・『マーケットの魔術師 米トップトレーダーが語る成功の秘訣』ジャック・D・シュワッガー
・『実践 生き残りのディーリング 変わりゆく市場に適応するための100のアプローチ』矢口新
・『先物市場のテクニカル分析』ジョン・J・マーフィー
・『一目均衡表の研究』佐々木英信
・『デイトレード マーケットで勝ち続けるための発想術』オリバー・ベレス、グレッグ・カプラ
・「正しい分析」が身を滅ぼす
・スロットマシンプレーヤーの視点
・新しい信念と古い信念が拮抗する
・『規律とトレーダー 相場心理分析入門』マーク・ダグラス
・『ゾーン 「勝つ」相場心理学入門』マーク・ダグラス
・『伝説のトレーダー集団 タートル流投資の魔術』カーティス・フェイス
・『ワイルダーのアダムセオリー 未来の値動きがわかる究極の再帰理論』J・ウエルズ・ワイルダー・ジュニア
・『フルタイムトレーダー完全マニュアル』ジョン・F・カーター
・『タープ博士のトレード学校 ポジションサイジング入門 スーパートレーダーになるための自己改造計画』バン・K・タープ
・『週末投資家のためのカバード・コール』KAPPA
・『なぜ専門家の為替予想は外れるのか プロが教える外国為替市場の不都合な真実』富田公彦
・『なぜ投資のプロはサルに負けるのか? あるいは、お金持ちになれるたったひとつのクールなやり方』藤沢数希
【私たちが信念として採り入れる新しい考えや概念は、それまで本当だと思っていた考えや概念のうちで、新しいものと対立や矛盾をするもののエネルギーが減った程度に応じてしか、機能しない。】(中略)
採り入れようとしている新しい信念が十分に機能するためには、それと対立している信念が完全に働かなくなる必要がある。それがまったく機能しないと確信するためには、エネルギーがすべて放出されて、その信念が崩れる必要がある。私が話していることを分かりやすく説明するために、薪で考えよう。薪は木という物質を構成する原子や分子から成り立っている。これを原子以下のレベルで見ると、木はエネルギーとして存在する。薪に火をつけたら、木のエネルギーは放出されて、薪は灰と化す。木は灰になったが、いまだに存在する。しかし、灰となってしまっては、薪のようなエネルギーはもはやない。
私たちはもう自分の目的には役立たないと考えた信念を打ち壊す場合も、まったく同じことが当てはまる。
【『ゾーン 最終章 トレーダーで成功するためのマーク・ダグラスからの最後のアドバイス』マーク・ダグラス、ポーラ・T・ウエッブ:長尾慎太郎〈ながお・しんたろう〉監修、山口雅裕〈やまぐち・まさひろ〉訳(パンローリング、2017年)以下同】
思考には人を動かし人を縛るほどのエネルギーがある。ソ連を支配してきた共産主義の呪縛を解いたのもミハイル・ゴルバチョフ大統領が掲げた新思考外交とペレストロイカ、グラスノスチであった。
大衆は潮位のような変化しか感じないが、最初の一波はドラスティックな飛沫を散らす。人々の抑圧された精神に亀裂を入れるのは一人の人間に他ならない。常識は少しずつ変わりゆくが、古い思考の鎖を断ち切るのはたった一つのユニークなアイディアだ。
それにしても冒頭の一節が凄い。ビジネスマンでこれほどの哲学性を有する人物が果たして何人いるか。ゾーン三部作は明らかに唯識を志向している。
・合理性を阻む宗教的信念/『思想の自由の歴史』J・B・ビュァリ:森島恒雄訳
【私たちは信念を初めから存在しなかったかのように消し去ることはできない。だが、情報の受け止め方や行動の仕方に何の影響も及ぼさないように、信念から十分なエネルギーを奪い取ることはできる。つまり、信念のエネルギーが非常に小さくなれば、事実上、存在しないのとおなじになる。】
新しい信念と古い信念が拮抗(きっこう)する。例えばこうだ。投資で利益を出し続ける人は数%に過ぎない。なぜか? 多くの人々は「容易に金儲けができることをよしとしない」からだ。それは幼い頃から労働と対価について刷り込まれているためだ。あるいは「カネは汚いもの」という日本特有の文化もあろう。更には意図的に「自分を罰する」場合すらある。無意識や深層心理がトレードを支配するのだ。
ここまでくると業(ごう)の概念そのものである。つまり業もまたエネルギーなのだ。新しい信念は過去の否定から生まれる。歴史は学ぶべき対象であって信じるものではない。思い込みを一掃すれば、心の中に新しい風が吹き流れる。その空隙(スペース)を確保できるかどうかが問われる。