2016-07-18
必読書リスト その三
・キリスト教を知るための書籍
・宗教とは何か?
・ブッダの教えを学ぶ
・悟りとは
・物語の本質
・権威を知るための書籍
・情報とアルゴリズム
・世界史の教科書
・日本の近代史を学ぶ
・虐待と精神障害&発達障害に関する書籍
・時間論
・身体革命
・ミステリ&SF
・必読書リスト その一
・必読書リスト その二
・必読書リスト その三
・必読書リスト その四
・必読書リスト その五
・『青い空 幕末キリシタン類族伝』海老沢泰久
・『新訂 福翁自伝』福澤諭吉
・『氷川清話』勝海舟:江藤淳、松浦玲編
・『緑雨警語』斎藤緑雨、中野三敏編
・『人類が知っていることすべての短い歴史』ビル・ブライソン
・『人類を変えた素晴らしき10の材料 その内なる宇宙を探険する』マーク・ミーオドヴニク
・『世界をつくった6つの革命の物語 新・人類進化史』スティーブン・ジョンソン
・『進化しすぎた脳 中高生と語る〔大脳生理学〕の最前線』池谷裕二
・『もう牛を食べても安心か』福岡伸一
・『「長生き」が地球を滅ぼす 現代人の時間とエネルギー』本川達雄
・『脳はバカ、腸はかしこい』藤田紘一郎
・『あなたの体は9割が細菌 微生物の生態系が崩れはじめた』アランナ・コリン
・『心を操る寄生生物 感情から文化・社会まで』キャスリン・マコーリフ
・『樹木たちの知られざる生活 森林管理官が聴いた森の声』ペーター・ヴォールレーベン
・『カミとヒトの解剖学』養老孟司
・『迷惑な進化 病気の遺伝子はどこから来たのか』シャロン・モアレム、ジョナサン・プリンス
・『なぜ美人ばかりが得をするのか』ナンシー・エトコフ
・『売り方は類人猿が知っている』ルディー和子
・『ソクラテスはネットの「無料」に抗議する』ルディー和子
・『あなたのなかのサル 霊長類学者が明かす「人間らしさ」の起源』フランス・ドゥ・ヴァール
・『天才の栄光と挫折 数学者列伝』藤原正彦
・『異端の数ゼロ 数学・物理学が恐れるもっとも危険な概念』チャールズ・サイフェ
・『ゲーデルの哲学 不完全性定理と神の存在論』高橋昌一郎
・『理性の限界 不可能性・不確定性・不完全性』高橋昌一郎
・『知性の限界 不可測性・不確実性・不可知性』高橋昌一郎
・『感性の限界 不合理性・不自由性・不条理性』高橋昌一郎
・『ピーターの法則 創造的無能のすすめ』ローレンス・J・ピーター、レイモンド・ハル
・『反社会学講座』パオロ・マッツァリーノ
・『創られた「日本の心」神話 「演歌」をめぐる戦後大衆音楽史』輪島裕介
・『複雑系 科学革命の震源地・サンタフェ研究所の天才たち』M・ミッチェル・ワールドロップ
・『歴史は「べき乗則」で動く 種の絶滅から戦争までを読み解く複雑系科学』マーク・ブキャナン
・『複雑な世界、単純な法則 ネットワーク科学の最前線』マーク・ブキャナン
・『急に売れ始めるにはワケがある ネットワーク理論が明らかにする口コミの法則』マルコム・グラッドウェル
・『インフォメーション 情報技術の人類史』ジェイムズ・グリック
・『デジタル・ゴールド ビットコイン、その知られざる物語』ナサニエル・ポッパー
・『次のテクノロジーで世界はどう変わるのか』山本康正
・『ビッグデータの正体 情報の産業革命が世界のすべてを変える』ビクター・マイヤー=ショーンベルガー、ケネス・クキエ
・『データ資本主義 ビッグデータがもたらす新しい経済』ビクター・マイヤー=ショーンベルガー、トーマス・ランジ
・『アフターデジタル オフラインのない時代に生き残る』藤井保文、尾原和啓
・『あなたを支配し、社会を破壊する、AI・ビッグデータの罠』キャシー・オニール
・『養老孟司の人間科学講義』養老孟司
・『ブラックホール戦争 スティーヴン・ホーキングとの20年越しの闘い』レオナルド・サスキンド
・『宇宙は「もつれ」でできている 「量子論最大の難問」はどう解き明かされたか』ルイーザ・ギルダー
・『量子が変える情報の宇宙』ハンス・クリスチャン・フォン=バイヤー
・『史上最大の発明アルゴリズム 現代社会を造りあげた根本原理』デイヴィッド・バーリンスキ
・『アルゴリズムが世界を支配する』クリストファー・スタイナー
・『生命を進化させる究極のアルゴリズム』レスリー・ヴァリアント
・『宇宙をプログラムする宇宙 いかにして「計算する宇宙」は複雑な世界を創ったか?』セス・ロイド
・『宇宙を織りなすもの』ブライアン・グリーン
・『時間の逆流する世界 時間・空間と宇宙の秘密』松田卓也、二間瀬敏史
・『生物にとって時間とは何か』池田清彦
必読書リスト その四
・キリスト教を知るための書籍
・宗教とは何か?
・ブッダの教えを学ぶ
・悟りとは
・物語の本質
・権威を知るための書籍
・情報とアルゴリズム
・世界史の教科書
・日本の近代史を学ぶ
・虐待と精神障害&発達障害に関する書籍
・時間論
・身体革命
・ミステリ&SF
・必読書リスト その一
・必読書リスト その二
・必読書リスト その三
・必読書リスト その四
・必読書リスト その五
・『ニューステージ 世界史詳覧』浜島書店編集部編
・『科学と宗教との闘争』ホワイト:森島恒雄訳
・『思想の自由の歴史』J・B・ビュァリ:森島恒雄訳
・『魔女狩り』森島恒雄
・『インディアスの破壊についての簡潔な報告』ラス・カサス
・『奴隷とは』ジュリアス・レスター
・『ナット・ターナーの告白』ウィリアム・スタイロン
・『砂糖の世界史』川北稔
・『歴史とは何か』E・H・カー
・『歴史とはなにか』岡田英弘
・『世界史の誕生 モンゴルの発展と伝統』岡田英弘
・『聖書vs.世界史 キリスト教的歴史観とは何か』岡崎勝世
・『世界システム論講義 ヨーロッパと近代世界』川北稔
・『時計の社会史』角山榮
・『環境と文明の世界史 人類史20万年の興亡を環境史から学ぶ』石弘之、安田喜憲、湯浅赳男
・『人類史のなかの定住革命』西田正規
・『反穀物の人類史 国家誕生のディープヒストリー』ジェームズ・C・スコット
・『文明が不幸をもたらす 病んだ社会の起源』クリストファー・ライアン
・『人類と感染症の歴史 未知なる恐怖を超えて』加藤茂孝
・『世界のしくみが見える 世界史講義』茂木誠
・『戦争と平和の世界史 日本人が学ぶべきリアリズム』茂木誠
・『火縄銃から黒船まで 江戸時代技術史』奥村正二
・『戦国日本と大航海時代 秀吉・家康・政宗の外交戦略』平川新
・『鉄砲を捨てた日本人 日本史に学ぶ軍縮』ノエル・ペリン
・『お江戸でござる』杉浦日向子監修
・『幕末外交と開国』加藤祐三
・『日本の知恵 ヨーロッパの知恵』松原久子
・『驕れる白人と闘うための日本近代史』松原久子
・『言挙げせよ日本 欧米追従は敗者への道』松原久子
・『逝きし世の面影』渡辺京二
・『乃木大将と日本人』スタンレー・ウォシュバン
・『ある明治人の記録 会津人柴五郎の遺書』石光真人
・『敵兵を救助せよ! 英国兵422名を救助した駆逐艦「雷」工藤艦長』惠隆之介
・『英霊の絶叫 玉砕島アンガウル戦記』舩坂弘
・『F機関 アジア解放を夢みた特務機関長の手記』藤原岩市
・『パール判事の日本無罪論』田中正明
・『石原莞爾 マッカーサーが一番恐れた日本人』早瀬利之
・『月光の夏』毛利恒之
・『神風』ベルナール・ミロー
・『アーロン収容所 西欧ヒューマニズムの限界』会田雄次
・『日本のいちばん長い日 決定版』半藤一利
・『機関銃下の首相官邸 二・二六事件から終戦まで』迫水久恒
・『アメリカの鏡・日本 完全版』ヘレン・ミアーズ
・『國破れて マッカーサー』西鋭夫
・『二世兵士 激戦の記録 日系アメリカ人の第二次大戦』柳田由紀子
・『日本の敗因 歴史は勝つために学ぶ』小室直樹
・『日本の戦争Q&A 兵頭二十八軍学塾』兵頭二十八
・『日本永久占領 日米関係、隠された真実』片岡鉄哉
・『大東亜戦争肯定論』林房雄
・『封印の昭和史 [戦後五〇年]自虐の終焉』小室直樹、渡部昇一
・『日本国民に告ぐ 誇りなき国家は滅亡する』小室直樹
・『大東亜戦争とスターリンの謀略 戦争と共産主義』三田村武夫
・『シベリア抑留 日本人はどんな目に遭ったのか』長勢了治
・『日本人が知らない最先端の「世界史」』福井義高
・『昭和の精神史』竹山道雄
・『西洋一神教の世界』竹山道雄:平川祐弘編
・『歴史的意識について』竹山道雄
・『主役としての近代』竹山道雄:平川祐弘編
・『みじかい命』竹山道雄
・『人種戦争 レイス・ウォー 太平洋戦争もう一つの真実』ジェラルド・ホーン
・『人種差別から読み解く大東亜戦争』岩田温
・『植民地残酷物語 白人優越意識を解き明かす』山口洋一
・『敗戦への三つの〈思いこみ〉 外交官が描く実像』山口洋一
・『いま沖縄で起きている大変なこと』惠隆之介
