2021-09-13

新しい信念と古い信念が拮抗する/『ゾーン 最終章 トレーダーで成功するためのマーク・ダグラスからの最後のアドバイス』マーク・ダグラス、ポーラ・T・ウエッブ


『マーケットの魔術師 米トップトレーダーが語る成功の秘訣』ジャック・D・シュワッガー
『実践 生き残りのディーリング 変わりゆく市場に適応するための100のアプローチ』矢口新
『先物市場のテクニカル分析』ジョン・J・マーフィー
『一目均衡表の研究』佐々木英信
『デイトレード マーケットで勝ち続けるための発想術』オリバー・ベレス、グレッグ・カプラ

 ・「正しい分析」が身を滅ぼす
 ・スロットマシンプレーヤーの視点
 ・新しい信念と古い信念が拮抗する

『規律とトレーダー 相場心理分析入門』マーク・ダグラス
『ゾーン 「勝つ」相場心理学入門』マーク・ダグラス
『伝説のトレーダー集団 タートル流投資の魔術』カーティス・フェイス
『ワイルダーのアダムセオリー 未来の値動きがわかる究極の再帰理論』J・ウエルズ・ワイルダー・ジュニア
『フルタイムトレーダー完全マニュアル』ジョン・F・カーター
『タープ博士のトレード学校 ポジションサイジング入門 スーパートレーダーになるための自己改造計画』バン・K・タープ
『週末投資家のためのカバード・コール』KAPPA
『なぜ専門家の為替予想は外れるのか プロが教える外国為替市場の不都合な真実』富田公彦
『なぜ投資のプロはサルに負けるのか? あるいは、お金持ちになれるたったひとつのクールなやり方』藤沢数希

【私たちが信念として採り入れる新しい考えや概念は、それまで本当だと思っていた考えや概念のうちで、新しいものと対立や矛盾をするもののエネルギーが減った程度に応じてしか、機能しない。】(中略)
 採り入れようとしている新しい信念が十分に機能するためには、それと対立している信念が完全に働かなくなる必要がある。それがまったく機能しないと確信するためには、エネルギーがすべて放出されて、その信念が崩れる必要がある。私が話していることを分かりやすく説明するために、薪で考えよう。薪は木という物質を構成する原子や分子から成り立っている。これを原子以下のレベルで見ると、木はエネルギーとして存在する。薪に火をつけたら、木のエネルギーは放出されて、薪は灰と化す。木は灰になったが、いまだに存在する。しかし、灰となってしまっては、薪のようなエネルギーはもはやない。
 私たちはもう自分の目的には役立たないと考えた信念を打ち壊す場合も、まったく同じことが当てはまる。

【『ゾーン 最終章 トレーダーで成功するためのマーク・ダグラスからの最後のアドバイス』マーク・ダグラス、ポーラ・T・ウエッブ:長尾慎太郎〈ながお・しんたろう〉監修、山口雅裕〈やまぐち・まさひろ〉訳(パンローリング、2017年)以下同】

 思考には人を動かし人を縛るほどのエネルギーがある。ソ連を支配してきた共産主義の呪縛を解いたのもミハイル・ゴルバチョフ大統領が掲げた新思考外交ペレストロイカグラスノスチであった。

 大衆は潮位のような変化しか感じないが、最初の一波はドラスティックな飛沫を散らす。人々の抑圧された精神に亀裂を入れるのは一人の人間に他ならない。常識は少しずつ変わりゆくが、古い思考の鎖を断ち切るのはたった一つのユニークなアイディアだ。

 それにしても冒頭の一節が凄い。ビジネスマンでこれほどの哲学性を有する人物が果たして何人いるか。ゾーン三部作は明らかに唯識を志向している。

合理性を阻む宗教的信念/『思想の自由の歴史』J・B・ビュァリ:森島恒雄訳

【私たちは信念を初めから存在しなかったかのように消し去ることはできない。だが、情報の受け止め方や行動の仕方に何の影響も及ぼさないように、信念から十分なエネルギーを奪い取ることはできる。つまり、信念のエネルギーが非常に小さくなれば、事実上、存在しないのとおなじになる。】

 新しい信念と古い信念が拮抗(きっこう)する。例えばこうだ。投資で利益を出し続ける人は数%に過ぎない。なぜか? 多くの人々は「容易に金儲けができることをよしとしない」からだ。それは幼い頃から労働と対価について刷り込まれているためだ。あるいは「カネは汚いもの」という日本特有の文化もあろう。更には意図的に「自分を罰する」場合すらある。無意識や深層心理がトレードを支配するのだ。

 ここまでくると業(ごう)の概念そのものである。つまり業もまたエネルギーなのだ。新しい信念は過去の否定から生まれる。歴史は学ぶべき対象であって信じるものではない。思い込みを一掃すれば、心の中に新しい風が吹き流れる。その空隙(スペース)を確保できるかどうかが問われる。

2021-09-08

特番「北野幸伯さんに訊く!大国政治の現状は? バイデン、プーチンそして習近平」


スロットマシンプレーヤーの視点/『ゾーン 最終章 トレーダーで成功するためのマーク・ダグラスからの最後のアドバイス』マーク・ダグラス、ポーラ・T・ウエッブ


『マーケットの魔術師 米トップトレーダーが語る成功の秘訣』ジャック・D・シュワッガー
『実践 生き残りのディーリング 変わりゆく市場に適応するための100のアプローチ』矢口新
『先物市場のテクニカル分析』ジョン・J・マーフィー
『一目均衡表の研究』佐々木英信
『デイトレード マーケットで勝ち続けるための発想術』オリバー・ベレス、グレッグ・カプラ

 ・「正しい分析」が身を滅ぼす
 ・スロットマシンプレーヤーの視点
 ・新しい信念と古い信念が拮抗する

『規律とトレーダー 相場心理分析入門』マーク・ダグラス
『ゾーン 「勝つ」相場心理学入門』マーク・ダグラス
『伝説のトレーダー集団 タートル流投資の魔術』カーティス・フェイス
『ワイルダーのアダムセオリー 未来の値動きがわかる究極の再帰理論』J・ウエルズ・ワイルダー・ジュニア
『フルタイムトレーダー完全マニュアル』ジョン・F・カーター
『タープ博士のトレード学校 ポジションサイジング入門 スーパートレーダーになるための自己改造計画』バン・K・タープ
『週末投資家のためのカバード・コール』KAPPA
『なぜ専門家の為替予想は外れるのか プロが教える外国為替市場の不都合な真実』富田公彦
『なぜ投資のプロはサルに負けるのか? あるいは、お金持ちになれるたったひとつのクールなやり方』藤沢数希

 つまり、こういうことだ。
 まず、スロットマシンの結果はまったくランダムなので、勝ちも負けもいつ、いかなる順序でも現れる。そのため、私たちは毎回、勝つとは思わないようになる。そして、毎回勝つと思っていなければ、ほかに起きることは負けることだけだと間違いなく分かる。
 第二に、たとえスロットマシンに組み込まれたコンピューターチップがランダムに結果を出すように設計されていると知っていても、チップにどういう力が働いて勝ち負けが決まるのかはまったく分からない。そのため、ボタンを押すかレバーを引いてマシンを動かしたあとに、どういう結果が出るかを絶えず正しく予測する合理的な方法はない。先程述べたように、結果がランダムなことははっきりしているので、結果を予測しようとするのは無意味だということはすぐ分かる。
 第三に、プレーの過程で私たちが決める必要のあることは何もない。つまり、結果に影響を及ぼすためにできることは何もない。だから、結果をコントロールすることはできない。私たちが確実に勝つ方法はないし、プレーをしないこと以外に損を止める方法は絶対にない。
 第四に、勝ち負けを支配する条件をコントロールすることはできないし、結果を予測するどんな方法もないと知っていれば、ほかの場合なら結果に対して感じる責任を感じないで済む。結果に対して責任がなければ、勝たなかったときに自分を負け犬や失敗者、あるいはどこかおかしいと考える必要はない。
 負けたときに自分を責める必要がなければ、負けた経験によって、本当に負けているとは感じない。

【『ゾーン 最終章 トレーダーで成功するためのマーク・ダグラスからの最後のアドバイス』マーク・ダグラス、ポーラ・T・ウエッブ:長尾慎太郎〈ながお・しんたろう〉監修、山口雅裕〈やまぐち・まさひろ〉訳(パンローリング、2017年)以下同】

 所謂、ランダム・ウォーク理論である。マーク・ダグラスが主張するのは、偶然がマーケットを支配するのだから徹底してトレードルールを守れということに尽きる。スロットマシンプレーヤーはまさしく偶然に賭けている。確率や統計をもってしてもスロットマシンで勝ち続けることは無理だろう。感覚的には宝籤に近い。

