・『ウォーキングの科学 10歳若返る、本当に効果的な歩き方』能勢博
・ナンバ歩きと古の歩術
・『表の体育・裏の体育』甲野善紀
・『「筋肉」よりも「骨」を使え!』甲野善紀、松村卓
・『ナンバ走り 古武術の動きを実践する』矢野龍彦、金田伸夫、織田淳太郎
・『ナンバの身体論 体が喜ぶ動きを探求する』矢野龍彦、金田伸夫、長谷川智、古谷一郎
・ストレスの一番の害は楽しさを奪い去ってしまうこと
・『すごい!ナンバ歩き 歩くほど健康になる』矢野龍彦
・『本当のナンバ 常歩(なみあし)』木寺英史
・『健康で長生きしたけりゃ、膝は伸ばさず歩きなさい。』木寺英史
・『常歩(なみあし)式スポーツ上達法』常歩研究会編、小田伸午、木寺英史、小山田良治、河原敏男、森田英二
・『スポーツ選手なら知っておきたい「からだ」のこと』小田伸午
・『トップアスリートに伝授した 勝利を呼び込む身体感覚の磨きかた』小山田良治、小田伸午
・『間違いだらけのウォーキング 歩き方を変えれば痛みがとれる』木寺英史
・『足裏を鍛えれば死ぬまで歩ける!』松尾タカシ、前田慶明監修
・『脚・ひれ・翼はなぜ進化したのか 生き物の「動き」と「形」の40億年』マット・ウィルキンソン
・身体革命
そもそも健康法というものも、すべての人に当てはまるものではありません。まず、自分で試してみて、自分にあったものだけを取りいれるようにすればいいのです。
「~するべきだ」「~してはいけない」というのは、心にとってかなり強い縛(しば)りとなって相当なストレスになりますから、注意しなければいけません。それが証拠に、健康を意識すると、食べること運動することから途端に楽しさが奪われてしまいます。
【ストレスの一番の害は、楽しさを奪い去ってしまうこと】です。楽しめないということは、要注意です。健康を意識するというストレスが、結果として健康を害しているのも皮肉な話です。
そもそも「健康を求める」ということが間違っているのかもしれません。「健康」というものは求めるものではなく、結果的にそうなるというもの。こういう生活をしていたから、結果的に健康になったというものです。生活の仕方が反映されたものが、健康ということの尺度だろうと思います。
あなたも、「健康」に振りまわされていないか、ふりかえってみましょう。
【『ナンバ式!元気生活 疲れを知らない生活術』矢野龍彦〈やの・たつひこ〉、長谷川智〈はせがわ・さとし〉(ミシマ社、2008年)以下同】
パラパラとページをめくってガックリきた。具体的な体操の数があまりにも少なかったからだ。気が乗らないまま読み始め、そのまま読み終えた。矢野龍彦は桐朋学園大学教授で体育の専門家だ。桐朋高校バスケット部コーチも務め、バスケットボールにナンバの動きを導入した。本書はナンバの概念をわかりやすく教える優れたエッセイである。
ストレスについてはガボール・マテ著『身体が「ノー」と言うとき 抑圧された感情の代価』が詳しいが、「ストレスの一番の害は楽しさを奪い去ってしまうこと」という簡にして要を得た一言が見事に本質を言い当てている。仕事も人間関係も楽しくなければ苦しみに変わる。
「痩せたい」という気持ちも魔物です。
「なぜ痩せたいか」
と自分に問うてみてください。もっといい服が着られる、人から魅力的に見られるなどというのは動機が不純であるし、まさに邪心です。外見を気にしている人は、いつも不安を持っています。人からどう見られるか、人にどう思われるかというのは、自分ではどうしようもないから不安の種になります。ですから、動機に明るさが感じられません。
「人によく思われたい」という邪心はストレスとなり、ますます痩せにくくなります。結局、そういうあなたは、何度も痩せようと挑戦して、いつも失敗しているのではないでしょうか。いい加減に目を覚まさなくてはいけません。
痩せたら世界が変わるというのは、あなたの間違った思い込みです。あなたが痩せても、世界はそんなあなたに気がつかず、何も変わらない。
【あなたの中身が変わらないかぎり、世界は変わらない】。
「肥っているから~だ」と言い訳をしているあなたが、肥っているなどということを何も気にもしなくなったとき、初めて世界は変わる。そして、自然にあなたにあった適正体重になってきます。
さすが体育系だけあってズバリと痛いところを突いている。「痩せたい」という思いは世間への迎合に他ならない。もう一つは、食べ過ぎもまたストレスの現れであることだ。スナック菓子など栄養の乏しい食べ物はいくら食べても食欲が満たされない。砂糖は味覚を操作し、「食べられる時に食べておかないと飢えるぞ」とDNAに埋め込まれた記憶を呼び覚ます。
美の基準が自分の外側にある人はどうしても流される。自分らしく溌剌(はつらつ)と生きるところに美は滲み出るものだ。私は道端で掃き掃除をしている女性を見ると心の底から美しさを感じる。老若は関係ない。箒(ほうき)で掃き清める所作には、地神(ちじん)をも鎮(しず)める効果があると考えている。
女性はすべからく見た目の美醜よりも、生き方の美醜を問うべきである。テレビを見よ。可愛い顔をした醜い女どもがウヨウヨしている。