2021-08-10

歩幅と認知症の相関関係/『足裏を鍛えれば死ぬまで歩ける!』松尾タカシ、前田慶明監修


『病気の9割は歩くだけで治る! 歩行が人生を変える29の理由 簡単、無料で医者いらず』長尾和宏
『病気の9割は歩くだけで治る!PART2 体と心の病に効く最強の治療法』長尾和宏
『ナンバ式!元気生活 疲れを知らない生活術』矢野龍彦、長谷川智
『足・ひざ・腰の痛みが劇的に消える足指のばし』湯浅慶朗
『本当に必要な「ゆるスクワット」と「かかと落とし」』中村幸男

 ・歩幅と認知症の相関関係

『5秒 ひざ裏のばしですべて解決 壁ドン!壁ピタ!ストレッチ』川村明
『ベッドの上でもできる 実用介護ヨーガ』成瀬雅春
『実践「免疫革命」爪もみ療法 がん・アトピー・リウマチ・糖尿病も治る』福田稔
『足の裏は語る』平澤彌一郎

身体革命
必読書リスト その二

 2017年の厚生労働省の人口動態統計によると、【転倒や転落などによって命を落とした人の数は年間約9600人。】これは交通事故によって命を落とした人の数(約5000人)より多い数字です。
 また、命を落とすほどではなくても、転倒すると「寝たきり」へとつながる可能性が高まります。

【『足裏を鍛えれば死ぬまで歩ける!』松尾タカシ、前田慶明〈まえだ・のりあき〉監修(池田書店、2018年)以下同】

 少し調べた。


 転倒・転落で死亡するのは頭部打撲が原因か。溺死は風呂。水溜まりに顔をつけて死んだ場合も溺死となる。死は日常のそこここにあるということだ。また、寝たきりの要因となるのは骨折である。特に高齢者の場合、わずかな期間で骨折→入院→寝たきりとなる。たとえ大腿骨を骨折したとしても入院させないのがよろしい。病院だと動けないのもさることながら、コミュニケーションの乏しさが認知症を促進させる。

 高齢者の事故は家の外よりも家のなかで起こっているのです。
 しかも、家庭内での事故発生場所の第1位は、階段でもお風呂場でもなく、居室で、その割合は45%にもなります(2017年の内閣府の高齢社会白書より)。加齢により足腰が衰えると、わずかな段差でも転んでしまうのです。

 50代になると誰もが実感することだろう。この私ですらそうだ。本書で紹介されている足指じゃんけんや、腿上げ、大腰筋強化が必要だ。

 最近のさまざまな研究によって、【「歩くスピードが遅くなる=認知症の危険度が高くなる」】という関係が明らかになっています。とくに注意したいのが、歩くテンポより歩幅です。東京都健康長寿医療センター研究所の研究によると、歩幅が狭い人は、そうではない人よりも認知機能が低下する危険性が2.8倍も高くなるということです。

 常歩(なみあし)だと歩幅が狭くなるので判断しにくい。フロントランジやバックランジの動きを確認するのがよさそうだ。

 私はどちらかというと、自分のためではなく高齢者を手助けするために運動の勉強を行っている。そこそこ知識は集積されてきたので、そろそろ近所にチラシでも配布しようかと思っているところだ。賢く生きれば認知症はいくらでも防ぎようがある。愚か者は後悔の海に沈みながら死ぬしかない。

人を大事にしなかった国は滅びる


2021-08-09

手放すこと/『こうして、思考は現実になる 2』パム・グラウト


『「言葉」があなたの人生を決める』苫米地英人
『アファメーション』ルー・タイス
『「原因」と「結果」の法則』ジェームズ・アレン
『「原因」と「結果」の法則2 幸福への道』ジェームズ・アレン
『新板 マーフィー世界一かんたんな自己実現法』ジョセフ・マーフィー
『未来は、えらべる!』バシャール、本田健
『潜在意識をとことん使いこなす』C・ジェームス・ジェンセン
『こうして、思考は現実になる』パム・グラウト

 ・手放すこと

『自動的に夢がかなっていく ブレイン・プログラミング』アラン・ピーズ、バーバラ・ピーズ
『あなたという習慣を断つ 脳科学が教える新しい自分になる方法』ジョー・ディスペンザ
『ゆだねるということ あなたの人生に奇跡を起こす法』ディーパック・チョプラ
『科学的 本当の望みを叶える「言葉」の使い方』小森圭太
『ソース あなたの人生の源はワクワクすることにある。』マイク・マクナマス
『未処理の感情に気付けば、問題の8割は解決する』城ノ石ゆかり
『ザ・メンタルモデル 痛みの分離から統合へ向かう人の進化のテクノロジー』由佐美加子、天外伺朗
『無意識がわかれば人生が変わる 「現実」は4つのメンタルモデルからつくり出される』前野隆司、由佐美加子
『ザ・メンタルモデル ワークブック 自分を「観る」から始まる生きやすさへのパラダイムシフト』由佐美加子、中村伸也

必読書リスト その五

【この本のメッセージは、手放すことだ】。

【『こうして、思考は現実になる 2』パム・グラウト:桜田直美訳(サンマーク出版、2015年/サンマーク文庫、2019年)以下同】

 よもや、アメリカ人から仏教を教わる羽目になるとは恐れ入谷の鬼子母神である。この一言だけでも必読書にする価値がある。

【もしもあなたがすばらしい人生を自分で創造したいと思っているなら。がらくただらけの引き出しをきちんと片付けることが大切だ】。

 今あなたが大切に思っているものが実はがらくたの可能性がある。なぜなら大切であるがゆえに自分が束縛されてしまうからだ。ひょっとするとそれは会社や組織であるかもしれないし、パートナーや子供であるかもしれない。