・『陸奥宗光とその時代』岡崎久彦
・『小村寿太郎とその時代』岡崎久彦
・『幣原喜重郎とその時代』岡崎久彦
・『重光・東郷とその時代』岡崎久彦
・『吉田茂とその時代 敗戦とは』岡崎久彦
・『消えたヤルタ密約緊急電 情報士官・小野寺信の孤独な戦い』岡部伸
・『昭和陸軍謀略秘史』岩畔豪雄
・『田中清玄自伝』田中清玄、大須賀瑞夫
・『五・一五事件 海軍青年将校たちの「昭和維新」』小山俊樹
・『陸軍80年 明治建軍から解体まで(皇軍の崩壊 改題)』大谷敬二郎
・『二・二六帝都兵乱 軍事的視点から全面的に見直す』藤井非三四
・『徳富蘇峰終戦後日記 『頑蘇夢物語』』徳富蘇峰
・『日本人のための憲法原論』小室直樹
・『「日本国憲法」廃棄論 まがいものでない立憲君主制のために』兵頭二十八
・『日本教の社会学』小室直樹、山本七平
・『武士道』新渡戸稲造:矢内原忠雄訳
・『昭和45年11月25日 三島由紀夫自決、日本が受けた衝撃』中川右介
・『自衛隊「影の部隊」 三島由紀夫を殺した真実の告白』山本舜勝
・『三島由紀夫と「天皇」』小室直樹
・『近代の呪い』渡辺京二
・『悪の論理 地政学とは何か』倉前盛通
・『新・悪の論理』倉前盛通
・『情報社会のテロと祭祀 その悪の解析』倉前盛通
・『悪の運命学 ひとを動かし、自分を律する強者のシナリオ』倉前盛通
・『誰が国賊か 今、「エリートの罪」を裁くとき』谷沢永一、渡部昇一
・『春宵十話』岡潔
・『風蘭』岡潔
・『増補 日本美術を見る眼 東と西の出会い』高階秀爾
・『日本の弓術』オイゲン・ヘリゲル
・『日本人の身体』安田登
・『左翼老人』森口朗
・『愛国左派宣言』森口朗
・『「米中激突」の地政学』茂木誠
・『世界史講師が語る 教科書が教えてくれない 「保守」って何?』茂木誠
・『ゴーマニズム宣言SPECIAL 天皇論』小林よしのり
・『世界史で読み解く「天皇ブランド」』宇山卓栄
必読書リスト その二
・キリスト教を知るための書籍
・宗教とは何か?
・ブッダの教えを学ぶ
・悟りとは
・物語の本質
・権威を知るための書籍
・情報とアルゴリズム
・世界史の教科書
・日本の近代史を学ぶ
・虐待と精神障害&発達障害に関する書籍
・時間論
・身体革命
・ミステリ&SF
・必読書リスト その一
・必読書リスト その二
・必読書リスト その三
・必読書リスト その四
・必読書リスト その五
・『夜と霧 ドイツ強制収容所の体験記録』ヴィクトール・E・フランクル:霜山徳爾訳
・『それでも人生にイエスと言う』ヴィクトール・E・フランクル
・『アウシュヴィッツは終わらない あるイタリア人生存者の考察』プリーモ・レーヴィ
・『アメリカはなぜヒトラーを必要としたのか』菅原出
・『イタリア抵抗運動の遺書 1943.9.8-1945.4.25』P・マルヴェッツィ、G・ピレッリ編
・『石原吉郎詩文集』石原吉郎
・『親なるもの 断崖』曽根富美子
・『女盗賊プーラン』プーラン・デヴィ
・『生かされて。』イマキュレー・イリバギザ、スティーヴ・アーウィン
・『ルワンダ大虐殺 世界で一番悲しい光景を見た青年の手記』レヴェリアン・ルラングァ
・『戦場から生きのびて ぼくは少年兵士だった』イシメール・ベア
・『武装解除 紛争屋が見た世界』伊勢崎賢治
・『洞窟オジさん』加村一馬
・『メンデ 奴隷にされた少女』メンデ・ナーゼル、ダミアン・ルイス
・『囚われの少女ジェーン ドアに閉ざされた17年の叫び』ジェーン・エリオット
・『3歳で、ぼくは路上に捨てられた』ティム・ゲナール
・『平気でうそをつく人たち 虚偽と邪悪の心理学』M・スコット・ペック
・『ものぐさ精神分析』岸田秀
・『続 ものぐさ精神分析』岸田秀
・『悲鳴をあげる身体』鷲田清一
・『ことばが劈(ひら)かれるとき』竹内敏晴
・『5つのコツで もっと伸びる カラダが変わる ストレッチ・メソッド』谷本道哉、石井直方
・『ウォーキングの科学 10歳若返る、本当に効果的な歩き方』能勢博
・『あなたの歩き方が劇的に変わる! 驚異の大転子ウォーキング』みやすのんき
・『走れ!マンガ家 ひぃこらサブスリー 運動オンチで85kg 52歳フルマラソン挑戦記!』みやすのんき
・『人生、ゆるむが勝ち』高岡英夫
・『究極の身体(からだ)』高岡英夫
・『フェルデンクライス身体訓練法 からだからこころをひらく』モーシェ・フェルデンクライス
・『ウィリアム・フォーサイス、武道家・日野晃に出会う』日野晃、押切伸一
・『月刊「秘伝」特別編集 天才・伊藤昇と伊藤式胴体トレーニング「胴体力」入門』月刊「秘伝」編集部編
・『本当のナンバ 常歩(なみあし)』木寺英史
・『常歩(なみあし)式スポーツ上達法』常歩研究会編、小田伸午、木寺英史、小山田良治、河原敏男、森田英二
・『スポーツ選手なら知っておきたい「からだ」のこと』小田伸午
・『トップアスリートに伝授した 勝利を呼び込む身体感覚の磨きかた』小山田良治、小田伸午
・『足裏を鍛えれば死ぬまで歩ける!』松尾タカシ、前田慶明監修
・『いつでもどこでも血管ほぐし健康法 自分でできる簡単マッサージ』井上正康
・『「血管を鍛える」と超健康になる! 血液の流れがよくなり細胞まで元気』池谷敏郎
・『血管指圧で血流をよくし、身心の疲れをスッと消す! 秘伝!即効のセルフ動脈指圧術』浪越孝
・『実践「免疫革命」爪もみ療法 がん・アトピー・リウマチ・糖尿病も治る』福田稔
・『新健康法 クエン酸で医者いらず』長田正松、小島徹
・『人は口から死んでいく 人生100年時代を健康に生きるコツ!』安藤正之
・『長生きは「唾液」で決まる! 「口」ストレッチで全身が健康になる』植田耕一郎
・『病気が治る「気功入門」』中健次郎
・『精神疾患は脳の病気か? 向精神薬の化学と虚構』エリオット・S・ヴァレンスタイン
・『アルツハイマー病は治る 早期から始める認知症治療』ミヒャエル・ネールス
・『アルツハイマー病 真実と終焉 “認知症1150万人”時代の革命的治療プログラム』デール・ブレデセン
・『一流の頭脳』アンダース・ハンセン
・『生きぬく力 逆境と試練を乗り越えた勝利者たち』ジュリアス・シーガル
・『身体が「ノー」と言うとき 抑圧された感情の代価』ガボール・マテ
・『身体はトラウマを記録する 脳・心・体のつながりと回復のための手法』べッセル・ヴァン・デア・コーク
・『生きる技法』安冨歩
・『子は親を救うために「心の病」になる』高橋和巳
・『消えたい 虐待された人の生き方から知る心の幸せ』高橋和巳
・『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え』岸見一郎、古賀史健
・『累犯障害者 獄の中の不条理』山本譲司
・『自閉症裁判 レッサーパンダ帽男の「罪と罰」』佐藤幹夫
・『永山則夫 封印された鑑定記録』堀川惠子
・『夜中に犬に起こった奇妙な事件』マーク・ハッドン
・『くらやみの速さはどれくらい』エリザベス・ムーン
・『悩む力 べてるの家の人びと』斉藤道雄
・『治りませんように べてるの家のいま』斉藤道雄
・『べてるの家の「当事者研究」』浦河べてるの家
・『こんな夜更けにバナナかよ 筋ジス・鹿野靖明とボランティアたち』渡辺一史
・『オープンダイアローグとは何か』斎藤環著、訳
・『まんが やってみたくなるオープンダイアローグ』斎藤環、水谷緑まんが
・『往復書簡 いのちへの対話 露の身ながら』多田富雄、柳澤桂子
・『逝かない身体 ALS的日常を生きる』川口有美子
・『46年目の光 視力を取り戻した男の奇跡の人生』ロバート・カーソン
・『記憶喪失になったぼくが見た世界』坪倉優介
・『脳のなかの身体 認知運動療法の挑戦』宮本省三
・『死すべき定め 死にゆく人に何ができるか』アトゥール・ガワンデ
・『失敗の科学 失敗から学習する組織、学習できない組織』マシュー・サイド
・『アナタはなぜチェックリストを使わないのか? 重大な局面で“正しい決断”をする方法』アトゥール・ガワンデ
・『パレスチナ 新版』広河隆一
・『ハイファに戻って/太陽の男たち』ガッサーン・カナファーニー
・『黒い警官』ユースフ・イドリース
・『アラブ、祈りとしての文学』岡真理
・『円高円安でわかる世界のお金の大原則』岩本沙弓
・『金持ち父さん 貧乏父さん アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学』ロバート・キヨサキ、シャロン・レクター
・『金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント 経済的自由があなたのものになる』ロバート・キヨサキ、シャロン・レクター