 上記テキストの直前にこうある。「これは人生で起きることに対する感情的な反応が、その人の見方にどれほど影響されるかの好例だ」。そしてスロットマシンプレーヤーの特長は「マイナスの感情から自由」なところにあると。

 一つ悟った。ブッダが説いた因果は我々が感じる因果とは別次元であることを。凡夫の因果を支えているのは「感情」なのだ。苦痛、恐怖、嫉妬、劣等感、怒りなどの感情は、傷ついた自我から生まれるものだ。その状態をブッダは三悪道四悪趣と説いた。例えば恋心を抱く女性に自分の想いを打ち明けたとしよう。彼女は少し沈黙した後で「あなたのことは決して嫌いじゃない。でも、できることならお友達のままでいて欲しい」と告げる。男は奈落の底に叩きつけられる。「自分には男としての魅力がない」「体よく断られただけで『嫌いじゃない』なんて言葉にしがみつくほど俺は落ちぶれていない」「『あんたなんか不特定多数の友人の一人よ』と言われたも同然だ」――背中には非モテ系男子の烙印が連打される。ま、こんな具合だろう。

 いじめられた、受験に失敗した、就職試験が不採用だった、顧客からのクレームに対応しきれなかった、結婚できなかった、離婚した、子供が真っ直ぐ育たなかった、リストラされた、などなど、不確実性を思い知らされることはしばしばある。しかしながら、「だから自分は駄目なんだ」という結論を導くのは誤っている。なぜなら本当の原因や理由を我々は知ることができないからだ。

 ところが我々は特定の結果から誘引される感情に支配されてしまう。人間関係にまつわる悩みは相手と自分の直線関係でしか問題を捉えていない。ともすると「あいつのせいで」「あいつさえいなければ」と考えがちだが、後で振り返ると自分の誤解だったということも決して少なくない。ヒトの脳には時系列で関係のない出来事を因果と結びつける癖がある(宗教の原型は確証バイアス)。

 スロットマシンをやっているうちに、私たちはある時点で次のことを受け入れる。

1.何が起きるか分からない。
2.これから起きることを知る方法はない。
3.起きることに何の影響も及ぼせない。

 これはまったく不確かでランダムだ。【まったく不確実でコントロールできないものだ。】

 全く当たり前のことだ。ところが現実は違う。なぜなら我々は予測しなければ一歩も動くことができないからだ。人間の行動は予測することで成り立っている。道を歩いていても、無意識の内に落とし穴や地雷がないことを予測している。古女房が作った味噌汁に毒が入っていないことを予測し、電車の運転士が二日酔いでないことを予測し、勤務先の高層ビルに2機の飛行機が突っ込んでこないことを予測している。

 現在に留(とど)まる修行を「止観」と訳したのはさすがである。高速回転するコマの状態だ。誰もが幸福を願う。現在が不幸ゆえに。明日なき今日を生きるのが仏道だ。必然と偶然の物語から離れて、「ただ在る」今に生きることが正しい。

 感情の本来の目的は、コミュニティを正常に維持するためのシグナルであったように思われる。

 スロットマシンプレーヤーの視点に立つのはそれほど難しいことではない。わからなければ実際にスロットマシンをやってみればいい。

2021-09-07

その食べ方、間違ってます/『その調理、9割の栄養捨ててます!』東京慈恵会医科大学附属病院栄養部監修


 ・その食べ方、間違ってます
 ・野菜の栄養素が激減している

『食は土にあり 永田農法の原点』永田照喜治


養老孟司「新型コロナウィルスとワクチンの話」


バイクを押して歩く/『健康で長生きしたけりゃ、膝は伸ばさず歩きなさい。』木寺英史


『病気の9割は歩くだけで治る! 歩行が人生を変える29の理由 簡単、無料で医者いらず』長尾和宏
『病気の9割は歩くだけで治る!PART2 体と心の病に効く最強の治療法』長尾和宏
『ウォーキングの科学 10歳若返る、本当に効果的な歩き方』能勢博
『ランニングする前に読む本 最短で結果を出す科学的トレーニング』田中宏暁
『サピエンス異変 新たな時代「人新世」の衝撃』ヴァイバー・クリガン=リード
『脚・ひれ・翼はなぜ進化したのか 生き物の「動き」と「形」の40億年』マット・ウィルキンソン
『アルツハイマー病は治る 早期から始める認知症治療』ミヒャエル・ネールス
『一流の頭脳』アンダース・ハンセン
『ウォークス 歩くことの精神史』レベッカ・ソルニット
『トレイルズ 「道」と歩くことの哲学』ロバート・ムーア
『「体幹」ウォーキング』金哲彦
『高岡英夫の歩き革命』、『高岡英夫のゆるウォーク 自然の力を呼び戻す』高岡英夫:小松美冬構成
『あらゆる不調が解決する 最高の歩き方』園原健弘
『あなたの歩き方が劇的に変わる! 驚異の大転子ウォーキング』みやすのんき
ナンバ歩きと古の歩術
『表の体育・裏の体育』甲野善紀
『「筋肉」よりも「骨」を使え!』甲野善紀、松村卓
『ナンバ走り 古武術の動きを実践する』矢野龍彦、金田伸夫、織田淳太郎
『ナンバの身体論 体が喜ぶ動きを探求する』矢野龍彦、金田伸夫、長谷川智、古谷一郎
『ナンバ式!元気生活 疲れを知らない生活術』矢野龍彦、長谷川智
『本当のナンバ 常歩(なみあし)』木寺英史

 ・バイクを押して歩く

『常歩(なみあし)式スポーツ上達法』常歩研究会編、小田伸午、木寺英史、小山田良治、河原敏男、森田英二
『スポーツ選手なら知っておきたい「からだ」のこと』小田伸午
『トップアスリートに伝授した 勝利を呼び込む身体感覚の磨きかた』小山田良治、小田伸午
『間違いだらけのウォーキング 歩き方を変えれば痛みがとれる』木寺英史
『「疲れない身体」をいっきに手に入れる本 目・耳・口・鼻の使い方を変えるだけで身体の芯から楽になる!』藤本靖

身体革命

 私は長年、スポーツ選手を中心にパフォーマンス向上のための動作改善を「歩行動作」を中心に指導してきました。また、江戸時代までの身体運動文化についても研究してきました。その指導や研究で明らかになってきたことは、現在ウォーキング教室などで指導されている「エクササイズウォーク」や「パワーウォーク」などはエネルギーのロスが大きく、特に中高年には無理がある「歩き方」だということです。これらの歩きは地面を蹴って膝などの関節を伸ばしながら歩きます。このような歩き方を「伸展(しんてん)歩き」と言います。しかし、江戸時代までの日本人が得意として歩きは、地面を蹴らずに膝を曲げて進む「屈曲(くっきょく)歩き」なのです。その「屈曲歩き」が剣術や柔術などの伝統的な動作を支えていました。

【『健康で長生きしたけりゃ、膝は伸ばさず歩きなさい。』木寺英史〈きでら・えいし〉(東邦出版、2015年)以下同】

 実は簡単なことほど難しい。健康であれば誰もが歩ける。だが、きちんと歩ける人は少ない。私が常歩(なみあし)を始めたのは5月のことである。既に3ヶ月以上経ったが、まだまだしっくりこない。膝を抜くことはできるのだが拇指球の蹴りを打ち消すのが難しい。ま、試行錯誤している間は成長の余地があるわけだから結構楽しい。

 ある日、突然思いついた。バイクを押しながら歩いてみようと。実は2年ほど前にエンジントラブルに見舞われ、数キロの距離を押して自宅まで戻ったことがあった。「あれを思えばどうってことはないな」と直ぐエンジンスイッチを切り、ギョサンで歩いた。案の定、ほぼ完璧な常歩(なみあし)だ。バイクを所有している人は直ぐ試してみるといい。もちろんリヤカーでも可能だ。我が原付バイクは80kgである。少し上り勾配があると尚更よい。拇指球に力を入れる余地はない。足裏全体を地面に押し付け、踵の摩擦力で前に出るのが一番楽だ。

「伸展歩き」では膝を伸ばして歩きます。すると、脚全体が内側に回ろうとします。さらに現代人はシューズを着用しています。すでにお話ししたように、一般的にはシューズのインソールはつま先よりかかと部が高くなっていますから、足関節(足首の関節)を伸展させます。足関節の伸展は膝関節の伸展を促しますので、脚は内側に回り、過剰回内の状態をつくり出すのです。現代人の8割以上が過剰回内であると言われています。(中略)
 外反母趾を発症している方はほぼ例外なく、過剰回内による「伸展歩き」をしています。さらに、過剰回内は下腿が内側にひねられていますから、足首や膝の障害を発症する危険性が高まります。