 がらくたを片づけると身も心も軽くなる。少し頑張れば空を飛べるかもしれないほどだ。

【新しい可能性を受け入れるのを拒否しているかぎり、その可能性はあなたの視野には入ってこない】。

 一番わかりやすいのは人である。嫌いな人物に善良な資質を見出すことは難しい。「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」となりがちである。逆もまた真なりで好きな人には「あばたもえくぼ」となりやすい。

【ルールは自分で決めよう。大切なのは、実際に行うことと、遊び感覚で楽しむことだ】。

 強制されて遊ぶ子供はいない。自由に遊ぶのである。また遊びには「ハンドルの遊び」など余裕の意味もある。女遊びなる言葉もあるが、下劣な欲望みまみれていてさほど自由がない。遊びは勝敗とも無縁である。かくれんぼをしていて最初に鬼に見つけられたからといって泣く子供はいないだろう。遊びに陰湿な陰はない。

 深夜の公園を眺めていて時折子供たちのさざめく声の形跡が漂っているように見えることがある。遊ばなくなった人々を大人と称するのであれば、失ったものはあまりにも大きい。

時間を超える/『こうして、思考は現実になる』パム・グラウト


『「言葉」があなたの人生を決める』苫米地英人
『アファメーション』ルー・タイス
『「原因」と「結果」の法則』ジェームズ・アレン
『「原因」と「結果」の法則2 幸福への道』ジェームズ・アレン
『新板 マーフィー世界一かんたんな自己実現法』ジョセフ・マーフィー
『未来は、えらべる!』バシャール、本田健
『潜在意識をとことん使いこなす』C・ジェームス・ジェンセン

 ・時間を超える

『こうして、思考は現実になる 2』パム・グラウト
『自動的に夢がかなっていく ブレイン・プログラミング』アラン・ピーズ、バーバラ・ピーズ
『あなたという習慣を断つ 脳科学が教える新しい自分になる方法』ジョー・ディスペンザ
『ゆだねるということ あなたの人生に奇跡を起こす法』ディーパック・チョプラ
『科学的 本当の望みを叶える「言葉」の使い方』小森圭太
『ソース あなたの人生の源はワクワクすることにある。』マイク・マクナマス
『未処理の感情に気付けば、問題の8割は解決する』城ノ石ゆかり
『ザ・メンタルモデル 痛みの分離から統合へ向かう人の進化のテクノロジー』由佐美加子、天外伺朗
『無意識がわかれば人生が変わる 「現実」は4つのメンタルモデルからつくり出される』前野隆司、由佐美加子
『ザ・メンタルモデル ワークブック 自分を「観る」から始まる生きやすさへのパラダイムシフト』由佐美加子、中村伸也

必読書リスト その五

 量子物理学の定義によると、「場(フィールド)」とは、「物理的な世界に影響を与える、目に見えない動く力」ということになる。
 あなたはこれから本書を読んで、「可能性のフィールド」を活用する方法を学ぶことになる。ここでは、【可能性のフィールド(フィールド・オブ・ポテンシャリティ)を略してFPと呼ぶことにしよう】。エネルギーは目に見えないし、私たちは今でも、目に見える世界だけにとらわれているので、まだこのFPの力を本当の意味では理解していない。

【『こうして、思考は現実になる』パム・グラウト:桜田直美訳(サンマーク出版、2014年/サンマーク文庫、2019年)以下同】

 こうした独特の専門用語に苛立つ場合は思い切って翻訳するのがよかろう。私は「重力・引力」と解釈した。「引き寄せ」という言葉も好きじゃないので「引力」としている。

 しかし実際には、世界を変えるのは、とても簡単なことだ。
【世界を変えるには、自分の期待や思い込みを変えるだけでいい】。本当にそんな簡単なことなのだ!

 そう。なぜなら世界は自分の思い込み=妄想でつくられているからだ。我々がありのままの現実世界を生きることはない。脳というフィルターを通して解釈された世界で彷徨(さまよ)っているのだ。「好きな女性に告白して振られた」「就職試験・採用試験・資格試験に落ちた」「プレゼンテーションが失敗した、商談がまとまらなかった、計画が頓挫した」「結婚できない、結婚はしたものの子供ができない、子供はできたが問題児しかいない」など、人生には様々な悩みがつきものだが、「だから自分はダメなんだ」との結論を導き出すのはあなた自身であり、あなたが勝手に作り出した物語であり、あなたの思い込みにすぎない。

「自分を変える」までもなく、「自分の期待や思い込みを変えるだけ」というのがミソだ。やってみると意外に簡単なことがわかるだろう。

 意図を持った瞬間に、あなたは欲しいものを創造する。まさに同時発生だ。その瞬間に、現実のものとして存在するのだ。もし見ることができないとすれば、それはあなたがまだ直線的な時間の世界に生きているからだ。「何かを創造するには時間がかかる」という、5歳までの古い思考パターンにとらわれているのだ。
 願いをかなえることは簡単にはできないと思い込んでいるので、努力を続けながらずっと待っている。
【でも、物理学者たちは違う考えを持っているようだ。量子の世界では、物事は段階を踏んで出現しない。瞬時に出現する。
 つまり、何かを意図したら、意図したのと同時にそれが出現するということだ】。

 以前、「本覚思想とは時間的有限性の打破」と書いた。全く同じ発想である。私は科学と宗教は時間論・時間観において融合すると考えてきたが、即時の瞬間性に鍵があるのだろう。