・『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方2015 知的人生設計のすすめ』橘玲
・『世界にひとつしかない「黄金の人生設計」』橘玲、海外投資を楽しむ会
・『なぜ投資のプロはサルに負けるのか? あるいは、お金持ちになれるたったひとつのクールなやり方』藤沢数希
・『銀と金』福本伸行
・『平成経済20年史』紺谷典子
・『円の支配者 誰が日本経済を崩壊させたのか』リチャード・A・ヴェルナー
・『税金を払う奴はバカ! 搾取され続けている日本人に告ぐ』大村大次郎
・『税金を払わない奴ら なぜトヨタは税金を払っていなかったのか?』大村大次郎
・『エンデの遺言 「根源からお金を問うこと」』河邑厚徳、グループ現代
・『エコノミック・ヒットマン 途上国を食い物にするアメリカ』ジョン・パーキンス
・『動物保護運動の虚像 その源流と真の狙い』梅崎義人
・『マネーの正体 金融資産を守るためにわれわれが知っておくべきこと』吉田繁治
・『〈借金人間〉製造工場 “負債"の政治経済学』マウリツィオ・ラッツァラート
・『紙の約束 マネー、債務、新世界秩序』フィリップ・コガン
・『ロスチャイルド、通貨強奪の歴史とそのシナリオ 影の支配者たちがアジアを狙う』宋鴻兵
・『通貨戦争 影の支配者たちは世界統一通貨をめざす』宋鴻兵
・『タックスヘイブンの闇 世界の富は盗まれている!』ニコラス・シャクソン
・『超帝国主義国家アメリカの内幕』マイケル・ハドソン
・『資本主義の終焉と歴史の危機』水野和夫
・『ドル消滅 国際通貨制度の崩壊は始まっている!』ジェームズ・リカーズ
・『ペトロダラー戦争 イラク戦争の秘密、そしてドルとエネルギーの未来』ウィリアム・R・クラーク
・『金価格は6倍になる いますぐ金を買いなさい』ジェームズ・リカーズ
・『動くものはすべて殺せ アメリカ兵はベトナムで何をしたか』ニック・タース
・『アメリカの国家犯罪全書』ウィリアム・ブルム
・『ショック・ドクトリン 惨事便乗型資本主義の正体を暴く』ナオミ・クライン
・『ファストフードが世界を食いつくす』エリック・シュローサー
・『ヒトラーの経済政策 世界恐慌からの奇跡的な復興』武田知弘
・『お金の流れでわかる世界の歴史 富、経済、権力……はこう「動いた」』大村大次郎
・『お金の流れで探る現代権力史 「世界の今」が驚くほどよくわかる』大村大次郎
・『新しい資本主義 希望の大国・日本の可能性』原丈人
東日本大震災~釜石の奇蹟 生存率99.8%/『人が死なない防災』片田敏孝
・『人はなぜ逃げおくれるのか 災害の心理学』広瀬弘忠
・『新・人は皆「自分だけは死なない」と思っている 自分と家族を守るための心の防災袋』山村武彦
・東日本大震災~釜石の奇蹟 生存率99.8%
・釜石の子供たちはギリギリのところで生き延びることができた
・津波のメカニズム
・『無責任の構造 モラルハザードへの知的戦略』岡本浩一
・『最悪の事故が起こるまで人は何をしていたのか』ジェームズ・R・チャイルズ
・『生き残る判断 生き残れない行動 大災害・テロの生存者たちの証言で判明』アマンダ・リプリー
・『死すべき定め 死にゆく人に何ができるか』アトゥール・ガワンデ
・『失敗の科学 失敗から学習する組織、学習できない組織』マシュー・サイド
・『アナタはなぜチェックリストを使わないのか? 重大な局面で“正しい決断”をする方法』アトゥール・ガワンデ
・『集合知の力、衆愚の罠 人と組織にとって最もすばらしいことは何か』 アラン・ブリスキン、シェリル・エリクソン、ジョン・オット、トム・キャラナン
・『予想どおりに不合理 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」』ダン・アリエリー
・必読書リスト その二
まず、数字から申し上げます。
釜石市の小学生1927人、中学生999人のうち、津波襲来時に学校管理下にあった児童・生徒については全員が無事でした。ただし、学校管理下でなかった児童・生徒のうち、5名が犠牲となりました。生存率は99.8パーセントです。
今、トータルな「数」を申し上げましたが、子どもたち一人ひとりについても、語り継ぎたい話がたくさんあるのです。逃げていくときに、保育園の子どもたちを抱きかかえて避難所まで走った子どもがいました。あるいは、おじいちゃん、おばあちゃんの手をとって逃げた子どもがいました。
私が震災直後に釜石に入ったとき、「わしゃ、孫に助けられた」と、泣きながら学校の先生に俺を述べていたおじいちゃんがおられました。
地震直後、釜石に出た津波警報の第一報は、予想される津波の高さ3メートルでした。この情報が、その後、6メートル、10メートルと更新されていくのですが、じつは、3メートルという第一報が出た後に、地域は停電してしまいました。したがって、6メートル、10メートルという続報は住民に届かなかった。そのおじいちゃんも、3メートルという情報だけを聞いて、「ウチの前の防波堤は6メートルだから、大丈夫」と思ったと言います。孫が「逃げよう、おじいちゃん」と言ってきたけれど、「3メートルだから大丈夫、大丈夫」と言ってとりあわなかった。そうしたら、孫が泣きじゃくりながら「じいちゃん、だめだ」と言って腕をつかんだというのです。そうなったら、おじいちゃんはしょうがないですよね。孫が泣いてまで言うのですから。「しょうがないな、じゃあ、行くか」と言って避難所へ歩き出し、しばらく行ったところですごい音がした。後ろを見たら、すぐそこまで津波が来ていた。もちろん、家は津波に破壊されていたそうです。
【『人が死なない防災』片田敏孝(集英社新書、2012年)以下同】
同じような体験をした大人は他にもいた。
釜石市では死者・行方不明者が1000人を超えた。8年間にわたる片田の防災教育がなければ被害はもっと大きくなったことだろう。「人が死なない防災」とは単なるスローガンではない。片田に「釜石の奇蹟」を誇る姿勢は微塵も見当たらない。むしろ「敗北である」として我が身を責めている。
それにしても象徴的なエピソードだ。子供の声に耳を傾けない大人の姿を凝視する必要がある。「孫に助けられた」と泣いた爺さんは、その後、孫の話を聞く姿勢を改めただろうか? そもそも片田の防災講演に対して「いい加減にしてくれ」という住民からの反発があった。地域に対するマイナスイメージを嫌ったのだろう。人は自分の感情を生きる。そして他人の話に耳を閉ざすのだ。大災害ではほんのちょっとした判断ミスが生死を分ける。
ほとんどの子どもが生き延びてくれたとはいえ、学校管理下になかった5人の子どもが亡くなっています。この子たちには、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。命を守ってあげられなかったのですから。
5人のうち、2人は病気で学校を休んでいました。1人は、避難している途中で親御さんが迎えに来て、引き渡さざるを得なかった。そして、親御さんと一緒に亡くなっていました。
もう1人は、下校後に母親と買い物をしているときに被災しています。この子は事情がありまして、かわいそうなことになったと思っています。小学校6年生の女の子で、普段はお父さんと2人で暮らしていました。お母さんは、少し離れた町に住んでいた。そういう家庭環境でした。地震当日は3月11日ですから、中学校に上がる準備をする時期でした。やっぱり女の子ですから、女親と相談して買いたいものもいろいろあったのでしょう。そういうことで、久し振りにお母さんが来てくれることになった。この子は、喜んで職員室に来たそうです。先生も、「行っておいで、行っておいで。よかったね」と言って送り出してあげた。そして、お母さんと買い物中に亡くなっていました。
そして、もう1人。中学2年生の女の子です。この子に対しては、私には自責の念があります。
私は、中学生向けの講演でこう言っていたのです。
「中学生は、もう助けられる立場じゃない、助ける立場だ。お父さん、お母さんが仕事に行き、高校生が町の学校へ行ってしまうと、地域に残っているのはお年寄りと幼児ばかりだろう。だから、もう君らは助けられる立場じゃないんだ。地域を守っていく立場なんだ」
この子は、それを実践して亡くなってしまったのです。しかも、津波ではなく、地震で亡くなりました。
どういうことかというと、家の裏に、1人暮らしのおばあちゃんが住んでいました。女の子はその家に走っていって、おばあちゃんに「逃げるよ!」と声をかけた。おばあちゃんも、逃げる準備をしていた。それを待っているときに大きな余震が来て、箪笥(たんす)が倒れた。女の子は、その下敷きになってしまったのです。「助けられる立場じゃない、助ける立場だ」と教えられ、それを実行したために亡くなったのです。本当に無念であり、申し訳ないという気持ちでいっぱいです。
