2015-06-05
仏軍の性暴力、放置か=中央アフリカで子供犠牲、調査へ-国連
【ニューヨーク時事】政情不安が続く中央アフリカで、治安回復のために派遣されたフランス軍が現地の複数の子供に性的暴力を働いた疑いが持たれていることに関し、国連が問題を把握していたにもかかわらず対応を怠った可能性があるとして、潘基文事務総長は3日、外部チームによる独立した調査を行うと発表した。
数日内に調査の責任者が発表される。中央アフリカに展開していた仏兵が2013年12月~14年6月、避難民施設で複数の子供に対し、食料を与える見返りに性行為を強要した疑いがあり、仏当局は兵士14人を捜査している。
中央アフリカには国連の平和維持活動(PKO)部隊も派遣されており、国連に性暴力に関する報告が上がっていたにもかかわらず、適切に対処しなかった疑いが強まっている。
【時事通信 2015-06-04】
2015-06-02
渡辺京二、関野通夫、本川達雄、佐藤勝彦、他
1冊挫折、4冊読了。
『ウォール街のランダム・ウォーカー 株式投資の不滅の真理』バートン・マルキール:井手正介訳(日本経済新聞出版社、2011年)/第10版。第9版は文庫化されている。インデックスファンドを勧めた古典。ランダム・ウォークとは株価予測は不可能であるとする理論だ。酔っ払いの千鳥足と同様で「次の一歩」がどちらに進むかわからない。が、しかしである。我々チャーチストに言わせれば「どちらに進もうが歩幅を超えることはない」。高っ調子が鼻について読了できず。
57冊目『インフレーション宇宙論 ビッグバンの前に何が起こったのか』佐藤勝彦(ブルーバックス、2010年)/良書。教科書本。佐藤勝彦はインレーション宇宙論の提唱者である。さすがに説明能力が高く、しかもわかりやすい。「人間原理」という言葉を初めて知った。これはオススメ。
58冊目『「長生き」が地球を滅ぼす 現代人の時間とエネルギー』本川達雄(阪急コミュニケーションズ、2006年/文芸社文庫、2012年/1996年、NHKライブラリー『時間 生物の視点とヒトの生き方』改題)/これまた良書。「生物では、時間の早さはエネルギー消費量で変わってくる。エネルギーを使えばつかうほど、時間が早く進むのである」。現代の日本人はヒトとしての標準代謝率の40倍近いエネルギーを使っているそうだ。環境問題も突き詰めれば石油と電力の消費に辿り着く。個人的には労働時間を短くすべきだと考える。一切の乗り物を禁止する祝日があってもよい。
59冊目『日本人を狂わせた洗脳工作 いまなお続く占領軍の心理作戦』関野通夫(自由社ブックレット、2015年)/資料的価値のある一冊。読み物としては今ひとつだ。江藤淳が『閉された言語空間 占領軍の検閲と戦後日本』で明らかにした「ウォー・ギルト・インフォーメーション・プログラム」(WGIP)の具体的な証拠を示す。序文で加瀬英明が「ウオア・ギルト・インフォメーション・プログラム」と表記しているのが解せない。
60冊目『逝きし世の面影』渡辺京二(平凡社ライブラリー、2005年/1998年、葦書房『逝きし世の面影 日本近代素描 I』改題)/ずっと気になっていた本だ。やっと読んだ。600ページあるが3日で読み終えた。平川祐弘の解説によれば渡辺は「在野の思想史家」であるという。野の広大さを思い知った。と同時に学位や肩書の不毛に思い至った。日本の近代史本を数十冊読んできて本書に巡り会えた僥倖は何ものにも代えがたい。江戸末期に来日した外国人の眼を通して「失われた日本の文明」に光を当てる。横山俊夫の英語著書を徹底的に批判しているが決して陰湿なものではない。太田雄三の『ラフカディオ・ハーン 虚像と実像』に対しても同様だ。渡辺は見事なまでに文献を引用し、列挙し、両論を併記しながら、まぶしいばかりの輝きを放っていた日本を鮮やかに切り取る。ページを繰るごとに喉の奥からせり上がってくる何かがある。私の内側に流れる日本人の血が熱くなる。だがその日本は文明開化と引き換えに滅び去った。文化は受け継がれたとしても文明は死ぬと渡辺は言い切る。江戸時代の日本人は決して「抑圧された民」ではなかった。自由に生き生きと生を謳歌していた。貧しくても食べることには困らなかった。欧米人は驚愕した。乞食が殆どいない上、子供という子供は丸々と肉付きがよかった。自然は美しく、人々は礼儀正しく、朗らかで親切だった。何をどう書いたところで尽きることはない。第十三章の『信仰と祭』はまったく新しい知見を与えてくれた。神道は民俗的祭政を「お祭り」にまで昇華したのだ。世俗化というよりは世俗そのものといってよい。これを肯定的な視点で捉えたところに渡辺のユニークさがある。ま、今年の暫定1位だ。
2015-05-31
日本の近代史を学ぶ
・キリスト教を知るための書籍
・宗教とは何か?