心の声/『潜在意識をとことん使いこなす』C・ジェームス・ジェンセン


『大丈夫!すべて思い通り。 一瞬で現実が変わる無意識のつかいかた』Honami
『「言葉」があなたの人生を決める』苫米地英人
『アファメーション』ルー・タイス
『「原因」と「結果」の法則』ジェームズ・アレン
『「原因」と「結果」の法則2 幸福への道』ジェームズ・アレン
『新板 マーフィー世界一かんたんな自己実現法』ジョセフ・マーフィー
『未来は、えらべる!』バシャール、本田健
・『思考のパワー 意識の力が細胞を変え、宇宙を変える』ブルース・H・リプトン、スティーブ・ベヘアーマン
『借金2000万円を抱えた僕にドSの宇宙さんが教えてくれた超うまくいく口ぐせ』小池浩
『科学的 本当の望みを叶える「言葉」の使い方』小森圭太
『“偽りの自分”からの脱出』梯谷幸司

 ・心の声

『こうして、思考は現実になる』パム・グラウト
『こうして、思考は現実になる 2』パム・グラウト
『自動的に夢がかなっていく ブレイン・プログラミング』アラン・ピーズ、バーバラ・ピーズ
『あなたという習慣を断つ 脳科学が教える新しい自分になる方法』ジョー・ディスペンザ
『ゆだねるということ あなたの人生に奇跡を起こす法』ディーパック・チョプラ
『ソース あなたの人生の源はワクワクすることにある。』マイク・マクナマス
『未処理の感情に気付けば、問題の8割は解決する』城ノ石ゆかり
『ザ・メンタルモデル 痛みの分離から統合へ向かう人の進化のテクノロジー』由佐美加子、天外伺朗
『無意識がわかれば人生が変わる 「現実」は4つのメンタルモデルからつくり出される』前野隆司、由佐美加子
『ザ・メンタルモデル ワークブック 自分を「観る」から始まる生きやすさへのパラダイムシフト』由佐美加子、中村伸也

必読書リスト その五

 心の声ほど、私たちの行動や努力が報われるかどうかに大きな影響を与えるものはないだろう。【心の声は、私たちの努力の結果の大半を決めている。よいほうにも、悪いほうにも。】
 人は、1分間に150から300語の割合で心の中で自分に語りかけている――1日の思考の数にすると4万5000から5万語となる!
 つまり私たちは、日がな一日否定的な思考で心を満たしてその結果ストレスホルモンが放出されるか、前向きな思考で心を満たしてその結果快楽ホルモン(ドーパミンやセロトニン、βエンドルフィンなど)が放出されるかのどちらかなのだ。

【『潜在意識をとことん使いこなす』C・ジェームス・ジェンセン:大沢章子〈おおさわ・あきこ〉訳(サンマーク出版、2015年)以下同】

 自己啓発本を読む際のコツは科学的な知識を無視することだ。上記テキストだと「人は、1分間に――」の件(くだり)である。根拠が全く示されていない。いくら何でも60秒で300語は無理だ。こういう知識に惹かれ、鵜呑みにする人は信者になりやすいので注意を要する。

「心の声」は周囲からの評価に影響を受ける。特に幼い頃から思春期にかけては。友達と一緒にいるだけで楽しかったのは、ありのままの自分が肯定されたからだ。そこで悪友を選んで転落の人生を歩む者もまた多い。『三銃士』や『三国志』は「友を選ぶ」ことの大切さを教えている。

 他人の評価が気にならなくなるところに信念が形成される。「自ら反(かえ)りみて縮(なお)くんば、千万人といえども吾往かむ」(孟子)の精神である。大勇の人は世間を恐れることがない。

 人と話している間も、私たちの頭の中では心の声が絶え間なく流れて、相手が何を言っているのか分析し、相手の話を「聞きながら」自分はどう答えようかと考えている。
 しかし、【もっとも影響力の強い会話は、1人でいるときに自分自身と交わす会話だ。】これは評価と判断の会話であり、何かがうまくできたら自分を褒め、うまくできなかった場合はさんざんにけなす。

「うまく」の中身が問題だ。それが社会的な評価であれば、どこまで行っても自分の心が満たされることはないだろう。刻々と移り変わる社会に翻弄される羽目となりかねない。コミュニケーションで問われるのは手応えだ。打つのは自分である。鳴らない太鼓を恨む前に打つ自分の力と技量を見つめるのが先だ。

「自分ならできる」「自分には無理だ」――ここが運命の分かれ道だ。本当の意味で道を拓く人は、できるできないすら問うことがない。「ただ行う」のみだ。

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2021-08-07

広告の食品 vs 現実 || 食品業界が愛用している24種類のトリック


 人は見たものに騙される。

カルマの仕組み/『自動的に夢がかなっていく ブレイン・プログラミング』アラン・ピーズ、バーバラ・ピーズ


『「言葉」があなたの人生を決める』苫米地英人
『アファメーション』ルー・タイス
『「原因」と「結果」の法則』ジェームズ・アレン
『「原因」と「結果」の法則2 幸福への道』ジェームズ・アレン
『新板 マーフィー世界一かんたんな自己実現法』ジョセフ・マーフィー
『未来は、えらべる!』バシャール、本田健
『潜在意識をとことん使いこなす』C・ジェームス・ジェンセン
『こうして思考は現実になる』パム・グラウト
『こうして、思考は現実になる 2』パム・グラウト
・『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ、バーバラ・ピーズ

 ・カルマの仕組み

『あなたという習慣を断つ 脳科学が教える新しい自分になる方法』ジョー・ディスペンザ
『ゆだねるということ あなたの人生に奇跡を起こす法』ディーパック・チョプラ
『科学的 本当の望みを叶える「言葉」の使い方』小森圭太
『ソース あなたの人生の源はワクワクすることにある。』マイク・マクナマス
『未処理の感情に気付けば、問題の8割は解決する』城ノ石ゆかり
『ザ・メンタルモデル 痛みの分離から統合へ向かう人の進化のテクノロジー』由佐美加子、天外伺朗
『無意識がわかれば人生が変わる 「現実」は4つのメンタルモデルからつくり出される』前野隆司、由佐美加子
『ザ・メンタルモデル ワークブック 自分を「観る」から始まる生きやすさへのパラダイムシフト』由佐美加子、中村伸也