 伸展歩きで内旋するのは以前からわかっていた。大転子ウォーキングで気づいたことだ。足指が横一直線に並ぶような感覚があった。

 頭の中でまたまた電球が点(とも)った。時折閃きの神が舞い降りてくる。氷の上を歩くつもりで足を運ぶと脚は自然と屈曲する。早速やってみた。おお、これはいい。更に電球が明るさを増した。薄氷を踏む意識にまで高めるのだ。「俺って天才?」と心の底から思った瞬間だ。

 畳の上で生活する日本人は骨盤が後傾しやすい。年寄りの腰が曲がってくるのも骨盤の後傾から始まる。そして日本の国土は約75%が山である。普通に暮らしていれば伸展歩きになることはあり得ない。坂道の上り下りで腕を大きく振る人はいないだろう。まして昔の人々は荷物を持って移動することが多かっただろうから尚更である。

 膝を曲げた瞬間は自分自身では力を発揮している感覚がほとんどありませんが、大きな地面反力が得られます。つまり、膝の屈曲をうまく利用する「屈曲歩き」は地面を味方にした歩きなのです。

 これは言い過ぎだ。反力とはランニングで得られるものであって歩行程度であるわけがない。そもそも膝を抜くのだから反力は得られない。

2021-09-06

竹山道雄と松原久子/『日本の知恵 ヨーロッパの知恵』松原久子


竹山道雄

 ・竹山道雄と松原久子

『言挙げせよ日本 欧米追従は敗者への道』松原久子
『驕れる白人と闘うための日本近代史』松原久子

日本の近代史を学ぶ
必読書リスト その四

 ヨーロッパ人は自分たちが意識している以上に、歴史という躍動体を大切にする。相手の歴史の水準が自分たちと同じであるとわかった場合にのみ、相手をパートナーとして受け容れ、尊敬する。尊敬の念なくして本当の理解は育たない。日本人が長い長い歴史の中で何を学び、何を体験し、その結果何を大切にするようになったのか、何を侮蔑し嘲笑するのか、いかなる死生観をもち、なぜ働くのか、いかなる論法に参(ママ)り、どういう情緒に動かされ、何を美しいと感じるのだろうか、ヨーロッパ人の場合はどうだろうか。
 歴史的事実を例証として、こういった問いかけに答えていくことが日本人の急務である。経済発展により、うさんくさそうにじろじろ眺められている日本は、堂々と、そして真摯に自分の素性を語らなければならぬ。日本は数百年前にはどんな国であったのか、政治は、経済は、社会は、科学技術は、ヨーロッパと比べてどういう水準にあったのか。どこから現在が出てきたのか、よそから学んだ面があるとして、学ぶことのできた素地は日本人の過去の知恵にあったことを、例証しなければならない。

【『日本の知恵 ヨーロッパの知恵』松原久子〈まつばら・ひさこ〉(三笠書房、1985年/知的生きかた文庫、1986年)】

 近代を巡る日本と西洋の比較文明論は竹山道雄と松原久子が頂点を成す。特にキリスト教に関する造詣の深さが一線を画している。この二人の衣鉢(いはつ)を継ぐ者がまだ見当たらないのが残念だ。竹山・松原の著作は小中高等学校の副読本にすべきである。

 松原久子の文章に一貫して硬質な気勢があるのは、彼女が実際にドイツの地で激しい有色人種差別感情にさらされているためだ。実際に鉄道駅で見知らぬ女性から平手打ちをされたこともある。かようにヨーロッパ人の自我は差別意識で支えられている。有色人種を下に見なければ自我を支えることができないのだろう。その戦闘性こそが欧州発展の原動力であった。

 ヨーロッパ人が歴史を重んじるのは「近代を開いた」自負があるためか。中世・古代となれば我々日本人に分(ぶ)がある。日本が鎖国を成し得たのは世界最大の武力を有していたからだ(『戦国日本と大航海時代 秀吉・家康・政宗の外交戦略』平川新)。欧州が中国に魔の手を伸ばす様を見て、日本国内では攘夷の風が吹き荒れた。徳川260年は軍事大国から極東の小国へと転落する平和な期間であった。

 少し古い本である。1990年代まではインターネット以前の時代と考えてよい。当時のドイツやアメリカで暮らす者ならではの焦燥もあったことだろう。アメリカが世界から一歩退いた今、日本は我が道を歩むべきだと私は思う。親米が有利に働く時代は終焉を迎えつつある。まずはアメリカ以外の国々との安全保障を探るべきだろう。

「正しい分析」が身を滅ぼす/『ゾーン 最終章 トレーダーで成功するためのマーク・ダグラスからの最後のアドバイス』マーク・ダグラス、ポーラ・T・ウエッブ


『マーケットの魔術師 米トップトレーダーが語る成功の秘訣』ジャック・D・シュワッガー
『実践 生き残りのディーリング 変わりゆく市場に適応するための100のアプローチ』矢口新
『先物市場のテクニカル分析』ジョン・J・マーフィー
『一目均衡表の研究』佐々木英信
『デイトレード マーケットで勝ち続けるための発想術』オリバー・ベレス、グレッグ・カプラ

 ・「正しい分析」が身を滅ぼす
 ・スロットマシンプレーヤーの視点
 ・新しい信念と古い信念が拮抗する

『規律とトレーダー 相場心理分析入門』マーク・ダグラス
『ゾーン 「勝つ」相場心理学入門』マーク・ダグラス
『伝説のトレーダー集団 タートル流投資の魔術』カーティス・フェイス
『ワイルダーのアダムセオリー 未来の値動きがわかる究極の再帰理論』J・ウエルズ・ワイルダー・ジュニア
『フルタイムトレーダー完全マニュアル』ジョン・F・カーター
『タープ博士のトレード学校 ポジションサイジング入門 スーパートレーダーになるための自己改造計画』バン・K・タープ
『週末投資家のためのカバード・コール』KAPPA
『なぜ専門家の為替予想は外れるのか プロが教える外国為替市場の不都合な真実』富田公彦
『なぜ投資のプロはサルに負けるのか? あるいは、お金持ちになれるたったひとつのクールなやり方』藤沢数希

 分析によって生じかねない誤った安心感は幻想だ。自分自身の考え以外にその安心感の裏付けになるものはないからだ。リスクが消え去ったように見えるのは、それが本当だからではなく、本当だと自分が信じているからだ。本当に分かっているのは、売買注文はあらゆる市場参加者からどの瞬間にも取引所に入ってくる可能性があるということだ。それらの注文理由はあらゆることが考えられるし、注文数も実質的に制限はない。だから、ほかのトレーダーがどんな理由で何をするか「分かる」と信じていても、それは自分の頭で「ひねり出した」ものだ。なぜなら、それが本当だと証明できるどんな情報も入手できないからだ。
 混乱している人がいるといけないので、はっきりさせておきたい。勝ったときに、ほかのトレーダーたちが価格を自分の有利な方向に動かした理由の分析が正しいこともあり得る、という考えが幻想だと言いたいのではない。そうした分析が正しいか、正しかったと「分かる」という考えから幻想が生じる、と言いたいのだ。一見すると、これはわずかな違いに思われるかもしれない。しかし、リスクをどう認識して、それについて何をして何をしないかを決めるときに、「明確な分かる」と「ひょっとするとあり得る」とでは、天と地ほどの違いが出る。着実な成果を上げるという観点からこの違いを見れば、トレードにおける誤りとみなされる行為はいずれも、「分析に対する幻想」から生じるのだ。
 つまり、予測が正しい理由を適切に分析していると信じているから、自分が勝つのが分かると思うようになるのだ。私たちが犯しやすいあらゆる誤りを考えると、分析をしたから「自分には分かる」という考えでトレードに取り組めば、たとえ分析が結果的に当たっても、保証されるのは着実な成果が得られないということだけだ。

【『ゾーン 最終章 トレーダーで成功するためのマーク・ダグラスからの最後のアドバイス』マーク・ダグラス、ポーラ・T・ウエッブ:長尾慎太郎〈ながお・しんたろう〉監修、山口雅裕〈やまぐち・まさひろ〉訳(パンローリング、2017年)以下同】

 仏教では将来という言葉を使わない。必ず未来とする(『仏教と精神分析』三枝充悳、岸田秀)。「将(まさ)に来(きた)る」は予測をはらんでいる。「未(いま)だ来らず」はランダム・ウォーク理論である。その意味から申せば「外典に曰く未萠(みぼう=未来)をしるを聖人(しょうにん)という内典(仏典)に云く三世(さんぜ)を知るを聖人という」と解釈した日蓮は誤っている。過去~現在~未来(三世)と因果関係を辿るのは科学である。

 本書はゾーン三部作の最終章となっているが、その内容からすれば最初に読むべきである。マーク・ダグラスの遺稿と夫人の共著であるが前二作が理解できない読者を想定している。