・ブッダの教えを学ぶ
・悟りとは
・物語の本質
・権威を知るための書籍
・情報とアルゴリズム
・世界史の教科書
・日本の近代史を学ぶ
・虐待と知的障害&発達障害に関する書籍
・時間論
・身体革命
・ミステリ&SF
・必読書リスト
・『「戦争と平和」の世界史 日本人が学ぶべきリアリズム』茂木誠
・『敗者の条件』会田雄次
・『お金の流れで読む日本の歴史 元国税調査官が古代~現代にガサ入れ』大村大次郎
・『国民の歴史』西尾幹二
・『国家の品格』藤原正彦
・『お江戸でござる』杉浦日向子
・『狗賓童子(ぐひんどうじ)の島』飯嶋和一
・『戦国日本と大航海時代 秀吉・家康・政宗の外交戦略』平川新
・『日本の知恵 ヨーロッパの知恵』松原久子
・『驕れる白人と闘うための日本近代史』松原久子
・『日本人の誇り』藤原正彦
・『自由と民主主義をもうやめる』佐伯啓思
・『鉄砲を捨てた日本人 日本史に学ぶ軍縮』ノエル・ペリン
・『逝きし世の面影』渡辺京二
・『シドモア日本紀行 明治の人力車ツアー』エリザ・R・シドモア
・『お金で読み解く明治維新 薩摩、長州の倒幕資金のひみつ』大村大次郎
・『幕末外交と開国』加藤祐三
・『現代語縮訳 特命全権大使 米欧回覧実記』久米邦武
・『福翁自伝』福澤諭吉
・『氷川清話』勝海舟:江藤淳、松浦玲編
・『武家の女性』山川菊栄
・『乃木大将と日本人』スタンレー・ウォシュバン
・『世界史劇場 日清・日露戦争はこうして起こった』神野正史
・『ある明治人の記録 会津人柴五郎の遺書』石光真人
・『守城の人 明治人柴五郎大将の生涯』村上兵衛
・『北京燃ゆ 義和団事変とモリソン』ウッドハウス暎子
・『日露戦争を演出した男 モリソン』ウッドハウス暎子
・『五・一五事件 海軍青年将校たちの「昭和維新」』小山俊樹
・『昭和陸軍全史1 満州事変』川田稔
・『陸軍80年 明治建軍から解体まで(皇軍の崩壊 改題)』大谷敬二郎
・『二・二六帝都兵乱 軍事的視点から全面的に見直す』藤井非三四
・『敵兵を救助せよ! 英国兵422名を救助した駆逐艦「雷」工藤艦長』惠隆之介
・『きけ わだつみのこえ 日本戦没学生の手記』日本戦没学生記念会編
・『国民の遺書 「泣かずにほめて下さい」靖國の言乃葉100選』小林よしのり責任編集
・『大空のサムライ』坂井三郎
・『父、坂井三郎 「大空のサムライ」が娘に遺した生き方』坂井スマート道子
・『今日われ生きてあり』神坂次郎
・『月光の夏』毛利恒之
・『神風』ベルナール・ミロー
・『高貴なる敗北 日本史の悲劇の英雄たち』アイヴァン・モリス
・『英霊の絶叫 玉砕島アンガウル戦記』舩坂弘
・『アーロン収容所 西欧ヒューマニズムの限界』会田雄次
・『F機関 アジア解放を夢みた特務機関長の手記』藤原岩市
・『日本のいちばん長い日 決定版』半藤一利
・『機関銃下の首相官邸 二・二六事件から終戦まで』迫水久恒
・『アメリカの鏡・日本 完全版』ヘレン・ミアーズ
・『パール判事の日本無罪論』田中正明
・『東京裁判 全訳 パール判決書』
・『石原莞爾 マッカーサーが一番恐れた日本人』早瀬利之
・『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』増田俊也
・『大本営参謀の情報戦記 情報なき国家の悲劇』堀栄三
・『消えたヤルタ密約緊急電 情報士官・小野寺信の孤独な戦い』岡部伸
・『昭和陸軍謀略秘史』岩畔豪雄
・『世界が語る大東亜戦争と東京裁判 アジア・西欧諸国の指導者・識者たちの名言集』吉本貞昭
・『國破れて マッカーサー』西鋭夫
・『日本永久占領 日米関係、隠された真実』片岡鉄哉
・『日米・開戦の悲劇 誰が第二次大戦を招いたのか』ハミルトン・フィッシュ
・『二世兵士 激戦の記録 日系アメリカ人の第二次大戦』柳田由紀子
・『シベリア抑留 日本人はどんな目に遭ったのか』長勢了治
・『日本の戦争Q&A 兵頭二十八軍学塾』兵頭二十八
・『「日本国憲法」廃棄論 まがいものでない立憲君主制のために』兵頭二十八
・『日本の秘密』副島隆彦