必読書リスト その五

 いつもジャンクフードを選ぶのもあなたなら、ジャンクフードを口に押しこむ手もあなたの手だ。
 定期的に運動をしないことを選んだのもあなただ。愚かな論理を振りまわして、タバコやお酒、ドラッグに手を出したり、猛スピードで運転したり、暴力を振るうパートナーを選んだりといった自滅的な行為を重ねてきたのも、あなただ。
 やりたくないことをするように言われたとき、「いやだ」と断らなかったのも、あなたを失望させるような人を信じると決めたのも、あなただ。
 自分の人生にひどい悲しみをもたらすような子どもや、親戚や、その他の人たちと距離を置こうとしなかったのも、あなただ。暴力を振るってくる人や、将来性を見込めない人との関係を断たなかったの、あなただ。
 非常識な従業員や顧客、身勝手な友人、自分のことしか話さない人が身のまわりにいるとしても、そんな人たちを自分の人生に引きこんだのは、あなただ。
 周囲の誰かに不幸を持ちこまれても、悪いのはその人ではな、あなただ。そんな人たちがあなたの私生活の場や職場にいるのは、あなたが引きこみ、居つかせたからだ。
 あなたが選んできた人やもの、考え方が、あなたの今の状況をつくったのだ。今なぜ自分が、ここでこんな人生を生きているのかを、自分自身やほかの誰かに言い訳しようとしているのも、あなたである。

【『自動的に夢がかなっていく ブレイン・プログラミング』アラン・ピーズ、バーバラ・ピーズ:市中芳江〈いちかわ・よしえ〉訳(サンマーク出版、2017年)】

「第6章 自分の人生に責任を取る」より。表題ページのイラストに「カルマ」と書かれている。業(ごう)の思想は偶然を認めない。身口意(しんくい)にわたる反応・所作が地層のように積み重なって“現在の自分”を形成している。

 闇雲に努力すればいいというわけではない。まず最初に努力するだけの価値があるかどうかを見極める必要がある。努力が通用しない対象であれば、さっさと逃げることだ。台風や津波を相手にいくら努力をしても空(むな)しい。

 しかも「戦うこと」と「逃げること」は身体的に同じメカニズムなのである(『逃げる力』百田尚樹)

 人は自由である。特に先進国で生を享(う)けた我々の自由は保証されている。その自由は「選択」と「決断」において発揮される。よくよく我が身を振り返ってみよう。あの人は不健康になる自由を満喫している。この人はストレスにまみれる会社で職業を選択しない自由を謳歌している。その人は災害の多い土地で移動しない自由を堪能している。彼は毒親の下(もと)で束縛される自由に浸(ひた)り、彼女は毎年決まった時期にカネを毟(むし)り取る教団で信教の不自由をこれでもかと味わっている。

 何らかの抑圧を感じる環境に身を置いている人は、周囲を恨む前に自分の選択と判断を疑ってかかるべきだろう。

 昨今は自己啓発本も成熟してきた感がある。個人的には「大乗の機能」がストンと理解できた。西洋の説明能力にはやはり端倪(たんげい)すべからざるものがある。

2021-08-04

運動は食後すぐに行うのがいい/『医者が教える食事術 最強の教科書 20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方68』牧田善二


『ファストフードが世界を食いつくす』エリック・シュローサー
『「食べもの神話」の落とし穴 巷にはびこるフードファディズム』高橋久仁子
『給食で死ぬ!! いじめ・非行・暴力が給食を変えたらなくなり、優秀校になった長野・真田町の奇跡!!』大塚貢、西村修、鈴木昭平
『伝統食の復権 栄養素信仰の呪縛を解く』島田彰夫
・『本当は危ない植物油 その毒性と環境ホルモン作用』奥山治美
・『日本人には塩が足りない!』村上譲顕
『果糖中毒 19億人が太り過ぎの世界はどのように生まれたのか?』ロバート・H・ラスティグ
『野菜は小さい方を選びなさい』岡本よりたか
『うつ消しごはん タンパク質と鉄をたっぷり摂れば心と体はみるみる軽くなる!』藤川徳美
『コレステロール値が高いほうがずっと長生きできる』浜崎智仁
『小麦は食べるな!』ウイリアム・デイビス
『シリコンバレー式 自分を変える最強の食事』デイヴ・アスプリー
・『HEAD STRONG シリコンバレー式頭がよくなる全技術』デイヴ・アスプリー
・『運動ゼロ空腹ゼロでもみるみる痩せる ガチ速“脂"ダイエット』金森重樹
・『食べても太らず、免疫力がつく食事法』石黒成治
・『世界のエグゼクティブを変えた超一流の食事術』アイザック・H・ジョーンズ

 ・余ったトウモロコシのために清涼飲料水が発明された
 ・運動は食後すぐに行うのがいい

『医者が教える食事術2 実践バイブル 20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方70』牧田善二
『医学常識はウソだらけ 分子生物学が明かす「生命の法則」』三石巌
『DNA再起動 人生を変える最高の食事法』シャロン・モアレム
『大豆毒が病気をつくる 欧米の最新研究でわかった!』松原秀樹
『免疫力が10割 腸内環境と自律神経を整えれば病気知らず』小林弘幸、玉谷卓也監修
『サピエンス異変 新たな時代「人新世」の衝撃』ヴァイバー・クリガン=リード
『アルツハイマー病は治る 早期から始める認知症治療』ミヒャエル・ネールス
『反穀物の人類史 国家誕生のディープヒストリー』ジェームズ・C・スコット
『あなたの体は9割が細菌 微生物の生態系が崩れはじめた』アランナ・コリン

