった。首都コンスタンティノープル(現在のイスタンブール)では、全人口の40パーセントがペストで命を落としたといわれている。
 二度目の大流行は、14世紀半ばのヨーロッパで起こる。シチリア島に突然現れたペストは、あっという間にヨーロッパ全土に広がった。ドーバー海峡を隔てたイギリスでも、フランス帰りの一人の船員が持ち込んだペスト菌が原因で、多くの犠牲者を出した。
 結局、このときの流行で命を落としたのはおよそ4400万人。これは、当時のヨーロッパの全人口の3分の1にあたる。ペストの大流行は、単に人口を激減させただけでなく、人々の精神面にも重大な影響を与えた。疫病から救ってくれなかったキリスト教会に対する強い不信感は、中世の終焉(しゅうえん)を早める大きな要因となった。イタリア・ルネッサンスを代表する作品の一つであるボッカチオの『デカメロン』には、こうした社会状況が見事に描き出されている。
 三度目の大流行は、1860年代に中国で始まった。1890年代に入ると流行は香港にも及び、そこから船で南米、アフリカ、アジアへ、さらにはアメリカ合衆国のありフォルニアにまで飛び火していった。インドは、この時期の大流行によって最も大きな被害を受けた国の一つで、20世紀前半だけで、1000万人以上がペストによって命をおとしている。
 1948年、抗生物質ストレプトマイシンがペストに有効であることが確認され、“感染するとただちに死に繋がる病気”として恐れられていたペストにも、ようやく治療の道が開かれた。
 しかし、その後もベトナムや中国、アフリカや南米の一部の国で散発的な小流行が続き、現在に至っている。

【『飛行機に乗ってくる病原体 空港検疫官の見た感染症の現実』響堂新〈きょうどう・あらた〉(角川oneテーマ21、2001年)】

 環境史という学問的視点に立つと戦争は寒冷化で起こるという。農作物の不作~住居の移動が人々の衝突を生む。ペストが中世キリスト教会の権威も打ち負かしたとすれば、人類史の大きな変化は人間の主体性よりも環境要因の方が大きいように感じてくる。

 環境への適応が進化を決定するなら、あらゆる生物は環境が育んだと考えてよかろう。仏教東漸(とうぜん)で教義が目まぐるしく変遷してきた歴史を思えば、言語や民族の違いも環境に由来するのだろう。

 人類の課題は「飢饉と疫病と戦争」(『ホモ・デウス テクノロジーとサピエンスの未来』ユヴァル・ノア・ハラリ)である。日本が島国であることを卑屈に捉える向きもあるが、「飢饉と疫病と戦争」という観点から考えると明らかに地の利が優る。日本の国土は66%が森林で耕地面積は12.6%と少ない。しかしながら多くの海流が集まっており漁撈(ぎょろう)で賄(まかな)える。海で隔てられているため感染症リスクも低い。戦争に至っては200年を超える鎖国政策で平和を堅持してきた実績がある。

 日本は温暖湿潤気候で最も暮らしやすい環境である。雨も豊富だ。現在、世界を席巻している新型コロナウイルスについても「日本人は重症化を防ぐ免疫を持っている」のではないかという仮説が出てきた(中村ゆきつぐのブログ : 日本人は重症化しにくい理由 精密な抗体検査でわかった免疫学的な動き 完全な中和抗体ではないけど日本人は重症化を防ぐ免疫を持っている)。

 人類が病から解放されることは決してないだろう。ひょっとすると病んで恢復(かいふく)する中に進化の鍵があるのかもしれない。