「わかった」と思い込めば不可知の可能性は消える。物理の世界はニュートン力学~相対性理論~量子力学と視野を拡大してきたが、現在に至ってもまだ全てを説明できるわけではない。量子論においては素粒子の存在すら確率として示される。その上、素粒子は粒でもあり波でもあるというのだから我々が認識する「ある」が大きく揺らぐ。五蘊仮和合(ごうんけわごう)の「仮」の字を思うのは私だけではあるまい。

 人間は不完全な情報システムである(『なぜ、脳は神を創ったのか?』苫米地英人)。複雑系科学やビッグデータは直線的な因果関係を超越した。

 そもそも、「わかる」とは「分ける」ことである(坂本賢三)。我々が知り得るのは部分情報に過ぎない。そして部分をいくら集めたところで創発を見出すことは困難だ。

「分析をしたので、自分は正しい」という考えを持ちつつ動くことのマイナス面は何か

 第一に、ドローダウン(資産の最大下落)が破滅的なほど大きくなりやすい。(中略)
 第二に、分析に幻想を抱きながらトレードすると、リスクを認識しないというトレードの典型的な誤りを犯しているときでも、それに気づかない。(中略)
 第三に、個々のトレードで正しくあろうとして分析をしていれば、間違いなく分析の堂々巡りに陥る。

「正しい分析」が身を滅ぼすのだ。投機の機とは確率の異名だ。飽くまでも確率の優位性に注目すべきである。分析に固執すれば損切りできなくなる。なぜなら「相場の動きが誤っている」との結論を導き出すからだ。

 マーク・ダグラスが説くのはまさしく「無知の知」である。しつこいほど同じことを繰り返し、言葉を変えて読者に訴えているのは、最初の思い込みを外すことの難しさを示している。

2021-09-04

ロボットは「自動的に動く」存在から「自律的に動く」存在へ/『AIは人類を駆逐するのか? 自律(オートノミー)世界の到来』太田裕朗


『人類が知っていることすべての短い歴史』ビル・ブライソン
『神々の沈黙 意識の誕生と文明の興亡』ジュリアン・ジェインズ
『ユーザーイリュージョン 意識という幻想』トール・ノーレットランダーシュ
『動物感覚 アニマル・マインドを読み解く』テンプル・グランディン、キャサリン・ジョンソン
・『人間原理の宇宙論 人間は宇宙の中心か』松田卓也
全地球史アトラス
『ポスト・ヒューマン誕生 コンピュータが人類の知性を超えるとき』レイ・カーツワイル

 ・ロボットは「自動的に動く」存在から「自律的に動く」存在へ

『トランセンデンス』ウォーリー・フィスター監督
『LUCY/ルーシー』リュック・ベッソン監督、脚本
『Beyond Human 超人類の時代へ 今、医療テクノロジーの最先端で』イブ・ヘロルド
『〈インターネット〉の次に来るもの 未来を決める12の法則』ケヴィン・ケリー
・『養老孟司の人間科学講義』養老孟司
『隠れた脳 好み、道徳、市場、集団を操る無意識の科学』シャンカール・ヴェダンタム
『サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福』ユヴァル・ノア・ハラリ
『ホモ・デウス テクノロジーとサピエンスの未来』ユヴァル・ノア・ハラリ
『文明が不幸をもたらす 病んだ社会の起源』クリストファー・ライアン
『われわれは仮想世界を生きている AI社会のその先の未来を描く「シミュレーション仮説」』リズワン・バーク

情報とアルゴリズム

「ロボットによって暮らしが便利になるなら、とにかくいいことなのでは?」
 そう思う方もいるかもしれませんが、事はそう単純ではありません。なぜなら、これからのAIが搭載されたロボットは、「自動的に動く」存在から「自律的に動く」存在へと、さらに劇的に転換していくからです。(中略)
 ロボットが自律的に動くとは、それが自律性(オートノミー:autonomy)を獲得していることを意味します。自律とは「自らを律する」と字のとおり、他の支配を受けず、自分が持つ規律に従って行動を設計し、実行することです。

 自分の行動を選択するとき、人間なら身体的な感覚や感情、さらには道徳や倫理まで動員して、意思決定を行います。「私は~したい」「~すべきだ」「~すべきではない」という内発的な決断を通して、行動に移ります。
 人間には、長い進化の歩みの中で獲得された生存意欲があります。本能と呼ばれるものです。人間のあらゆる意思決定の根底には、それが生存にどう寄与するかということに翻訳され、ある意味でスコア化されたものがあるのです。
 では、ロボットはどうなのか。生きた肉体を持たないロボットが、生存価値を最上位とする本能を自分の力で身に付けることはありません。何が価値あるものなのか、その根本を自分でゼロから探し出すことはできないのです。しかし、ロボットに行動の選択をさせるためには、価値判定のための何らかのルールが必要です。結局それは、人間が授けるものになるでしょう。

【『AIは人類を駆逐するのか? 自律(オートノミー)世界の到来』太田裕朗〈おおた・ひろあき〉(幻冬舎、2020年)】

「自律的に動くロボット」とは我々のことではないだろうか? 競争というルールの下(もと)で勝ち上がった者が選良(エリート)のメダルを手に入れる。資本主義社会で行われるのはマネー獲得ゲームである(「我々は意識を持つ自動人形である」)。

 テクノロジー進化の速度がシンギュラリティ(特異点)を超える時、自律型ロボットはロボット同士で通信を始め、ロボット集合体が超個体と化す。ヒトは農業や都市化において超個体性を発揮するが、残念ながら最大限に発揮されるのは戦争である。つまり人類は永続性のある超個体にまでは進化できていない。まだまだシロアリやハキリアリにも劣る存在だ。

 ロボットとヒトの上下関係を決定するのは超個体性である。ロボットが人間以上の想像力を発揮してロボットを作ることができれば、人類が必要とされるのは奴隷労働しかなくなるかもしれない。我々がかつてロボットに行わせていたことを、今度は我々がやる羽目になるのだ。

 感情の意味は共感するところにあり、超個体性へと誘(いざな)う目的があったと思われる。神話や宗教が説くのは正しい感情の方向性なのだろう。産業革命を通して人々の仕事が農業から工業へと移り変わると、コミュニティは村(地域)から会社へと変化した。近代化の意味はこの辺りから探るのが適切だろう。

 コーポレーションは現代の超個体と言い得るが、さほど永続性がない。更に役割分担(人事や分業)がデタラメで有用な超個体性を発揮しているとは思えない。軍事ほどの計画性を欠いており、死の覚悟はどこにも見当たらない。その意味からいえば宗教の方が成功しているように見える。殉教という一点において。しかも信者は喜んで税金を支払う。

 人類は感情の意味を問い直す時期を迎えつつある。マスメディアから流れてくる情報を一瞥しても感情の有益よりも害悪を思わせるものが圧倒的に多い。そして業(ごう)を形成するのもまた感情なのだ。バイアスが世界を歪める。晴朗かつ豊かな感情で人類が結びつかない限り、ロボットの未来が待ち受けている。

2021-09-01

皇室制度を潰す「女系天皇」/『愛国左派宣言』森口朗


『「悪魔祓い」の戦後史 進歩的文化人の言論と責任』稲垣武
『こんな日本に誰がした 戦後民主主義の代表者・大江健三郎への告発状』谷沢永一
『悪魔の思想 「進歩的文化人」という名の国賊12人』谷沢永一
『誰が国賊か 今、「エリートの罪」を裁くとき』谷沢永一、渡部昇一
『いま沖縄で起きている大変なこと 中国による「沖縄のクリミア化」が始まる』惠隆之介
『北海道が危ない!』砂澤陣
『これでも公共放送かNHK! 君たちに受信料徴収の資格などない』小山和伸
『ちょっと待て!!自治基本条例 まだまだ危険、よく考えよう』村田春樹
『自治労の正体』森口朗
『戦後教育で失われたもの』森口朗
『日教組』森口朗
『左翼老人』森口朗
・『売国保守』森口朗

 ・社会主義国の宣伝要員となった進歩的文化人
 ・陰謀説と陰謀論の違い
 ・満州事変を「関東軍による陰謀」と洗脳する歴史教育
 ・関東軍「陰謀論」こそウソ
 ・新型コロナウイルス陰謀説
 ・皇室制度を潰す「女系天皇」