身体革命
必読書リスト その一

「空腹時の運動で脂肪が燃える」は大いなるウソ

 糖質を食べれば血糖値が上がりますが、【食後すぐに運動すると、その上昇を抑えることができます】。だから、運動は食後に行うのが効率的です。
 かつては、「食後は消化のためにゆっくり休め」というのが常識でした。しかし、そもそも、食後にゆっくり休まなければならないほど一度にたくさん食べるべきではありません。血糖値が大きく上昇しないよう、「腹七分目」を心がけることが重要です。
 また、「空腹時に運動することで脂肪が燃える」とも言われました。しかし、空腹時に運動すれば、その後さらに腹ペコ状態でドカ食いすることになり、血糖値は急上昇します。血糖値が上昇すれば、それだけ太ります。
 もはや、「空腹時に運動」という考えは古いのです。
 糖質を多くとったときには食後すぐに運動し、血糖値の上昇を抑えましょう。それによって確実に肥満が防げます。ウォーキングだけでなく、社内でスクワット、ストレッチなど簡単な体操でも十分です。

【『医者が教える食事術 最強の教科書 20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方68』牧田善二〈まきた・ぜんじ〉(ダイヤモンド社、2017年)】

 魂消(たまげ)た。食後の運動では「食べたものが燃える」と私は信じ込んでいた。藤原正彦・美子〈よしこ〉夫妻が食後に必ず30分ほどの散歩を行うことを知り、嘲笑った覚えがある(『藤原正彦、美子のぶらり歴史散歩』)。穴があったら入りたい。

 ここでいう糖質とは炭水化物やイモ類・菓子類と考えてよい(アルファ30「主な食品のGI値」)。尚、ストレッチは運動と見なせないので、せめて階段の上り下りくらいはした方がいいだろう。腕立て伏せや腹筋も避けた方がよい。飽くまでも主要な筋肉が集まっている下半身の運動と考えるべきだ。汗をかいても平気ならバーピージャンプがおすすめだ。

 ダイエットに関しては運動よりも食事制限がメインとなる。運動の消費カロリーは知れている。出力よりも入力をコントロールする方が早い。

余ったトウモロコシのために清涼飲料水が発明された/『医者が教える食事術 最強の教科書 20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方68』牧田善二


『ファストフードが世界を食いつくす』エリック・シュローサー
『「食べもの神話」の落とし穴 巷にはびこるフードファディズム』高橋久仁子
『給食で死ぬ!! いじめ・非行・暴力が給食を変えたらなくなり、優秀校になった長野・真田町の奇跡!!』大塚貢、西村修、鈴木昭平
『伝統食の復権 栄養素信仰の呪縛を解く』島田彰夫
・『本当は危ない植物油 その毒性と環境ホルモン作用』奥山治美
『日本人には塩が足りない! ミネラルバランスと心身の健康』村上譲顕
『果糖中毒 19億人が太り過ぎの世界はどのように生まれたのか?』ロバート・H・ラスティグ
『野菜は小さい方を選びなさい』岡本よりたか
『うつ消しごはん タンパク質と鉄をたっぷり摂れば心と体はみるみる軽くなる!』藤川徳美
『コレステロール値が高いほうがずっと長生きできる』浜崎智仁
『小麦は食べるな!』ウイリアム・デイビス
『シリコンバレー式 自分を変える最強の食事』デイヴ・アスプリー
・『HEAD STRONG シリコンバレー式頭がよくなる全技術』デイヴ・アスプリー
・『運動ゼロ空腹ゼロでもみるみる痩せる ガチ速“脂"ダイエット』金森重樹
・『食べても太らず、免疫力がつく食事法』石黒成治
・『世界のエグゼクティブを変えた超一流の食事術』アイザック・H・ジョーンズ

 ・余ったトウモロコシのために清涼飲料水が発明された
 ・運動は食後すぐに行うのがいい

『医者が教える食事術2 実践バイブル 20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方70』牧田善二
『医学常識はウソだらけ 分子生物学が明かす「生命の法則」』三石巌
『DNA再起動 人生を変える最高の食事法』シャロン・モアレム
『大豆毒が病気をつくる 欧米の最新研究でわかった!』松原秀樹
『免疫力が10割 腸内環境と自律神経を整えれば病気知らず』小林弘幸、玉谷卓也監修
『サピエンス異変 新たな時代「人新世」の衝撃』ヴァイバー・クリガン=リード
『アルツハイマー病は治る 早期から始める認知症治療』ミヒャエル・ネールス
『反穀物の人類史 国家誕生のディープヒストリー』ジェームズ・C・スコット
『あなたの体は9割が細菌 微生物の生態系が崩れはじめた』アランナ・コリン

身体革命
必読書リスト その一

 もともと清涼飲料水は、アメリカでトウモロコシが生産過剰に陥ったことがきっかけで生まれたと言われています。余ったトウモロコシを無駄にしないようコーンシロップをつくり、溶かして人々に売りさばくことを考えたのです。
 そのときに、どのくらいの量を入れれば血糖値が上がって至福点に達するかも計算されています。つまり、【企業の利益のためにあえて中毒をつくりだしたわけです】。
 しかし、税金をたくさん納めている企業に対し、国や自治体が本気で規制に乗り出すことはできません。アメリカでは買収された学者が【「肥満を呼ぶのは糖質ではなく脂肪だ」】という説を垂れ流し、いまもそれを信じている人が世界中にいます。

【『医者が教える食事術 最強の教科書 20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方68』牧田善二〈まきた・ぜんじ〉(ダイヤモンド社、2017年)以下同】

 牧田善二は糖尿病の専門医で38年間にわたって20万人以上の患者を診てきたエキスパートだ。自身の経験から「健康格差」が広がっていることに気づいたという。糖尿病予防の肝は血糖値の上昇を抑えることだ。生活習慣病改善のためには血圧よりも血糖値に注意を払うのが正しい。

