・岡野潔「仏陀の永劫回帰信仰」に学ぶ
・『業妙態論(村上理論)、特に「依正不二」の視点から見た環境論その一』村上忠良
・『21世紀の宗教研究 脳科学・進化生物学と宗教学の接点』井上順孝編、マイケル・ヴィツェル、長谷川眞理子、芦名定道
・「精神世界」というジャンルが登場したのは1977年
1977年、初めて東京都内の大手書店が開催したフェアで「精神世界」を銘打ったコーナーが設けられ、以後、「精神世界」という言葉が流行語のようになり、書店のコーナーばかりでなく、一般メディアなどでも用いられるようになった。その『精神世界」には、超能力やオカルティズムや密教の流行とも連動しつつ、宗教的伝統に根ざす諸種の瞑想や近代以降に展開された身体修練などさまざまな実践的な身体技法が含まれていた。
【『身心変容技法シリーズ① 身心変容の科学~瞑想の科学 マインドフルネスの脳科学から、共鳴する身体知まで、瞑想を科学する試み』鎌田東二〈かまた・とうじ〉編(サンガ、2017年)】
多分、ニューエイジ(『現代社会とスピリチュアリティ 現代人の宗教意識の社会学的探究』伊藤雅之)の影響だろう。盛り上がりを見せた精神世界もバブル景気を経て、オウム真理教による地下鉄サリン事件(1995年)で潰(つい)えてしまう。コントロールされた精神がたやすく暴力に向かうことをまざまざと見せつけられたわけだ。それ以降、潮流は脳科学へ向かい、そして再び身体に戻りつつある。9.11テロ(2001年)は「心の時代」の到来を拒むような出来事であった。個人的には何らかの陰謀があったと考えているが、世界の人々が感じたのは「宗教と暴力の親和性」であった。
読み始めたばかりだが鎌田東二の序文がよくない。エリアーデ、ベルクソン、ウィリアム・ジェームズを水戸黄門の印籠さながらに振りかざす姿勢が、権威に依存する学者の体質をよく表している。内田樹〈うちだ・たつる〉の名前もあるので最後まで読むことはできそうにない。
また長過ぎる書籍タイトルが自信の無さを示しているようにも感じる。