『世界史で読み解く「天皇ブランド」』宇山卓栄
『〔復刻版〕初等科國史』文部省
『知ってはいけない 金持ち悪の法則』大村大次郎

必読書リスト その四

(2)女系天皇を認めようとする政治家は皇室制度を潰す「陰謀」を企んでいる

 ご存知のように日本の皇室制度は世界に冠たる制度です。18世紀にヨーロッパで王室を守ろうとした人々が「右」、潰そうとした人々を「左」と言い出したのが、政治的「右」「左」の最初だと第1章で説明しましたが、これを21世紀の皇室制度にスライドさせると、建前では共産党以外、全て「右」ですが、「女系天皇」なるものを造ろうとしている政治家の本当の思想は全員「左」です。何故なら、皇室制度は、ヨーロッパ王室制度と異なり延々と続く男系であり、それが途絶えた時は皇室制度の終わる時だからです。
「女系天皇」なるものを造ろうとする人達は「陰謀」を企んでいると考える根拠は、次のとおりです。

・世界一長い伝統のある日本の皇室制度を妬(ねた)む外国人は多い。とりわけウソの歴史教育によって国民に反日感情をもたせ、それを権力の正当化に利用している中国共産党や北朝鮮の金一族、韓国にとって、日本の皇室制度はいち早く潰したい制度である。
・しかし、間接デモクラシーを採用する日本において、親中派や、親北朝鮮派、親韓国派が「皇室制度を潰す」と主張して国会議員に当選するのは共産党を除きほとんど不可能である。社会主義が妄想だとバレる以前には、立憲民主党の辻元清美議員は憲法を改正して皇室制度を潰せと大声で主張していたが、今ではその姿勢を隠している。
・皇室を潰す「陰謀」は、憲法改正よりも「女系天皇」なるものを創る手法の方が、成功しやすい。
・「女系天皇」に良いイメージを抱かせるために、まだお若くて今のところ彼氏がいない愛子内親王の人格を利用し「女系天皇」の現実に目を向けないように国民を騙している。
・「女系天皇」なるものができた時、最もそれに近いのは婚姻問題が生じている真子内親王と小室圭氏の子が天皇になることだ。お二人に子供ができて、天皇が「今上天皇陛下」⇒「秋篠宮」⇒「(女性天皇としての)真子内親王」⇒「(女系天皇なる)小室圭氏の子」と続く可能性が一番高い。
・小室圭氏の子供が天皇になりかねないのが「女系天皇」制度だと、多くの国民が気付けば、それだけで目が覚めて「陰謀」を見抜くが、これを推進する人達は「ヨーロッパの王室が見本だ」と言って国民を騙している。
・ヨーロッパを見本とする「女系天皇」なるものが実現すると、「小室圭氏の子」の比ではない「国民が嫌がりそうな人物」が「天皇」になれる。具体的には、内親王を口説くことに成功した中国人や韓国人、北朝鮮人、在日コリアンなど、外国人の子供である。ヨーロッパの王室では、父の国籍は問題にならず、英語を話せない人が英国王になった歴史まである。それゆえ「女系天皇」に成功すれば、皇室廃止は容易に実現できるだろう。
・男系が続いているので日本の皇室制度は、外国人から見ると「同じ王朝が続いている」と見えるが、「女系天皇」なるものが誕生すると、外国人、特に欧米人からは「王朝が変わった」と映る(戦争もしないのにヨーロッパで王朝が代わるのは女系に移る時です)。
・それゆえ、「女系天皇」に成功したら、皇室制度を廃止できなくても「世界一長い伝統のある王朝の国=日本」という外国人からの羨ましさは消える。
・日本に「女系天皇」なるモノが誕生したら、メンタル面で「巨万の富」を獲得できる国や人は世界中に存在する。

 いかがでしょう。「女系天皇」なるモノは、中国共産党、北朝鮮、韓国はもちろん、世界一長い伝統のある王朝という地位を狙っているヨーロッパ諸国の「陰謀」であり、それを推進する者達のバックにそれらの国がいる可能性も高いと思いませんか。
 新型コロナの「陰謀」が成功した2020年に、それまで愛国者ぶっていた河野太郎氏が急に「女系天皇」の話をしだしたのも、有力な状況証拠だと考えます。

【『愛国左派宣言』森口朗〈もりぐち・あきら〉(青林堂、2021年)】

 万世一系を苦々しく思っている連中は予想以上に多い。女性週刊誌の皇室スキャンダルネタはCIAが流しているという噂があるほどだ。

 先程、真子内親王の年内結婚が報じられた。皇統は日本の魂であり、アイデンティティの根幹を成すものだ。歴史的経緯からいえば天皇が先にあり、日本国の成立は後のことである。民族は血と文化から成る。例外は宗教で結びつくユダヤ人だけだ。もちろん意図的に差異を強調する必要はない。もともと我々の先祖は猿なのだから、それを思えば遺伝子の違いなどあってないようなものだ。

 問題は反日を標榜しない反日勢力が多いことで、中・韓・朝の浸透工作は政官報に及び、学術・法曹・教育は完全に牛耳られた感がある。

 現在の日本において左翼と目されるのは親中・親韓・新北朝鮮派である。その意味において与党である公明党は完全な左翼といってよい。また自民党に巣食う仮面保守を一掃する必要がある。小沢一郎を始めとする旧田中派は小泉政権で自民党を追われたが、中韓の利権を貪る自民党代議士は健在だ。

 天皇陛下の存在が世界の重石(おもし)となっている事実を日本人は知らねばならない。ローマ教皇とイギリス王室が頭を下げるのは天皇陛下だけだろう。皇統が正しく維持される限り、日本は不滅だ。

2021-08-31

レシピ > 炊き込みご飯


レシピ > 炊き込みご飯

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イタリア風エッグチーズ炊き込みご飯

鶏肉で超簡単炊き込みご飯

お餅をいれて炊き込みご飯

新型コロナウイルス陰謀説/『愛国左派宣言』森口朗


『「悪魔祓い」の戦後史 進歩的文化人の言論と責任』稲垣武
『こんな日本に誰がした 戦後民主主義の代表者・大江健三郎への告発状』谷沢永一
『悪魔の思想 「進歩的文化人」という名の国賊12人』谷沢永一
『誰が国賊か 今、「エリートの罪」を裁くとき』谷沢永一、渡部昇一
『いま沖縄で起きている大変なこと 中国による「沖縄のクリミア化」が始まる』惠隆之介
『北海道が危ない!』砂澤陣
『これでも公共放送かNHK! 君たちに受信料徴収の資格などない』小山和伸
『ちょっと待て!!自治基本条例 まだまだ危険、よく考えよう』村田春樹
『自治労の正体』森口朗
『戦後教育で失われたもの』森口朗
『日教組』森口朗
『左翼老人』森口朗
・『売国保守』森口朗

 ・社会主義国の宣伝要員となった進歩的文化人
 ・陰謀説と陰謀論の違い
 ・満州事変を「関東軍による陰謀」と洗脳する歴史教育
 ・関東軍「陰謀論」こそウソ
 ・新型コロナウイルス陰謀説
 ・皇室制度を潰す「女系天皇」

『知ってはいけない 金持ち悪の法則』大村大次郎

必読書リスト その四

正しい可能性の高い「陰謀説」

 戦前の日本軍だけが「陰謀」をした、と信じる人はその見識に問題がある方達です。では、何故、満州事変は関東軍の陰謀だったという「ウソ」がまかり通っているのでしょう。それは、第二次世界大戦の戦勝国にも、戦後に誕生した独裁国家を牛耳る中国共産党にも、日本の左翼にも都合が良いからです。そして昭和時代の日本人はそんなウソを信じるほど「お人よし」だったからです。
 その「お人よし」達が、今度は「陰謀論」という名で、世の名の「陰謀」を全て隠そうとする人達の発言を信じようとしている。私は、これは「あってはならない」事態だと考えます。世の中で大きな事件が起き、大多数の人々が悲惨な目にあった時には、必ず、それによって「巨大な富」を獲得した者はいないか?を考えて欲しいのです。
 事実不明の「陰謀」を真実として学校教育に取り入れて良いのであれば、児童・生徒に教えて欲しいことは山のようにあります。そのいくつかの「陰謀」を挙げてみましょう。