「くれた」という言葉遣いがおかしいが、深く関わってきたがゆえの思い入れなのだろう。
情況は異なるがいずれも大人が子供を殺したと考えてよかろう。よく覚えておこう。大人が子供を殺すのだ。たぶん日常においても同様である。子供の意見を封じ込め、躾(しつけ)と称して抑圧することで我々は子供をゆっくりと少しずつ殺している。そして殺され切った子供が大人になるのだろう。
冒頭1分前後で二人が取り残されてその後、姿が消えている。釜石に津波が押し寄せたのは地震発生からちょうど30分後であった。
東北地方太平洋沖地震の発生は14時46分18.1秒で、小さな第一波は数分後、青森で観測されている。気象庁は14時49分に大津波・津波警報を発表。大津波は15時15分~16時にかけて到達した。それは警報をはるかに上回る高さの波であった。
関東大震災(1923年/死者・行方不明者10万5000人)は焼死、阪神・淡路大震災(1995年/死者6434人、行方不明者3人)は圧死、東日本大震災(2011年/死者1万5894人、行方不明者2561人)は水死が主な死因である。
避けられない死と避けられる死がある。釜石の奇蹟が教えてくれるのはその事実である。
2016-07-15
ダニエル・チャモヴィッツ、三枝充悳、稲垣栄洋、岡ノ谷一夫、堀栄三、他
21冊挫折、13冊読了。これ以上のペースで読むと読書日記も書けなくなりそうだ。
『生物はなぜ誕生したのか 生命の起源と進化の最新科学』ピーター・ウォード、ジョゼフ・カーシュヴィンク:梶山あゆみ訳(河出書房新社、2016年)/文章が肌に合わず。もったいぶった姿勢を感じる。
『森浩一対談集 古代技術の復権』森浩一〈もり・こういち〉(小学館ライブラリー、1994年)/良書。「鋸喩経」(こゆきょう)を調べて辿り着いた一冊。ノコギリの部分はしっかり読んだ。
『絶対の真理「天台」 仏教の思想5』田村芳朗〈たむら・よしろう〉、梅原猛(角川書店、1970年/角川文庫ソフィア、1996年)/シリーズの中では一番面白みがない。最後まで目を通したものの半分ほどは飛ばし読み。説明に傾いて閃きを欠く。
『日本の分水嶺』堀公俊(ヤマケイ文庫、2011年)/文体が合わず。
『ブレンダと呼ばれた少年 性が歪められた時、何が起きたのか』ジョン・コラピント:村井智之訳(扶桑社、2005年/無名舎、2000年、『ブレンダと呼ばれた少年 ジョンズ・ホプキンス病院で何が起きたのか』改題)/武田邦彦が取り上げていた一冊。双子の赤ん坊の一人がペニスの手術に失敗する。性科学の権威ジョン・マネーが現れ、性転換手術を勧める。男の子はブレンダと名づけられ少女として育てられる。ところが思春期になるとブレンダは違和感を覚え始める。後に逆性転換手術をして力強く生きていった。ところが訳者あとがきで驚愕の事実が明らかになる。これは読んでのお楽しみということで。神の位置に立って勝手な創造を行うのが白人の悪癖である。尚、扶桑社版の編集に対する批判があることを付け加えておく。
『(日本人)』橘玲〈たちばな・あきら〉(幻冬舎、2012年/幻冬舎文庫、2014年)/文章の目的がつかみにくく行方が知れない。
『リベラルの中国認識が日本を滅ぼす 日中関係とプロパガンダ』石平、有本香(産経新聞出版、2015年)/有本香の対談本は出来が悪い。
『「朝日新聞」もう一つの読み方』渡辺龍太〈わたなべ・りょうた〉(日新報道、2015年)/これも武田邦彦が紹介していた一冊。文章が軽すぎて読めない。ネット文体といってよし。
『紛争輸出国アメリカの大罪』藤井厳喜〈ふじい・げんき〉(祥伝社新書、2015年)/文章に締まりがない。
『日本軍のインテリジェンス なぜ情報が活かされないのか』小谷賢(講談社選書メチエ、2007年)/とっつきにくい。後回し。
『はじめての支那論 中華思想の正体と日本の覚悟』小林よしのり、有本香(幻冬舎新書、2011年)/本書では「小林さん」と呼んでいるが、有本は動画だと「小林先生」と呼ぶ。ある種の芸術家に対する尊称なのか、個人的敬意が込められているのかは判断がつかない。有本同様、小林の対談本も一様に出来が悪い。「わし」という言葉遣いが示すように公(おおやけ)の精神が欠如している。
『川はどうしてできるのか』藤岡換太郎〈ふじおか・かんたろう〉(ブルーバックス、2014年)/変わった名前である。まるで北風小僧(笑)。文章がよくない。
『カウンセリングの理論』國分康孝〈こくぶ・やすたか〉(誠信書房、1981年)/『カウンセリングの技法』(1979年)、本書、『エンカウンター 心とこころのふれあい』(1981年)、『カウンセリングの原理』(1996年)が誠信書房の4点セット。國分康孝は実務的な文章でぐいぐい読ませる。ただし今の私に本書は必要ないと判断した。
『法句経講義』友松圓諦〈ともまつ・えんたい〉(講談社学術文庫、1981年)/初出は『法句経講義 仏教聖典』(第一書房、1934年)か。初心者向きの解説内容である。宗教を道徳次元に貶めているように感じ、読むに堪えず。
『これでナットク!植物の謎 植木屋さんも知らないたくましいその生き方』日本植物生理学会編(ブルーバックス、2007年)/ホームページに寄せられた質問に学者が丁寧に答えたコンテンツの総集編である。続篇『これでナットク! 植物の謎 Part2』(2013年)も出ている。
『〈税金逃れ〉の衝撃 国家を蝕む脱法者たち』深見浩一郎(講談社現代新書、2015年)/パラパラとめくって食指が動かず。
『タックス・イーター 消えていく税金』志賀櫻〈しが・さくら〉(岩波新書、2014年)/「タックス・イーター」をスパっと説明していないのが難点だ。具体的に個人を特定するほどの執念がなければ、ただの解説書である。
『パナマ文書 「タックスヘイブン狩り」の衝撃が世界と日本を襲う』渡邉哲也(徳間書店、2016年)/これも渡邉本としては出来が悪い。文章に人をつかむ力が感じられない。
『いちばんよくわかる!憲法第9条』西修(海竜社、2015年)/良書。これはおすすめ。歴史的経緯を辿ると自衛隊の役割がくっきりと浮かび上がってくる。しかも西は自ら海外を訪れ、直接資料に当たり、関係者に取材している。半分だけ読んだが、それでもお釣りがくる。
『日本人よ!』イビチャ・オシム:長束恭行訳(新潮社、2007年)/話し言葉ほどの切れ味が文章にはない。
『怪獣使いと少年ウルトラマンの作家たち』切通理作〈きりどおし・りさく〉(増補新装版、2015年/JICC出版局、1993年/宝島社文庫、2000年)/編集した町山智浩からの申し出で復刊した模様。読み手を選ぶ本だ。オタク目線が強く、一般よりは特殊に傾く。切通本人の心情も湿り気が濃い。
92冊目『日本人だけが知らない戦争論』苫米地英人〈とまべち・ひでと〉(フォレスト出版、2015年)/久し振りの苫米地本である。右傾化への警鐘が巧みで一読の価値あり。サイバー戦争の具体的な解説が圧巻。
93冊目『重力とは何か アインシュタインから超弦理論へ、宇宙の謎に迫る』大栗博司〈おおぐり・ひろし〉(幻冬舎新書、2012年)/大栗はカリフォルニア工科大学ウォルター・バーク理論物理学研究所所長を務める人物だ。場の量子論や超弦理論で国際的な評価を得ている大物である。読みやすい教科書本。いくつかの蒙(もう)が啓(ひら)いた。
94冊目『植物はそこまで知っている 感覚に満ちた世界に生きる植物たち』ダニエル・チャモヴィッツ:矢野真千子訳(河出書房新社、2013年)/良書。200ページ弱の小品。著者はイスラエルの学者。後半にわずかなダレがあるが、しっかりとニューエイジ系の誤謬を撃つ。
95冊目『大本営参謀の情報戦記 情報なき国家の悲劇』堀栄三(文藝春秋、1989年/文春文庫、1996年)/上念司〈じょうねん・つかさ〉が毎年繰り返し読む本である。登場人物に精彩がある。原爆を大本営参謀は知らなかったと書いている。陸軍中野学校と情報が共有されていないことがわかる。「日本の近代史を学ぶ」に追加。
96冊目『創価学会・公明党スキャンダル・ウォッチング』内藤国夫(日新報道、1989年)/往時、内藤国夫は本多勝一と人気を二分するジャーナリストであったが、その晩節は暗く寂しいものであった。福島源次郎著『蘇生への選択 敬愛した師をなぜ偽物と破折するのか』と本書を併せ読めば、内藤国夫の下劣さが理解できる。基本的にジャーナリストは人間のクズだと考えてよい。
97冊目『裏切りの民主党』若林亜紀(文藝春秋、2010年)/面白かった。若林は文章はいいのだが性格が暗い。表情や声のトーンからもそれが窺える。たぶん生真面目なのだろう。若林はクズではない稀有なジャーナリストである。事業仕分けの経緯と舞台裏がよくわかった。本書に登場する民主党参議員の尾立源幸〈おだち・もとゆき〉が先日落選した。