 上記テキストは映画『あまくない砂糖の話』(デイモン・ガモー監督)を紹介する件(くだり)である。同作品はamazonのprime videoで視聴できる。

 戦後の学校給食がパンになったのも、アメリカの余剰小麦をさばくための戦略だった(『この国の不都合な真実 日本はなぜここまで劣化したのか?』菅沼光弘)。

「肥満の原因は脂肪である」との迷信は砂糖業界がハーバード大学の学者に資金を提供し「低脂肪ダイエット」なる概念を発明した。その後1950年代にミネソタ大学のアンセル・キーズ博士が飽和脂肪酸やコレステロールを槍玉に挙げ、冠動脈性心疾患の原因と指摘した。同博士は『TIME』誌の表紙を飾った。

現実の虚構化/『コレステロール 嘘とプロパガンダ』ミッシェル・ド・ロルジュリル

 半世紀を経ても尚、迷信は生きている。

 いまから45年も前の1972年に『日本の長寿村短命村』(サンロード刊)という本が刊行されました。著者は、東北大学名誉教授の近藤正二医学博士です。
 博士は、1935(昭和10)年から36年間にわたり、日本中を歩き、長寿者が多い村、逆に短命者が多い村を探して訪ね、その生活様式を調査しました。
 博士がこの調査を始めたとき、「短命の原因は酒ではないか」「いや、重労働がいけないのだ」などという俗説が流布されていました。そこで博士は、「それらの俗説が正しいのかどうか、実際に自分の目で見てくる」ことを決意し、20キロを超えるリュックサックを背負い、ときに険しい山を登りながら僻地まで足を運び、長いときには1つの地域に2か月も滞在し、合計で990の町村を調べ上げたのです。(中略)
 私の手元に残る『日本の長寿村短命村』は、表紙が少し黄ばんでしまいましたが、内容は少しも色あせていません。むしろ、現代を生きる私たちに非常に重要な示唆を与えてくれています。
 私なりに、博士の研究結果をまとめてみると、以下のようなことが言えます。

1.健康・長寿の決め手は食生活である
2.酒飲みは短命ではない
3.重労働をしている人のほうが長寿
4.ごはんの食べすぎは短命
5.魚ばかりで野菜が少ない村は短命
6.大豆製品を多く食べている村は長寿
7.大量の野菜を食べている村は長寿
8.果物を多くとる村は短命
9.海藻を多くとっている村は長寿
10.肉の食べすぎは短命
11.塩分をとりすぎている村は短命
12.ゆっくり楽しんで食べることが大事

 これはフィールドワークのため尊い仕事だと思うが、もっと広い範囲のデータが必要だろう。また相関関係と因果関係が異なることを理解する必要もある。食事だけに注目すれば疑似相関となりかねない。

 平均寿命はずっと伸び続けている。問題は健康寿命だ。人は必ず死ぬ。長生きを望むよりは、いつ死んでもいいように生きておくのが求められる流儀ではあるまいか。



2021-08-03

創作された存在/『レディ・ジョーカー』高村薫


・『黄金を抱いて翔べ』高村薫
・『神の火』高村薫
・『わが手に拳銃を』高村薫
・『リヴィエラを撃て』高村薫
・『マークスの山』高村薫
・『地を這う虫』高村薫
・『照柿』高村薫

 ・鑑とは
 ・創作された存在

・『李歐』高村薫
・『半眼訥訥』高村薫
『あなたに不利な証拠として』ローリー・リン・ドラモンド

ミステリ&SF

《ところで、半田さんから聞いた。仲間に入れてほしい》
「理由は何だ」
《理由が要るのか》
「そういうわけではないが、君もいろいろ考えていることがあるだろう」
《人生に踏ん切りをつけたいだけだ》
「何のための踏ん切りだ」
《俺の人生を見たら、分かるだろう》
「君の人生か。腕のいいドライバーで、月に六、七十万の稼ぎがあって、嫁さんが病気で、娘が障害児だ。それがどうした。そんな人生は世間にごまんとある」
 物井は、布川が気分を害して電話を切ってしまうだろうと思ったが、電話は切れなかった。代わりに、全身から噴き出したような、ほとんど悲鳴のような《ああ――》というため息が聞こえ、また沈黙になった。野球のボールを打つカーンという音、走れ、走れと叫ぶ子どもの笑い声が電話の向こうで響いた。
 理屈ではなく、幸不幸でもなく、弱い人生が一つあるというだけのことだった。

【『レディ・ジョーカー』高村薫〈たかむら・かおる〉(毎日新聞社、1997年/新潮文庫、2010年)】

 冒頭の怪文書を読んでいて不思議な気分に浸(ひた)った。創作された存在が目の前に立ち上がってきたのだ。存在は目撃される。しかし、それを誰かに伝える時、存在は言葉と化す。死者を語る行為は新たな生を吹き込む営みでもある。旧字体で綴られた文書を通して私の中に岡村清二という男を立ち上がらせる。本来、不在のはずの人間が存在する不思議に目眩(まめい)がした。

 それにしても文章がいい。澱(よど)みなく流れる速度の心地よさを感じる。野球に興じる子供たちが障碍を持つ娘の姿を際立たせる。「踏ん切り」と「弱い人生」というキーワードの重みがまた心地よい。

 ビッグネームなので敢えて必読書には入れなかった。尚、相変わらずの同性愛傾向が腐女子っぷりを示しているようで感心しない。もう一つ、合田・半田・倉田と田がつく苗字が多いのも瑕疵(かし)と言える。

インターバル速歩/『ウォーキングの科学 10歳若返る、本当に効果的な歩き方』能勢博


『病気の9割は歩くだけで治る! 歩行が人生を変える29の理由 簡単、無料で医者いらず』長尾和宏
『病気の9割は歩くだけで治る!PART2 体と心の病に効く最強の治療法』長尾和宏