(1)新型コロナの流行は中国共産党による「陰謀」だった

 まずは2020年から流行りだした新型コロナです。これは陰謀です。その証拠は沢山あります。

・風邪やインフルエンザなどの病気は症状が出て初めて検査しますが、新型コロナは症状のない人にもPCR検査を実施している。
・PCR法を開発した功績で1993年にノーベル化学賞を受賞したアメリカの生化学者キャリー・マリス氏は、新型コロナ騒動が起きる直前の2019年8月7日に死亡した。
・PCR検査は新型コロナのRNAを何倍にも増やしてウイルスの有無を見る検査だ。2の何乗というかたちでRNAが増えていくので増やし過ぎると感染していない人も陽性になる。
・それゆえ増幅回数は、当初、37回未満と決まっていたが、それを守っているのは台湾の36回だけで、各国は37回以上増幅させている。ちなみに50回増幅させると36回増幅の1万6384倍もRNAが増えるので、大勢の「陰性」の人が「陽性」扱いされ、その上で「患者」扱いまでされているのが今の日本だ。
・一度感染すると、当分の間、ウイルスの死骸(感染力をなくしたウイルス)のカスが感染した人の体に残るため、日本で行っている増幅回数過剰のPCR検査だと長い間「陽性」になるため、多くの場合1カ月以上「病人」のままとなった(この点は、今は改善され、早く退院できるようになった)。
・緊急事態宣言を推進した尾身茂氏は「症状のない人も人に感染させる」と主張していたが、彼の主張には元々科学的根拠がなかったうえに、最近、それに反する科学データが出てきている。
・PCR検査の原価は3500円くらいだが、日本では1万5000円の検査費用を取れると決まったので当初は公的機関が検査していたが、今では民間企業が参入して大儲けしている。
・ここまでの事実を丁寧に説明したアメリカ「ウィスコンシン医科大」名誉教授の高橋徳氏の映像が最初、You Tubeで流れていたが削除された。
・2020年のGDPは新型コロナによってほとんどの国でマイナス成長だったが、世界にコロナをバラまいた中華人民共和国だけはプラス成長だった。
・日本で真っ先に、自治体レベルの「非常事態宣言」を発したのは、夕張市長時代に中国企業に公共施設を安売りした親中派の鈴木北海道知事だった。
・それを見て首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)知事をまとめて、安倍政権に「国として非常事態宣言を出す」よに要望したのは、これまた親中派の小池都知事だった。
・小池知事は神奈川県黒岩知事から依頼があったというウソをついてまで、首都圏の非常事態宣言を延長させ日本経済の足を引っ張った。
・新型コロナで陽性になった人が亡くなった場合は全員が「新型コロナによる死亡」とカウントされるが、インフルエンザの場合はインフルエンザだけが原因でなくなった場合のみ「インフルエンザによる死亡」とされ、持病が悪化して死んだ場合は死因にカウントしない。
・インフルエンザを新型コロナと同じカウント方法にすると年間1万人の死因が「インフルエンザ」になると推定される。
・新型コロナは味が分からなくなるといった後遺症が大げさに宣伝されているが、インフルエンザの後遺症には脳炎があり、それにより認知症になった子供が毎年発生している。
・インフルエンザで死亡する人はあらゆる年齢層にいるが、新型コロナで死ぬ人はほとんどが高齢者で死亡者の平均年齢は日本人の寿命と数歳しか変わらない。
・中華人民共和国を支配する中国共産党、PCR検査実施企業、ワクチンを開発した欧米企業など、新型コロナが必要以上に騒がれたことで「巨大な富」を獲得した人達が存在する。

 いかがでしょう。これでも「新型コロナの流行」や「新型コロナで大騒ぎ」は「陰謀」というのを全否定するのでしょうか。少なくとも、満州事変が関東軍の陰謀だった可能性よりは、こちらの可能性の方が高いとするのが妥当ではないでしょうか。

【『愛国左派宣言』森口朗〈もりぐち・あきら〉(青林堂、2021年)】

 You Tubeで削除されまくっている高橋徳医師の動画を見つけた。


 マスメディアが公正な情報を流さず、GAFAMが一方的な規制(ワクチンに対する警鐘は削除対象となる)を強いるところを見ると、明らかに民主政を阻む動きと考えてよい。「お前たちはものを考える必要はない」と言われたも同然だ。新型コロナウイルスの危険を煽り、ワクチン接種へ誘導する情報操作が行われている。その有り様は「必死だな」の一言に尽きる。海外では職種によっては接種を義務づけるようにまでなってしまった。

 日本医師会は当初「マスクは有効ではない」としていたが、いつの間にかマスクを奨励するようになった。外出規制は人々の自由を損なう最たるもので、これに唯々諾々と従うのは世界広しといえども日本くらいだろう。私は「21世紀の空襲警報」だと思う。緩やかな防空壕生活を強いられているわけだから。

 国家は国民に命令を下す時、最も生き生きと振る舞う。そして国家は強権を発揮する中で必ず判断を誤る。

 9.11テロはパックス・アメリカーナの終焉を告げた。新型コロナウイルスは中国の台頭を許す可能性がある。親中派の政治家がこれほどのさばっているのがその証拠である。「衆院選は10月17日投開票で調整」と報じられたが、自民党内の混迷ぶりを見ていると、またしても小池百合子が旋風を巻き起こすのではないか。

スリの名人が教える注意をそらすテクニック


 オチが見事。

関東軍「陰謀論」こそウソ/『愛国左派宣言』森口朗


『「悪魔祓い」の戦後史 進歩的文化人の言論と責任』稲垣武
『こんな日本に誰がした 戦後民主主義の代表者・大江健三郎への告発状』谷沢永一
『悪魔の思想 「進歩的文化人」という名の国賊12人』谷沢永一
『誰が国賊か 今、「エリートの罪」を裁くとき』谷沢永一、渡部昇一
『いま沖縄で起きている大変なこと 中国による「沖縄のクリミア化」が始まる』惠隆之介
『北海道が危ない!』砂澤陣
『これでも公共放送かNHK! 君たちに受信料徴収の資格などない』小山和伸
『ちょっと待て!!自治基本条例 まだまだ危険、よく考えよう』村田春樹
『自治労の正体』森口朗
『戦後教育で失われたもの』森口朗
『日教組』森口朗
『左翼老人』森口朗
・『売国保守』森口朗

 ・社会主義国の宣伝要員となった進歩的文化人
 ・陰謀説と陰謀論の違い
 ・満州事変を「関東軍による陰謀」と洗脳する歴史教育
 ・関東軍「陰謀論」こそウソ
 ・新型コロナウイルス陰謀説
 ・皇室制度を潰す「女系天皇」

『知ってはいけない 金持ち悪の法則』大村大次郎

必読書リスト その四

 では、「柳条湖事件」が関東軍の陰謀だったという「陰謀論」の方は、なぜ、学校教育に定着したのでしょう。当時の国際連盟がそのように判断した訳ではありません。むしろ国際連盟から派遣されたリットン調査団は、当時の満州の発展は中華民国ではなく日本の努力によるものだと認め、柳条湖事件が起きた夜の日本側の軍事行動は正当防衛とまでは認め得なかったけれども、将校達が自衛のために考え行動した(つまり誤想防衛をした)のは仕方がないとしたのです。その上で、日本の主張を一部認め、日本軍に今後の満州における匪賊(ひぞく)の討伐権を認めました。
 日本は第二次世界大戦に負けたのですから「関東軍が全面的に正しかった」と教えることは難しいでしょう。でも、せめて国際連盟から派遣されたリットン調査団の調査内容が正しい、つまり「柳条湖事件の真相は不明だが、当時の関東軍は正当防衛と考えて軍事行動を起こした」と教えるのが、正しい歴史教育のはずです。
 ところが、学校で「関東軍の陰謀により満州事変は起こった」と教え、大学でもマスコミでもあらゆるところで、それを前提にして議論しているのです。その根拠は、たった一人、花谷正(はなやただし)が戦後に語った、いかがわしい発言だけです。
 花谷が言うには、昭和6(1931)年に関東軍高級参謀(大佐)板垣征四郎と関東軍作戦参謀(中佐)石原莞爾(いしは〈ママ〉らかんじ)と、少佐だった花谷が中心となって、この陰謀を実行したそうです。全く信用できません。何故なら、板垣征四郎と石原莞爾は極めて有能で、現役時代から「陸軍の巨星」とまで呼ばれた二人でした。これに対して花谷正は、多くの作戦に失敗し部下の命を失わせたことで、また人格面においても問題の多い人物でした。彼が死んだ時には、盛大な葬儀が営まれましたが、部下は誰一人会葬(かいそう)しませんでした。
 そんな男が、両雄である板垣征四郎(昭和23(1948)年12月23日、死刑執行)も石原莞爾(昭和24(1949)年8月15日に病死)も亡くなった後の昭和30(1955)年に『満州事変はこうして計画された』(「別冊知性」昭和30年12月号 河出書房)において秦郁彦氏の取材に答える形で、「あの2人と自分が中心になって、柳条湖事件を起こしました」と発言しただけなのです。彼は、さらに関東軍司令官本庄繁中将(昭和20(1945)年11月19日GHQから戦犯に指名され翌日自決)、朝鮮軍司令官林銑十郎中将(昭和18(1943)年2月4日病死)、参謀本部第1部長建川美次(たてかわよしつぐ)少将(昭和20(1945)年9月9日死去)が、この謀略に賛同していたと言いふらしているようですが、この方々も全員が1955年までには亡くなっていました。
 花谷が「謀略に賛同した」幹部の1人と指名した中で1955年段階で唯一生き残っていたのは橋本欣五郎(当時、参謀本部ロシア班長で中佐)でした。彼は、昭和31(1956)年の第4回参議院議員通常選挙全国区に無所属で立候補し落選しているのですから、彼が「花谷の言うとおり」と発言していない限り、花谷の発言は、自分を大物に見せたいだけの「ウソ」と判断すべきでしょう。もちろん、橋本から「花谷の発言は正しい」といった発言はありません。
 常識で考えれば、花谷の証言こそが「ウソ」なのですが、昭和時代は戦前の日本を悪者にして自分だけが「いい人」ぶる行為が流行っていました。保守言論では「従軍慰安婦」なるものを創った吉田清治が有名ですが、花谷の発言こそ最大のウソではないでしょうか。