・『大東亜戦争肯定論』林房雄
・『大東亜戦争で日本はいかに世界を変えたか』加瀬英明
・『封印の昭和史 [戦後五〇年]自虐の終焉』小室直樹、渡部昇一
・『日本国民に告ぐ 誇りなき国家は滅亡する』小室直樹
・『インテリジェンス戦争の時代 情報革命への挑戦』藤原肇
・『日本の敗因 歴史は勝つために学ぶ』小室直樹
・『われ巣鴨に出頭せず 近衛文麿と天皇』工藤美代子
・『大東亜戦争とスターリンの謀略 戦争と共産主義』三田村武夫
・『日本人が知らない最先端の「世界史」』福井義高
・『昭和の精神史』竹山道雄
・『西洋一神教の世界 竹山道雄セレクションII』竹山道雄:平川祐弘編
・『ビルマの竪琴』竹山道雄
・『みじかい命』竹山道雄
・『歴史的意識について』竹山道雄
・『人種戦争 レイス・ウォー 太平洋戦争もう一つの真実』ジェラルド・ホーン
・『人種差別から読み解く大東亜戦争』岩田温
・『植民地残酷物語 白人優越意識を解き明かす』山口洋一
・『敗戦への三つの〈思いこみ〉 外交官が描く実像』山口洋一
・『腑抜けになったか日本人 日本大使が描く戦後体制脱却への道筋』山口洋一
・『いま沖縄で起きている大変なこと 中国による「沖縄のクリミア化」が始まる』惠隆之介
・『戦後史の正体 1945-2012』孫崎享
・『「悪魔祓い」の戦後史 進歩的文化人の言論と責任』稲垣武
・『ゴーマニズム宣言SPECIAL 天皇論』小林よしのり
・『日本の敵 グローバリズムの正体』渡部昇一、馬渕睦夫
・『誰も教えないこの国の歴史の真実』菅沼光弘
・『戦国日本と大航海時代 秀吉・家康・政宗の外交戦略』平川新
・『陸奥宗光とその時代』岡崎久彦
・『陸奥宗光』岡崎久彦
・『小村寿太郎とその時代』岡崎久彦
・『幣原喜重郎とその時代』岡崎久彦
・『重光・東郷とその時代』岡崎久彦
・『吉田茂とその時代 敗戦とは』岡崎久彦
・『米国の日本占領政策 戦後日本の設計図』五百旗頭真
・『武士道』新渡戸稲造:矢内原忠雄訳
・『国のために死ねるか 自衛隊「特殊部隊」創設者の思想と行動』伊藤祐靖
・『昭和45年11月25日 三島由紀夫自決、日本が受けた衝撃』中川右介
・『自衛隊「影の部隊」 三島由紀夫を殺した真実の告白』山本舜勝
・『三島由紀夫と「天皇」』小室直樹
・『田中清玄自伝』田中清玄、大須賀瑞夫
・『徳富蘇峰終戦後日記 『頑蘇夢物語』』徳富蘇峰
・『日本人と戦争 歴史としての戦争体験』大濱徹也
・『悪の論理 ゲオポリティク(地政学)とは何か』倉前盛通
・『新・悪の論理』倉前盛通
・『悪の運命学 ひとを動かし、自分を律する強者のシナリオ』倉前盛通
・『さらば群青 回想は逆光の中にあり』野村秋介
・『世界史講師が語る 教科書が教えてくれない 「保守」って何?』茂木誠
2015-05-27
浜島書店編集部、杉浦日向子、他
7冊挫折、2冊読了。
『月と篝火』パヴェーゼ:河島英昭訳(岩波文庫、2014年)/文章が馴染めず。どうも頭に入ってこない。
『生命とは何か 物理的にみた生細胞』シュレーディンガー:岡小天〈おか・しょうてん〉、鎮目恭夫〈しずめ・やすお〉訳(岩波新書、1951年/岩波文庫、2008年)/二度目の挫折。必要があってエントロピーの章だけ読む。
『クリスマスに少女は還る』キャロル・オコンネル:務台夏子〈むたい・なつこ〉訳(創元推理文庫、1999年)/務台夏子は『鳥 デュ・モーリア傑作集』を翻訳している。ひょっとすると加齢のため私の頭が悪くなっているのかもしれない。文章が全く頭に入らず。創元推理文庫は活字が悪くてびっくりした。
『吊るされた女』キャロル・オコンネル:務台夏子〈むたい・なつこ〉訳(創元推理文庫、2012年)/それにしてもフォントが酷い。昔の講談社文庫みたいだ。創元推理文庫はしばらく避けることにしよう。
『マネーの進化史』ニーアル・ファーガソン:仙名紀〈せんな・おさむ〉訳(早川書房、2009年)/中ほどでやめる。宋鴻兵〈ソン・ホンビン〉を軽く嘲笑っている。ドイツのハイパーインフレの件(くだり)で不当な賠償額に対する言及がないのは明らかにおかしい。文章が巧いインチキ野郎と判断した。ジョン・グレイと同じ匂いを感じる。