 ・インターバル速歩

『ランニングする前に読む本 最短で結果を出す科学的トレーニング』田中宏暁
『サピエンス異変 新たな時代「人新世」の衝撃』ヴァイバー・クリガン=リード
『アルツハイマー病は治る 早期から始める認知症治療』ミヒャエル・ネールス
『一流の頭脳』アンダース・ハンセン
『ウォークス 歩くことの精神史』レベッカ・ソルニット
『トレイルズ 「道」と歩くことの哲学』ロバート・ムーア
『脚・ひれ・翼はなぜ進化したのか 生き物の「動き」と「形」の40億年』マット・ウィルキンソン
『「体幹」ウォーキング』金哲彦
『高岡英夫の歩き革命』、『高岡英夫のゆるウォーク 自然の力を呼び戻す』高岡英夫:小松美冬構成
『あらゆる不調が解決する 最高の歩き方』園原健弘
『あなたの歩き方が劇的に変わる! 驚異の大転子ウォーキング』みやすのんき
ナンバ歩きと古の歩術
『表の体育・裏の体育』甲野善紀
『「筋肉」よりも「骨」を使え!』甲野善紀、松村卓
『ナンバ走り 古武術の動きを実践する』矢野龍彦、金田伸夫、織田淳太郎
『ナンバの身体論 体が喜ぶ動きを探求する』矢野龍彦、金田伸夫、長谷川智、古谷一郎
『ナンバ式!元気生活 疲れを知らない生活術』矢野龍彦、長谷川智
『本当のナンバ 常歩(なみあし)』木寺英史
『健康で長生きしたけりゃ、膝は伸ばさず歩きなさい。』木寺英史
『常歩(なみあし)式スポーツ上達法』常歩研究会編、小田伸午、木寺英史、小山田良治、河原敏男、森田英二
『スポーツ選手なら知っておきたい「からだ」のこと』小田伸午
『トップアスリートに伝授した 勝利を呼び込む身体感覚の磨きかた』小山田良治、小田伸午
『間違いだらけのウォーキング 歩き方を変えれば痛みがとれる』木寺英史

身体革命
必読書リスト その二

「インターバル速歩」とは、本人がややきついと感じる早歩きと、ゆっくり歩きを3分間ずつ交互に繰り返すというウォーキング方法である。それを1日5セット、週4日以上繰り返すと、5ヵ月間で体力が最大20%向上(10歳以上若返った体力が得られる)、生活習慣病の症状が20%改善し、その結果、医療費も20%削減できるということが明らかになっている。

【『ウォーキングの科学 10歳若返る、本当に効果的な歩き方』能勢博〈のせ・ひろし〉(ブルーバックス、2019年)以下同】

 ウォーキングのやり方である。歩き方は参考にならないので注意が必要だ。自転車乗りであれば、タバタ式HIITはお馴染みのトレーニング法である。目的は心拍数を高めることだ。痩せることではない。

 まずは「言われた通り」やってみることがセオリーだ。しかも30分間で済む。物足りなければ3分ランニングにしてもいいだろう。そこからタバタ式に持っていくという手もある(20秒ダッシュ+10秒ウォーキング×8セット)。

 図1-6は生活活動度と医療費との関係を年齢別に示したものである。生活活動度が体力に比例すると考えると、体力の低下曲線と年齢別の医療費が見事に相関する。そして、体力が20代の30%レベル以下にまで低下すると要介護状態になり、自分ひとりでお風呂に入れない、トイレに行けないという状態になる。したがって、高血圧、糖尿病、肥満といった生活習慣病にとどまらず、認知症やがんに至るまで、中高年特有の疾患の根本原因は、この加齢性筋減少症に伴う体力の低下の可能性が高い、と考えられるようになった。
 最近、そのメカニズムについて、図1-7で示すように、体力の低下による「慢性炎症」の関与が指摘されている。「慢性炎症」という言葉は読者になじみがないかもしれないが、たとえば、風邪を引くと喉が痛くなる、傷口にばい菌が侵入すると化膿し、局所がはれ上がり、痛みが出たり、発熱したりする。これらの反応は、外部から体内に異物が侵入すると、それらをやっつけよう、追い出そうとする体の反応である。これを医学では「炎症反応」と呼ぶ。
 ここで、興味深いのは、外部から異物が体内に侵入しなくても、運動不足、肥満など体力低下を引き起こすような生活習慣でこの炎症反応が起こることである。ただ、この炎症反応のレベルは非常に低く、痛みが出たり、発熱を起こしたりするのはごく稀で、ほとんどの人は気がつかない。しかし、着実に全身性に起こっている。
 そして、この炎症反応が特に脂肪細胞に起これば糖尿病に、免疫細胞に起こって、その影響が血管内皮細胞に現れれば動脈硬化・高血圧症に、脳細胞に起これば認知症・うつ病に、さらに、この炎症反応によって分泌されるサイトカインという物質を介して、その影響ががん抑制遺伝子に及べばがんになる、と考えられるようになった。(中略)
 加齢によって筋力が低下すると、まず、筋肉中のミトコンドリアの機能が劣化する。さらに、筋力が低下すると運動するのが億劫になるために、筋肉以外の臓器の代謝も低下し、全身のミトコンドリア機能が低下する。その結果、全身性に活性酸素が産生され、慢性炎症が起こり、生活習慣病になるというのだ。
 では、どうすればよいか。答えは簡単。加齢性筋減少症に負けないように、運動トレーニングによって体力アップを行えばよいのだ。

炎症が現代病の原因/『シリコンバレー式 自分を変える最強の食事』デイヴ・アスプリー

 エビデンスが豊富で一々説得力がある。慢性炎症を知る医師や看護師はまだ少ない。知ったところで彼らの利益が増えるわけではないため、患者に慢性炎症を説明することは多分ないだろう。患者も患者で運動を勧められるよりは薬を求めがちだ。「医師の仕事は薬を処方することで、病気を治すのは薬である」という思い込みは鉄板のように堅固なものとなっている。