【『愛国左派宣言』森口朗〈もりぐち・あきら〉(青林堂、2021年)】

 驚愕の事実である。腰を抜かす人がいてもおかしくないほどだ。あまりにも驚いてしまったので少し調べた。どうやら工藤美代子著『絢爛たる醜聞 岸信介伝』(『絢爛たる悪運 岸信介伝』改題文庫化)に書かれている内容のようだ。同書には「(※板垣、石原の)両者ともその事実を否定したまま故人となった」との記述がある。

 著者が言いたいことは、教科書で教える歴史は事実に基づくべきであり、日本の戦争だけを詳細に取り上げて、わざわざ舞台裏まで記述し、意図的に自国を貶めることに何の意味があるのか? ということだ。「昨今の陰謀論を嘲笑う風潮」に対する批判という文脈の中で書かれているテキストであることを失念してはなるまい。

 つくづく人の脳が物語に支配されやすい事実を思い知らされた。明らかな因果関係を示されると脳は「疑う」ことを忘れる。おばあさんが川で洗濯をしていると、どんぶらこどんぶらこと桃が流れてくることになっている。いじめられている亀は助けなければならないし、わらしべは取り敢えず大事にしておく。神話、昔話、宗教はその物語性によって社会を維持する装置である。

 自虐史観という言葉は既に手垢まみれとなっているが、日本を貶める左翼の行状(ぎょうじょう)を詳(つまび)らかにして、その罪状を一々論(あげつら)うことなくして、正常な歴史を知ることはないだろう。

2021-08-30

満州事変を「関東軍による陰謀」と洗脳する歴史教育/『愛国左派宣言』森口朗


『「悪魔祓い」の戦後史 進歩的文化人の言論と責任』稲垣武
『こんな日本に誰がした 戦後民主主義の代表者・大江健三郎への告発状』谷沢永一
『悪魔の思想 「進歩的文化人」という名の国賊12人』谷沢永一
『誰が国賊か 今、「エリートの罪」を裁くとき』谷沢永一、渡部昇一
『いま沖縄で起きている大変なこと 中国による「沖縄のクリミア化」が始まる』惠隆之介
『北海道が危ない!』砂澤陣
『これでも公共放送かNHK! 君たちに受信料徴収の資格などない』小山和伸
『ちょっと待て!!自治基本条例 まだまだ危険、よく考えよう』村田春樹
『自治労の正体』森口朗
『戦後教育で失われたもの』森口朗
『日教組』森口朗
『左翼老人』森口朗
・『売国保守』森口朗

 ・社会主義国の宣伝要員となった進歩的文化人
 ・陰謀説と陰謀論の違い
 ・満州事変を「関東軍による陰謀」と洗脳する歴史教育
 ・関東軍「陰謀論」こそウソ
 ・新型コロナウイルス陰謀説
 ・皇室制度を潰す「女系天皇」

『知ってはいけない 金持ち悪の法則』大村大次郎

必読書リスト その四

 多くの日本人は、歴史教育において「満州事変は、昭和6(1931)年9月18日に関東軍(日本陸軍の一つ)が、満州の奉天(現在の中国東北部瀋陽市)近郊の柳条湖付近で、南満州鉄道の線路を爆破して、それを中国軍による犯行と発表して軍事展開の口実にした」と習い、これを信じています。
 それが事実ならば、「柳条湖事件」と呼ばれるこの事件はどう考えても関東軍の「陰謀」です。そう、私達は戦前の日本軍が「陰謀」によって日中の軍事衝突を起こしたと学校で習っているのです。
 この怪しげな歴史教育を受け入れている癖(くせ)に、「真実が解明されていない事項を、関東軍の『陰謀』だったと教えるな」と反対しない癖に、世界中から陰謀がないと主張する人間、「これは○○の陰謀ではないか」と言う人に「それは陰謀論だ」と全否定する人。それが最近増えだした大バカ者達なのです。
 鶴見俊輔という左翼言論人は、「柳条湖事件は関東軍の陰謀だった」という怪しい主張に加えて、ここをスタートとして第二次世界大戦に「15年戦争」という名前まで付けました。これを信じると第二次世界大戦そのものが関東軍の陰謀により始まったことになります。共産党系歴史学者達は、喜んでこれに賛同し、一時期、共産党系教員が中心となり学校教育に取り入れようという動きがありました。
 実際には「柳条湖事件」がきっかけで始まった満州事変の紛争は、長く続いた訳ではありませんし、「柳条湖事件」が起きた原因やその後どうするかについて国際連盟は、リットン調査団を送っています。つまり、次の日中戦争開始までの一時的な平和があったのです。「柳条湖事件」以降、日本と中華民国は延々と戦争をしていた訳ではありません。さすがに「15年戦争」という妄想は、共産党系の大学教授達にしか受け入れられませんでした。国民を騙そうとするにしてはウソのレベルが低すぎたのでしょう。

【『愛国左派宣言』森口朗〈もりぐち・あきら〉(青林堂、2021年)】

日本罪悪論の海外宣伝マン・鶴見俊輔への告発状  「ソ連はすべて善、日本はすべて悪」の扇動者(デマゴーグ)/『悪魔の思想 「進歩的文化人」という名の国賊12人』谷沢永一

 陰謀論を批判するために、やや牽強付会な言い草となっている。

 昭和3年(1928年)には張作霖爆殺事件が起こっている。田中義一首相のあやふやな態度が昭和天皇の怒りを買い、翌年7月に内閣総辞職となった。驚くべきことに2000年代に入り、「張作霖爆殺事件ソ連特務機関犯行説」がロシアから登場した。

 張作霖爆殺事件では関東軍が犯人は蔣介石軍の便衣隊とした。柳条湖事件の犯人は中国軍と発表した。関東軍による完全な陰謀である。ただし当時の評価はまた違ったのである。

【介護】床からの移乗


 膝を潜り込ませるやり方は知らなかった。伸ばした足を入れるよりも簡単で手っ取り早い。

元社青同という噂がある池上彰


『ジャーナリズムの現場から』大鹿靖明

 ・元社青同という噂がある池上彰





陰謀説と陰謀論の違い/『愛国左派宣言』森口朗


『「悪魔祓い」の戦後史 進歩的文化人の言論と責任』稲垣武
『こんな日本に誰がした 戦後民主主義の代表者・大江健三郎への告発状』谷沢永一
『悪魔の思想 「進歩的文化人」という名の国賊12人』谷沢永一
『誰が国賊か 今、「エリートの罪」を裁くとき』谷沢永一、渡部昇一
『いま沖縄で起きている大変なこと 中国による「沖縄のクリミア化」が始まる』惠隆之介
『北海道が危ない!』砂澤陣
『これでも公共放送かNHK! 君たちに受信料徴収の資格などない』小山和伸
『ちょっと待て!!自治基本条例 まだまだ危険、よく考えよう』村田春樹
『自治労の正体』森口朗
『戦後教育で失われたもの』森口朗
『日教組』森口朗
『左翼老人』森口朗
・『売国保守』森口朗

 ・社会主義国の宣伝要員となった進歩的文化人
 ・陰謀説と陰謀論の違い
 ・満州事変を「関東軍による陰謀」と洗脳する歴史教育
 ・関東軍「陰謀論」こそウソ
 ・新型コロナウイルス陰謀説
 ・皇室制度を潰す「女系天皇」