98冊目『言葉の誕生を科学する』小川洋子、岡ノ谷一夫(河出ブックス、2011年/河出文庫、2013年)/小川洋子の前文は読む必要なし。対談は上手いのだが科学的知識の理解に誤謬がある。言葉の発生は歌であったと岡ノ谷は主張する。おお、我が自説と一緒ではないか。岡ノ谷の博識に対して小川の反応がよく一気読み。
99冊目『言葉はなぜ生まれたのか』岡ノ谷一夫:石森愛彦・絵 (文藝春秋、2010年)/まあまあ。岡ノ谷は手抜き本が多そうだ。これも執筆なのか語り下ろしなのか微妙なところ。
100冊目『なぜ仏像はハスの花の上に座っているのか 仏教と植物の切っても切れない66の関係』稲垣栄洋〈いながき・ひでひろ〉(幻冬舎新書、2015年)/見事な教科書本である。稲垣は植物学者でありながら仏教の知識もしっかりしている。これはおすすめ。
101冊目『結局は自分のことを何もしらない 役立つ初期仏教法話6』アルボムッレ・スマナサーラ(サンガ新書、2008年)/このシリーズでは一番よくまとまっていると思う。ただしエントロピーに関する記述は完全に誤っている。社会的信用のためにも削除すべきだろう。スマナサーラは小さな誤謬が多いので要注意。
102冊目『初期仏教の思想(上)』三枝充悳〈さいぐさ・みつよし〉(レグルス文庫、1995年)/難しかった。三枝ノートといってよい。研究者の凄まじさがよくわかる。
103冊目『あべこべ感覚 役立つ初期仏教法話7』アルボムッレ・スマナサーラ(サンガ新書、2008年)/サンガ新書のスマナサーラ本は慣れてくると1時間ほどで読める。やや牽強付会な印象はあるが、相変わらず読ませる。
104冊目『ぼくは13歳 職業、兵士。 あなたが戦争のある村で生まれたら』鬼丸昌也、小川真吾(合同出版、2005年)/良書。ただし終わり方がよくないので必読書には入れず。読者を誘導しようとする魂胆が浅ましい。「自分は正しい」という感覚が目を見えなくする。たとえ目的が正しいものであったとしてもプロパガンダはプロパガンダである。コンゴの少年兵の悲惨と彼らが語る夢に心を打たれる。「チャイルド・ソルジャー」だから子供兵・児童兵が正しい訳語か。
2016-07-13
武田邦彦『現代のコペルニクス』 日本の重大問題(2)国の借金
・「腐敗した銀行制度」カナダ12歳の少女による講演
・30分で判る 経済の仕組み
・「Money As Debt」(負債としてのお金)
・武田邦彦『現代のコペルニクス』 日本の重大事(1)憲法改正
・武田邦彦『現代のコペルニクス』 日本の重大問題(2)国の借金
・『サヨナラ!操作された「お金と民主主義」 なるほど!「マネーの構造」がよーく分かった』天野統康
・『マネーの正体 金融資産を守るためにわれわれが知っておくべきこと』吉田繁治
・『〈借金人間〉製造工場 “負債"の政治経済学』マウリツィオ・ラッツァラート
尚、質疑応答は聴く必要なし。問いは単純であればあるほど深く突き刺さる。どのような問いを設定し得るかに知性が表れる。
2016-07-12
人間の営為が災害を増幅する/『人はなぜ逃げおくれるのか 災害の心理学』広瀬弘忠
・人間の営為が災害を増幅する
・『新・人は皆「自分だけは死なない」と思っている 自分と家族を守るための心の防災袋』山村武彦
・『人が死なない防災』片田敏孝
より豊かで快適な生活を求める人間の営為が、それまでそこにあった自然を変えていく。このようにして集積された自然に対する人為のインパクトが大きくなっていくと、反作用としての新しいタイプの災害が、次々と現われてくる。私たちは、それらに一つひとつ対応していかなければならないのである。いかに激しく自然が猛威をふるったとしても、そこに人間の営みがなければ災害はない。けれども、そこに人間の営みがあれば、とどまることなく不断に自然に働きかけるその営みそのものが、新たな災害の原因になりうるのである。効率化をはかるために、自然環境を無思慮に改造していくと、緩衝機能をうしなった大自然は、たとえわずかな変動であっても、それを増幅して私たちにかえしてくる。
【『人はなぜ逃げおくれるのか 災害の心理学』広瀬弘忠(集英社新書、2004年)以下同】
災害という概念そのものが人間の「勝手な都合」である。大地や海に悪意はないし、火や水に殺意があるわけでもない。人は死ぬ存在である。転んだり、血管が1本切れたり、餅が喉に詰まっただけでも死んでしまう。他人の死を呑気に眺めながら、自分の死を見失うのが我々の常である。
文明は農耕に始まり、近代に至るまで治水の攻防が続いた。川の氾濫を防ぎ、ダムを造ることで水をコントロールし、居住地域を拡大してきた。経済の発展を支えるのは道路である。私が子供の時分はまだ舗装されていない道路があったが、現在は路地でもない限り、ほぼアスファルトに覆われている。線路や高速道路も日本中に行き渡っている。
自然は長大な歳月をかけて少しずつ変化してゆくが、人間の営みは環境を一気に変えてしまう。抑えつけたエネルギーは蓄積する。自然を整備するという発想は人類の大いなる錯覚である。エントロピーは増大する。秩序は必ず無秩序へ向かうのだ。
それだけではない。ライン河を筆頭にヨーロッパの国際河川では、19世紀より水運の便宜と洪水対策のため、河川の蛇行部分を削り、まっすぐにする“整形工事”が行われてきた。流に“遊び”がなくなったため、かつてはゆっくりと流れていた大河の流速が、それまでの2倍にもなってしまったのである。そして川岸を堤防で固めたことによって、流域の氾濫原が洪水時の貯水機能をうしなってしまった。加えて、森林の乱伐と道路のアスファルト舗装によって、大地の保水力に頼ることができなくなってしまった。そのため、降った雨が、猶予なしに河川に流れこむことになったのである。ドイツ、フランス、ベルギー、オランダなどを毎冬のように襲う大洪水には、このような人為的な原因が関わっている。河川の改修や護岸の整備など、本来は防災を目的にした行為自体が、逆に洪水の脅威を増幅してしまったのである。
人類は平野を好む。土地が肥沃である上に住みやすい。日本の都市はどこも平野部にある。
・Googleマップ
北海道・四国・九州はドラッグせよ。
人間が造った人工物は自然の循環機能を阻害する。そして時に手痛いしっぺ返しを食らう。
東日本大震災の後に残ったものは瓦礫(がれき)の山と放射能であった。異変が起こっても自然はわずかな時間で修復する。人間がつくったものはゴミと化し、更なる人為を必要とする。
防波堤や防潮堤よりも、津波の感知システムにカネを掛けるべきだろう。地震を予知することはできないが、津波は何らかの形で観測可能だと思う。
後は逃げる能力を磨くだけだ。
2016-07-10
ブッダ以前に仏教はない/『つぎはぎ仏教入門』呉智英
・ブッダ以前に仏教はない
・『知的唯仏論』宮崎哲弥、呉智英
ところで、仏教のそもそもの宗祖は釈迦である。釈迦はその弟子や信徒たちと、どんな仏像を拝み、その前でどんなお経を唱えていたのだろうか。
ちょっと考えてみよう。釈迦以前に仏教はない。覚(さと)りを開いて仏陀(ぶっだ)となった釈迦が仏教の宗祖だからである。イエス・キリスト以前にキリスト教はない。イエスの教えがキリスト教である。キリスト教では神父や牧師が信徒たちと十字架の前に額(ぬか)ずくけれど、イエス自らが使徒たちと十字架に額ずいたことなどありえない。十字架上にあるのはイエスその人だからである。これと全く同じように、仏陀釈迦が弟子や信徒たちと仏像を拝んだことなどありえない。釈迦以前に仏教はなく、仏像はないからである。
【『つぎはぎ仏教入門』呉智英〈くれ・ともふさ〉(筑摩書房、2011年/ちくま文庫、2016年)】
気づくのは一瞬だ。「あ!」と思った途端に目から鱗が落ちる。少しずつ徐々に気づくということはない。呉智英〈くれ・ともふさ〉は儒者である。外側に立っていたからこそ仏教の本質が見えるのだろう。
ブッダ以前に仏教はなく、イエス以前にキリスト教はない。言葉の限界性を思えば、悟りから発せられた言葉であったとしても、言葉そのものは悟りではない。
念仏を発明した人は南無阿弥陀仏と唱えて悟ったわけでもないし、題目を編み出した人が南無妙法蓮華経と念じて悟ったわけでもない。
ブッダとは「目覚めた人」の謂(いい)であるが、ゴータマ・シッダッタ(パーリ語読み/サンスクリット語読みではガウタマ・シッダールタ)以前にもブッダと呼ばれる人々は存在した。つまり悟りの道は一つではないのである。尚、イエスの実在については多くの疑問があり確かな証拠がない。