「肥満は病気である」との認識が必要だ。少欲知足ならぬ少食知足こそが健康の基(もとい)である。



天理VS大分舞鶴 伝説の決勝戦ハイライト


 この年の決勝戦は、以下のような複数のエピソードが重なった結果、後に「高校ラグビー史に残る名勝負」「伝説の一戦」と語り継がれる試合となった。(中略)

 この試合を何気なく自宅のテレビで観戦していた松任谷由実は、「どんなに悔やんでも、高校生が部活を辞めたら、次のシーズンは、自分と同じゼッケンをつけて駆けてゆく誰かを見ていることになる。その情景が思い浮かんで、ぐっと来てしまいました」といい、試合後の情景を綴った「ノーサイド」を作詞・作曲した(アルバム『NO SIDE』に収録)。この曲は後に2014年の国立競技場最後の早明戦後のセレモニーで歌われる など、ラグビーを題材とした代表的楽曲となるとともに、松任谷の代表曲の一つとなっている。

第63回全国高等学校ラグビーフットボール大会 - Wikipedia




 尚、動画コメント欄に「最後ゴール外した人今おれの高校の先生」とある。

2021-08-02

こむら返りは自分で直すことができる/『スポーツ選手なら知っておきたい「からだ」のこと』小田伸午


『病気の9割は歩くだけで治る! 歩行が人生を変える29の理由 簡単、無料で医者いらず』長尾和宏
『病気の9割は歩くだけで治る!PART2 体と心の病に効く最強の治療法』長尾和宏
『ウォーキングの科学 10歳若返る、本当に効果的な歩き方』能勢博
『ランニングする前に読む本 最短で結果を出す科学的トレーニング』田中宏暁
『サピエンス異変 新たな時代「人新世」の衝撃』ヴァイバー・クリガン=リード
『脚・ひれ・翼はなぜ進化したのか 生き物の「動き」と「形」の40億年』マット・ウィルキンソン
『アルツハイマー病は治る 早期から始める認知症治療』ミヒャエル・ネールス
『一流の頭脳』アンダース・ハンセン
『ウォークス 歩くことの精神史』レベッカ・ソルニット
『トレイルズ 「道」と歩くことの哲学』ロバート・ムーア
『「体幹」ウォーキング』金哲彦
『高岡英夫の歩き革命』、『高岡英夫のゆるウォーク 自然の力を呼び戻す』高岡英夫:小松美冬構成
『あらゆる不調が解決する 最高の歩き方』園原健弘
『あなたの歩き方が劇的に変わる! 驚異の大転子ウォーキング』みやすのんき
ナンバ歩きと古の歩術
『表の体育・裏の体育』甲野善紀
『「筋肉」よりも「骨」を使え!』甲野善紀、松村卓
『ナンバ走り 古武術の動きを実践する』矢野龍彦、金田伸夫、織田淳太郎
『ナンバの身体論 体が喜ぶ動きを探求する』矢野龍彦、金田伸夫、長谷川智、古谷一郎
『ナンバ式!元気生活 疲れを知らない生活術』矢野龍彦、長谷川智
『本当のナンバ 常歩(なみあし)』木寺英史
『健康で長生きしたけりゃ、膝は伸ばさず歩きなさい。』木寺英史
『常歩(なみあし)式スポーツ上達法』常歩研究会編、小田伸午、木寺英史、小山田良治、河原敏男、森田英二

 ・膝を抜く
 ・こむら返りは自分で直すことができる

『トップアスリートに伝授した 勝利を呼び込む身体感覚の磨きかた』小山田良治、小田伸午
『間違いだらけのウォーキング 歩き方を変えれば痛みがとれる』木寺英史
『身体構造力 日本人のからだと思考の関係論』伊東義晃
『「疲れない身体」をいっきに手に入れる本 目・耳・口・鼻の使い方を変えるだけで身体の芯から楽になる!』藤本靖

身体革命

 そのようなとき、他人にたよるのではなく、けいれんを自分で直す方法があるのです。まずは膝(ひざ)を伸ばすだけで、けいれんして収縮がおさまらない腓腹筋(ひふくきん)が引き伸ばされます。(中略)下腿三頭筋のなかの腓腹筋は、足首と膝の二つの関節にまたがった部位なので、膝を伸ばせば腓腹筋は伸びます。これが、けいれんをおさめる第一段階です。
 次に、膝を伸ばした状態にして、自分で足首を曲げる筋肉である前脛骨筋に力を入れて、自分で足首を曲げるのです。そうすると、足首が曲がって、強烈に収縮していたふくらはぎの筋肉に「休め!」の指令がいき、けいれんしているふくらはぎの筋肉がスーッと軽減します。痛みが消えるその瞬間は、スイッチが切り替わったような、なんとも不思議な感覚です。

【『スポーツ選手なら知っておきたい「からだ」のこと』小田伸午】

 年をとると寝ている間にこむら返りが起こることがある。

「夜間のこむら返りを繰り返すような場合、こむら返りを引き起こす原因となる病気が潜んでいる場合があります。下肢静脈瘤、肝硬変、甲状腺機能低下症、脊髄疾患、多発神経炎、腎不全(血液透析)、糖尿病、不安定狭心症などが疑われます。胃切除術後のカルシウム不足、ビタミンD不足からくる骨障害として見られることもあります。利尿剤を服用しているために電解質異常を起こしているケースや、下痢による脱水があるケースもあります」(こむら返りについて|埼玉県さいたま市浦和区のアキ循環器・血管外科クリニック)。

 糖尿病の神経障害が原因の場合もある(糖尿病で足がつるのはなぜ?〜原因・対処法を分かりやすくまとめました〜 | H2株式会社)。

 いざという時に備えることが大切だ。備えとは構えでもある。