『「声」の秘密』アン・カープ:梶山あゆみ訳(草思社、2008年)/出だしは快調なのだが話が中々進まない。興味深い記述も多いが根拠が示されず。結局、ジャーナリストということなのだろう。科学本ではない。思わせぶりな文章が並ぶだけで実がない。
『科学哲学』ドミニック・ルクール:沢崎壮宏〈さわざき・たけひろ〉、竹中利彦、三宅岳史〈みやけ・たけし〉訳(文庫クセジュ、2005年)/「訳者あとがき」で嫌な予感がした。2~3行置きに「その」が出てくる。白水社という企業は原稿チェックをしないのか? 本文も気取った文章で内容が乏しい。
55冊目『お江戸でござる』杉浦日向子〈すぎうら・ひなこ〉監修、深笛義也〈ふかぶえ・よしなり〉構成(新潮文庫、2006年/ワニブックス、2003年『お江戸でござる 現代に活かしたい江戸の知恵』改題)/上の本が読めなかったのは本書のせいである。まあ面白かった。小うるさい私から見て、一つの瑕疵(かし)もない傑作だ。読むだけで心が豊かになる。高島俊男の『漢字雑談』で紹介されていた一冊。こいつあ必読書ですな。文庫から深笛の名が消えたのはエロ小説を書いているためか。
56冊目『ニューステージ世界史詳覧』浜島書店編集部(浜島書店、1997年/改訂版、2012年)/もちろん読み終えていない。これは凄い。とにかく凄い。「他の出版社は何をやっているんだ?」と思うほど凄い。一家に一冊、いや一人一冊必携といってよい。1000円以下の値段でこれほどの本が作れる事実に感嘆せざるを得ない。開いた瞬間からシナプスが発火しっ放し。こちらも必読書。
2015-05-23
FRB利上げの行方
6月利上げの観測は後退した。影響が大きいだけに日本の官僚みたいな言葉づかいが目につく。今のところ「口先だけ」のレベルで上げるとも上げないとも言っていない情況が続く。
各所のニュースもデタラメ振りが目立つ。
ロイターは見出しで「米FRB議長、年内利上げ強く示唆 景気先行きに自信」(5月23日)と謳っているが、イエレン議長の発言は「景気回復が想定通り継続すれば、年内のいずれかの時点でフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標の引き上げを開始することが適切になると予想している」というもの。
「当局者は先月、労働市場のさらなる改善が確認され、インフレ率が中期的に2%の目標に戻っていくとの『合理的な確信』を持てれば、利上げに踏み切る意向であることを重ねて表明した」とブルームバーグの記事(5月21日)は「条件付き」。3月の「年内にフェデラルファンド(FF)金利誘導目標の引き上げが正当化されるような状況になると私はみている」というイエレン発言からはかなり後退している。
「年初来のドル円相場のレンジは115.85円から122.04の5%強の間に収まっている」(佐々木融)。過去25年間で最小レンジは2006年の10%というのだから極小レンジといってよい。
「米金融政策の行方について不透明感が高まっている。政策の正常化、利上げ開始の看板は掲げ続けるが、実際の行動に移れるかが定かではなくなっている」(鈴木敏之)との指摘が一番ピンと来る。
通常、利上げを行うとその国の通貨は買われる傾向が強い。つまり9月にFRBが利上げをすれば更なるドル高に向かうと考えられる。しかも日本がゼロ金利を続けるとなれば長期的なドル高円安を目指す。
現在のドル高をアメリカが容認しているのは原油安でカバーできているためだ。クルマ社会のアメリカでは原油価格が経済に直結する。
米国債2年ものの金利に目立った上昇はない。
これから中国の元が強くなる(ソロス氏:中国経済の衰退が悲劇を招く)ことを想定すれば、ドルが強くなるとは思えない。むしろ紙くず同然になると予想すべきだろう。
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