理窟をこねくり回すのは悟っていない人々だろう。論者・学者は覚者ではない。ひとたび論理の網に搦(から)め捕られると、知識の重みに満足してニルヴァーナ(涅槃)から離れてゆく。
教団が形成されると教義と儀式の構築に傾いてゆく。ブッダの教えはシナを経て日本に至り信仰へと変質した。お経を読み、仏像やマンダラを拝む宗教になってしまった。
教義は死んだ言葉である。繰り返されるマントラ(真言)も生きた言葉ではない。
言葉はコミュニケーションの道具である。真のコミュニケーションは自我を打ち消す。そして言葉を超えた地点にまで内省が深まった時、世界を照らす光が現れるのだろう。瞑想とは思考を解体する営みだ。
教義を説く者を疑え。
2016-07-09
エキスパート・エラー/『新・人は皆「自分だけは死なない」と思っている 自分と家族を守るための心の防災袋』山村武彦
・『人はなぜ逃げおくれるのか 災害の心理学』広瀬弘忠
・集団同調性バイアスと正常性バイアス
・エキスパート・エラー
・『人が死なない防災』片田敏孝
・『無責任の構造 モラルハザードへの知的戦略』岡本浩一
・『最悪の事故が起こるまで人は何をしていたのか』ジェームズ・R・チャイルズ
・『生き残る判断 生き残れない行動 大災害・テロの生存者たちの証言で判明』アマンダ・リプリー
・『死すべき定め 死にゆく人に何ができるか』アトゥール・ガワンデ
・『失敗の科学 失敗から学習する組織、学習できない組織』マシュー・サイド
・『アナタはなぜチェックリストを使わないのか? 重大な局面で“正しい決断”をする方法』アトゥール・ガワンデ
・『集合知の力、衆愚の罠 人と組織にとって最もすばらしいことは何か』 アラン・ブリスキン、シェリル・エリクソン、ジョン・オット、トム・キャラナン
・『予想どおりに不合理 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」』ダン・アリエリー
9.11同時多発テロ事件発生時、世界貿易センタービルで勤務していたジョンソンさんのケースを見てみよう。55階のオフィスにはジョンソンさんを含め約10名のスタッフがいた。テロ発生後、彼らは、ビルの防災センターに電話をかけた。マニュアルでは災害や火災が発生したときは防災センターの指示に従うことになっていた。「我々はどうしたらいいのか」と尋ねると、警備員が出て「救助に行くから、待機していてください」と答えた。ジョンソンさんたちは待った。しかし煙がオフィスにまで迫ってきたので再度電話をすると「もう少し待ってください」。さらに煙は立ち込めて「これ以上ここにいるのは危険です」と言うと警備員は「それじゃ、すぐ非常階段で脱出してください」と言ったのだ。ジョンソンさんたちは愕然とした。直ちに脱出したがスタッフのうち4人は、命を落とした。自分たちで判断していれば、もう少し早く逃げていれば助かったと、ジョンソンさんは専門家の意見を信頼しすぎた自分を責めていた。
一般の人は、専門家が指示するとそれを疑わず信じてしまう。【専門家の言うことだからと依存しすぎることを「エキスパート・エラー」という】。
たとえ専門家といえども事故現場にいない以上、完全に正しい指示をくれるとは限らない。現場の情報は現場にいる人が一番把握しているはずである。だから、【生死に関わることは、自分の五感で確認した情報に基き、自分で意思決定をすることが重要】なのである。
【『新・人は皆「自分だけは死なない」と思っている 自分と家族を守るための心の防災袋』山村武彦(宝島社、2015年/宝島社、2005年『人は皆「自分だけは死なない」と思っている 防災オンチの日本人』改訂・改題)】
ここでいうところのエキスパート(専門家)とは安全管理責任者・消防・警察などと考えてよい。彼らは「動くな」と指示する傾向が強い。ところが大規模災害の場合、災害の全容と動向を把握することは極めて困難である。9.11テロの場合、世界貿易センタービル・ツインタワーが崩落することは誰も予測し得なかった。根強い陰謀説があるのもこれが原因となっている。
要は生きるか死ぬかという危機に際しては、専門家の権威を当て込むのではなく自らの責任で判断し、行動する他ないということだ。もちろんエキスパートですらエラーするわけだから、各人の判断も誤る可能性は高い。だが人生最後となるかもしれない選択を他人に委ねるか、自分が決めるかの差は大きい。
韓国旅客船セウォル号沈没事故(2014年)でも「動かないで下さい。動くと危険です。動かないで!」(CNN 2014-04-17)との指示が再三に渡ってアナウンスされた。助かったのは直ぐ動いた人々だった。乗員・乗客 476人のうち295人が死亡する大惨事となった。そのうち250人が修学旅行中の高校生であった(海外「韓国・セウォル号から生還した高校生のクラス写真が切なすぎる…」)。
災害に限らず専門家の言葉が当てになるのは平時のみである。経済学者やアナリストが経済危機を言い当てたことはない。専門家は事が起こった後で理屈をこねくり回すのが常だ。「わかったつもり」の専門家が一番怖い。
タイトルにある通り、人は皆「自分だけは死なない」と思っている。我々は「自分が死ぬ」という前提で物事を発想することができない。文明は死から目を背け、死を忌避することで発展してきた。現代社会においては死を目撃することすら稀(まれ)である。死は病院に封印され、社会から隔離している。
災害から学ぶといっても特別なことではない。日常生活の中から不注意を一掃することに尽きる。外へ出歩けば、いつ交通事故に遭ってもおかしくない。注意を払えば危険は至るところに見出すことができる。その意味で大東亜戦争を生き抜いた小野田寛郎〈おのだ・ひろお〉(『たった一人の30年戦争』)や坂井三郎(『父、坂井三郎 「大空のサムライ」が娘に遺した生き方』坂井スマート道子)から学ぶことは多い。
2016-07-08
集団同調性バイアスと正常性バイアス/『新・人は皆「自分だけは死なない」と思っている 自分と家族を守るための心の防災袋』山村武彦
・『人はなぜ逃げおくれるのか 災害の心理学』広瀬弘忠
・集団同調性バイアスと正常性バイアス
・エキスパート・エラー
・『人が死なない防災』片田敏孝
・『無責任の構造 モラルハザードへの知的戦略』岡本浩一
・『最悪の事故が起こるまで人は何をしていたのか』ジェームズ・R・チャイルズ
・『生き残る判断 生き残れない行動 大災害・テロの生存者たちの証言で判明』アマンダ・リプリー
・『死すべき定め 死にゆく人に何ができるか』アトゥール・ガワンデ
・『失敗の科学 失敗から学習する組織、学習できない組織』マシュー・サイド
・『アナタはなぜチェックリストを使わないのか? 重大な局面で“正しい決断”をする方法』アトゥール・ガワンデ
・『集合知の力、衆愚の罠 人と組織にとって最もすばらしいことは何か』 アラン・ブリスキン、シェリル・エリクソン、ジョン・オット、トム・キャラナン
・『予想どおりに不合理 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」』ダン・アリエリー
実験を集計すると以下のとおりだった。(中略)
つまり、【部屋に1人でいた場合は、全員が火災報知機が鳴ってからすぐドアを開けて何か起きていないか確認行動を起こしている。しかし、部屋に2人でいた学生は、1組だけが行動を起こし、ほかの部屋に2人でいた計6人は、火災報知機が鳴っても何の行動も起さず煙に気づいていから行動を起こしている】のである。食堂にいた学生に至っては3分の間、何の行動も起さなかった。
避難が遅れた部屋に2人でいた学生に聞くと「多分誤報か点検だと思っていた。【まさか火災とは思わなかった】」がほとんどだった。これは食堂にいた学生たちも同じような答えだったが【「皆いるから大丈夫だと思った」】という言葉が付け加えられていた。
緊急時、人間は1人でいるときは「何が起きたのか」とすぐ自分の判断で行動を起こす。しかし、複数の人間がいると「皆でいるから」という安心感で、緊急行動が遅れる傾向にある。これを【「集団同調性バイアス」】と呼ぶ。先の実験の食堂のように人間の数が多いと、さらにその傾向が強くなる。【集団でいると、自分だけがほかの人と違う行動を取りにくくなる】。お互いが無意識にけん制し合い、他者の動きに左右される。【自分より集団に過大評価を加えている】ことが読み取れる。結果として逃げるタイミングを失うことにもなりかねない。
【『新・人は皆「自分だけは死なない」と思っている 自分と家族を守るための心の防災袋』山村武彦(宝島社、2015年/宝島社、2005年『人は皆「自分だけは死なない」と思っている 防災オンチの日本人』改訂・改題)】