『知ってはいけない 金持ち悪の法則』大村大次郎

必読書リスト その四

 世の中は、昔も今も陰謀だらけです。もちろん強者の陰謀は、真実が不明なまま時間が経ち、いつの間にか「歴史」は強者の都合の良いように書き換えられます。否、間違えました。強者の陰謀が成功するのではなく、陰謀を成功させた者経ちこそが強者なのです。
 残念あがら大多数の人には、陰謀を暴く力はありません。私もその1人です。だからこそ、せめて「世の中は陰謀で溢れている」ということくらいは意識し、メディアが伝えるウソに騙されない人間でい続ける必要があるのです。でなければ、間接デモクラシーの社会は腐るばかりです。「陰謀」には必ず巨大な富みを獲得する人が存在します。だからこそ、彼らは、真実の姿を知られたくないのです。
 ところが、最近、様々な勢力の陰謀を誰かが主張するだけで「それは陰謀論だよ」と全否定する大バカ者が、地上波テレビを筆頭に様々なメディアに登場しました。
 断言しますが、陰謀を全否定する人は、知性か良心かあるいはその両方がない人です。
 私達日本人は歴史教育において、証明もされいない事件を日本人による「陰謀」だったと習っています。一般に「陰謀」の可能性を認める人は、証明できていないがある事件の発生は陰謀によるものとする主張を「陰謀説」と呼びます。これに対して頭から「陰謀」を否定する人は「陰謀論」という言葉を使うことが多いようです。
「陰謀論」という言葉を使って陰謀を全否定する人に知性も良心もない証拠は、彼らが現在学校で行われている歴史教育を全否定しないからです。自分達の行為の矛盾にさえ気づいていない=知性がないか、気づいても言わない=良心がないのです。

【『愛国左派宣言』森口朗〈もりぐち・あきら〉(青林堂、2021年)】

 長文のテキストを何度かに分けて紹介する。私も前々から「陰謀論」なる言葉に違和感を覚えていた。ま、ロバート・ラドラムデイヴィッド・マレルなど国際謀略モノを読んできた者としては尚更だ。

 キリスト教世界にはバイブルという脚本がある。西洋世界で映画やミュージカルなどが花開いたのも聖書文化によるものだろう。神の命令は代理者によって告げられる。例えば魔女狩りにおいて。あるいは黒人を奴隷にし、インディアンを虐殺したのもヴァチカンがそれを認めたためだ。ヨーロッパからアメリカに渡った人々が西を目指した(ゴー・ウエスト)のもマニフェスト・デスティニー(明白な使命)があったからだ。ったく、いい迷惑だ。

 帝国主義による植民地政策こそは陰謀の最たるものだろう。トルデシリャス条約で世界を二分したスペインとポルトガルは、その後イギリスとフランスに取って代わられる。アフリカ諸国の多くが英語やフランス語を採用しているのも、中東が定規で線を引いたように分割されたもの全部あいつらのせいだ。

 大体、陰謀が存在しないのであればスパイなど不要になっているはずだろう。情報化社会における陰謀は巨大すぎて全貌が見渡せない。昨今はGAFAMに注意する必要がある。

ネオコンのルーツはトロツキスト/『米中激突の地政学 そして日本の選択は』茂木誠


『経済は世界史から学べ!』茂木誠
『「戦争と平和」の世界史 日本人が学ぶべきリアリズム』茂木誠

 ・世界恐慌で西側諸国が左傾化
 ・ネオコンのルーツはトロツキスト

ジョン・バーチ協会の会長に就任したラリー・マクドナルド下院議員が、国家主権を解体し世界統一政府構想を進めるエリート集団を暴露
『世界史講師が語る 教科書が教えてくれない 「保守」って何?』茂木誠

世界史の教科書
必読書リスト その四

 これまで見てきた保守やリベラルとは異質の、「ネオコン」と呼ばれる一派がアメリカにはいます。ネオコンとは「ネオ・コンサーバティズム」の略で、「新保守主義」と訳されます。(中略)
 さかのぼれば、ネオコンのルーツはロシア革命にあります。帝政ロシアはユダヤ人を迫害してきたので、ロシア革命には多くのユダヤ人が参加し、共産党の中にはユダヤ人が多数いました。そもそもマルクスがユダヤ人ですし、レーニンは母方の祖母がユダヤ人、トロツキーもユダヤ人です。
 ところが革命後、1924年にレーニンが死ぬと、共産党内でユダヤ人グループと反ユダヤ・グループが衝突します。ユダヤ人グループのリーダーがトロツキーで、赤軍の創始者として諸外国の干渉から革命政権を守った立役者でした。
 しかし反ユダヤ・グループを率いるスターリンの謀略(彼はジョージア人)によりトロツキーは失脚して国外追放され、共産党内部のユダヤ人たちは粛清されます。トロツキーは1940年、亡命先のメキシコで、スターリンの放った刺客に暗殺されました。
 アメリカにはロシア革命にシンパシーを持つユダヤ人がたくさんいたのですが、スターリンによってユダヤ人が粛清されたため、スターリンを敵視するようになります。その反動でトロツキーの思想を支持する「トロツキスト」を自称し、スターリンはロシア革命をねじ曲げた裏切り者であり、ソ連を打倒すべきだという考えを持つようになりました。彼らトロツキストこそが、ネオコンの始まりなのです。
 スターリンはヨーロッパで革命運動が次々に失敗するのを見て、「一国社会主義」に転換しますが、トロツキーは、赤軍による「世界革命論」を唱えていました。ですから、トロツキストであるネオコンは当然、「世界革命論」を支持するのです。
 この「世界革命論」は、世界に干渉して、アメリカ的価値を世界に浸透させるというウィルソンやF・ローズヴェルトの思想と共振します。実際、ネオコンはこの二人の大統領を高く評価しています。そしてローズヴェルトがアメリカでやったような、ニューディール的な社会政策を世界で実施していこうとします。こうして、民主党はネオコンの温床となりました。
 ネオコンはユダヤ人から始まっただけに、一貫して親イスラエルでした。1948年の建国以来、イスラエルは四次にわたる中東戦争をはじめ、アラブ諸国と紛争を繰り返しています。そのたびにネオコンは、イスラエル支持を表明しています。
 もともと共和党はイスラエルに冷淡でした。なぜなら、共和党のバックには石油産業がついているからです。ロックフェラー系のエクソンやモービルなど、石油産業はアラブ諸国に石油利権を持っているので、アラブに親米政権をつくることには熱心ですが、油田のないイスラエルには、関心がありません。そのことも、ネオコンが共和党ではなく民主党を支持した理由の一つでした(副島隆彦世界覇権国アメリカを動かす政治家と知識人たち』講談社+α文庫)。

【『米中激突の地政学 そして日本の選択は』茂木誠〈もぎ・まこと〉(WAC BUNKO、2021年/ワック、2020年『「米中激突」の地政学』改題新書化)以下同】

 フランス革命にもユダヤ人が参画していた(「自由・平等・博愛」はフリーメイソンのスローガン)。国民国家には人種を乗り越える力があった。ロシアで虐げられたユダヤ人をパレスチナの地へ送り込んだのがロスチャイルド家であった(『パレスチナ 新版』広河隆一)。「ロシア革命の実態はユダヤ革命」という指摘もある(『世界を操る支配者の正体』馬渕睦夫)。

 ウッドロウ・ウィルソンとフランクリン・ルーズベルトは民主党選出の大統領である。両者ともに国際主義者で新生ソ連にエールを送った人物だ(馬渕前掲書)。ウィルソン大統領はパリ講和会議(1919年)で日本が提案した人種的差別撤廃提案を廃案に導いた。F・ルーズベルトはアメリカの本当の敵(ソ連)と味方(日本)を見誤った。どうやら国際主義者の眼は曇っているらしい。あるいは遠くを見すぎて足元を見失っているのだろう。

 ネオコンはレーガン政権からクリントン政権を挟んでブッシュ(子)政権まで共和党を支配しました。その間、盛んにアメリカが中東に出兵したのは、すべてネオコンの影響です。

 ネオコンは共和党のジョージ・W・ブッシュに巣食ったことで広く知られるようになった。「ネオコンは元来左翼でリベラルな人々が保守に転向したからネオなのだ」(元祖ネオコン思想家の一人であるノーマン・ポドレツ)とは言うものの、新保守主義との看板には明らかな偽りがある。まるで中島岳志が唱える「リベラル保守」みたいな代物だろう。左翼と嘘はセットである。平然と嘘をつきながら正義を語るのが左翼の本領なのだ。 9.11テロ以降のアメリカによる戦争を主導したのがネオコンであった。

 私は人類の社会性は国家が限界であると考えている。国家を超えてしまえば言語や文化の差異もなくなることだろう。それがいいことだとは思えないのだ。人格形成やアイデンティティを考えると、やはり気候や風土、食べ物や環境に即した個性がある方が望ましいだろう。もっと具体的に言えば、それぞれの民族や地域に特有な宗教の存在を認めるということである。

 国際主義者の恐るべき欺瞞は「ルールを決めるのは自分たちである」との思い込みだ。自由と民主政は確かに貴重な財産だとは思うが、他の国に強制するようなものではあるまい。個人的には日本のように官僚支配が強くなり過ぎた国は、いっぺん独裁制を認めていいように思う。それくらいのことをしないとこの国が変わることはない。