山村は「防災心理を知っているか知らないか、その違いが生死を分ける」と訴える。本書を読んでいれば東日本大震災を生き延びることができた人々もたくさんいたに違いない。読みながら痛恨の思いに駆られた。災害心理学は新しい学問だが、認知科学に基づいており信頼性は高い。生存者の手記やインタビューの多くは愚行と偶然性に支配されていて読めたものではない。単なる僥倖(ぎょうこう)から他人が学べることは耳かきほどもあるまい。
人は関係性の中で生きる動物であるため必ず他人からの影響を受ける。集団で生きることが進化的に有利であったとすれば集団に同調することは人間らしさといってよい。行列に連なり、流行のファッションを取り入れ、観光地を旅するのが大衆の姿である。納豆が健康によいとテレビ番組が告げれば、我々は慌ててスーパーに向かう。で、各店舗で納豆が品切れになった頃、番組の捏造(ねつぞう)が発覚するという寸法だ。
日常会話においても同調は明らかで、話が合う人同士は微細な体の揺れ(ダンス)が一致している。特に若い女性に顕著で双方が頷き合いながら「そうそう」と語る場面を時折目にする。
そして集団が大きくなればなるほど烏合の衆と化す。一人ひとりの役割が小さくなり無責任になるためだ。
「逃げる」という行為は非日常的である。そこに躊躇(ためら)いが生じる。日本人の場合、みっともないという価値観も混入する。一瞬の遅れが取り返しのつかない過ちとなる。
加えて、非常時には「こんなことは起こるはずがない」と捉え、現実ではなくヴァーチャルではないかと考える【「正常性バイアス」】が働くことがある。韓国の地下鉄火災に巻き込まれた人々は口々に「まさか火災だとは思わなかった」「みんながじっとしているので自分もじっとしていた」と話していた。まさに、正常性バイアス、多数派同調バイアスに捉われていたものと思われる。
韓国で起こった大邱(テグ)地下鉄放火事件(2003年2月18日)では立ち込める煙の中でじっと座り続けている乗客の姿が撮影されている。
思考が日常の延長線上から抜け出ることは難しい。しかも五官が捉えるのは部分情報である。全体情報は神の視点に立たなければ見えない。スポイルされた空間は安心感を生む。東日本大震災ではクルマで逃げてそのまま流された人々が多かった。建物や乗り物が認知を歪める。大邱地下鉄放火事件では192人が死亡した(再現動画)。
人間の知覚には歪み(バイアス)がある。集団同調性バイアスと正常性バイアスは何も災害に限ったことではない。人間関係が濃いコミュニティほどバイアスは強くなることだろう。例えば運動部のしごきや集団暴行、マルチ商法グループの暴走、宗教組織の反社会性など。またあらゆるハラスメントは距離の近い人間に対して行われる。
異常な集団に身を置けば異常であることが正常となる。そして異常なコミュニティには必ず強い同調圧力がある。出来るだけ多くのコミュニティに所属することが望ましいが、もっと手っ取り早いのは異なる価値観を知ることである。その意味で人と会うことと読書は最大の武器となる。
『春秋左氏伝』に「安(やす)きに居(お)りて危(あやう)きを思う。思えば則ち備え有り、備え有れば患(うれ)い無し」とある。備えるとは注意を払うことだ。災害心理学を学ぶことは、安きにいて危機を思うことに通じる。
・「戦うこと」と「逃げること」は同じ/『逃げる力』百田尚樹
2016-07-05
1億円を超えると所得税は下がる/『タックス・ヘイブン 逃げていく税金』志賀櫻
・『マネーロンダリング入門 国際金融詐欺からテロ資金まで』橘玲
・『タックスヘイブンの闇 世界の富は盗まれている!』ニコラス・シャクソン
・1億円を超えると所得税は下がる
・『資本主義の終焉と歴史の危機』水野和夫
最初に、この図序-1を見てほしい。これは日本の納税者の税負担率を所得金額別に表したグラフである。このグラフは、日本の所得税制度には見過ごすことのできない不公平があることを示している。見るとわかるように、日本の所得税負担率は、所得総額が1億円を超えると低下していくのである。
これはどういうことであろうか。日本の所得税制は累進課税を採用している。ならば、このグラフは、所得額の増加にともない右肩上がりになるはずである。ところが、実際はそうではない。1億円の28.3%をピークにした山型のグラフになっているのである。これは、所得金額が1億円を超えると、日本の所得税は「逆進的」なものに変わることを示している。100億円にいたっては13.5%にまで下がる。
年間の所得金額が100億円とは、普通の市民の感覚からすれば、およそ想像を絶する額である。しかし、現実にそういう高額所得者が日本にも存在する。多くは株式の売却による所得だが、現在の日本の税制によれば、そうした所得に対しては特別措置が適用される。グラフの低下は、その効果によるものである。
【『タックス・ヘイブン 逃げていく税金』志賀櫻〈しが・さくら〉(岩波新書、2013年)】
以下の所得税負担率がほぼ同じグラフである。1億円を境に下がり始め、100億円超で17%の負担率となっている。
もう一つ興味深いグラフを紹介しよう。
株式譲渡所得とは売却益(キャピタルゲイン)のことである。このグラフは縦長に作ることで意図的に衝撃を煽っている。2003年から時限措置として証券優遇税制(株式譲渡益・配当金・投資信託売却益・投資信託分配金に対する税率が一律10%)が導入された。二つのグラフはこれに基づく。同税制は民主党政権時にも引き継がれ、2013年に廃止された。投資で得た利益には20%の課税となっているが、株式譲渡所得と先物取引に係る雑所得等に分かれていてややこしい。外為(FX)は後者となるが、2012年の法改正までは、くりっく365=申告分離課税20%、店頭=総合課税(累進課税)という不平等があった。くりっく365業者は官僚の天下りを受け入れていたので優遇されていた。
つまり2013年までは高額所得者に有利な税制が布(し)かれていたと覚えておけばよい。また2015年からは課税所得金額4000万円超という最高区分が設けられ税率は45%となった。ざまあみろと言ってるわけにもゆかない。「年収1000万円超の給与所得者の数は全体の4%しかいないが、所得税の税収に占める割合は46%に達する。全体の4%に過ぎない高額所得者が、所得税の約半分を支払っている」(高額所得者の税負担が増加。今後もこの傾向が続くのか?)のだから。
一つ思考実験をしてみよう。ある日突然100億円の遺産を相続することとなった。6億円超の税率は55%で控除額を差し引いても50%前後は失ってしまう。さて、あなたはどうするか? 当然、弁護士・税理士に相談することだろう。で、財団法人の設立となる。資産家が経営者や政治家であるのには理由がある。相続税の回避だ。株式会社や政治資金団体というトンネルを通して彼らは甘い汁を吸い続ける。
ただし、相続税廃止論にも相続税100%論にも一定の根拠があって一筋縄ではゆかない。
公共支出の大幅削減にロンドンで50万人が抗議デモ | Democracy Now! https://t.co/O3qr1MksNB
— 小野不一 (@fuitsuono) 2016年7月3日
行き過ぎた不平等が社会に混乱を生む。国家が末永く繁栄するためには国民を幸福にする必要がある。政治家諸兄は貧困が国家を破壊すると心得るべきだ。
2016-07-04
セイコークロック - 目覚まし時計 PYXIS RAIDEN の修理依頼
セイコークロックの目覚まし時計が直ぐ壊れる。当たり前だが保証書をしっかり保存しておくこと。アナログの方は1年経たない内にベルが鳴らなくなった。当時、デジタルからアナログへ換えたため、枕元に置くと針の音が気になって仕方がなかった。続いてデジタルを購入したのだが、8ヶ月目で液晶表示が消えた。電池交換をして電波受信のスイッチを押したところ再び液晶が消えた。何度も電池を入れ替えてみたがご臨終のようにしか見えなかった。
保証期間内の修理依頼についてメモしておく。
amazonの返品受け付け期間は保証期間よりも短い。まず以下に電話をする。
セイコークロックお客様相談室 0120-315-474 受付時間:9時30分~17時30分(土日祝祭日は休業)
「一旦、電池を外して乾いた布で拭いて下さい。次に電池を入れてクルクル回して下さい」と告げられる。故障が明らかな場合、【番号】を伝えられるので、送り状の備考欄に書き込む。
送り先:491-0364 愛知県一宮市萩原町中島字流3-1 佐川急便内セイコークロック・サービスステーション
保証書と納品書(ない場合はamazonサイトからダウンロード印刷)を同封し、「時計、ワレモノ注意」と書く。宅配業者はどこでも構わない。ゆうパックでも可。【送料着払い】で送る。緩衝材がなかったので私は古いタオルでグルグル巻きにして送った。尚、「修理には2~3週間ほど要する」とのことだったが1週間ほどで戻ってきた。結局、製品交換となった。
目覚まし時計が一つしかなかったので止むを得ず安物を購入した。ところが意外にもこれがスグレモノ。音量はライデンより小さいが、目覚ましとしては十分である。しかも電波時計で1000円は安すぎる。購入金額2000円以上でないと送料が無料とならないので靴下を一緒に注文した。
セイコークロックの目覚まし時計はオススメできない。かつて家電製品は10年持つと言われたが、コスト削減が様々な陰を製品に落としているのだろう。
2016-07-03
デュポン一族の圧力に屈したデラウェア州/『タックスヘイブンの闇 世界の富は盗まれている!』ニコラス・シャクソン
・『マネーロンダリング入門 国際金融詐欺からテロ資金まで』橘玲
・アンシャン・レジームの免税特権
・多国籍企業は国家を愚弄し、超国家的存在となりつつある
・デュポン一族の圧力に屈したデラウェア州
・『タックス・ヘイブン 逃げていく税金』志賀櫻
アメリカで2番目に小さい州、デラウェアは、世界最大手の企業の多くにとって生まれ故郷である。タックスヘイブンの通常の定義――税制を重視する定義――では、デラウェアはオフショア・システムには含まれないが、この地で重要なことが起きているのは明らかだ。アメリカの株式公開企業の半数以上、フォーチュン500社の3分の2近くが、この州の法人であり、2007年にアメリカで上場した企業の90パーセント以上がこの小さな州に登記している。これらの企業はデラウェアに本社を置いているわけではない。そこで法人化されただけであり、これはつまりはデラウェア州の法律に従って社会の仕組みが築かれているということだ。
【『タックスヘイブンの闇 世界の富は盗まれている!』ニコラス・シャクソン:藤井清美訳(朝日新聞出版、2012年)以下同】
「世界最悪のタックスヘイブンはアメリカにある」との声もある。
デラウェア州の会社法(州法)は極めて著名である。他州に比べ、会社の設立や解散が容易で、多くの判例があるため裁判が予測可能などといった特徴を持つ。
そのため、州外で事業活動をする会社でも、同州に登記上の本社を置くことが多い(会社設立における法律回避を参照)。また、小さな州にも拘らず、ニューヨーク証券取引所で上場している会社の半数以上、フォーチュン500に載る会社の63%はデラウェア州の会社法に準拠して設立されていると言われる。法人税で州歳入の5分の1が挙げられている。
例えば、世界最大の化学会社であるデュポンの米国法人、日本アイ・ビー・エムの親会社であるIBMワールド・トレード・コーポレーション(米IBMではない)、生命保険会社のアメリカン ライフ インシュアランスカンパニー(アリコ)の本社など、多くの有名企業がデラウェア州法により設立されている。
【Wikipedia > デラウェア > 法人の州】
租税よりも法律リスクの回避が重んじられていることがわかる。法律も所によってはルールが変わるという現実が恐ろしい。そして楽園のコストは最終的に国民に付け替えられる。一般人は租税を回避することができない。
1899年、デラウェア州政府は、巨大な化学事業を法人化したいと考えていたデュポン一族の圧力を受けて、「一般会社法」と呼ばれる新しい寛容なビジネス規定を制定した。そこには、企業の力が大になりつつある時代の自由放任的な精神が反映されていた。この法規が意味するところは、デラウェアでは、企業経営者は他の利害関係者を犠牲にして自分のやりたいことをする大きな自由を持つことができる、ということだった。デラウェア州は、株主や他の利害関係者が救済措置を得るのをとくに難しくしている。(中略)
企業は、かつては公共の利益に役立つための手段とはっきりみなされていた。だが、デラウェアはその考えを捨て去って、デラウェアのある公文書が「断然、自由のきく民間企業モード」と表現しているものを採用した。このモードでは、企業や個人がそれぞれ自分の目標を追求し、政府は、公共の利益は自動的に増大するという想定のもとで、脇に追いやられている。これは企業に対する姿勢の微妙ながら根本的な変化だった。
デュポンはフランス系のアメリカ財閥だ。ま、ケミカル(化学)企業・石油産業・製薬会社は悪の巣窟と考えてよかろう。巨大資本が必要なため新規参入が難しい。軍需とも深く関わっている。日本人はアメリカを政治的に成熟した社会と思いがちだが実態は異なる。企業や業界、各種団体が力任せに利益を奪い合う世界だ。インディアンを虐殺して土地を奪い、黒人奴隷で利益を上げてきた伝統は脈々と受け継がれている。
先日、イギリスがEUから離脱した。タックスヘイブンは一種の植民地主義でイギリス領に多い。シティが金融センターとしての機能を失うかどうかが注目される。
ユーロ建て金融取引についてはEU域内であるパリやフランクフルト、ダブリン等に業務の拠点を移転すると思われる。/EU離脱で危機に瀕するロンドン国際金融センター~7万人の雇用が英国から移転し、バーゼル規制の行方にも影響か~ https://t.co/F46Gvli95i
— 小野不一 (@fuitsuono) 2016年7月3日
やはり英仏独が歩調を揃えることは難しいのだろう。ヨーロッパの平和は絵に描いた餅だ。白人は常に争ってきた。自分たちが滅びるまで争い続けるに違いない。
2016-07-02
多国籍企業は国家を愚弄し、超国家的存在となりつつある/『タックスヘイブンの闇 世界の富は盗まれている!』ニコラス・シャクソン
・『マネーロンダリング入門 国際金融詐欺からテロ資金まで』橘玲
・アンシャン・レジームの免税特権
・多国籍企業は国家を愚弄し、超国家的存在となりつつある
・デュポン一族の圧力に屈したデラウェア州
・『タックス・ヘイブン 逃げていく税金』志賀櫻
多国籍企業がオフショアを利用して税金をゼロにするのは、政府が対抗措置をとるのでたいてい容易ではないが、これは政府が負けるに決まっている戦いだ。イギリスの会計検査院が2007年に行った調査によると、イギリスの大手700社の3分の1が、金融ブームに沸いた前年度にイギリスではまったく税金を払わなかった。『エコノミスト』誌は1999年に、独自の調査に基づいて、ルパート・マードックの肥大化したニューズ・コーポレーションに適用されている税率はわずか6パーセントだと推定した。このような移転価格操作ができることが、多国籍企業が多国籍企業という形をとっている最も重要な理由の一つであり、より小規模な競争相手より通常速いペースで成長する理由の一つでもある。グローバル多国籍企業の力を危惧している人は、この点に注意を払うべきだろう。
【『タックスヘイブンの闇 世界の富は盗まれている!』ニコラス・シャクソン:藤井清美訳(朝日新聞出版、2012年)】
アメリカの法人税率は35%だが税逃れをしたアップル社は2%の税金しか払っていなかった。スターバックスに至っては無税である。バンク・オブ・アメリカ、モルガンスタンレー、ファイザーは5年間にわたって納税ゼロだった(日本の大企業・富裕層はタックスヘイブンで世界第2位の巨額な税逃れ、庶民には消費税増税と社会保障削減)。
各国法人税(2009年)。 pic.twitter.com/07F2D8eQFZ
— 小野不一 (@fuitsuono) 2016年7月2日
多国籍企業は国家を愚弄し、超国家的存在となりつつある(『ザ・コーポレーション(The Corporation)日本語字幕版』)。国家が法人をコントロールできないのであれば、次なる革命を起こすのはクラッカーであろう。
被害者は銀行なのか?/東京新聞:コンビニATMで14億円不正引き出し 2時間余で1400台 偽造カードか:経済(TOKYO Web) https://t.co/QMEth3LdKO
— 小野不一 (@fuitsuono) 2016年5月23日
マネーはデジタル化され実体が見えない。米騒動のように銀行を襲ったとしても、そこには一部の現金しか存在しない。バンカメの純利益は26億8000万ドル(2016年 1-3月期決算)である。鼠小僧の手に負える金額ではない。
富の集中はやがて訪れるであろう大量死を予兆する。税の公平性が失われれば、エネルギーと食糧の分配にも偏りが生じる。持てる者はますます富み、持たざる者はどんどん奪われる。
人類のコミュニティを考えた場合、果たして国家に軍配が上がるのか、それとも企業が勝つのか――その岐路に立たされている。
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